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2026年は、取引適正化法(旧下請法)の施行、カスハラ防止の義務化、公益通報者保護法の大幅強化など、企業法務に大きな影響を与える法改正が相次ぎます。
本記事では、企業の経営者・法務担当者が把握すべき2026年の主要法改正28件を施行日順に整理し、概要と企業が取るべき対応を解説します。
※2026年3月19日時点の情報です。法案段階のものは今後変更の可能性があります。
この記事でわかること
| 施行日 | 法令名 | 分野 | 影響度 |
|---|---|---|---|
| 1月1日 | 取引適正化法(取適法)施行済 | 取引・契約 | ■ 高 |
| 1月1日 | 労働安全衛生法改正 第1弾施行済 | 人事・労務 | ▲ 中 |
| 4月1日 | 労働安全衛生法改正 第2弾 | 人事・労務 | ■ 高 |
| 4月1日 | 女性活躍推進法改正NEW | 人事・労務 | ■ 高 |
| 4月1日 | 年金制度改正法(在職老齢年金) | 人事・労務 | ▲ 中 |
| 4月1日 | 不動産登記法改正NEW | 不動産 | ■ 高 |
| 4月1日 | 物流効率化法NEW | 物流 | ■ 高 |
| 4月1日 | GX推進法改正NEW | 環境・ESG | ■ 高 |
| 4月1日 | 著作権法改正NEW | 知的財産 | ▲ 中 |
| 4月1日 | 子ども・子育て支援法改正NEW | 人事・労務 | ▲ 中 |
| 4月1日 | 民法改正(離婚後共同親権) | 民事 | ▲ 中 |
| 4月1日 | 信託業法改正(公益信託) | M&A | ● 低 |
| 5月1日 | 金融商品取引法改正(TOB制度)NEW | M&A | ■ 高 |
| 5月21日 | 民事訴訟法改正(全面IT化) | 訴訟 | ■ 高 |
| 5月25日 | 事業性融資推進法NEW | 金融 | ▲ 中 |
| 6月1日 | 保険業法改正 | 保険 | ● 低 |
| 6月12日 | 資金決済法改正 | 金融・IT | ▲ 中 |
| 7月1日 | 障害者雇用促進法施行令改正 | 人事・労務 | ▲ 中 |
| 10月1日 | 社会保険適用拡大NEW | 人事・労務 | ■ 高 |
| 10月1日 | カスハラ防止義務化NEW | 人事・労務 | ■ 高 |
| 10月1日 | 求職者セクハラ防止義務化NEW | 人事・労務 | ■ 高 |
| 10月1日 | 労働安全衛生法改正 第3弾 | 人事・労務 | ▲ 中 |
| 10月(予定) | サイバー対処能力強化法NEW | IT・セキュリティ | ■ 高 |
| 12月1日 | 公益通報者保護法改正NEW | コンプライアンス | ■ 高 |
| 12月25日 | こども性暴力防止法NEW | 人事・労務 | ▲ 中 |
| 2026年中 | 早期事業再生法NEW | 事業再生 | ▲ 中 |
| 法案段階 | 個人情報保護法改正NEW | IT・コンプライアンス | ■ 高(確定後) |
| 法案段階 | 労働基準法改正 | 人事・労務 | ■ 高(確定後) |
旧下請法が「取引適正化法(略称:取適法)」に名称変更され、規制が大幅に強化されました。
出典: 公正取引委員会
対応チェックリスト
技能講習修了証の不正交付への罰則新設、石綿事前調査の有資格者義務化が実施されました。建設業・製造業は管理体制の確認が必要です。
4月は法改正の集中月です。人事・労務・不動産・環境の各分野で重要改正が施行されます。
個人事業者(フリーランス等)が労災防止対策の対象に加わります。ストレスチェックの50人未満事業場への拡大は公布後3年以内(2028年頃)の施行見込みです。
常時雇用する労働者101人以上の企業に、男女間賃金差異と女性管理職比率の公表を義務化(従来は301人以上)。有効期限は2036年3月31日まで延長されます。
在職老齢年金の支給停止基準額が月62万円に引き上げられます(法律成立時の額。2026年4月は賃金変動を反映し月65万円が適用される見込み)。
出典: 厚生労働省
不動産の登記名義人(個人・法人問わず)は、住所や氏名・名称の変更から2年以内に変更登記の申請が義務化されます。違反は5万円以下の過料です。
出典: 法務省
年間輸送貨物量9万トン以上の特定荷主(約3,200社)に、物流統括管理者(CLO)の選任、中長期計画の作成、定期報告が義務化されます。
出典: 国土交通省
CO2排出量年間10万トン以上の企業(約300〜400社)に、GX-ETS(排出量取引制度)への参加が義務化されます。2028年度には化石燃料賦課金も導入予定です。
著作権者の意思が確認できない著作物について、文化庁長官の裁定と補償金の支払いで3年を限度に暫定利用が可能になります。
「子ども・子育て支援金」が医療保険料に上乗せして徴収開始されます。全企業の社会保険料負担が増加します。
離婚後の共同親権制度が導入されます。企業法務への直接影響は限定的ですが、従業員の扶養・福利厚生規程に影響する場合があります。
公益信託に関する規制の見直しと情報開示義務の拡充が行われます。
M&A実務に直接影響する重要改正です。
訴状・証拠書類のオンライン提出、インターネット送達、訴訟記録の電子化が実現します。法務部門のIT環境・電子署名対応の整備が必要です。
無形資産を含む会社の総財産を包括担保にできる「企業価値担保権」が創設されます。スタートアップ・中小企業の資金調達選択肢が拡大します。
特定大規模乗合損害保険代理店等への規制強化、体制整備義務の拡充が行われます。
暗号資産仲介業の登録制度が新設され、ステーブルコインの発行・仲介規制が整備されます。
法定雇用率が2.5%→2.7%に引き上げ。対象は常用労働者37.5人以上に拡大されます。
短時間労働者の社会保険加入要件から賃金要件(月額8.8万円以上)が撤廃されます。週20時間以上勤務の短時間労働者は原則加入対象になります。
撤廃時期は全国の最低賃金が1,016円以上に達することを見極めたうえで、公布から3年以内の政令で定める日に施行されます。企業規模要件(51人以上)の撤廃は2027年10月以降に順次実施予定です。
カスハラ防止措置が事業主の「雇用管理上の措置義務」に格上げされます。BtoB企業も対象です。
カスハラの法的定義(3要件):
出典: 厚生労働省
カスハラ対策チェックリスト
カスハラ防止と同じ改正法により、就活生・求職者・インターン生へのセクハラ防止措置が義務化されます。調査では就活中にセクハラを受けた学生は約3割です。採用担当者への研修と相談窓口の設置が必要です。
個人ばく露測定の制度化と新規化学物質の電子申請義務化が行われます。
2025年5月23日公布。政府は2026年10月1日からの運用開始方針を決定しています。重要インフラ事業者(電気・ガス・通信・金融等15業種)にインシデント報告義務が課されます。
公益通報者保護が大幅に強化されます。
出典: 消費者庁
公益通報者保護法 対応チェックリスト
学校・保育所・児童福祉施設等に職員の性犯罪歴確認が義務化されます(確認期間は最長20年)。教育・保育・福祉関連事業者は採用プロセスの整備が必要です。
以下は詳細や施行日が未確定です。国会審議等により変更の可能性があります。
倒産手続前の段階で事業再生を図る新たな手続が法制化されます。対象債権者の4分の3以上の同意で債務整理が可能になる見込みです。
2026年1月9日に個人情報保護委員会が制度改正方針を公表。課徴金制度の導入が最大の注目点です。
2025年1月に厚労省研究会が報告書を公表。改正の方向性は示されていますが、内容・時期は引き続き流動的です。
| 法改正 | 施行日 | 優先度 |
|---|---|---|
| 労安法改正(ストレスチェック拡大) | 4月1日 | ■ 高 |
| 女性活躍推進法改正 | 4月1日 | ■ 高 |
| 子ども・子育て支援金 | 4月1日 | ▲ 中 |
| 障害者雇用率引上げ | 7月1日 | ▲ 中 |
| 社保適用拡大 | 10月1日 | ■ 高 |
| カスハラ防止義務化 | 10月1日 | ■ 高 |
| 求職者セクハラ防止義務化 | 10月1日 | ■ 高 |
| 年金制度改正法 | 4月・10月 | ▲ 中 |
| 労安法改正 第1弾・第3弾 | 1月・10月 | ▲ 中 |
| こども性暴力防止法 | 12月25日 | ▲ 中 |
| 労基法改正(法案段階) | 未定 | ■ 高 |
人事・労務問題に強い弁護士に相談することで、就業規則の改定や社内体制の整備を効率的に進められます。
| 法改正 | 施行日 | 優先度 |
|---|---|---|
| 金商法改正(TOB制度) | 5月1日 | ■ 高 |
| 信託業法改正 | 4月1日 | ● 低 |
| 早期事業再生法 | 2026年中 | ▲ 中 |
| 法改正 | 施行日 | 優先度 |
|---|---|---|
| サイバー対処能力強化法 | 10月 | ■ 高 |
| 資金決済法改正 | 6月12日 | ▲ 中 |
| 個人情報保護法改正 | 未定 | ■ 高 |
| 法改正 | 施行日 | 優先度 |
|---|---|---|
| 取引適正化法(取適法) | 1月1日 | ■ 高 |
| 不動産登記法改正 | 4月1日 | ■ 高 |
| 物流効率化法 | 4月1日 | ■ 高 |
| GX推進法改正 | 4月1日 | ■ 高 |
| 著作権法改正 | 4月1日 | ▲ 中 |
| 法改正 | 施行日 | 優先度 |
|---|---|---|
| 公益通報者保護法改正 | 12月1日 | ■ 高 |
| 民訴法改正(IT化) | 5月21日 | ■ 高 |
1. 就業規則・社内規程の改定
カスハラ防止、求職者セクハラ防止、公益通報者保護法改正など、就業規則の改定が必要な法改正が複数あります。
2. 取引契約書の見直し
取適法の施行により、取引基本契約書の用語・条項改定が必要です。
3. コンプライアンス体制の構築
内部通報制度の整備、サイバーセキュリティ体制の構築、排出量取引への対応など、組織横断的な体制づくりが必要です。
多くの企業に共通して影響が大きいのは、カスハラ防止義務化(10月)、社保適用拡大(10月)、公益通報者保護法改正(12月)の3つです。
取適法(施行済み)、不動産登記法改正(4月、過料あり)、障害者雇用率引上げ(7月)が特に影響大です。
行政指導・是正勧告・罰則の対象となります。特に公益通報者保護法改正では法人に3,000万円以下の罰金が新設されました。
各省庁のウェブサイト、e-Gov法令検索、官報が公式情報源です。
就業規則の改定は5〜30万円程度、契約書のリーガルチェックは1件3〜10万円程度が目安です。顧問契約の範囲内で対応可能な場合もあります。
※2026年3月19日時点の情報です。法令の内容は改正される可能性があり、施行日未定・法案段階のものは今後変更される場合があります。具体的な法的対応については弁護士にご相談ください。
※本記事はすべての法改正を網羅するものではありません。企業の業種・規模によって該当する法改正は異なります。
編集部
本記事は企業法務弁護士ナビを運営する株式会社アシロ編集部が企画・執筆いたしました。
※企業法務弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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