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弁護士監修記事
企業法務

【2026年最新】法改正まとめ|企業が対応すべき重要改正28件を解説

2026.3.19
2026.3.19
2026年に施行される企業法務関連の法改正28件を施行日順に解説。取適法・カスハラ義務化・公益通報法改正・不動産登記義務化・社保適用拡大など影響度別に整理し、分野別チェックリストで自社に必要な対応がすぐわかります。
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2026年は、取引適正化法(旧下請法)の施行、カスハラ防止の義務化、公益通報者保護法の大幅強化など、企業法務に大きな影響を与える法改正が相次ぎます。

本記事では、企業の経営者・法務担当者が把握すべき2026年の主要法改正28件を施行日順に整理し、概要と企業が取るべき対応を解説します。

※2026年3月19日時点の情報です。法案段階のものは今後変更の可能性があります。

この記事でわかること

  • 2026年施行の企業法務関連法改正28件を施行日順に一覧化
  • 各法改正の影響度(高/中/低)と企業の対応アクションを明示
  • 取適法・カスハラ・公益通報・不動産登記義務化など重要改正を重点解説
  • 法案段階の注目改正(個人情報保護法・労働基準法)の動向
  • 分野別チェックリストで自社に関係する法改正を即座に把握
この記事に記載の情報は2026年03月19日時点のものです
目次

2026年 法改正カレンダー

施行日 法令名 分野 影響度
1月1日 取引適正化法(取適法)施行済 取引・契約 ■ 高
1月1日 労働安全衛生法改正 第1弾施行済 人事・労務 ▲ 中
4月1日 労働安全衛生法改正 第2弾 人事・労務 ■ 高
4月1日 女性活躍推進法改正NEW 人事・労務 ■ 高
4月1日 年金制度改正法(在職老齢年金) 人事・労務 ▲ 中
4月1日 不動産登記法改正NEW 不動産 ■ 高
4月1日 物流効率化法NEW 物流 ■ 高
4月1日 GX推進法改正NEW 環境・ESG ■ 高
4月1日 著作権法改正NEW 知的財産 ▲ 中
4月1日 子ども・子育て支援法改正NEW 人事・労務 ▲ 中
4月1日 民法改正(離婚後共同親権) 民事 ▲ 中
4月1日 信託業法改正(公益信託) M&A ● 低
5月1日 金融商品取引法改正(TOB制度)NEW M&A ■ 高
5月21日 民事訴訟法改正(全面IT化) 訴訟 ■ 高
5月25日 事業性融資推進法NEW 金融 ▲ 中
6月1日 保険業法改正 保険 ● 低
6月12日 資金決済法改正 金融・IT ▲ 中
7月1日 障害者雇用促進法施行令改正 人事・労務 ▲ 中
10月1日 社会保険適用拡大NEW 人事・労務 ■ 高
10月1日 カスハラ防止義務化NEW 人事・労務 ■ 高
10月1日 求職者セクハラ防止義務化NEW 人事・労務 ■ 高
10月1日 労働安全衛生法改正 第3弾 人事・労務 ▲ 中
10月(予定) サイバー対処能力強化法NEW IT・セキュリティ ■ 高
12月1日 公益通報者保護法改正NEW コンプライアンス ■ 高
12月25日 こども性暴力防止法NEW 人事・労務 ▲ 中
2026年中 早期事業再生法NEW 事業再生 ▲ 中
法案段階 個人情報保護法改正NEW IT・コンプライアンス ■ 高(確定後)
法案段階 労働基準法改正 人事・労務 ■ 高(確定後)

施行済みの法改正(2026年1〜3月)

取引適正化法(取適法)〈1月1日施行〉

旧下請法が「取引適正化法(略称:取適法)」に名称変更され、規制が大幅に強化されました。

  • 用語変更:「親事業者」→「委託事業者」、「下請事業者」→「中小受託事業者」
  • 物品運送委託を規制対象に追加、従業員数基準を新設
  • 手形払い等の禁止(現金払い原則化)
  • 協議なしの代金額決定を禁止(価格協議義務化)

出典: 公正取引委員会

対応チェックリスト

  • 取引基本契約書の用語・条項を新法に合わせて改定したか
  • 社内マニュアル・研修資料の名称を「取適法」に更新したか
  • 価格協議プロセスを整備・文書化したか
  • 手形払いから現金払いへの移行を完了したか
  • 物品運送委託が規制対象に含まれるか確認したか

労働安全衛生法改正 第1弾〈1月1日施行〉

技能講習修了証の不正交付への罰則新設、石綿事前調査の有資格者義務化が実施されました。建設業・製造業は管理体制の確認が必要です。

2026年4月施行の法改正

4月は法改正の集中月です。人事・労務・不動産・環境の各分野で重要改正が施行されます。

労働安全衛生法改正 第2弾〈4月1日施行〉

個人事業者(フリーランス等)が労災防止対策の対象に加わります。ストレスチェックの50人未満事業場への拡大は公布後3年以内(2028年頃)の施行見込みです。

女性活躍推進法改正〈4月1日施行〉

常時雇用する労働者101人以上の企業に、男女間賃金差異と女性管理職比率の公表を義務化(従来は301人以上)。有効期限は2036年3月31日まで延長されます。

年金制度改正法(在職老齢年金見直し)〈4月1日施行〉

在職老齢年金の支給停止基準額が月62万円に引き上げられます(法律成立時の額。2026年4月は賃金変動を反映し月65万円が適用される見込み)。

出典: 厚生労働省

不動産登記法改正(住所・氏名変更登記の義務化)〈4月1日施行〉

不動産の登記名義人(個人・法人問わず)は、住所や氏名・名称の変更から2年以内に変更登記の申請が義務化されます。違反は5万円以下の過料です。

  • 自社所有の不動産(本社・支社・工場等)の登記情報を確認
  • 施行前の変更は2028年3月31日までに登記(経過措置)
  • 「スマート変更登記」制度の活用を検討

出典: 法務省

物流効率化法(CLO選任義務化)〈4月1日施行〉

年間輸送貨物量9万トン以上の特定荷主(約3,200社)に、物流統括管理者(CLO)の選任、中長期計画の作成、定期報告が義務化されます。

出典: 国土交通省

GX推進法改正(排出量取引義務化)〈4月1日施行〉

CO2排出量年間10万トン以上の企業(約300〜400社)に、GX-ETS(排出量取引制度)への参加が義務化されます。2028年度には化石燃料賦課金も導入予定です。

著作権法改正(未管理著作物裁定制度)〈4月1日施行〉

著作権者の意思が確認できない著作物について、文化庁長官の裁定と補償金の支払いで3年を限度に暫定利用が可能になります。

子ども・子育て支援法改正〈4月1日施行〉

「子ども・子育て支援金」が医療保険料に上乗せして徴収開始されます。全企業の社会保険料負担が増加します。

民法改正(離婚後共同親権)〈4月1日施行〉

離婚後の共同親権制度が導入されます。企業法務への直接影響は限定的ですが、従業員の扶養・福利厚生規程に影響する場合があります。

信託業法改正(公益信託)〈4月1日施行〉

公益信託に関する規制の見直しと情報開示義務の拡充が行われます。

2026年5〜6月施行の法改正

金融商品取引法改正(TOB制度見直し)〈5月1日施行〉

M&A実務に直接影響する重要改正です。

  • TOB義務の閾値を「3分の1超」から「30%超」に引き下げ
  • 共同保有者判定基準の明確化
  • 市場内・市場外取引の規制統一化
  • TOB手続の柔軟化・迅速化

民事訴訟法改正(全面IT化)〈5月21日施行〉

訴状・証拠書類のオンライン提出、インターネット送達、訴訟記録の電子化が実現します。法務部門のIT環境・電子署名対応の整備が必要です。

事業性融資推進法(企業価値担保権)〈5月25日施行〉

無形資産を含む会社の総財産を包括担保にできる「企業価値担保権」が創設されます。スタートアップ・中小企業の資金調達選択肢が拡大します。

保険業法改正〈6月1日施行〉

特定大規模乗合損害保険代理店等への規制強化、体制整備義務の拡充が行われます。

資金決済法改正〈6月12日施行〉

暗号資産仲介業の登録制度が新設され、ステーブルコインの発行・仲介規制が整備されます。

2026年7月以降施行の法改正

障害者雇用促進法施行令改正〈7月1日施行〉

法定雇用率が2.5%→2.7%に引き上げ。対象は常用労働者37.5人以上に拡大されます。

社会保険適用拡大(106万円の壁撤廃)〈10月1日施行予定〉

短時間労働者の社会保険加入要件から賃金要件(月額8.8万円以上)が撤廃されます。週20時間以上勤務の短時間労働者は原則加入対象になります。

撤廃時期は全国の最低賃金が1,016円以上に達することを見極めたうえで、公布から3年以内の政令で定める日に施行されます。企業規模要件(51人以上)の撤廃は2027年10月以降に順次実施予定です。

  • パート・アルバイトの社会保険加入対象者を再算定
  • 社会保険料負担増のシミュレーションを実施
  • 従業員への制度変更説明と働き方の意向確認

カスタマーハラスメント防止義務化〈10月1日施行〉

カスハラ防止措置が事業主の「雇用管理上の措置義務」に格上げされます。BtoB企業も対象です。

カスハラの法的定義(3要件):

  • 顧客・取引先等の事業関係者からの言動
  • 社会通念上許容される範囲を超えたもの
  • 労働者の就業環境が害されること

出典: 厚生労働省

カスハラ対策チェックリスト

  • 対応方針を策定し社内外に周知したか
  • 相談窓口を設置し従業員に周知したか
  • 対応マニュアル(エスカレーション手順含む)を策定したか
  • 管理職・従業員向け研修を計画・実施したか
  • 就業規則にカスハラ対応規定を追加したか
  • 被害者のメンタルヘルスケア体制を整備したか

求職者セクハラ防止義務化(均等法改正)〈10月1日施行〉

カスハラ防止と同じ改正法により、就活生・求職者・インターン生へのセクハラ防止措置が義務化されます。調査では就活中にセクハラを受けた学生は約3割です。採用担当者への研修と相談窓口の設置が必要です。

労働安全衛生法改正 第3弾〈10月1日施行〉

個人ばく露測定の制度化と新規化学物質の電子申請義務化が行われます。

サイバー対処能力強化法〈10月施行予定〉

2025年5月23日公布。政府は2026年10月1日からの運用開始方針を決定しています。重要インフラ事業者(電気・ガス・通信・金融等15業種)にインシデント報告義務が課されます。

公益通報者保護法改正〈12月1日施行〉

公益通報者保護が大幅に強化されます。

  • 通報者の範囲拡大(フリーランス・業務委託先を追加)
  • 通報1年以内の解雇は「通報を理由とする解雇」と推定(立証責任の転換)
  • 直罰規定の新設(行為者:6月以下の拘禁刑or30万円以下の罰金/法人:3,000万円以下の罰金
  • 通報妨害の禁止(通報しない旨の合意要求は無効)
  • 通報者探索の禁止
  • 301人超の事業者に立入検査権・命令権を新設

出典: 消費者庁

公益通報者保護法 対応チェックリスト

  • 通報窓口の独立性・秘密保持を強化したか
  • フリーランス・業務委託先からの通報受付体制を整備したか
  • 不利益取扱い防止ルールを明文化したか
  • 通報妨害禁止・通報者探索禁止を社内周知したか
  • 管理職・人事部門向けの通報者保護研修を計画したか
  • 就業規則・内部通報規程を改正法に合わせて改定したか

こども性暴力防止法(日本版DBS)〈12月25日施行〉

学校・保育所・児童福祉施設等に職員の性犯罪歴確認が義務化されます(確認期間は最長20年)。教育・保育・福祉関連事業者は採用プロセスの整備が必要です。

施行日未定・法案段階の注目法改正

以下は詳細や施行日が未確定です。国会審議等により変更の可能性があります。

早期事業再生法〈2026年中施行予定〉

倒産手続前の段階で事業再生を図る新たな手続が法制化されます。対象債権者の4分の3以上の同意で債務整理が可能になる見込みです。

個人情報保護法改正〈通常国会に法案提出予定〉

2026年1月9日に個人情報保護委員会が制度改正方針を公表。課徴金制度の導入が最大の注目点です。

  • 課徴金制度の導入(5類型の悪質な違反行為が対象)
  • 16歳未満の個人情報に法定代理人の関与を義務化
  • 委託先が機械的処理のみの場合の義務緩和
  • 統計情報作成目的での同意なき第三者提供を限定許容

労働基準法改正(約40年ぶり)〈法案段階〉

2025年1月に厚労省研究会が報告書を公表。改正の方向性は示されていますが、内容・時期は引き続き流動的です。

  • 連続勤務の上限規制(13日超の禁止)
  • 勤務間インターバル制度の義務化(11時間以上)
  • 法定休日の事前特定義務化
  • 副業・兼業者の割増賃金算定ルール見直し

分野別チェックリスト

人事・労務(11件)

法改正 施行日 優先度
労安法改正(ストレスチェック拡大) 4月1日 ■ 高
女性活躍推進法改正 4月1日 ■ 高
子ども・子育て支援金 4月1日 ▲ 中
障害者雇用率引上げ 7月1日 ▲ 中
社保適用拡大 10月1日 ■ 高
カスハラ防止義務化 10月1日 ■ 高
求職者セクハラ防止義務化 10月1日 ■ 高
年金制度改正法 4月・10月 ▲ 中
労安法改正 第1弾・第3弾 1月・10月 ▲ 中
こども性暴力防止法 12月25日 ▲ 中
労基法改正(法案段階) 未定 ■ 高

人事・労務問題に強い弁護士に相談することで、就業規則の改定や社内体制の整備を効率的に進められます。

M&A・事業承継(3件)

法改正 施行日 優先度
金商法改正(TOB制度) 5月1日 ■ 高
信託業法改正 4月1日 ● 低
早期事業再生法 2026年中 ▲ 中

IT・セキュリティ(3件)

法改正 施行日 優先度
サイバー対処能力強化法 10月 ■ 高
資金決済法改正 6月12日 ▲ 中
個人情報保護法改正 未定 ■ 高

取引・不動産・物流・環境(5件)

法改正 施行日 優先度
取引適正化法(取適法) 1月1日 ■ 高
不動産登記法改正 4月1日 ■ 高
物流効率化法 4月1日 ■ 高
GX推進法改正 4月1日 ■ 高
著作権法改正 4月1日 ▲ 中

コンプライアンス(2件)

法改正 施行日 優先度
公益通報者保護法改正 12月1日 ■ 高
民訴法改正(IT化) 5月21日 ■ 高

弁護士に相談すべき3つのケース

1. 就業規則・社内規程の改定
カスハラ防止、求職者セクハラ防止、公益通報者保護法改正など、就業規則の改定が必要な法改正が複数あります。

2. 取引契約書の見直し
取適法の施行により、取引基本契約書の用語・条項改定が必要です。

3. コンプライアンス体制の構築
内部通報制度の整備、サイバーセキュリティ体制の構築、排出量取引への対応など、組織横断的な体制づくりが必要です。

よくある質問

Q. 2026年で最も影響の大きい法改正は?

多くの企業に共通して影響が大きいのは、カスハラ防止義務化(10月)、社保適用拡大(10月)、公益通報者保護法改正(12月)の3つです。

Q. 中小企業が優先的に対応すべき法改正は?

取適法(施行済み)、不動産登記法改正(4月、過料あり)、障害者雇用率引上げ(7月)が特に影響大です。

Q. 対応が遅れた場合のリスクは?

行政指導・是正勧告・罰則の対象となります。特に公益通報者保護法改正では法人に3,000万円以下の罰金が新設されました。

Q. 法改正情報はどこで確認できる?

各省庁のウェブサイト、e-Gov法令検索、官報が公式情報源です。

Q. 弁護士に依頼する場合の費用は?

就業規則の改定は5〜30万円程度、契約書のリーガルチェックは1件3〜10万円程度が目安です。顧問契約の範囲内で対応可能な場合もあります。


※2026年3月19日時点の情報です。法令の内容は改正される可能性があり、施行日未定・法案段階のものは今後変更される場合があります。具体的な法的対応については弁護士にご相談ください。

※本記事はすべての法改正を網羅するものではありません。企業の業種・規模によって該当する法改正は異なります。

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弁護士登録後、地方で一般民事・家事、刑事事件を中心に様々な案件を手掛ける。次第に司法アクセスの改善に課題を感じ、2020年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。
編集部

本記事は企業法務弁護士ナビを運営する株式会社アシロ編集部が企画・執筆いたしました。

※企業法務弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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