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会社経営を続けていると、資金繰りが厳しくなって「これ以上の資金調達も難しい」という局面に直面することがあります。
資金繰りが厳しい局面では、倒産や破産という選択肢を現実的に検討せざるを得なくなります。
最近では、飲食業界や美容・脱毛サロン業界を中心に倒産件数の増加なども取り沙汰されています。
倒産手続きには、事業を再建しながら債務整理を図る「民事再生」などの方法もありますが、財務状況や事業継続性の観点から再建が困難な場合には「会社破産(法人破産)」という選択が必要になることもあります。
本記事では、会社破産の定義や検討すべきタイミング、会社破産によるメリット・デメリットや手続きの流れ、弁護士に相談・依頼するメリットなどを解説します。
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そもそも会社破産(法人破産)とは、どのような手続きなのでしょうか。
倒産手続には、大きく「再建型」と「清算型」の2つがあります。
再建型とは、民事再生や会社更生など、事業を継続しながら負債を整理して再建を目指す手続きを指します。
一方、清算型とは、会社を閉鎖・清算し、残った資産を債権者に公平に配分する手続きです。
清算型の最も典型的な方法が、破産法に基づく会社破産です。
破産法第1条では、破産手続の目的について「債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図る」ことと定めています。
会社破産がおこなわれるのは、「すでに資金繰りが限界に達し、もはや事業再生の可能性が残されていない」というようなケースがほとんどです。
個人破産(自然人の破産)と会社破産では、目的や効果が異なります。
個人破産の場合、免責制度(破産法第252条以下)により、破産手続きを経たあとに一定の債務が免除され、生活再建の機会が与えられることが目的とされています。
一方、会社破産の場合、法人格自体が破産手続きの終結により消滅するため「免責」という概念はありません。
また、法人の債務は清算によって終了しますが、代表者個人が連帯保証をしている場合、保証債務については引き続き個人が負担し続けることになります。
つまり、「会社を破産させたからといって、経営者個人の借金が自動的に帳消しになるわけではない」という点が、個人破産との大きな違いです。
会社破産と似たものとして「会社倒産」というものもあります。
法律上の明確な定義はありませんが、会社倒産とは「業績不振で経営が行き詰まり、自力での事業継続が不可能になった状態」のことを指します。
会社倒産は法律上の特定の概念ではなく、経済的な状態を指す用語です。
会社倒産の中には民事再生や会社更生などが含まれており、会社破産もその中のひとつに含まれます。
会社破産を検討すべきタイミングや兆候としては、どのようなものが挙げられるでしょうか。
ここでは、会社破産を検討すべき主なタイミングについて解説します。
会社破産を検討すべき第一の兆候は、資金繰りの見通しが完全に立たなくなった場合です。
たとえば、売上の回収よりも人件費・地代家賃・仕入代金・借入金返済などが常に上回る状態が続き、かつ追加の資金調達も困難な場合、資金ショートの危険性が現実味を帯びてきます。
営業・投資・財務の3種のキャッシュフローでいえば、どれをとっても減少ないし大幅な減少が継続しているような状況です。
特に、金融機関から「期限の利益喪失通知(契約違反による一括返済要求)」を受けた場合や手形の不渡りを出した場合などは、破産手続きを検討すべき深刻な局面といえます。
次に注目すべきは、会社の財務内容です。
貸借対照表上で、資産よりも負債のほうが多い債務超過の状態が長期化している場合、財務的な再建は極めて困難です。
債務超過の法的な定義は、破産法第16条1項に定められています。
(法人の破産手続開始の原因)
第十六条 債務者が法人である場合に関する前条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。
2 前項の規定は、存立中の合名会社及び合資会社には、適用しない。
引用元:破産法第16条1項
債務超過が生じた場合、「将来的な営業利益で返済が可能か」「資産売却で債務を圧縮できるか」といった現実的な検討が必要ですが、もし難しい場合には破産手続きを含めた選択肢を早期に視野に入れるべきです。
なお、見かけ上は純資産がプラスでも、不良債権や資産価値の過大評価などがある場合は、実質的な債務超過となっていることもあります。
公認会計士や税理士の意見も踏まえて、客観的に財務状況を把握しましょう。
会社破産を回避するためには、事業縮小・スポンサー探し・事業譲渡・私的整理(事業再生ADRなど)といった代替手段を検討することが重要です。
しかし、上記のような手段を尽くしても負債総額が資産を大きく上回り、将来的にキャッシュフローの見込みも立たない場合には、清算型手続きとして破産を選択せざるを得ません。
特に、スポンサーが見つからない場合・債権者の同意を取り付けられない場合・事業再建計画の実現可能性が乏しい場合などは、破産申立てを真剣に検討すべきタイミングです。
会社破産を選択する場合、会社にはどのようなメリット・デメリットがあるでしょうか。
ここでは、主なメリット・デメリットについて解説します。
会社破産のメリットとして、まず法人格の消滅によって会社の債務が全て消滅するという点があります。
破産手続きの終結後、法人は登記簿上も抹消され、残った負債について会社が責任を負うことはなくなります。
また、債権者からの督促・訴訟提起・強制執行といったプレッシャーからも解放され、経営者や従業員の心理的負担を大きく軽減する効果もあります。
さらに、破産管財人という第三者が資産換価や債権調整をおこなうため、利害関係者間の紛争が公正・中立に処理されるという点も大きなメリットです。
一方で、会社破産には明確なデメリットも存在します。
破産手続きが開始されると、会社はただちに営業活動を停止し、従業員は原則として全員解雇せざるを得ず、社会的信用の喪失にも直結します。
また、経営者が会社債務について連帯保証している場合、法人破産によっても個人の保証債務は残り、経営者個人が自己破産や保証債務整理を余儀なくされるケースも多くあります。
再起を図るにあたっても、銀行取引や信用供与の制約が一定期間続くことになるため、再スタートには十分な準備と戦略が必要という点も注意が必要です。
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ここでは、会社破産をおこなう場合、生活にはどのような影響があるのか解説します。
会社破産の基本原則として、法人格と個人は独立しているため、原則として法人の債務は法人だけが責任を負い、代表者個人には直接影響しないとされています。
破産法においても、会社破産の手続きはあくまでも法人に対するものであり、代表者個人の財産にただちに影響を及ぼすものではありません。
ただし、実務上は中小企業において代表者が会社の債務について連帯保証をしていることが非常に多く、実質的には代表者個人にも多大な影響が及ぶケースもあります。
代表者が借入などの連帯保証人となっている場合はしばしばありますが、会社破産により会社の債務が消滅しても保証債務そのものは存続します。
金融機関や取引先などの債権者は、破産手続きと並行して代表者個人に対して一括返済請求をおこなうことが可能です。
したがって、会社破産後に代表者は自らの保証債務の履行を迫られることになり、自己破産の申立てを検討せざるを得ないケースも多くあります。
なお、経営者保証ガイドラインに基づき、一定の要件(適切な財務管理・過度な私的流用がないなど)を満たす場合には保証債務を整理できる可能性もあります。
会社破産手続き中、破産管財人は代表者や取締役の法的責任についても調査します。
たとえば、会社法第423条では、取締役が善管注意義務や会社に対する忠実義務に違反して会社に損害を与えた場合、会社に対して損害賠償責任を負うことが定められています。
その延長として、破産管財人は粉飾決算・財産流出・利益供与などがあった場合などの代表者個人に対して経営責任を問いうる場合は、役員の責任査定の申立てにより、損害賠償責任について査定の裁判を提起することもあり得ます(破産法178条1項)。
責任追及のリスクを回避するためには、破産申立前から正確な財務情報の整理と、適正な行動が求められます。
会社破産により負うリスクを可能な限り軽減するためには、以下のような方法が有効です。
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リスクヘッジの成否は、その後の個人再起にも大きな影響を及ぼします。
会社破産の手続きは、基本的に以下のような流れで進行します。
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ここでは、それぞれの手続きについて解説します。
破産申立てにあたっては、事前に以下のような準備が必要不可欠です。
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この段階で、弁護士と破産手続き費用や期間の見通しも共有しておきましょう。
地方裁判所に破産申立書を提出し、書類審査・面接を経て、破産手続き開始決定が下されます。
同時に破産管財人が選任され、会社の財産管理権は管財人に移ります(破産法第78条第1項)。
なお、開始決定のタイミングで、従業員の解雇手続きや取引先への告知なども必要となります。
破産手続開始決定後、債権者には通常2ヵ月程度の届出期間が設けられます。
債権者は債権額を届け出、破産管財人が調査・認否をおこない、確定された債権額に基づき配当がおこなわれます。
破産管財人は、会社の帳簿・財務資料を調査し、資産を売却・回収します。
なお、否認権を行使して不当な資産移転を取り戻すこともあります。
また、必要に応じて訴訟や和解交渉をおこなうこともあります。
破産手続中、数回にわたり債権者集会が開かれます。
破産管財人が調査状況や配当見通しを説明し、債権者の意見聴取がおこなわれます。
換価手続きが完了したあと、破産管財人は配当案を作成し、債権者に対する配当をおこないます。
財団債権・優先的破産債権・一般破産債権・劣後的破産債権の順に支払われます。
実務上、一般破産債権以降の配当順位まで十分な配当が回ってくるケースは非常に少ないのが実情です。
全ての資産換価と配当が完了すると、裁判所が破産手続終結決定を出します。
これにより会社の法人格は抹消され、破産手続きは終了します。
会社破産の手続きにかかる期間は、会社の規模や財産状況によっても大きく異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。
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たとえば、資産が不動産中心で売却活動に時間を要する場合や、否認訴訟・責任追及訴訟が発生する場合などは、さらに期間が長期化する傾向にあります。
特に近年では、破産管財人による詳細な調査・回収活動が強化されているため、想定より長引くケースも珍しくありません。
会社破産にかかる費用は、裁判所費用と弁護士費用の2種類に分類されます。
ここでは、各費用について解説します。
会社破産では、原則として全件が管財事件となります。
破産管財事件の場合、少額管財と通常管財のどちらになるかによってかかる費用が異なります。
通常管財であれば負債総額に応じて予納金が決まっており、詳しくは「破産事件の手続費用一覧」をご確認ください。
一方、少額管財の場合、東京地裁であれば予納金の最低金額が20万円~と定められています。
なお、申立時には収入印紙代として1,000円、予納郵券代として数千円程度かかります。
法人破産の申立代理人としての弁護士費用も必要です。
相場は会社規模や案件難易度などによって異なりますが、破産手続きの申立て部分のみでは約50万円~、前段階からの対応を含めると100万円〜300万円程度かかるケースが多いです。
なお、複雑な案件や代表者の個人破産もあわせて対応する場合などは、さらに加算されることもあります。
ここでは、会社破産の手続きが進行中の注意点を3つ解説します。
破産申立て前後に会社資産を恣意的に売却したり、特定の関係者に資産を無償譲渡したりする行為は、否認権によって取り消される可能性があります(破産法第160条)。
さらに、悪質な場合には破産手続きそのものに重大な影響(損害賠償責任・刑事責任)を及ぼすこともあるため、破産申立て直前からは資産の処分は一切控えることが鉄則です。
破産申立て直前に、一部の債権者にだけ返済をおこなうことは偏頗弁済(へんぱべんさい)と呼ばれ、否認の対象となります(破産法第162条)。
偏頗弁済は、債権者間の平等の原則を害する行為であり、破産管財人による取消・返還請求の対象となります。
場合によっては、代表者個人に対する損害賠償責任が及ぶリスクもあります。
破産申立てに至るまで、従業員・取引先・メディアなどの外部関係者への情報公表のタイミングも極めて重要です。
申立て前に情報が漏れると、以下のような事態を引き起こして財産の保全が困難になるおそれがあります。
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会社破産を考えているのであれば、速やかに弁護士にサポートしてもらうことをおすすめします。
ここでは、会社破産を弁護士に相談・依頼するメリットについて解説します。
弁護士に相談すれば、会社の今後について的確なアドバイスが望めます。
会社の経営状態が悪化したからといって、必ずしも会社破産が最適な選択肢とは限りません。
会社破産しかないと思っていても、状況次第では民事再生や会社更生などで事業再建の可能性がある場合もあります。
企業法務を得意とする弁護士であれば、そもそも会社破産すべきかどうかも含めてアドバイスしてくれて、誤った選択をせずに済みます。
弁護士に依頼すれば、債権者からの督促や取り立てが止まるというのもメリットです。
会社破産の手続きを依頼した場合、弁護士は債権者に対して受任通知という書面を送付します。
受任通知には「弁護士が会社破産の手続きを代行する」という旨が記載されており、基本的に通知後は直接の督促や取り立ては停止することになります。
弁護士が対応窓口となってやり取りを進めてくれるため、特にこれまで債権者から連絡を受けていた場合は精神的負担が大きく軽減します。
弁護士に依頼すれば、複雑な破産手続きを代行してくれるというメリットもあります。
会社破産では、必要書類を漏れなく準備したうえで、裁判所とのやり取りや債権者への通知などの煩雑な手続きに追われることになります。
素人が自力で対応するのは難しく、書類に不備や不足が生じたりして手続きが難航したり、手続き中に禁止行為をおこなって破産が認められなくなったりするおそれもあります。
弁護士なら、代理人として必要な対応を代行してくれるため負担を軽減できるうえ、適切かつスムーズな手続きの進行が望めます。
【関連記事】倒産・破産を依頼する弁護士の探し方・選び方|弁護士費用の目安についても解説
会社破産に関する弁護士との相談窓口としては、主に以下があります。
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ここでは、各窓口の特徴やサポート内容などを解説します。
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なお、相談料の有無や対応内容などは地域によって異なり、詳しくは「全国の弁護士会の法律相談センター|日本弁護士連合会」からご確認ください。
ここでは、会社破産に関するよくある質問について解説します。
会社破産の手続きをおこなった場合、破産管財人によって会社の全財産が処分され、債権者に公平に分配されます。
これまで会社が抱えていた債務は全て消滅するものの、会社はただちに営業活動を停止することになり、最終的には会社の法人格が消滅します。
会社破産をしても、原則として法人の債務は法人だけが責任を負い、代表者個人には直接影響しないとされています。
ただし、経営者が会社債務について連帯保証している場合には、法人破産後も個人の保証債務は残り、経営者個人が自己破産や保証債務整理を余儀なくされるケースも多くあります。
会社破産をすると、従業員は原則として全員解雇されます。
正社員・パート・アルバイトなどの雇用形態を問わず全て解雇となり、解雇予告や解雇予告手当の支払いなどの対応が必要となります。
会社破産は単なる失敗ではなく、経営資源の公正な清算と再起の第一歩となりうる手続きです。
資金繰りや債務状況が悪化した場合、早期に正確な判断を下すことで、破産手続き自体の負担を最小限に抑え、再スタートの可能性を広げることができます。
また、代表者個人のリスクを的確に管理し、保証債務処理や再チャレンジ支援策を活用することによって、破産後の人生設計を前向きに進めることができます。
破産に至ること自体を過度に恐れず、正しい知識と適切な支援を得ながら、新たな一歩を踏み出しましょう。
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