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不正競争防止法

読み: ふせいきょうそうぼうしほう 

不正競争防止法とは、事業者間の公正な競争を確保し、国際条約の的確な実施を図ることを目的として定められた法律です。商標権・特許権等の知的財産権登録とは独立して、様々な不正競争行為を禁止し、被害者が差止・損害賠償請求を行える根拠を定めています。

主な不正競争行為の類型

  • 周知表示混同惹起行為:他人の周知な商品等表示(商号・ロゴ等)と同一・類似の表示を使用し混同させる行為
  • 著名表示冒用行為:他人の著名な商品等表示を自己の表示として使用する行為
  • 商品形態模倣行為:他人の商品の形態を模倣した商品を販売・輸出入する行為(商品化から3年間保護)
  • 営業秘密侵害:不正手段による営業秘密の取得・使用・開示
  • 限定提供データの不正取得:ID管理・暗号化等で限定提供されるデータの不正取得(2018年改正で新設)
  • ドメイン名の不正取得:他人の商標等に対応するドメイン名を不正に取得・使用する行為
  • 品質等誤認惹起行為:商品の品質・内容等について誤認させる表示

2024年施行の主な改正内容(令和5年改正)

不正競争防止法は、「不正競争防止法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第51号、令和5年6月7日成立・同月14日公布)により改正され、2024年4月1日に施行されました。デジタル化・国際化の進展を踏まえ、主に以下の点が見直されています。

  • デジタル空間における模倣行為の防止:従来は有体物(現物)の商品形態模倣行為のみを規制対象としていましたが、メタバース等のデジタル空間上で提供される商品の形態を模倣する行為も、新たに不正競争行為として差止請求等の対象になりました。
  • 営業秘密・限定提供データの保護強化:技術上の秘密が不正に使用されたことの推定が働く範囲が拡充されたほか、限定提供データの保護範囲が明確化されました。
  • 損害賠償額算定規定の拡充:不正競争によって生じた損害額の算定方法に関する規定が拡充され、被害を受けた事業者が損害賠償を請求しやすくなりました。
  • 外国公務員贈賄罪の罰則強化:OECD外国公務員贈賄防止条約のより適切な実施の観点から、個人に対する罰則が「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」から「10年以下の懲役または3,000万円以下の罰金」に、法人に対する罰則が「3億円以下の罰金」から「10億円以下の罰金」にそれぞれ引き上げられ、処罰範囲も拡大されました。

参考:経済産業省 特許庁|不正競争防止法等の一部を改正する法律(令和5年6月14日法律第51号)

企業法務での実務ポイント

営業秘密の保護においては、①秘密管理性(社内での秘密管理体制)、②有用性、③非公知性の3要件を充足させることが不正競争防止法による保護の前提です。技術情報・顧客リスト・価格情報等を営業秘密として保護するために、情報管理規程の整備・アクセス制限・NDAの締結が重要です。弁護士は侵害発見時の証拠保全・差止仮処分・刑事告訴を担います。従業員による営業秘密の不正な持ち出しへの対処法は、従業員不正に対する対処法について解説!損害賠償請求の対象条件もでも解説しています。

関連法令

不正競争防止法、商標法、著作権法

【関連記事】

従業員不正に対する対処法について解説!損害賠償請求の対象条件も

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