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東京都には約45万社の企業が存在し、そのうち99.6%が中小企業です。契約トラブル・労務問題・債権回収・知的財産権の侵害など、経営にはさまざまな法的リスクが潜んでいます。
一方で、東京には全国の弁護士の約50%にあたる23,550人の弁護士(東京三弁護士会合計・2026年3月時点)が集中しており、「選択肢が多すぎて、どこに相談すればよいかわからない」という経営者の声も少なくありません。
この記事では、東京で中小企業が弁護士に無料相談できる窓口を7つ紹介し、それぞれの相談料・対応時間・対象者を比較します。さらに、弁護士費用の相場やスポット依頼と顧問契約の比較シミュレーションも解説しますので、自社に合った相談先を選ぶ参考にしてください。
※本記事は一般的な法律情報の提供を目的としており、個別の法的アドバイスを構成するものではありません。具体的な法的問題については、弁護士にご相談ください。
※この記事に記載の情報は2026年3月時点のものです。
東京には商工会議所や弁護士会など複数の公的な法律相談窓口がありますが、中小企業の企業法務に関しては、まず民間の弁護士検索サービスから検討することをおすすめします。
その理由は3つあります。
東京には三弁護士会(東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会)があり、それぞれ独自の相談窓口を運営しています。どの弁護士会に相談すべきか迷う場合も、民間の検索サービスなら弁護士会の区別を気にすることなく、分野や実績で弁護士を選べます。
東京都内で利用できる主要な法律相談窓口を紹介します。初回無料で弁護士に相談できる公的窓口5つに加え、自社に合った弁護士を選べる民間サービス2つも併せて紹介します。
企業法務弁護士ナビは、企業法務を扱う弁護士を探せる検索サービスです。初回相談無料に対応した弁護士を、相談分野や地域で絞り込んで探すことができます。
東京に対応した弁護士も多数掲載されており、労働問題・契約トラブル・債権回収・事業承継・知的財産など、企業法務全般の相談が可能です。
LegalBaseは、法務担当者がいない中小企業向けのオールインワン法務サービスです。無料相談窓口ではなく月額課金サービスですが、弁護士に個別依頼するより低コストで日常的な法務業務をカバーできるため、併せて紹介します。
LegalBaseは「弁護士への相談」と「日常の法務業務」の両方をカバーします。突発的なトラブルには弁護士への個別相談が必要ですが、契約書チェック・ひな形利用・簡易な法務相談はLegalBaseで対応できるため、顧問弁護士を置く前段階のコストを大幅に抑えられます。
| 比較項目 | 企業法務弁護士ナビ | LegalBase |
|---|---|---|
| 費用 | 初回相談無料(弁護士による) | 月額5,000円〜50,000円 |
| 弁護士の選択 | ○(分野・地域で検索可) | ○(チャット相談) |
| 契約書ひな形 | × | ○(1,100種超) |
| AI契約書レビュー | × | ○(LEGIEW) |
| 対象 | 企業全般 | 中小企業 |
東京弁護士会 中小企業法律支援センターは、2014年に設立された中小企業向けの法律支援窓口です。コンシェルジュ弁護士がまず電話で無料ヒアリングを行い、自社の課題に合った弁護士を紹介する「2段階システム」が特徴です。
同センターでは、相談分野の構成比として契約書・取引関係(約25%)、債権保全・回収(約20%)、会社再建・倒産(約17%)が多くなっています。顧問弁護士の紹介にも対応しており、研修会・講演会への講師派遣サービスも提供しています。
出典: 東京弁護士会「中小企業法律支援センター」(最終確認: 2026年3月)
東京都中小企業振興公社が運営するワンストップ総合相談窓口では、弁護士を含む専門家に完全無料・何度でも相談できます。法律相談に限らず、経営全般の課題に対応しており、100以上の支援メニューを保有しています。
中小企業診断士・税理士・弁護士・司法書士等の専門家が日替わりで対応しており、1回あたり原則45分の相談が可能です。経営全般のほか、販路開拓・IT/IoT・資金繰り・M&A・事業承継・労務・税務・法律相談に対応しています。
出典: 東京都中小企業振興公社「ワンストップ総合相談窓口」(最終確認: 2026年3月)
東京商工会議所では、中小企業の経営に関する無料相談を提供しています。法律相談を含む幅広い分野に対応しており、23区内に23支部とビジネスサポートデスク5か所を展開しています。
東京商工会議所は弁護士の直接紹介は行っていません。法律相談については東京弁護士会等の外部機関を案内する形をとっています。「まず誰に相談すべきかわからない」という段階での最初の窓口として有用です。
出典: 東京商工会議所「中小企業相談センター」(最終確認: 2026年3月)
東京都よろず支援拠点は、国(中小企業庁)が設置した無料の経営相談窓口です。中小企業診断士・税理士・弁護士・CFP等のコーディネーターが丁寧にヒアリングし、経営課題の解決を支援します。
法律相談に特化した窓口ではありませんが、経営課題に関連する法的問題について相談でき、必要に応じて弁護士等の専門家を紹介してもらえます。複数回の継続相談にも対応しているため、じっくり課題を整理したい場合に適しています。
出典: 東京都よろず支援拠点(最終確認: 2026年3月)
ひまわりほっとダイヤルは、日本弁護士連合会が運営する中小企業向けの相談ダイヤルです。東京では三弁護士会(東京・第一東京・第二東京)の弁護士業務協議会が運営しており、初回面談30分無料で弁護士に相談できます。
電話一本で最寄りの弁護士会に自動転送され、担当弁護士が紹介されます。法律相談だけでなく、事件処理、顧問委任、講演依頼にも対応しています。
出典: 日本弁護士連合会「ひまわりほっとダイヤル」(最終確認: 2026年3月)
| 窓口名 | 種別 | 相談料 | 弁護士の選択 | 相談形式 | 対象 |
|---|---|---|---|---|---|
| 企業法務弁護士ナビ | 民間 | 初回無料(弁護士による) | ○(分野・地域で検索可) | 対面/電話/オンライン | 企業全般 |
| LegalBase | 民間 | 月額5,000円〜 | ○(チャット相談) | オンライン | 中小企業 |
| 東弁 中小企業法律支援センター | 公的 | ヒアリング無料/面談初回30分無料 | △(紹介制) | 電話/面談 | 中小企業 |
| 振興公社 ワンストップ | 公的 | 無料(何度でも) | × | 電話/来社/オンライン | 都内中小企業 |
| 東京商工会議所 | 公的 | 無料 | ×(外部紹介) | 対面 | 23区内・5名以下 |
| 東京都よろず支援拠点 | 公的 | 無料(何度でも) | × | 対面/オンライン | 中小企業 |
| ひまわりほっとダイヤル | 公的 | 初回30分無料 | ×(弁護士会が紹介) | 電話→対面 | 中小企業 |
「まだ弁護士に相談するほどではない」と考える経営者の方も少なくありません。しかし、東京の中小企業には弁護士への早期相談が特に重要な理由があります。
東京都には全国の情報通信業の事業所の約40%が集中しています。SaaS契約やシステム開発委託に関するトラブルは年々増加傾向にあり、契約書の不備や著作権の帰属に関する紛争は東京の中小企業にとって身近な問題です。
こうしたIT特有のトラブルは、企業法務の中でも比較的新しい分野であり、業界に精通した弁護士に相談することで、より具体的な対応策を得られます。
東京都内には約960万人の従業者がおり、人材の流動性が高い環境にあります。雇止め・残業代の未払い・ハラスメントなどの労務トラブルが発生するケースは少なくありません。
労務問題は対応が遅れると、労働基準監督署への申告や訴訟に発展する可能性もあります。問題が表面化した段階で弁護士に相談することで、適切な初期対応が可能になり、経営リスクを最小限に抑えられます。
中小企業庁の「中小企業白書」によると、中小企業の経営者の高齢化が進み、後継者が見つからない企業は全国的に増加傾向にあるとされています。東京は企業の集積度が高い分、M&Aによる事業承継の選択肢も豊富ですが、その分だけ法的リスクの検討も複雑になります。
事業承継には、株式の移転・税務対策・従業員の処遇など複数の法律問題が絡み合うため、計画の初期段階から弁護士に相談しておくことで、後のトラブルを防ぎやすくなります。
出典: 中小企業庁「中小企業白書」
こんな状況なら弁護士に相談を検討しましょう:
東京には23,550人の弁護士がいますが、選択肢が多いからこそ「どの弁護士を選べばよいのか」と悩む方は多いものです。ここでは、弁護士選びで失敗しないための3つのポイントを解説します。
弁護士にはそれぞれ得意分野があるため、自社の法律課題に近い分野の実績がある弁護士を選ぶことが重要です。
東京の中小企業が多い主な業界と、よくある法的課題の例を挙げます。
| 業界 | 集積エリア | よくある法的課題 |
|---|---|---|
| IT・情報通信 | 渋谷・六本木・五反田 | SaaS契約、システム開発紛争、個人情報保護 |
| 精密製造業 | 大田区 | 特許・知財、取適法(旧:下請法)対応、製造物責任 |
| 卸売・小売 | 中央区・台東区 | 取引契約、EC関連法務、景品表示法 |
| コンサルティング | 千代田区・港区 | 業務委託契約、秘密保持、競業避止 |
| 飲食・サービス | 新宿・渋谷・中央区 | 店舗賃貸契約、労務問題、FC契約 |
企業法務弁護士ナビでは、弁護士ごとの専門分野・対応エリア・解決事例を確認したうえで、自社に合った弁護士を選ぶことができます。
弁護士との相性は、実際に相談してみないとわからない部分が多いため、まずは初回無料相談を利用して複数の弁護士に相談してみることをおすすめします。
弁護士費用は事務所によって大きく異なります。後でトラブルにならないよう、以下の点を初回相談時に確認しておきましょう。
弁護士相談前の準備チェックリスト:
無料相談は弁護士選びの第一歩として有効ですが、いくつかの注意点があります。事前に把握しておくことで、相談をより有意義なものにできます。
「無料相談」といっても、窓口によって無料の範囲は異なります。
想定外の費用が発生しないよう、予約時に「何が無料で、何が有料になるか」を明確に確認しておくことが重要です。
無料相談では、問題の方向性や法的な見通しを確認できますが、具体的な書面作成・交渉・訴訟対応は別途依頼が必要です。無料相談はあくまで「弁護士に依頼すべきかどうか」を判断するための場と位置づけましょう。
東京弁護士会中小企業法律支援センターや東京都中小企業振興公社などの公的窓口では、相談を担当する弁護士は窓口側が決定します。そのため、自社の業界に詳しい弁護士に当たるとは限りません。
特定の専門分野に強い弁護士を選びたい場合は、企業法務弁護士ナビのような検索サービスを併用することをおすすめします。
弁護士には法律上の守秘義務(弁護士法23条)があります。相談内容が外部に漏れることはないため、「こんなことを相談してよいのか」と躊躇する必要はありません。問題の全容を正直に伝える方が、的確なアドバイスを受けられます。
弁護士への依頼を検討する際、最も気になるのが費用です。ここでは、中小企業が弁護士に依頼する主なケースごとの費用相場を紹介します。
※以下の金額は、日本弁護士連合会の旧報酬基準(2004年廃止、現在も多くの事務所が参考としている)や法テラスの弁護士費用立替基準等を参考にした一般的な目安です。実際の費用は案件の複雑さや弁護士事務所によって大きく異なりますので、必ず個別にお見積もりをご確認ください。
| 依頼内容 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 契約書チェック(軽微な修正) | 1万〜3万円 | 定型的な契約書の確認 |
| 契約書チェック(複雑な案件) | 10万〜20万円 | M&A関連・国際取引など |
| 契約書作成(シンプルな内容) | 5万〜10万円 | 業務委託・秘密保持など |
| 契約書作成(複雑な内容) | 20万〜30万円以上 | 合弁契約・大型取引など |
| 依頼内容 | 着手金の目安 | 報酬金の目安 |
|---|---|---|
| 労働審判の対応 | 16万〜33万円 | 獲得利益の15〜30% |
| 解雇トラブルの交渉 | 10万〜30万円 | 獲得利益の15〜30% |
| 就業規則の作成・見直し | 10万〜30万円 | ― |
| ハラスメント調査・対応 | 20万〜50万円 | 事案の規模による |
| 月額の目安 | 含まれるサービス |
|---|---|
| 月額5,000円〜1万円 | 限定的なサービス。基本的な法律相談のみで、実務対応は別途費用 |
| 月額3万〜5万円 | 標準プラン。月数回の法律相談、基本的な契約書チェック含む |
| 月額5万〜10万円 | 充実プラン。法律相談回数無制限、契約書チェック・作成、簡易な交渉代理含む |
月に2〜3回の法律相談と年間10件程度の契約書チェックがある場合を想定してみましょう。
| 項目 | スポット依頼 | 顧問契約(月額5万円) |
|---|---|---|
| 法律相談(月3回) | 33,000円/月(5,500円×3回×30分×2枠) | 月額に含む |
| 契約書チェック(年10件) | 300,000円/年(3万円×10件) | 月額に含む |
| 年間合計 | 約696,000円 | 600,000円 |
| 緊急時の対応 | 都度探す必要あり | 優先対応あり |
上記はあくまで簡易シミュレーションですが、定期的に弁護士への相談が発生する企業であれば、顧問契約の方がトータルコストを抑えられ、緊急時の対応もスムーズになります。
東京でビジネスを展開する中小企業にとって、法的トラブルの放置や初動の遅れは、経営の根幹を揺るがしかねません。
本記事で紹介した東京弁護士会中小企業法律支援センターや東京都中小企業振興公社などの公的な無料相談窓口は、初期段階の情報収集としては有効です。しかし、窓口によっては「担当弁護士を選べない」「回数制限がある」「予約待ちが生じる」といった制約もあるため、緊急性の高いトラブルに直面している場合には、自ら弁護士を選ぶ方法も併用することをおすすめします。
スピードが求められる企業法務においては、自社の業界や東京特有のビジネス環境に精通した弁護士へ「自ら直接アクセスする」ことが重要です。
企業法務弁護士ナビなら、東京エリアで実績が豊富で、初回無料相談に対応している法律事務所を「業界・分野別」に簡単に比較・検索できます。相談の順番を待って時間を浪費する前に、まずは自社の課題に最もマッチする弁護士を見つけ出し、早期解決への第一歩を踏み出してください。
本記事の統計データ出典:
・中小企業数: 東京都統計「令和3年経済センサス-活動調査」
・弁護士数: 日本弁護士連合会「弁護士会別会員数」(2026年3月1日現在)
・産業構造: 東京都産業労働局
編集部
本記事は企業法務弁護士ナビを運営する株式会社アシロ編集部が企画・執筆いたしました。
※企業法務弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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