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「取引先から、突然訴状が届いた」「退職した従業員に、未払い残業代を請求された」など、会社が訴訟を提起されることもあります。
訴状が届いたあとは、答弁書の準備や社内調査を短い期間で集中して進めなければいけません。しかし、対応を誤ると、金銭面だけでなく会社の信用にもダメージが及びかねません。
会社を守るためには、対応のポイントをおさえ、早く正確に初動を進めることが重要です。
本記事では、会社が訴訟を提起される代表的なケースや民事裁判の流れ、訴状が届いたときのポイントを解説します。
会社が訴訟を提起されるケースは、訴える相手ごとに異なります。
相手は従業員・取引先・消費者・株主の4つに大きく分けられ、それぞれ訴訟になりやすいケースも変わります。以下、代表的なケースを相手別にまとめました。
| 訴える相手 | 代表的なケース |
|---|---|
| 従業員・元従業員 |
|
| 取引先・競合企業 |
|
| 消費者・顧客 |
|
| 株主 | ・役員の責任を問う株主代表訴訟 |
日ごろのささいなトラブルが、突然訴訟に発展することもあります。自社に当てはまりそうなケースがないか、一度振り返ってみてください。
会社が提起される訴訟の大半は、民事訴訟です。民事訴訟は、訴状の受け取りから判決まで、決まった手順で進みます。
突然民事訴訟を提起されたとしても、あらかじめ訴訟の流れを知っておけば、落ち着いて対応できるようになるでしょう。
ここでは、訴訟を提起された後の流れを5つのステップに分けて解説します。
会社が訴えられると、裁判所から書類一式が届きます。主な書類は「訴状」と「第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」の2つです。
訴状は、相手の言い分をまとめた書面です。誰が訴えているのか、何をいくら求めているのか、どのような理由で求めているのかが書かれています。
第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状は、第1回の口頭弁論期日の日時と場所、そして答弁書の提出期限を知らせる文書です。答弁書とは、相手の主張に対する会社の言い分をまとめた書面を指します。
書類が届いたら、相手と請求の内容を確認するとともに、第1回期日の日時と答弁書の期限も必ずチェックしましょう。
決められた期限までに答弁書を提出してください。期限は、「第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」に書かれており、第1回口頭弁論期日の約1週間前に指定されるのが一般的です。
答弁書を出さずに期日も欠席すると、相手の主張を認めたとみなされ、請求どおりの判決が下されるので気をつけてください(民事訴訟法159条3項)。期限までの時間は限られているため、受け取った日から準備を始めましょう。
口頭弁論の期日では、公開の法廷で、原告と被告が裁判官の前で意見や主張を述べ合います。
期日には原告と被告の双方が出頭しますが、弁護士に依頼すれば弁護士の出席だけで進められます。
なお、第1回期日にかぎり、答弁書を提出していれば欠席しても不利になりません。書面の内容を法廷で述べたものとして扱われるためです(民事訴訟法158条)。
第1回口頭弁論期日がおこなわれると、そのあとは月1回ほどのペースで繰り返し期日が開かれます。
第1回期日で双方の書面を確認したあとは、2回目以降は、主張・反論・証拠の提出を重ねていきます。各期日の前に、主張をまとめた準備書面と証拠を裁判所と相手に提出し期日で争点を整理する、という流れの繰り返しです。
第1回の日程は裁判所が決めますが、2回目以降は、双方の都合を聞いたうえで出席できる日が指定されます。
審理が進むと、裁判所から和解を提案される場合がほとんどです。和解とは、判決を待たずに、双方が譲り合って争いを終える解決方法です。
和解に応じると、早く事件を解決できるうえ、敗訴のリスクも避けられます。ただし、和解に応じる義務はありません。提案された条件が会社にとって不利なら、断って審理を続けられます。
和解するかどうか判断に迷うときは、弁護士にアドバイスをもらいましょう。
和解がまとまらない場合は、審理の終了後に判決が言い渡されます。裁判所が、双方の主張や証拠、尋問の内容をふまえて判断を下します。
判決に不服があるときは、当事者は判決書を受け取った日の翌日から2週間以内に控訴できます(民事訴訟法285条)。控訴とは、上級の裁判所にもう一度判断を求める手続きです。
控訴せずに2週間が過ぎると、判決が確定します。
訴状が届いた直後に会社がすべきことを整理します。初動で大切なのは、4つのポイントです。
答弁書の提出期限までの時間は限られています。4つのポイントを順に確認し、落ち着いて準備を進めていきましょう。
まず、訴状に書かれた内容を正確に把握しましょう。確認すべきポイントは、以下のとおりです。
|
身に覚えのない内容でも、読み飛ばしてはいけません。相手が何を問題にしているかを正しくつかめば、効果的な反論を組み立てられるでしょう。
訴状の内容を把握したら、社内の関係者と情報を共有してください。訴訟になると会社は答弁書で反論することになりますが、トラブルの当事者でなければ正確に反論できないからです。
共有する相手は、トラブルに関わった部署の責任者、総務や人事の担当者、経営者などです。訴訟に至った経緯を知る人がそろえば、事実確認もスムーズに進むでしょう。
なお、訴訟の情報が社内に広まりすぎると、従業員の不安につながります。対応に関わるメンバーは、必要な範囲に絞りましょう。
社内で対応するメンバーで、相手の主張が事実かどうかを調べましょう。
事実かどうかは、客観的な証拠で確かめます。集めるべき証拠は、トラブルの種類によって変わります。
代表的なトラブルと、必要になる証拠は以下のとおりです。
| トラブルの種類 | 集めるべき証拠 |
|---|---|
| 未払い残業代の請求 | タイムカード、給与明細、業務メール |
| 不当解雇の主張 | 就業規則、雇用契約書、解雇通知書 |
| ハラスメントの訴え | 関係者への聞き取り、メールやチャットの記録 |
| 取引先とのトラブル | 契約書、発注書、やり取りの記録 |
集めた証拠は、消さずに保存したうえで、時系列で整理しておきましょう。
事実関係の整理と並行して、企業法務が得意な弁護士へ相談しましょう。訴訟の対応には法的な判断が必要な場面が多く、早く相談するほど選べる手が増えます。
答弁書には提出期限があります。会社が訴えられる事案は争点が複雑で証拠も多く、自社だけで期限に間に合わせるのは簡単ではありません。弁護士に任せれば、依頼した時点から期限に向けて動いてもらえます。
相手の主張に的確に反論するには、法律の知識と経験が求められます。弁護士に答弁書の作成を任せると、会社に有利な主張を組み立てやすくなります。
また、弁護士には会社訴訟の一連の手続きを任せられます。代理人として期日へ出席してもらえば、会社の担当者が裁判所に出向く必要もなくなるため、本業への負担を抑えられるでしょう。
会社訴訟に対応してくれる弁護士を探すなら、企業法務弁護士ナビの活用がおすすめです。
企業法務弁護士ナビでは、相談内容や業種、地域から弁護士を絞り込んで検索できます。会社訴訟の実務に強い弁護士を効率よく比較できるため、自社に合った依頼先を選びやすいのが特徴です。
答弁書の提出期限が迫っている場合でも、条件を絞り込んで検索すればスピーディーに依頼先を見つけられます。事務所ごとの取扱分野や解決実績を確認したうえで、相談してみるとよいでしょう。
自社に合う弁護士へ依頼できれば、答弁書の作成から期日への対応までを任せられ、社内の負担も抑えられます。会社訴訟への対応に少しでも不安があれば、まずは企業法務弁護士ナビで弁護士を探してみてください。
さいごに、会社の訴訟に関するよくある質問に回答します。
労働審判は、会社と個人の労働トラブルを迅速かつ柔軟に解決するための手続きです。
| 項目 | 労働審判 | 裁判 |
|---|---|---|
| 審理の期間 | 3ヵ月程度 | 10ヵ月程度 |
| 期日の回数 | 原則3回以内 | 制限なし(複数回) |
| 進め方 | 話し合いが中心 | 判決で決まる |
| 手続きの公開 | 非公開 | 公開 |
労働審判は、申立てから40日以内に第1回期日が開かれます(労働審判規則13条)。裁判より準備できる時間が短く、会社側は限られた期間で答弁書と証拠をそろえなければなりません。
対応が遅れると不利になります。申立書が届いたら、すぐに準備を始めてください。
【関連記事】労働審判の弁護士費用は?企業が労働審判への対応を検討する際の弁護士活用とROI最適化のポイントを解説
株主代表訴訟は、株主が会社に代わって、本来果たすべき任務を怠った役員個人の責任を追及する訴訟手続きです。株主が会社へ「役員を訴えてほしい」と請求したにもかかわらず、会社が60日以内に応じない場合に提起されます。
株主代表訴訟も民事訴訟の一種ですが、社長や取締役といった役員個人が被告となります。また、株主側が勝訴すると、役員個人が会社へ賠償金を支払わなければなりません。
役員が重い負担を負う可能性がある点には注意してください。
会社が訴訟を提起されたら、まずは訴状などの書類内容をしっかりと確認してください。
心当たりがないからといって、訴状を放置するのは危険です。相手の主張がそのまま認められ、敗訴につながりかねません。
対応に不安があるときは、早めに企業法務が得意な弁護士へ相談しましょう。会社訴訟でお困りの際は、企業法務弁護士ナビで自社に合う弁護士を探してみてください。
編集部
本記事は企業法務弁護士ナビを運営する株式会社アシロ編集部が企画・執筆いたしました。
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