【中小企業向け】弁護士に無料相談できる窓口6選|初回相談無料の弁護士もご紹介|企業法務弁護士ナビ

専門家監修記事
本記事では、中小企業の経営者向けに弁護士に無料相談できる窓口を6つご紹介します。各窓口の特徴や相談できる内容、利用方法を詳しく解説するとともに、弁護士選びで失敗しないためのポイントや、相談前の準備事項、費用相場についても網羅的にお伝えします。
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企業法務

契約トラブル、労務問題、債権回収、知的財産権の侵害―中小企業の経営には、さまざまな法的リスクが潜んでいます。

しかし、「弁護士への相談は費用が高そう」「どこに相談すればいいかわからない」という理由で、問題を先送りにしていませんか?

本記事では、中小企業が企業法務に詳しい弁護士に無料相談できる窓口(電話・メールで相談可能)を6つご紹介します。

さらに、各窓口の特徴や相談できる内容、利用方法を詳しく解説するとともに、弁護士選びで失敗しないためのポイントや、相談前の準備事項費用相場についても網羅的にお伝えします。

目次

中小企業が弁護士に無料相談できる窓口一覧

中小企業の法律問題について相談できる窓口は6つあります。状況や希望に応じて最適な窓口に相談することが重要です。

企業法務弁護士ナビ|初回相談無料の弁護士多数掲載

 

企業法務弁護士ナビは、全国の企業法務に詳しい弁護士を掲載している弁護士検索サイトです。

企業法務について相談するなら、弁護士に直接連絡するのが最も確実です。なぜなら、このあと紹介する弁護士会・商工会議所・中小企業振興公社などの相談窓口では、相談内容や回数に制限があったり、相性の良い弁護士を選ぶことができないことがほとんど。相談できる窓口があっても、その場で具体的な解決策を示してもらえなかったり、毎回相談相手が変わったりと不便なことが多いです。

しかし、弁護士を自分で探すのは手間がかかります。企業法務弁護士ナビなら、複数の弁護士事務所のサイトを行ったり来たりして比較する手間がかかりません弁護士の社外役員経験・これまでの解決実績・対応可能な業界・料金・得意分野・対応エリアなどで簡単に比較できます。

さらに、初回相談無料・24時間相談可・土日祝対応という事務所が掲載されているのも魅力。実際に依頼しなくてもいいので、貴社が抱える法務課題を気軽に無料相談できます。また、気に入った弁護士がいれば顧問契約を結ぶこともできるので、専属の法務パートナーとして、貴社の利益を最大化するために継続的に動いてもらえます。

事務所によっては、電話・メール以外にも、LINE・Zoom・Slack・ChatWork・Google Meet・Microsoft Teamsなど、様々な手段で無料相談できます。

 

企業法務の解決実績が豊富な
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弁護士 高瀬 亜富(弁護士法人内田・鮫島法律事務所)
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【相談内容別】企業法務弁護士ナビで弁護士を探す

企業法務弁護士ナビでは、貴社が抱える課題の分野で弁護士を探すことが可能です。

企業法務に詳しいと一言でいっても、弁護士によって得意分野があります。企業法務弁護士ナビでは、その分野の解決実績が豊富な弁護士を比較して探すことができるので、初めて弁護士に相談する方にもおすすめです。

貴社が直面している法務課題に詳しい弁護士を簡単に探せるので、ぜひ活用してみてくださいね。

 

【業界別】企業法務弁護士ナビで弁護士を探す

企業法務弁護士ナビでは、貴社が属する業界での実績が豊富な弁護士を探すことができます

サービス業・製造業・建設業をはじめ、様々な業界で絞り込んで検索が可能です。

無料相談だけでも、そのまま依頼・顧問契約でもOK。気になる人は是非、以下から貴社の業界に詳しい弁護士を探してみてください。

業界別 弁護士を探す

弁護士には得意な業界があります。
業界を指定して弁護士を探すことで、ミスマッチを防ぐことができます。

金融業界

金融業界

金融規制、コンプライアンス、M&A、投資関連など金融業界特有の法務課題に精通した弁護士をご紹介します。

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建築・不動産業界

建築・不動産業界

不動産取引、建築紛争、賃貸借契約、区分所有法など不動産・建築分野の法務に詳しい弁護士をご紹介します。

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物流・運送業界

物流・運送業界

運送契約、物流事業の規制対応、国際物流に関する法務など、物流・運送業界に特化した弁護士をご紹介します。

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IT・メディア業界

IT・メディア業界

知的財産権、個人情報保護、システム開発契約など、IT・メディア業界特有の法務課題を解決する弁護士をご紹介します。

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エネルギー・資源業界

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エネルギー規制、環境法、資源開発に関する契約など、エネルギー・資源分野に詳しい弁護士をご紹介します。

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自動車・機械業界

自動車・機械業界

製造物責任、知的財産権、取引契約、規制対応など自動車・機械業界特有の法務に特化した弁護士をご紹介します。

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電気・精密業界

電気・精密業界

特許・知的財産権管理、製造物責任、国際取引など電気・精密機器製造に関する法務に強い弁護士をご紹介します。

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食品業界

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食品衛生法、製造物責任、表示規制、フランチャイズ契約など食品業界特有の法務に詳しい弁護士をご紹介します。

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小売業界

小売業界

消費者契約法、景品表示法、フランチャイズ契約、労務問題など小売業に関する法務に強い弁護士をご紹介します。

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商社業界

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国際取引、各種契約交渉、通商法規制、コンプライアンス体制構築など商社業界に詳しい弁護士をご紹介します。

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繊維業界

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商標・意匠権保護、国際取引、下請法、輸出入規制など繊維・アパレル業界特有の法務に詳しい弁護士をご紹介します。

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飲食業界

飲食業界

フランチャイズ契約、食品衛生法、店舗賃貸借契約、労務問題など飲食業界特有の法務課題に強い弁護士をご紹介します。

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サービス業界

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サービス契約、知的財産保護、消費者契約法、労務問題など各種サービス業に関する法務に詳しい弁護士をご紹介します。

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娯楽・レジャー業界

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著作権、ライセンス契約、イベント関連法務、施設運営など娯楽・レジャー産業特有の法務に詳しい弁護士をご紹介します。

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医療業界

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医療過誤、診療報酬制度、薬事法、医療機関経営など医療業界特有の法務課題に詳しい弁護士をご紹介します。

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【都道府県別】企業法務弁護士ナビで弁護士を探す

企業法務弁護士ナビでは、全国の企業法務に詳しい弁護士を多数掲載しています。

東京・大阪をはじめ、47都道府県で絞り込んで探せます。さらに、市区町村や駅名で探すこともできるので、

「WEBで相談できるとはいえ、やっぱり面と向かって相談できたほうが安心」
「何かあった時にすぐに駆けつけてくれる距離の弁護士を探したい」

と感じる方にもおすすめです。

日弁連ひまわり中小企業センター(全国弁護士会中小企業法律支援)

日弁連ひまわり中小企業センターは、日本弁護士連合会が主導し、全国52の弁護士会と連携して運営する、中小企業向けの法律相談窓口です。

全国共通専用ダイヤル「ひまわりほっとダイヤル(0570-001-240)」により、どの地域からでも管轄の弁護士会につながり、多くの地域ではコンシェルジュ弁護士による案内や、専門分野に応じた弁護士紹介など、きめ細やかな対応を受けることができるのが特徴。

ただし、全国の弁護士会は幅広い法律分野に対応しているものの、地域によっては希望する分野に詳しい弁護士が必ずしも見つかるとは限りません

また、多くの弁護士会で初回30分は無料相談を実施していますが、それ以降は各地域により料金が異なり、例えば東京では30分5,500円(税込)、大阪でも同額となっている点にも注意が必要。

「とりあえず簡単な法的見解が得られれば良い」
「そもそも法律問題かどうかの判断がつかない」

といった、重要度が低い相談をするには検討の余地があるでしょう。また、全国の弁護士会では、希望に応じて、顧問弁護士の紹介も行っています

商工会議所の中小企業向け法律相談窓口

商工会議所 中小企業法律相談窓口は、全国の商工会議所が地域の中小企業向けに提供する法律相談サービスです。

経営指導の一環として、弁護士、税理士、社会保険労務士などの専門家による相談窓口を設置しており、契約トラブル、債権回収、労務問題、知的財産など幅広い経営課題に対応。多くの商工会議所では初回相談を無料で実施しているのが特徴。

ただし、商工会議所の法律相談は幅広い経営課題に対応しているものの、係争中の問題への介入や具体的な文書作成代行は行わないため、あくまで助言的な性質に留まる点に注意が必要。

また、相談回数に制限があり、例えば大阪商工会議所では年間5回まで、相談時間も30分程度と限られており、複雑な問題には十分対応できない可能性がある点にも注意が必要。

「まずは気軽に専門家の意見を聞いてみたい」
「経営上の問題が法律問題に該当するか判断がつかない」

といった、初期段階での相談や予防的なアドバイスを求める場合には最適でしょう。また、多くの商工会議所では、エキスパートバンク事業による専門家派遣も行っています。

東京都中小企業振興公社 ワンストップ総合相談窓口

中小企業振興公社 ワンストップ総合相談窓口は、各都道府県・市町村が設立・運営する中小企業支援機関が提供する総合相談サービスです。

東京都中小企業振興公社を筆頭に、創業から経営全般、IT化支援、税務会計、労務、法律まで100を超える支援メニューを無料で提供電話、オンライン、来所、メールと多様な相談形式に対応し、法律問題だけでなく経営課題全般をワンストップで相談できるのが特徴。

ただし、中小企業振興公社は総合的な経営支援を行っているものの、法律相談については提携弁護士への橋渡しが中心となる場合が多く、直接的な法務サービスの深さには限界がある点に注意が必要。

また、地域によってサービス内容に差があり、東京都のような充実した体制を持つ地域がある一方、法律相談が限定的な地域もあるため、所在地の振興公社のサービス内容を事前に確認する必要がある点にも注意が必要。

「経営課題全般の中で法的な問題も含めて相談したい」
「どの専門家に相談すべきか判断がつかない」

といった、複合的な経営課題を抱える場合や、問題の切り分けから始めたい場合には最適でしょう。また、多くの振興公社では、他の経営支援サービスとの連携も行っています。

日本弁護士連合会 ひまわりほっとダイヤル

ひまわりほっとダイヤルは、日本弁護士連合会が運営する中小企業経営者・個人事業主専用の法律相談予約サービスです。

全国共通ダイヤル(0570-001-240)により、どこからでも最寄りの弁護士会につながり、弁護士との面談相談を予約可能。多くの地域で初回30分の面談相談が無料で、債権回収、労務問題、契約交渉、知的財産、事業承継、海外展開など幅広い経営課題に対応しているのが特徴。

ただし、ひまわりほっとダイヤルは電話での直接相談は原則受け付けておらず、あくまで面談予約のための窓口である点に注意が必要。

また、一部地域では初回相談も有料(30分5,500円)となる場合があり、2回目以降の相談や事件依頼時には弁護士報酬が発生する点にも注意が必要。

「弁護士に相談したいが、どこに連絡すればよいか分からない」
「まずは無料で専門家の意見を聞いてみたい」

といった、初めて弁護士に相談する場合や、法的問題の初期段階で専門家の見解を求める場合には最適でしょう。また、Web申込みによる24時間予約受付も行っています。

下請かけこみ寺

下請かけこみ寺は、中小企業庁の委託を受けて全国中小企業振興機関協会が運営する、中小企業・個人事業主・フリーランス向けの取引トラブル相談窓口です。

全国48か所に設置され、フリーダイヤル(0120-418-618)により無料で相談可能。下請代金の未払い、不当な減額・返品、買いたたき、取引停止など下請取引に関する問題に特化し、専門の相談員や弁護士による裁判外紛争解決手続(ADR)も無料で提供しているのが特徴。

ただし、下請かけこみ寺のADRは相手方の同意が必要で、強制力を持たないため、相手が非協力的な場合は効果が限定的となる点に注意が必要。

また、下請取引に特化しているため、それ以外の広範な法律問題や複雑な国際取引などには対応できない場合があり、交通費や書類送料などの付随費用は自己負担となる点にも注意が必要。

「親事業者との力関係で困っている」
「下請法に違反していないか確認したい」

といった、下請取引特有の問題や、訴訟を避けて円満解決を望む場合には最適でしょう。また、秘密厳守で匿名相談も可能です。

中小企業が弁護士に無料相談できる窓口比較表

結論、企業法務に関する悩みを弁護士に無料相談するなら、企業法務に詳しい弁護士に直接相談するのがおすすめです

弁護士に相談できる窓口は、大きく分けて、企業法務弁護士ナビ・日弁連ひまわり中小企業センター・各都道府県の商工会議所・東京都中小企業振興公社・ひまわりほっとダイヤル・下請かけこみ寺の6つ。

日弁連ひまわり中小企業センターや商工会議所の相談窓口では、自分で弁護士を選ぶことができず、基本的な相談にしか乗ってもらえないことがほとんどです。

しかし、だからと言って自分で一つ一つ弁護士を探して依頼するのは手間。料金や解決実績を簡単に比較できるうえ、近くの弁護士を検索できる企業法務弁護士ナビを活用して、弁護士を探すのがおすすめです。

中小企業こそ弁護士に相談すべき理由


中小企業は大企業と異なり、社内に法務専門家を置く余裕がないケースがほとんどです。

しかし、取引先との契約交渉、従業員との労務トラブル、事業拡大に伴う法規制への対応など、日々の経営には様々な法的課題が潜んでいます

これらの問題に直面してから対応するのではなく、早期に弁護士へ相談することで、コストを抑えながら適切な解決策を見出すことができるのです。

法務リスクを事前に防ぐことができる

中小企業が直面する法務リスクは、契約書の不備による損害、労働基準法違反による行政指導、知的財産権の侵害など多岐にわたります。これらのリスクは、問題が顕在化してからでは手遅れになることが多く、事業への影響も甚大です。

弁護士に相談することで、契約書のリーガルチェック、就業規則の整備、商標登録の必要性など、潜在的なリスクを事前に洗い出すことができます。特に中小企業では、一度のトラブルが経営基盤を揺るがしかねないため、予防法務の観点から定期的な法務診断を受けることが重要です。

経済産業省は「国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会」報告書において、法務機能が企業の競争力向上に不可欠であるとの見解を示しています。また、研究開発型中小企業の調査では、法務機能が営業利益や経常利益といった収益性に影響を与える可能性も示唆されています。初期投資として弁護士への相談料がかかったとしても、将来的なリスク回避による損失防止効果を考えれば、費用対効果は十分に見込めるでしょう。

トラブルを迅速に解決できる

取引先からの未払い、従業員との労使紛争、顧客からのクレームなど、中小企業が直面するトラブルは突発的に発生することが多く、対応の遅れは事業継続に直結します。経営者が独自に対応しようとすると、法的知識の不足から問題をさらに複雑化させてしまうケースも少なくありません。

弁護士に相談することで、法的に適切な初動対応が可能となり、問題の早期解決につながります。例えば、債権回収では内容証明郵便の送付から支払督促、強制執行まで、段階的な法的手続きを迅速に進めることができます。また、労使トラブルでは、労働審判や訴訟に発展する前に、適切な和解交渉により円満解決を図ることも可能です。

日本弁護士連合会の紛争解決センターでは、2023年度の解決事件343件のうち、ほとんどが和解・あっせんによるものであり、審理期間も概ね130日前後と比較的迅速です。また、中小企業庁の「下請かけこみ寺」では、弁護士による裁判外紛争解決手続(ADR)を活用した支援を行っています。早期の法的介入により、時間的・金銭的コストを最小限に抑えながら、本業への影響を最小化できるのです。

事業の成長を法的に後押しできる

中小企業が新規事業への参入、M&A、海外展開などの成長戦略を実行する際、法的な裏付けは不可欠です。しかし、複雑な法規制や契約実務に不慣れなため、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまうケースも見受けられます。

弁護士は単なる法的リスクの指摘者ではなく、事業成長のパートナーとして機能します。例えば、新規事業では許認可取得のサポート、業務提携では契約スキームの構築、資金調達では投資契約の交渉支援など、各成長フェーズに応じた法的支援を提供できます。特に、ベンチャー企業の場合、知的財産戦略の構築は競争優位性の確立に直結します。

法務省の調査によると、顧問弁護士を置く中小企業は、そうでない企業と比べて新規事業への参入率が約2倍高いという結果が出ています。法的な不安を解消し、リスクを適切にコントロールすることで、経営者は本来の事業戦略に集中でき、持続的な成長を実現できるのです。

中小企業の弁護士選びで失敗しないための4つのポイント


弁護士への相談は、法的トラブルの解決だけでなく、信頼できるビジネスパートナーを見つける重要な機会でもあります。

中小企業が持続的な成長を実現するためには、自社に最適な弁護士を選ぶことが不可欠です。以下の4つのポイントを意識しながら、弁護士選びを進めましょう。

1.自社と同じ業界での実績が豊富かどうか

弁護士だからといって、どのような業界の問題でも確実に解決できるとは限りません。病気になったら専門の病院へ行くように、弁護士にも得意な業界や分野があります

製造業、IT業界、飲食業、建設業など、業界によって直面する法的課題は大きく異なります。例えば、製造業であれば製造物責任(PL法)や下請法、IT業界であれば情報セキュリティや知的財産権、飲食業であれば食品衛生法や営業許可などが主要な課題となります。

自社と同じ業界での実績が豊富な弁護士であれば、業界特有の商慣習や規制を熟知しており、より実践的で的確なアドバイスが期待できます。初回相談の際には、過去の類似案件の実績や、自社の業界における専門知識について必ず確認しておきましょう。

2.経営者の視点に立ったビジネス理解度があるか

中小企業にとって、弁護士は単なる法律の専門家ではなく、経営上の重要な意思決定を支援するパートナーであるべきです。そのため、法的な観点だけでなく、ビジネスの実情を理解し、経営者の視点に立ったアドバイスができるかどうかが重要です。

優れた弁護士は、法的リスクを指摘するだけでなく、事業への影響度やコスト、実現可能性を総合的に判断し、複数の選択肢を提示してくれます。例えば、契約交渉において「法的にはリスクがあるが、ビジネス上のメリットを考慮すると、このような条件付きで進めることも可能」といった柔軟な提案ができる弁護士が理想的です。

相談の際には、自社のビジネスモデルや経営課題について説明し、それに対する弁護士の理解度や提案内容を確認することをおすすめします。

3.円滑にコミュニケーションを取れそうか

弁護士も人間ですので、相性が合うかどうかは非常に重要です。特に中小企業では、経営者が直接弁護士とやり取りすることが多いため、円滑なコミュニケーションが取れるかどうかは、問題解決の成否に直結します

相談内容に対する返答の仕方、説明の分かりやすさ、レスポンスの速さなどが判断材料になるでしょう。専門用語を多用せず、経営者が理解しやすい言葉で説明してくれるか質問しやすい雰囲気があるかメールや電話での連絡がスムーズかといった点も重要です。

また、緊急時の対応体制についても確認しておくべきです。中小企業では突発的なトラブルが発生することも多いため、必要な時にすぐに相談できる体制があるかどうかは、弁護士選びの重要なポイントとなります。

4.他の士業との連携体制があるか

中小企業が直面する課題は、法律問題だけに限りません。税務、労務、登記、知的財産など、様々な専門分野にまたがることが一般的です。そのため、弁護士が税理士、社会保険労務士、司法書士、弁理士などの他の専門家と連携体制を持っているかどうかも重要な判断基準となります。

例えば、M&Aを検討する際には、法的な観点だけでなく税務上の影響も考慮する必要があります。労務トラブルでは、社会保険労務士との連携が欠かせません。このような場合、弁護士が信頼できる他の専門家とネットワークを持っていれば、ワンストップで総合的なサポートを受けることができます

初回相談の際には、他の専門家との連携実績や、必要に応じて専門家を紹介してもらえるかどうかを確認しておきましょう。包括的なサポート体制があることで、中小企業は安心して本業に集中することができるのです。

弁護士に無料相談する前に覚えておきたいこと

相談時間を無駄にせず有効なアドバイスをもらうためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。事前準備をしっかり行うことで、限られた時間内でより具体的で実践的なアドバイスを受けることができます

無料相談できる時間は30分~60分程度

無料相談できる時間は弁護士事務所によって差がありますが、基本的には30分~60分と制限がある事務所がほとんどです。一部の事務所は無制限で無料相談に対応していますが、時間制限があるか事前に確認しておきましょう。

限られた時間を有効に使うためには、相談したい内容の優先順位を決めておくことが重要です。最も重要な問題から相談を始め、時間が許す範囲で他の関連事項についても質問するという進め方がおすすめです。また、弁護士の説明を聞く時間も必要なため、自分の説明は要点を絞って簡潔に行うよう心がけましょう。

契約書やメール文面などの関連資料を準備しておく

できる限りで良いので、相談内容に関する資料や証拠を集めておきましょう。無料相談の段階で具体的な資料があれば、解決に向けた具体的な回答が望めます

準備すべき資料の例としては、契約書、覚書、メールのやり取り、請求書・領収書、議事録、写真や動画などの証拠資料が挙げられます。特に契約書やメールの文面は、法的な判断を行う上で重要な根拠となります。資料が多い場合は、時系列順に整理したり、重要な箇所にマーカーを引いたりしておくと、弁護士も状況を把握しやすくなります。

最低限の事前知識を身につけておく

弁護士に無料相談する前にインターネットなどで関連する法律知識を身につけておくと、相談がスムーズに進みます。事前知識があるだけで無料相談の質も上がりますし、弁護士から提案される対応への理解度も高まるでしょう。

例えば、債権回収であれば時効期間や督促手続きの流れ、労務問題であれば労働基準法の基本的な内容、契約トラブルであれば契約解除の要件などを調べておくと良いでしょう。「こんな方法もあったのか」と、新たな解決方法が見つかることもあるかもしれません。場合によってはインターネットの情報だけで解決に向けて動けたり、「そもそも弁護士に相談するまでもない問題だ」と気づいたりすることもあります。

相談内容を明確にする

弁護士との無料相談は、法的な助言を受ける場です。企業法務の相談では、最低限、以下の4点を明確に伝えられるように整理しておきましょう

  • いつ・どこで起きたことなのか - 契約締結日、トラブル発生日、支払期日など重要な日付を時系列で整理
  • 誰が関わっているのか - 取引先企業名、担当者、自社の意思決定者など当事者の関係性を明確に
  • どのような問題で悩んでいるのか - 未払い金額、契約違反の内容、労使紛争の詳細など具体的な課題
  • 最終的にどうしたいのか - 債権回収、契約解除、和解、新規事業の法的整備など希望する解決方法

例えば、取引先との契約トラブルであれば「2024年4月に締結した業務委託契約で、納品後3ヶ月経過しても代金200万円が未払い。内容証明を送るべきか、直ちに法的手続きに入るべきか相談したい」というように、具体的な金額や期間を含めて説明できるよう準備しましょう。

まずは一度状況を紙やメモに書いて整理して、それをもとに弁護士に相談するのがおすすめです。特に金額、期日、契約条項などの数字や条件は正確に伝えることが重要です。また、緊急性の高い案件(仮差押えの必要性、時効期限など)がある場合は、最初に伝えることで、限られた時間を有効に活用できるでしょう。

中小企業向けの弁護士費用相場


中小企業が弁護士に依頼する際の費用は、依頼内容や事案の複雑性によって大きく異なります。

弁護士費用は主に着手金、報酬金、実費などで構成され、2004年の報酬自由化以降は各事務所が独自の料金体系を設定しています。

ここでは、中小企業が最も利用する法務サービスの費用相場を具体的に解説します。

契約法務(契約書チェック・契約書作成等)の弁護士費用相場は3万円~20万円

契約書のリーガルチェックの費用相場は、単発依頼の場合、3万円から15万円と幅広い範囲で設定されています。軽微な修正で済む場合は1万円程度、一定程度の修正が必要な場合は3万円程度、契約書作成に匹敵する大幅な修正が必要な場合は5万円程度が目安です。

シンプルで定型的な契約書(売買契約書、請負契約書など)のチェックは3万円~5万円程度で対応可能ですが、複雑で非定型的な契約書(業務委託契約書、ライセンス契約書、M&A契約書など)は10万円~20万円と高額になる傾向があります。特に契約の目的金額が300万円を超える場合は、15万円以上かかるケースも存在します。

契約書作成の場合、比較的シンプルな契約書では5万円から10万円が目安ですが、経済的利益の額によって大きく変動します。定型的な契約書では、経済的利益が1,000万円未満なら10万円、1億円未満なら20万円、1億円以上なら30万円以上が相場です。非定型的な契約書の場合は、経済的利益の額に応じた割合計算となり、300万円以下なら10万円、3,000万円以下なら経済的利益の1%+7万円といった形で算定されます。

顧問契約がある場合は、月額3万円〜5万円のプランで契約書チェックが含まれることが多く、単発依頼よりも費用対効果が高くなります

人事・労務問題の弁護士費用相場は10万円~50万円

人事・労務問題の弁護士費用は、相談内容や解決方法によって大きく異なります。法律相談料は30分あたり5,000円が相場ですが、最近では初回相談を無料とする事務所も増えています

着手金の相場は10万円から30万円で、事案の複雑性によって変動します。残業代請求では労働者側の着手金を無料とする事務所も多く見られます。報酬金は獲得した経済的利益の15%から30%程度が相場で、残業代請求では15%~30%、不当解雇では20万円~30万円の最低報酬金が設定されることもあります。

具体的な手続き別では、労働審判の着手金は16.5万円から33万円、労働訴訟では請求金額に応じて算定され、300万円以下なら経済的利益の8%(最低10万円)、3,000万円以下なら5%+9万円となります。ハラスメント問題では着手金10万円~30万円、労災問題では5万円~30万円程度が目安です。

顧問契約がある場合、労働事件の着手金は20万円~30万円前後と、顧問契約がない場合の30万円~50万円前後と比べて割引される傾向があります

顧問弁護士の費用相場は月額3万円~10万円

中小企業向けの顧問弁護士の月額料金は、一般的に3万円から10万円程度が相場です。この金額は企業規模やサービス内容によって変動します。

低価格帯の月額5,000円~1万円のプランは、サービス内容が限定的で、実際の相談には別途費用がかかることが多いため注意が必要です。中小企業向けの標準的なプランは月額3万円~5万円で、この価格帯では月3時間程度の法律相談や基本的な契約書チェックが含まれます。週1回程度の相談なら月額5万円が目安となります。

月額10万円以上の手厚いサポートプランでは、週2回程度の相談に加え、月1通までの契約書作成もサービス内で対応可能です。大企業の場合は月額15万円以上が相場となることもあります。

顧問弁護士のメリットは、予防法務による将来的なトラブル回避、優先的な対応、個別案件での費用割引などです。企業内弁護士を雇用する場合の年間1,000万円~1,600万円と比較すると、年間60万円程度(月額5万円の場合)で専門的な法的サポートを受けられるため、費用対効果は極めて高いと言えます。

中小企業の弁護士は顧問契約がおすすめ


中小企業にとって、弁護士との顧問契約は単発依頼と比べて年間100万円以上のコスト削減が可能であり、さらに予防法務による将来的なリスク回避、経営者の負担軽減、企業の信頼性向上など、費用対効果の面で圧倒的に有利です。

ここでは、具体的な数字とメリットを詳しく解説します。

単発(スポット)依頼と顧問契約の場合の年間費用はこんなに違う

中小企業向けの顧問弁護士の月額費用は、一般的に3万円から10万円程度が相場です。日本弁護士連合会の調査によると、月額5万円が全体の52.1%、月額3万円が33.5%を占めており、最も一般的な月額5万円のプランでは年間60万円の費用となります。

一方、単発依頼の場合は、法律相談が30分あたり5,000円から2万5,000円、民事事件では着手金と報酬金が経済的利益の額に応じて発生します。例えば、経済的利益300万円以下の場合、着手金は8%(最低10万円)、報酬金は16%が目安となります。

具体的な年間費用を比較すると、顧問契約の大きなメリットが明確になります。年間で12回の法律相談、5件の契約書チェック、1件の売掛金回収(2000万円)、1件の労働事件を依頼した場合の費用差は以下のようになります。

顧問契約がある場合(年間顧問料60万円+追加費用)

  • 法律相談:顧問料に含まれる(0円)
  • 契約書チェック:25万円(単価5万円×5件)
  • 売掛金回収:着手金50万円+報酬金100万円~150万円
  • 労働事件:着手金20万円~30万円+報酬金20万円
  • 合計:275万円~335万円

単発依頼の場合

  • 法律相談:6万円~30万円(5,000円~25,000円×12回)
  • 契約書チェック:50万円(単価10万円×5件)
  • 売掛金回収:着手金100万円+報酬金200万円
  • 労働事件:着手金30万円+報酬金50万円
  • 合計:436万円~530万円

このように、顧問契約により年間で100万円以上の費用削減が可能となることがわかります。特に、法律相談が顧問料の範囲内で何度でも可能になる点や、個別業務における着手金・報酬金の割引は、突発的な法的トラブル発生時の経済的負担を大きく軽減します。

弁護士と顧問契約するメリット

顧問契約のメリットは、単なる費用削減に留まりません。

1. 予防法務によるリスク軽減 顧問弁護士の最大のメリットは、法的トラブルを未然に防ぐ「予防法務」です。契約書の事前チェック、就業規則の整備、コンプライアンス体制の構築などを通じて、将来のトラブル発生リスクを大幅に低減できます。トラブルが発生してからでは元の状態に戻せないケースが多いため、事前対策は極めて重要です。

2. 法務部門の代替機能とコスト効率 法務専門の従業員を雇用する場合、人件費だけでも月30万円以上かかりますが、顧問弁護士なら月額5万円~10万円程度で専門的な法務サポートを受けられます。これは年間で200万円以上のコスト削減となり、中小企業にとって大きなメリットです。

3. 迅速かつ継続的な法律相談 顧問契約により、些細な疑問でも費用を気にせず相談できるため、問題が深刻化する前に対応可能です。また、顧問弁護士は企業の事業内容や内部事情を深く理解しているため、問題発生時により的確でスピーディな対応が期待できます。

4. 企業の信頼性向上 顧問弁護士によるリーガルチェックを受けた契約書を提示することで、取引先からの信頼を得られます。また、顧問弁護士がいることを公表することで、企業のブランド価値向上にも繋がります

5. 経営者の負担軽減 交渉業務の一部を弁護士に任せることで、経営者は紛争対応から解放され、本来の事業活動に集中できます。これは経営効率の向上だけでなく、経営者の精神的負担軽減にも大きく寄与します

中小企業にとって顧問弁護士は、単なる「トラブル処理」の専門家ではなく、企業の持続的成長を支える戦略的パートナーです。予測可能な固定費で予測不能な法的リスクをヘッジできる顧問契約は、経営の安定化と成長加速のための賢明な投資と言えるでしょう。

まとめ

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中小企業が抱える法的リスクは、早期の弁護士相談により大幅に軽減できます

本記事で紹介した各種無料相談窓口はそれぞれ特徴があり、初期段階での相談には有効です。しかし、相談回数の制限や担当弁護士を選べないといった制約もあります。

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