インハウスローヤー(企業内弁護士)の年収は750万〜1250万円|年齢や経験年数で徹底比較
インハウスローヤー(企業内弁護士)の年収は750万〜1250万円|年齢や経験年数で徹底比較

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インハウスローヤー(企業内弁護士)とは、企業の従業員や役員となって業務にあたる弁護士のことを言います。

一般的には法務部に配属され、企業法務や知財関連、コンプライアンスの業務にあたることが多いです。

法律事務所に在籍する弁護士よりも安定した生活を送れる可能性が高く、毎月決まった給料が支払われる安心感があります。

しかし、その年収は一体どのくらいなのでしょうか。せっかく難関の司法試験やさまざまな課題をクリアしたのですからしっかり稼ぎたいという気持ちもあるでしょう。

本記事では、インハウスローヤーの年収のデータを解説していきます。

目次
  1. インハウスローヤーの平均年収は750万〜1250万円
  2. 【年齢別】インハウスローヤーの年収
  3. 【経験年数別】インハウスローヤーの年収
  4. 【業種別】インハウスローヤーの年収
  5. 【役職別】インハウスローヤーの年収
  6. インハウスローヤーと法律事務所の年収を比較
  7. 給与・働き方で見るインハウスと法律事務所の違い
  8. インハウスローヤーが年収を上げるための5つの戦略
  9. インハウスローヤーに求められるスキル
  10. 法律事務所からインハウスローヤーへ転職するには
  11. まとめ

インハウスローヤーの平均年収は750万〜1250万円

インハウスローヤーの年収は、750万〜1250万円がボリュームゾーンですが、250万〜5000万円以上と非常に幅広く点在しています。

日本組織内弁護士協会(JILA)では定期的にアンケート結果が公開されており、アンケート結果の過去推移を見てみると、インハウスローヤーの年収分布はほとんど変わらず変動が少ないことが分かります。

年収 2020年(人) 2021年(人) 2022年(人) 2023年(人) 2024年(人)
250万円未満 0 0 0 0 0
250万円〜500万円未満 10 15 3 6 3
500万円〜750万円未満 62 92 48 27 38
750万円〜1000万円未満 78 113 70 50 55
1000万円〜1250万円未満 63 76 64 42 65
1250万円〜1500万円未満 21 33 29 27 40
1500万円〜2000万円未満 22 28 23 20 32
2000万円〜3000万円未満 11 22 17 20 23
3000万円〜5000万円未満 6 12 8 9 14
5000万円以上 3 5 3 3 7

【参考】日本組織内弁護士協会│企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2024年3月実施)

国税庁の民間給与実態調査によると、日本人の令和6年分の平均給与は478万円、令和5年分は460万円と公表されています。

そのことを考慮するとインハウスローヤーの年収は決して安くはないでしょう。

【年齢別】インハウスローヤーの年収

年齢によってインハウスローヤーの年収帯は明確に変化します。

JILAが2024年8月に実施した男女別年収アンケート(有効回答311件)のデータをもとに、年齢帯ごとの傾向を解説します。

年齢帯 最多年収帯(男性) 最多年収帯(女性)
20代・30代 750万〜1000万円未満(32.9%) 500万〜750万円未満(40.6%)
40代 1000万〜1250万円未満(36.6%) 1000万〜1250万円未満(30.0%)
50代以上 1500万〜2000万円未満(22.2%) 1250万〜1500万円未満(26.9%)

【参考】日本組織内弁護士協会「組織内弁護士の男女別年収アンケート集計結果(2024年8月実施)」

30歳未満の年収|500万〜750万円

30歳未満のインハウスローヤーは、司法修習を終えて間もない若手が中心です。

年収のボリュームゾーンは500万〜750万円前後で、男女ともにこの帯への集中度が高くなっています。

法律事務所に就職した同期と比べると初任給はやや低い傾向がありますが、福利厚生や安定した勤務時間を考慮すると、ワークライフバランスとの総合的なバランスは決して悪くありません。

なお、司法修習直後にインハウスに入社する場合の初任給は、企業規模にもよりますが400万〜600万円程度が一般的な水準です。

30代の年収|750万〜1250万円

30代になると経験の蓄積とともに年収帯が大きく広がります。

男女別に見ると、20代・30代の男性では「750万〜1000万円未満」が32.9%で最多、女性では「500万〜750万円未満」が40.6%で最多となっており、同じ年代でも性別による差が見られます。

30代はインハウスとしてのキャリアの方向性が定まる時期であり、M&Aや国際法務などの専門領域で実績を積んだ人は1250万円を超えるケースも出てきます。

40代以上の年収|1000万〜2000万円超

40代のインハウスローヤーは管理職に就いている割合が高く、年収1000万〜1250万円がボリュームゾーンです。

40代男性では同帯が36.6%で最多、女性でも30.0%で最多となっています。

50代以上になるとさらに年収帯が上昇し、男性では1500万〜2000万円(22.2%)や2000万〜3000万円(16.7%)のゾーンに多くの回答が分布します。

50代以上の女性でも1250万〜1500万円(26.9%)が最多層となっており、長くキャリアを積んだインハウスローヤーの報酬水準の高さがうかがえます。

【経験年数別】インハウスローヤーの年収

年齢と並んで年収に大きな影響を与えるのが、弁護士としての経験年数です。

JILAのアンケートでは経験年数別のクロス集計も公開されており、キャリアのステージごとに年収がどう変化するかが明確にわかります。

経験年数 最多年収帯 その帯の割合
5年未満 500万〜750万円未満 約45%
5年〜10年未満 750万〜1000万円未満 約38%
10年〜15年未満 1000万〜1250万円未満 約37%
15年〜20年未満 1000万〜1250万円未満 約39%
20年以上 2000万〜3000万円未満 約47%

【参照】日本組織内弁護士協会「企業内弁護士に関するアンケート集計結果(2022年3月実施)」別紙①

経験5年未満|500万〜750万円

弁護士登録から5年未満の若手層では、「500万〜750万円未満」が最多で約45%を占めます。

次いで「750万〜1000万円未満」が約31%で、この2帯で約75%以上をカバーしています。

1000万円以上は全体の約10%程度にとどまるため、入社してすぐに高額年収を得ることは難しいのが実態です。

経験5年〜10年未満|750万〜1250万円

経験が5年を超えるとボリュームゾーンが上にシフトし、「750万〜1000万円未満」が約38%で最多となります。

「1000万〜1250万円未満」も約21%に達し、この2帯で半数以上を占めます。

いわゆるミドル層にあたるこの時期は、企業法務の実務力が評価されて昇給や昇格が進むタイミングです。

転職によって年収を引き上げるケースも多く、このフェーズでの選択がその後の年収カーブに大きく影響します。

経験10年〜15年未満|1000万〜1500万円

経験10年を超えるとボリュームゾーンが「1000万〜1250万円未満」に移り、約37%がこの帯に集中しています。

「1250万〜1500万円未満」が約17%、「1500万〜2000万円未満」が約16%を占めるなど、高額帯への広がりも見られます。

管理職に昇進している人も多く、チームマネジメントの経験や専門分野での実績が年収に直結する段階です。

経験15年以上|1250万〜2000万円超

弁護士経験15年以上のシニア層では年収が大きく跳ね上がります。

15年〜20年未満の層では「1000万〜1250万円未満」が約39%で最多ながら、「1500万〜2000万円未満」が約17%、「2000万〜3000万円未満」が約11%と、高額帯の比率が急増します。

20年以上のベテラン層になると分布が一変し、「2000万〜3000万円未満」が約47%、「3000万〜5000万円未満」が約40%、「5000万円以上」が約13%と、回答者のほぼ全員が年収2000万円以上に達しています。

ただし、経験20年以上の回答者数は限られるため、役員・ゼネラルカウンセルなど上位ポジションに就いている人が回答の中心と考えられます。

【業種別】インハウスローヤーの年収

企業の業種によってもインハウスローヤーの年収水準は大きく異なります。

JILAのアンケートでは、主にメーカー、金融、IT、その他の4業種で集計されています。

業種 回答者割合 最多年収帯 その帯の割合
メーカー 36.8% 750万〜1000万円未満 28.6%
金融 15.5% 1000万〜1250万円未満 33.3%
IT 15.5% 750万〜1000万円未満 29.7%
その他 32.1%

【参照】日本組織内弁護士協会「企業内弁護士に関するアンケート集計結果(2022年3月実施)」別紙②

メーカーの年収

メーカー(家電・自動車・化学・医薬品・機械等)はインハウスローヤーの最大の受け皿であり、回答者の約37%を占めます。

年収のボリュームゾーンは「750万〜1000万円未満」(約29%)と「1000万〜1250万円未満」(約24%)です。

500万〜750万円の層も約23%と一定数存在しており、年収の分布はやや低めに寄る傾向があります。

大手メーカーは福利厚生(社宅・家族手当・退職金制度等)が充実しているため、額面年収だけでは測れない待遇の良さがある点に留意が必要です。

金融(銀行・証券・保険)の年収

金融業界のインハウスローヤーは、メーカーと比較して年収帯がワンランク上にシフトします。

最も多いのが「1000万〜1250万円未満」で約33%を占め、次いで「1250万〜1500万円未満」が約18%、「1500万〜2000万円未満」が約12%と続きます。

500万〜750万円の層は約10%にとどまっており、金融業界の報酬水準の高さがインハウスローヤーにも反映されています。

規制対応やコンプライアンスの専門性が強く求められるため、それに見合った報酬が設定されている背景があります。

IT・テック系企業の年収

IT業界のインハウスローヤーは「750万〜1000万円未満」が約30%で最多ですが、年収帯の上下への分散が大きいのが特徴です。

500万〜750万円に約16%、1000万〜1250万円に約22%と、メーカーと金融の中間的な分布を示します。

スタートアップやベンチャー企業ではベース年収が抑えめでもストックオプション(SO)が付与されるケースがあり、額面年収だけでは比較しにくい面があります。

IPOに成功すればSOの価値が大幅に上がるため、リスクを取れる人にとっては年収以上のリターンが見込める業界です。

外資系企業の年収

JILAのアンケートには「外資系」という業種カテゴリはありませんが、男女別年収アンケートや転職市場のデータを総合すると、外資系企業のインハウスローヤーは日系企業と比べて年収が100万〜300万円程度高い傾向があります。

特にリーガルカウンセル(課長〜部長相当)やゼネラルカウンセル(法務トップ)のポジションでは年収1500万〜3000万円が一般的で、グローバル企業のリーガルディレクタークラスになると3000万円を超えるオファーも珍しくありません。

ただし成果主義が徹底されており、日系企業のような年功序列型の昇給は期待しにくい点には注意が必要です。

【役職別】インハウスローヤーの年収

同じ企業内弁護士でも、社内でのポジションによって年収は大きく異なります。

JILAのアンケートではポジション別の年収分布も集計されています。

ポジション 回答者割合 最多年収帯 その帯の割合 年収1000万円以上の割合
一般従業員 38.7% 500万〜750万円未満 37.3% 約26%
管理職 52.0% 1000万〜1250万円未満 33.1% 約74%
役員・GC 9.4% 2000万〜5000万円 約59% 100%

【参照】日本組織内弁護士協会「企業内弁護士に関するアンケート集計結果(2022年3月実施)」別紙②

一般従業員(スタッフ)の年収

一般従業員として法務・知財・コンプライアンス部門に所属するインハウスローヤーでは、「500万〜750万円未満」が最多で約37%、次いで「750万〜1000万円未満」が約34%です。

この2帯で約7割を占めており、1000万円を超えるのは約2割強にとどまります。

一般従業員レベルでは弁護士資格を持っていても企業の給与テーブルの制約を受けるため、法律事務所のように個人の業績が直接年収に反映されにくいという特性があります。

管理職(課長・部長)の年収

管理職ポジションに就くと年収帯は明確に上昇します。

最多は「1000万〜1250万円未満」で約33%、次いで「750万〜1000万円未満」が約23%、「1250万〜1500万円未満」が約16%、「1500万〜2000万円未満」が約15%と続きます。

管理職全体で見ると、約7割以上が年収1000万円を超えている計算です。

一般従業員と管理職のボリュームゾーンの差は約250万〜500万円あり、インハウスの世界では「管理職になれるかどうか」が年収を決定づける最大の分岐点と言えます。

役員・ゼネラルカウンセルの年収

役員やゼネラルカウンセル(GC)に就任すると年収は飛躍的に上がります。

「2000万〜3000万円未満」と「3000万〜5000万円未満」がそれぞれ約29%を占め、「5000万円以上」も約12%に達しています。

年収1000万円未満の回答者はゼロであり、このポジションに到達すれば大手法律事務所のパートナーに匹敵する報酬を得ることが可能です。

ただし、役員・GCになれるのは回答者全体の約9%に過ぎず、狭き門であることは間違いありません。

企業の法務トップとして経営層に法的助言を行う立場であるため、法務の専門性だけでなく経営感覚やリーダーシップも問われます。

インハウスローヤーと法律事務所の年収を比較

インハウスローヤーと法律事務所勤務の弁護士との年収を比較してみましょう。

インハウスローヤーになるか、法律事務所勤務になるか、悩んだら参考にしてみてください。

四大・五大法律事務所との比較

四大・五大法律事務所の場合、水準はほとんど同じで入社1年目は1100万円ほど、入社5年目は高いと2000万円に到達すると言われています。

中小規模事務所よりはるかに高い年収です。

ただし、四大・五大法律事務所に入社するのは非常に狭き門です。

弁護士全体(2025年12月1日現在)約4.7万人規模です。

そのうち大手四大・五大法律事務所に在籍できるのは合計して約1800人だけです。

優秀な弁護士でないと採用されないので、法科大学院・司法試験・司法修習で常に優秀な成績を残したいところですね。

中小規模の法律事務所との比較

中規模法律事務所ですと、600万円スタート、経験2年目から1000万円ほどになる事務所が目安になっています。

ただし、地域や規模によって差があるのであくまでも参考程度に留めていただきたいです。

中規模法律事務所でも、初年度から800万円以上の年収が出るところもあれば、300万円ほどで渋るところもあります。

小規模事務所、いわゆる町弁の年収は減少傾向にあります。

かつては、年収2000万円~3000万円というのも可能でしたが、今ではそうはいかなくなっています。

近年の弁護士増加により、少ないケースだと年収300万円もいるほど。

しかし、それはまれなケースで、都心から離れれば年収400万円〜900万円前後が多いです。

独立・開業弁護士との比較

独立・開業した弁護士の年収には差がありますが、平均年収は、約1400万円と言われています。

インハウスローヤーや法律事務所勤務よりさらに収入アップを目指せるわけです。

しかし、独立・開業するとなると、顧客獲得も営業も自分でどうにかしないといけないので苦労が増えます。

労力と年収が釣り合っているかどうかも判断材料にしたいところです。

給与・働き方で見るインハウスと法律事務所の違い

年収だけでなく、働き方全体を比較することでインハウスという選択肢の本質が見えてきます。

年収は下がるのか?実態を解説

「法律事務所からインハウスに転職すると年収が下がる」と言われますが、これは四大・五大法律事務所から転職する場合には概ね正しい指摘です。

一方で、中小事務所からインハウスに転職する場合は年収が維持もしくはアップするケースも多く、一概に「下がる」とは言えません。

特に近年は企業側が弁護士人材の獲得競争を意識し、法律事務所と遜色ない報酬を提示するケースも増えています。

勤務時間とワークライフバランス

2024年3月のJILAアンケートによると、インハウスローヤーの1日の平均勤務時間は以下のとおりです。

平均勤務時間 人数(人) 割合(%)
8時間未満 38 13.7
8時間~9時間未満 110 39.7
9時間~10時間未満 82 29.6
10時間~12時間未満 37 13.4
12時間~14時間未満 9 3.2
14時間以上 1 0.4

【参考】日本組織内弁護士協会│企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果(2024年3月実施)

約半数以上が9時間未満で勤務しており、土日祝日の勤務についても「ほとんどない」が78.3%を占めています。

勤務先を選んだ理由として「ワークライフバランスを確保したかったから」が62.1%で最多となっていることからも、インハウスの働きやすさが最大の魅力であることがわかります。

福利厚生・安定性の違い

インハウスローヤーは企業の正社員として雇用されるため、社会保険・退職金・住宅手当・育児休業制度など、法律事務所では得にくい福利厚生を享受できます。

弁護士会費についても約87%の企業が負担しており、年間数十万円の自己負担が軽減されるのは大きなメリットです。

「収入を安定させたかったから」を転職理由に挙げた回答者も30.3%に上っています。

項目 インハウスローヤー 法律事務所(中小)
社会保険 完備 事務所による
退職金制度 あり(大手企業) ないケースが多い
住宅手当・社宅 ありの企業も多い ほぼなし
弁護士会費負担 87.4%が所属先負担 自己負担が一般的
育児休業制度 法定以上の企業も 制度が未整備の場合あり

インハウスローヤーが年収を上げるための5つの戦略

インハウスとして年収を最大化するには、漫然と勤務するのではなく戦略的にキャリアを設計する必要があります。

企業内で管理職・役員ポジションを目指す

アンケートデータが示すとおり、一般従業員と管理職の年収差は平均で250万〜500万円、管理職と役員・GCの差はさらに大きくなります。

法務部門内での昇進はもちろん、コンプライアンス部門や経営企画への異動を通じてマネジメント経験を積み、役員候補として認められるキャリアパスを描くことが年収アップの王道です。

専門性の高い領域(M&A・知財・国際法務)を極める

企業が高い報酬を払ってでも確保したいのは、替えの利かない専門人材です。

M&A、知的財産、データプライバシー(GDPR等)、国際仲裁といった高度な領域でのトラックレコードを持つインハウスローヤーは、社内での評価はもちろん、転職市場でも高い年収オファーを引き出しやすくなります。

外資系企業へ転職する

外資系企業のインハウスポジションは、日系企業と比べて年収レンジが100万〜300万円以上高い傾向があります。

特にリーガルカウンセルやリーガルディレクターのポジションでは1500万〜3000万円が相場であり、日系大手の管理職年収を大きく上回ることが可能です。

英語力と国際法務の経験が必須となりますが、年収アップのインパクトは転職戦略の中でも最大級です。

ストックオプション付きベンチャーに参画する

IT系やバイオ系のスタートアップでは、ベース年収はやや控えめでもストックオプション(SO)が付与されるケースがあります。

IPOやM&Aエグジットに成功した場合、SOの価値が数千万円〜数億円に達することもあり、ベース年収だけでは計れないリターンが見込めます。

リスクを許容できる人にとっては、年収2000万円超の世界に一気に到達する可能性を秘めた選択肢です。

英語力を武器にクロスボーダー案件を担当する

アンケートでは約42%のインハウスローヤーが外国語を用いる業務を「10%未満」と回答しており、英語を日常的に使える人材は依然として希少です。

英語での契約交渉やGDPR対応、海外子会社のガバナンス支援ができるインハウスローヤーは市場価値が高く、同じ経験年数・年齢でも英語力の有無で年収に100万〜200万円以上の差がつくことがあります。

インハウスローヤーに求められるスキル

また、インハウスローヤーに求められるスキルがあります。

さまざまなスキルがあるとよいに越したことはないのですが、特に必要な3つのスキルについて解説します。

企業法務の実務経験

契約書の審査・ドラフト、株主総会や取締役会の運営支援、コンプライアンス対応など、企業法務の基本的な実務経験は前提条件です。

特にM&Aや知的財産、規制対応など特定分野での経験があると、採用時の評価が大きく上がります。

法律事務所での企業法務経験があればなお有利ですが、JILAのアンケートでは約35%のインハウスローヤーが法律事務所での勤務経験なしと回答しており、企業からの直接入社も十分に可能なルートです。

コミュニケーション力・社内調整力

インハウスローヤーは事業部門の社員や経営陣と日常的にやり取りし、法的リスクをビジネスの文脈でわかりやすく伝える必要があります。

法律の専門用語を並べるだけでなく、事業判断に資する形でアドバイスを提供する「翻訳力」が求められます。

社内の複数部門の利害を調整するファシリテーション能力も、管理職以上を目指すうえでは不可欠です。

ビジネス英語力

グローバルに事業展開する企業では、英語での契約交渉や海外拠点との法務連携が日常業務になります。

JILAのアンケートでは業務の25%以上を外国語で行うインハウスローヤーが約32%存在しており、英語力はもはやオプションではなく基礎スキルになりつつあります。

TOEIC900点以上や海外ロースクール(LL.M.)の学位があれば、外資系企業への転職や国際法務のポジションでの年収アップにつながります。

法律事務所からインハウスローヤーへ転職するには

インハウスローヤーと法律事務所勤務を比較して、インハウスローヤーの方に魅力を感じる人も少なくないでしょう。

そこで、インハウスローヤーへの転職方法をご紹介します。

転職エージェントを活用する

インハウスの求人は一般の転職サイトには掲載されにくく、非公開求人として転職エージェント経由で紹介されるケースが大半です。

弁護士業界に精通した専門のエージェントを利用することで、年収帯やポジション、業界の希望に合った求人を効率的に見つけることができます。

年収を下げずに転職するためのポイント

法律事務所からの転職で年収を維持するには、管理職または管理職候補のポジションを狙うのが最も確実です。

これまでの経験が直結する業界・分野を選ぶこと、英語力や専門資格などのプラスアルファを提示することで、企業側にとっての採用価値を高め、年収交渉を有利に進められます。

インハウス求人は人気が高いため早めの行動を

インハウスローヤーのポジションは人気が高く、とりわけ大手企業や外資系企業の案件は募集開始から短期間で充足することが珍しくありません。

「良い求人が出たら考えよう」ではなく、事前にエージェントに登録しておき、条件に合う案件が出た際にすぐ動ける態勢を整えておくことが転職成功には欠かせません。

まとめ

インハウスローヤーの年収は、全体の約3人に2人が1000万円以上であり、「法律事務所より低い」という単純なイメージとは異なる実態があります。

経験年数15年以上ではほぼ全員が年収1250万円以上に達し、役員・ゼネラルカウンセルになれば2000万〜5000万円超という水準も現実的です。

年収を左右する主な要因は、経験年数、業種、役職、そして英語力・専門領域の深さです。

これらの変数を理解したうえで、自分のキャリアのどこに投資すべきかを見極めることが、年収を最大化するための第一歩になります。

法律事務所での経験を活かしてインハウスへの転職を検討している方は、まずは弁護士に特化した転職エージェントに相談し、自身の市場価値と狙えるポジション・年収帯を把握することから始めてみてください。

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士業チーム

LEGALS[弁護士]

弁護士の実務、転職市場に知見のある経験者に向けてお役立ちコンテンツを発信。士業チームの中でも弁護士に特化した情報発信をしています。

目次
  1. インハウスローヤーの平均年収は750万〜1250万円
  2. 【年齢別】インハウスローヤーの年収
  3. 【経験年数別】インハウスローヤーの年収
  4. 【業種別】インハウスローヤーの年収
  5. 【役職別】インハウスローヤーの年収
  6. インハウスローヤーと法律事務所の年収を比較
  7. 給与・働き方で見るインハウスと法律事務所の違い
  8. インハウスローヤーが年収を上げるための5つの戦略
  9. インハウスローヤーに求められるスキル
  10. 法律事務所からインハウスローヤーへ転職するには
  11. まとめ