コンプライアンスって何?意味・定義や具体的な違反事例をわかりやすく解説

専門家監修記事
コンプライアンス違反は信用失墜や法的責任に直結します。日常的に従業員の意識を高め、組織全体でコンプライアンスを意識した行動がとれる体制づくりを進めましょう。対応に不安がある場合は、企業法務に強い弁護士への相談がおすすめです。
企業法務

近年では、「コンプライアンス」の重要性が高まっています。

コンプライアンスに違反すると、企業の信用がなくなり、取引停止や法的責任、社会的批判を受けるなどの深刻な事態を招くおそれがあります。

そのため、企業には日常的に従業員の意識を高め、組織全体でコンプライアンスを意識した行動がとれる体制づくりが求められます。

本記事では、コンプライアンスの定義から具体的な違反事例、企業として求められる対応などを解説します。

違反によるリスクを未然に防ぐためにも、ぜひ最後まで参考にしてください。

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コンプライアンスとは「法令・社内規定・社会規範などに沿った業務遂行」

コンプライアンスとは、法令・社内規定・社会規範などを遵守することをいいます。

「法令遵守」と解釈されることが一般的ですが、昨今では、法律だけでなく社会の常識や企業のモラルを遵守することも含められています。

コンプライアンスと混同されやすい用語との違い

コンプライアンスは、別の用語と混同されることもあります。

ここでは、「コンプライアンス」と混同されやすい以下3つ用語を紹介するので、違いをしっかりとおさえておきましょう。

  • 内部統制
  • コーポレートガバナンス
  • CSR

コンプライアンスと内部統制の違い

内部統制とは、企業が事業活動を健全かつ効率的におこなうための仕組みを整備・運用することです。

内部統制には、次の4つの目的があります。

  1. 業務の有効性および効率性
  2. 財務報告の信頼性
  3. 事業活動に関わる法令等の遵守
  4. 資産の保全

内部統制の仕組みを構築することでコンプライアンスが強化されるので、両者は相関関係にあるといえます。

コンプライアンスとコーポレートガバナンスの違い

コーポレートガバナンスとは、会社が株主をはじめ顧客・従業員・地域社会などの立場を踏まえたうえで、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定をおこなうための仕組みのことです。

「企業統治」とも呼ばれ、企業内の不正を防止して効率的に業務を遂行することで、株主の利益を最大化することを目的としています。

コンプライアンス強化のためには、コーポレートガバナンスの整備も重要な要素となります。

なお、コーポレートガバナンスと上述した内部統制は、企業を健全に運営するための体制である点は同じです。

ただし、両者は仕組みによって監視・管理される対象が異なります。

コーポレートガバナンスは株主や取締役会などが会社の経営者を監視する体制ですが、内部統制は経営者が会社の従業員を管理する体制です。

コンプライアンスとCSRの違い

CSRとは、企業の社会的責任をいいます。

企業活動において、社会的公正や環境などへの配慮を組み込み、ステークホルダーに対して責任ある行動をとり、説明責任を果たすことを求める考え方です。

CSRには、「法律やルールを守ること」も含まれます。

つまり、コンプライアンスはCSRの一部という位置づけだといえるでしょう。

コンプライアンスへの関心が高まっている背景

企業のコンプライアンスへの関心が高まっている背景として、主に以下の要因が挙げられます。

  • 社会的責任(CSR)への意識の高まり
  • インターネットの普及
  • 公益通報者保護法の施行

企業は単に利益を上げるだけでなく、環境や人権など社会全体への影響にも配慮した経営が求められるようになりました

そのため、法令や社内規定を守るだけでなく、社会的規範を踏まえ行動する必要があります。

また、近年はSNSの普及により、企業や従業員の不祥事が一気に拡散する時代となりました。

社員の発言や行動、内部告発なども簡単に拡散されるため、企業イメージが一瞬で損なわれるリスクがあります。

実際、長時間労働やハラスメント、データ改ざんなどが発覚し、世間から厳しい批判を受けた企業も少なくありません。

さらに、2006年に施行された公益通報者保護法により、内部告発者が法律で保護されるようになったため、企業の不正が明るみになりやすくなったことも背景として挙げられます。

このような社会の変化に対応するため、企業にはコンプライアンス体制の整備が求められているのです。

コンプライアンス違反に該当する主な事例

コンプライアンス違反の事例は数多くありますが、大きく分けると以下の4種類に整理できます。

  • 法令に関すること
  • 労務に関すること
  • 経理に関すること
  • 情報の取り扱いに関すること

実際の違反例を知ることで、企業としてどのように対策すべきか見えてくるでしょう。

ここからは、それぞれの事例について詳しく解説します。

法令に関すること

事業を遂行するにあたって企業が遵守すべき法令に違反するケースです。

法令に違反すると、行政からの指導や処分を受けるほか、ニュースで取り上げられて社会的信頼を大きく損ないます。

企業における主な法令違反としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 下請法違反
  • 独占禁止法違反
  • 著作権法違反

法令に関連する行為や契約、事業をおこなう際は、適宜弁護士などの専門家に相談し、法令に違反しないように注意が必要です。

労務に関すること

労働者が不当な取り扱いや不利益により精神的・肉体的な苦痛を受けるケースです。

就業環境の悪化は離職につながるのはもちろんこと、企業全体の生産性にも悪影響を及ぼす可能性があります。

労務に関するコンプライアンス違反としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 長時間労働
  • パワハラ・セクハラ
  • 差別・嫌がらせ

これらのコンプライアンス違反は、現場レベルで起こることも少なくありません。

経営層が知らないうちにコンプライアンス違反のリスクにさらされることがないよう、社内規定や内部通報制度などを整備し、対策を講じることが大切です。

経理に関すること

取引内容や数字をごまかし、取引先や関係者に大きな被害を与えるケースです。

このケースでは、経営陣だけでなく経理担当者の倫理意識も深く関係します。

経理に関するコンプライアンス違反としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 架空請求
  • 横領
  • 粉飾決算

これらのコンプライアンス違反を防ぐためには、社内でのお金の流れをしっかりと管理する仕組みを整えなければなりません。

お金の管理を徹底することは、会社の信用を確立させるために必須です。

情報の取り扱いに関すること

企業が管理する顧客情報や社内の機密情報を漏えいするケースです。

近年では、情報漏えいに関する事件は増えており、ひとたび問題が起こると金銭的損失が生じるほか、社会的信用を失墜するリスクもあります。

情報の取り扱いに関するコンプライアンス違反の例は、以下のとおりです。

  • 顧客情報の流出
  • インサイダー取引
  • SNSでの不適切投稿

これらのコンプライアンス違反を防止するためには、経営層はもちろん、現場の社員が情報の取り扱いについてのリテラシーを身に着け、日ごろから情報管理を徹底する必要があります。

必要に応じて研修をおこなうなど、会社全体として取り組むべき課題だということを認識しておきましょう。

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コンプライアンスに違反した場合のリスク

コンプライアンスに違反した場合、企業には以下のようなリスクが生じます。

  • 民事・刑事の責任を負う
  • 行政処分を受ける
  • 社会的信用を失う

ここからは、それぞれのリスクについて解説するので、よく確認してくれぐれも違反しないように注意してください。

民事・刑事の責任を負う

コンプライアンスに違反すると、企業や従業員に民事責任と刑事責任が問われる可能性があります。

コンプライアンス違反が原因で取引先との契約が打ち切られ、取引先に損害が発生した場合、民事責任を負い、損害を賠償しなければなりません。

また、贈収賄や業務上横領など、違反の内容が犯罪行為に該当する場合には、刑事責任が問われます。

犯罪行為をおこなった経営者や役員は逮捕される可能性があり、会社運営に大きな混乱が生じます。

行政処分を受ける

建築基準法や食品衛生法などの法令違反が発覚した場合には、国や自治体から行政処分や行政指導を受ける可能性があります。

また、消費者向けに販売した商品に重大事故や健康被害のおそれがあるなどの欠陥がある場合には、商品を回収したり、謝罪対応をおこなったりする必要もあるでしょう。

違反の内容が重大で悪質と判断されると、業務の一部または全部の停止命令が出されるかもしれません。

業務停止となれば、売上が途絶えて会社の経営が一気に傾くでしょう。

社会的信用を失う

コンプライアンス違反により、顧客や取引先、投資家などの関係者からの社会的な信用も失われます

仮に、企業が顧客の個人情報を適切に管理せず、第三者に流出させてしまったとします。

情報漏えいが一度でも発生すれば、「この会社に個人情報を預けるのは不安だ」と思われ、既存の利用者が離れたり、新規契約が伸び悩む事態につながるでしょう。

また、セキュリティ体制が甘く、社会的非難を受けるリスクがある企業は投資家からも投資対象として敬遠されがちです。

コンプライアンス遵守のために企業がやっておくべきこと

コンプライアンス違反のリスクを避けるためにも、普段から意識的に対策を講じておきましょう。

ここでは、企業がとるべき基本的な対応策を3つ紹介します。

コンプライアンスに関するガイドラインを作成する

コンプライアンス違反のリスクを避けるためには、社員の行動規範・行動指針をまとめたガイドラインの作成が重要です。

ガイドラインは、法律を遵守する観点はもちろんのこと、社会から信頼されるための道徳や倫理の観点も踏まえた内容でなければなりません。

価値観は人によって違うため、現場の声を聞きながら、実際の業務に合った内容にしましょう。

また、作成したガイドラインの内容を全社員に共有し、文化として根付かせることも大切です。

社内報や掲示板などを活用するほか、経営層が積極的に発信することで、会社全体での意識の向上が期待できます。

コンプライアンス研修を定期的に実施する

コンプライアンス意識を継続的に維持させるためには、定期的なコンプライアンス研修も重要です。

コンプライアンス研修では、「そもそもコンプライアンスとは何か」「コンプライアンスの重要性」などの基本的事項を取り扱うのがよいでしょう。

そのほか、主な違反行為や違反を発見した際の対処法、過去の違反事例を紹介することで、具体的な理解を深められます。

研修方法としては、社内研修や社外講習、eラーニングなどがあります。

複数組み合わせるなどして、社員が受講しやすい環境を整えましょう。

気軽に相談できる窓口を設置する

コンプライアンス違反を早期に発見し、対処するためには、ハラスメント相談窓口や内部通報窓口などの設置も欠かせません。

どのような違法行為を防止すべきか、どのような体制を整えることで従業員が積極的に通報しやすくなるかをさまざまな視点から検討し、従業員が信頼できる窓口を設置しましょう。

また、従業員が安心して通報できるためにも、窓口担当者に中立的な立場の従業員や外部の専門家を任命することも効果的です。

通報者が不利益を被らないように、通報後の保護措置を明確に示すことも忘れてはいけません。

さいごに|コンプライアンスに関する悩みや疑問は弁護士に相談を

本記事では、コンプライアンスについてその概要やリスク、対策などを解説しました。

コンプライアンス違反が発覚すると、企業経営に深刻な影響を及ぼすおそれがあります。

違反を防ぐためにも、日頃からコンプライアンス遵守に向けた体制づくりが重要です。

とはいえ、「何から始めればいいのかわからない」「日々の業務に追われて手が回らない」といった悩みを抱る方も多いでしょう。

そんなときは、企業法務分野を得意とする弁護士への相談がおすすめです。

弁護士に相談すれば、以下のようなサポートが受けられます。

  • 社内規定やガイドラインの整備
  • 内部通報窓口の設置に関するアドバイス
  • コンプライアンス研修の導入支援
  • 現状の体制の課題整理と改善策の提案
  • 万が一違反が発生した際の迅速な対応

なお、「企業法務弁護士ナビ」を使えば、相談内容や業種、会社の所在地に応じて、企業法務を得意とする弁護士を簡単に検索できます。

これから弁護士を探す段階であれば、ぜひご活用ください。

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