クレーム対応を弁護士に任せるべき4つのケース|依頼後の流れと企業側のメリット

専門家執筆記事
クレーム対応を弁護士に依頼することで、法律に基づき適切に対応してもらえるだけでなく、従業員の業務効率も向上するでしょう。本記事では、クレーム対応を弁護士に一任すべきケースや弁護士選びのポイント、弁護士費用の相場について解説しています。
中村法律事務所
町田 侑太
執筆記事
クレーム・不祥事
  • 「顧客からのクレーム対応に困っている」
  • 「クレーム対応に時間を取られて業務が進まない」
  • 「適切なクレーム対応ができているか不安...」

クレーム対応をおこなっている方のなかには、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

クレームには適切かつスピーディーに対応する必要がありますが、対応を誤ってしまうと顧客からの信頼を失ってしまうおそれがあります。

企業活動をおこなうなかで、顧客や取引先からのクレームに対応することは避けられません。

ただ、悪質なクレームが頻繁に発生するなどの場合には、弁護士へ相談するのがよいでしょう。

弁護士に相談することで、問題が穏便に解決するケースも多いです。

そこで本記事では、クレーム対応を弁護士に任せるべき4つのケースについて詳しく解説します。

依頼するメリットや、依頼後の流れもあわせて紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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クレーム対応を弁護士に依頼すべきケース4選

クレームに対して社内での対応が難しい場合や、法的なリスクが伴う場合には、弁護士への依頼を検討すべきです。

ここでは、弁護士に依頼すべき4つのケースについて具体的に解説します。

1.損害賠償を請求されている場合

自社の顧客や取引先に経済的損失や健康被害を与えてしまい、損害賠償請求を受ける場合があります。

請求自体は、被害を受けた顧客などが正当な権利に基づきおこなうものですが、法外な金額で損害賠償請求がなされたりする可能性があります。

また、もし裁判所に損害賠償請求訴訟を起こされることになれば、会社自体の社会的信用が大きく損なわれてしまうかもしれません。

そのため、損害賠償を請求された場合は、速やかに弁護士へ相談することが大切です。

弁護士に依頼することで、被害を受けた方々に対して適切な相場での解決ができるほか、誠意を持って対応することで問題を穏便かつ円満に解決することができます

2.無理な要求をされている場合

土下座を強要したり、商品を無料で提供するように要求するなど、企業がクレームに応じることができない無理な要求が含まれるときもあります。

このような場合も、速やかに弁護士へ相談し、適切に対処してもらうことが大切です。

間違っても、感情的に対応してはいけません。

感情的に対応すると、かえって状況が悪化する可能性が高くなります。

弁護士は法律に基づいて無理な要求を拒否し、適切かつ冷静に対応可能です。

法的な裏付けをもとにした交渉もできるので、相手の態度が改善するケースも少なくありません。

3.一日に何度も連絡がある場合

クレームの内容が妥当であっても、一日に何度も連絡があるような場合は「迷惑行為」とみなされる可能性があります。

たとえば、週に何度も店舗や会社を訪れて不満や怒りをぶつける行為や、一日に何度も抗議の電話やメールを繰り返す行為が該当します。

過度なクレームは、事業の運営に支障をきたすだけでなく、他の顧客に迷惑を及ぼす可能性があるため、弁護士に相談して対処してもらうのがよいでしょう。

弁護士であれば、法律の根拠をもとに適切な対応策を提案してくれるので、業務への影響を最小限に抑えることが可能です。

4.従業員が暴力を受けた場合

クレーム対応の場で従業員が暴力を受けた場合、以下の犯罪が成立する可能性があります。

  • ケガにまで至らなかった場合 → 暴行罪(刑法第208条)
    • 「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」
  • ケガをさせた場合 → 傷害罪(刑法第204条)
    • 「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」

暴力を受けた場合、被害者となった従業員の心身のケアが最優先になると同時に、法的な手段を講じることも重要です。

弁護士に依頼することで、被害届の提出や加害者に対する損害賠償請求、再発防止のための法的措置などをスムーズに進められるでしょう。

クレーム対応を弁護士に相談・依頼する3つのメリット

ここでは、クレーム対応を弁護士に依頼する主なメリットを3つ説明します。

1.法律に基づいた対応ができる

自社で顧客へのクレーム対応をおこなう場合、どうしても「お客様」としての対応が求められ、クレームを申し立てる相手方も「顧客としての扱い」を期待する傾向があります。

そのため、法律に基づいたルールを徹底するのが難しく、相手の主張を受け入れてしまいがちです。

また、「誠意を見せるべきだ」「筋を通してほしい」といった、法律とは異なる観点からのクレームを受けることも想定されます。

一方で、弁護士が対応する場合、相手も、法律に基づくルールに沿った議論となる可能性があるため、問題解決に向けた冷静かつ適切な対応が期待できます。

2.クレームの早期解決が期待できる

顧客からのクレームに正当な理由がある場合、事業者側は損害賠償の支払い、商品の交換、返金などの対応をしなければなりません。

また、事業者が誠意を持って謝罪し、早期に対応するだけでなく、問題が再び蒸し返されるのを防ぐために顧客との間で明確な約束を取り交わすことが重要です。

弁護士は、法律の専門知識を活用し、双方が納得できる形で早期に和解を成立させることができます

和解が成立した際には、和解の内容を明確に記載するとともに、顧客が、同内容のクレームで紛争することを禁止するような条項を盛り込んだ合意書を作成可能です。

3.従業員が本来の業務に集中できる

クレーム対応に慣れていない場合、どれだけ時間と労力を費やしても問題を解決できない可能性があります。

対応に追われるほど本来の業務への影響が大きくなるので、結果として新たなミスや別のクレームが発生するリスクも高まるでしょう。

弁護士に依頼することで、クレームを入れた相手方に対して「今後の対応は弁護士がおこないますので、以降は弁護士にご連絡ください」と伝えることができます

また、依頼を受けた弁護士からも、クレームを入れた相手方に対して「今後の連絡は全て弁護士宛てにお願いいたします」と正式に通知して、以降のやり取りは弁護士に一任することになります。

弁護士がクレーム対応を引き受けることで、自社の負担を大幅に軽減し、従業員は本来の業務に集中できるようになります。

クレーム対応を弁護士に依頼した場合の解決までの流れ|4ステップ

ここでは、クレーム対応を弁護士に依頼した場合の解決までの流れを4つのステップに分けて解説します。

1.弁護士が相手方へ受任通知を発送する

まず、弁護士が依頼者から事実関係を確認したうえで、相手方(クレーム客)に対して正式に受任通知を発送します。

通知には、弁護士が依頼者(事業者)から依頼を受けてクレーム対応の窓口となった旨と、今後のやり取りは全て弁護士を通じておこなうように求める旨が記載されます。

2.クレームの根拠となる資料の提出を要求する

弁護士が顧客に対して適切に対応するためには、事実関係や相手方の主張を正確に把握することが不可欠です。

そのため、弁護士は顧客に対して主張の根拠としている資料の提出を要求します。

この際、弁護士の対応に対して不満を抱く場合も顧客もいるかもしれません。

しかし、何らかの損害を受けた場合の立証責任は被害者側が負うことになります。

たとえば損害賠償請求においては、顧客側が損害が発生したことなどを示す資料を提示する必要があるのです。

資料の提出を要求することで、弁護士が相手方の法的主張に適切に反論するための準備を進められるようになるでしょう。

3.弁護士と依頼者との間で解決方針を打ち合わせる

次に、弁護士は相手方から提出された資料をもとに、事業者が損害賠償や返金、商品の交換といった対応をすべきかどうかを判断し、法的観点を踏まえた解決案を策定します。

その後、弁護士と依頼者との間で打ち合わせをおこない、提示する解決策が適切であるか、依頼者の意向に沿っているかを確認します。

そして、依頼者と弁護士とで連携して、クレームを入れた顧客に提示するための解決策を確定していきます。

4.弁護士が相手方とクレームの内容について交渉する

クレームに対する解決策が決定したあとは、書面を通じて弁護士から相手方に解決策が提示されます。

解決策のなかに損害賠償に関する内容が含まれる場合、賠償金を受け取ったあとはその他の請求を一切しないことを確約する内容を含めた書面を作成します。

そして、この書面に相手方が署名と捺印をし、返送してもらったあとに、賠償金を振り込みます。

なお、相手方が提示された解決策に納得しない場合もあるでしょう。

その場合は、弁護士が法的な観点から、提示した解決策以上の負担には応じられない理由を理論的かつ丁寧に説明します。

それでもなお相手方の理解が得られない場合、不合理な要求に無理に応じるのではなく、提案可能な解決策を示したうえで、事業者としての対応を終了することも視野に入れるべきです。

事業者側がすでに合理的な解決策を提示していれば、相手方は訴訟を断念する可能性が高いです。

それでも訴訟が起こされた場合には、弁護士が粛々と対応を進めることになります。

クレーム対応を依頼する際の弁護士選びの3つのポイント

適切なクレーム対応を実現するには、弁護士選びが非常に重要です。

ここでは、弁護士を選ぶ際に注目すべき3つのポイントを紹介します。

1.クレーム対応の経験が豊富かどうか

離婚、相続、交通事故、労働問題など、弁護士にはさまざまな専門分野があり、それぞれ異なる分野で専門的な知識と経験を持っています。

弁護士であれば法律事務全般に対応できますが、クレーム対応の経験と実績が豊富な弁護士に依頼することが重要です。

また、クレーム対応には、法的知識だけでなく交渉力や感情的な配慮も求められるため、経験豊かな弁護士でなければ効果的な解決が難しいことがあります。

企業が直面するクレームは事業内容や規模に応じて異なるので、とくに過去に同様の案件を手がけた経験があるかを確認しておきましょう。

似たような案件や企業規模のクレーム対応を経験した弁護士であれば、適切な対応にも期待できます。

2.近くに法律事務所があるかどうか

クレーム対応にはスピードが求められるため、迅速にコンタクトが取れる弁護士を選ぶことが重要です。

また、オンラインでの対応できる法律事務所も増えているものの、対面で相談したほうがよい事案もあるので、できれば事業所から近い場所にある事務所を選ぶのが無難でしょう。

3.相場と比べて料金が妥当かどうか

クレーム対応を弁護士に依頼する場合、相談料・着手金・成功報酬が発生するのが一般的です。

実際にかかる費用は事案の内容や規模によって異なりますが、相場と比較して妥当かどうかを確認しておきましょう。

以下は、クレーム対応を弁護士に依頼する際の費用相場です。

【クレーム対応を弁護士に依頼する場合の相場】
費用項目 費用目安
相談料 5,000円~1万円程度(初回無料の場合もあり)
着手金 10万円~30万円程度
報酬金 経済的利益の10%~20% (金員の請求がない場合には、10万円~30万円程度)

クレームの多い業界なら顧問弁護士契約を検討するのもおすすめ!

クレーム対応は一度きりではなく、継続的に発生する場合も多いです。

顧問弁護士契約を結んでおくことで、クレームが発生したときに迅速に対応できるので、企業にとっては心強いでしょう。

また、顧問契約をすることによって弁護士への相談料を割引してもらえる場合もあります。

とくに、クレームが多く発生しやすい業界では、常に法的なサポートが必要になるので、顧問弁護士との契約を前向きに検討してください。

AI与信管理サービスを提供するアラームボックスが調査した結果によれば、以下のような業界ではクレームが多いことがわかっています。

  • 1位:無店舗小売業(通販事業)
  • 2位:宿泊業(ホテル、旅館)
  • 3位:医療業(病院、美容クリニック、医療脱毛など)
  • 4位:各種商品小売業(百貨店、総合スーパー)
  • 5位:鉄道業(鉄道会社)
  • 6位:その他の小売業(書店、ホビー販売店、スポーツ用品、化粧品、インテリア用品などの小売店など)
  • 7位:通信業(携帯キャリア、ネット回線サービス、プロバイダ代理販売店など)
  • 8位:機械器具小売業(家電量販店、自動車販売店など)
  • 9位:飲食店(レストラン、居酒屋、専門料理店、カフェなど)
  • 10位:洗濯・理容・美容・浴場業(エステ、美容院、クリーニング店など)

【参考:アラームボックス株式会社WEB頁】2024年上半期 インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種を発表|アラームボックス株式会社

自社が上記の業界に当てはまる場合は、弁護士との顧問契約を検討してみましょう。

さいごに|クレーム対応が得意な弁護士を探すなら企業法務弁護士ナビ!

クレーム対応を誤ると企業の評判に傷がつくだけでなく、法的トラブルに発展するリスクもあります。

クレーム対応が得意な弁護士に依頼することで、問題を迅速かつ効果的に解決し,企業の信頼を守ることにもつながります。

なお、クレーム対応が得意な弁護士を探す際には、「企業法務弁護士ナビ」を活用するのがおすすめです。

企業法務弁護士ナビには、クレーム対応などの企業法務を得意とする弁護士が多数登録されているので、条件にあった弁護士を効率よく探すことができます。

また、弁護士の専門分野や過去の実績を確認できるため、自社のニーズに合ったパートナーを選びやすい点も特徴です。

信頼できる弁護士に相談して、トラブルの早期解決を図りましょう。

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