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経営者の高齢化や財務状況の悪化など、さまざまな原因により毎年多くの会社が休業・廃業・解散などを選択しています。
会社をたたむ方法としては基本的に2種類あり、1つは前向き・発展的に会社をたたむ方法で「M&A」や「事業承継」などと呼ばれる方法です。
一方、もう1つは後ろ向き・衰退的な会社のたたみ方で「破産」や「清算」などと呼ばれる方法になります。
会社のたたみ方にも色々な方法がある中、特に清算は多くのケースで選択される方法の1つです。
多くのケースで選択される方法ということで安易に選択しがちですが、必ずしも清算が最適な選択肢とはかぎりません。
そこで、清算について詳しく知ったうえで最適な選択ができるよう、本記事では事業清算の概要から手続きの流れまで、わかりやすく解説します。
事業清算は、会社をたたむ際に取る方法の一種です。
たとえば、事業の継続を取り止める場合や、法人から個人事業へと移行する場合などに選択されます。
そもそも事業清算をおこなう前の段階として、会社の「解散」というものが存在します。
解散とは、簡単に言えば会社が事業活動を終了する手続きのことです。
しかし、会社は「単に解散を宣言して解散登記をすればよい」というものではありません。
法律によって人格を与えられた「法人」であり、残務処理や財産処理といった責任を果たす必要があるのです。
そして、解散した会社について、債権債務などの後始末をし、残った財産を株主などの債権者に分配する手続きのことを「清算」と呼びます。
解散手続きや清算手続きなどを済ませることにより、ようやく会社をたたむことができるのです。
事業清算・解散は、以下のようなケースでおこなわれるのが一般的です。
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以下では、会社が事業清算・解散に至る主な理由について解説します。
多くの場合、事業清算・解散を選択する会社は、事業の採算がとれなかったり、財務状況が悪化したりしているなどの問題を抱えています。
将来的な利益が見込めないような事業は、M&Aで売却先を探そうにもなかなか見つからないというのが現実です。
また、事業承継で子どもや優秀な従業員に継がせようにも、彼らの将来を考えると事業承継が果たして最善の選択肢となるかどうかは不明瞭です。
上記のような状況では、事業清算をおこなって事業を止めてしまうのもひとつの手段です。
株式会社や合同会社などの法人の形態で事業をおこなう場合、税金面・融資の受けやすさ・社会的信用といった多くの面でメリットがあります。
しかし、市場規模があまり大きくない場合・安定した収入が見込める取引先が確保できた場合・従業員などの人手をあまり必要としない場合などは、必ずしも法人である必要はなく、場合によっては個人事業という形態を選択したほうがよい場合もあります。
個人事業で活動していく場合、基本的に現在の会社については解散や休業などの手続きをおこなうことになります。
たとえば、M&Aのような方法を取ってしまうと、これまで自分が築き上げたノウハウや取引先を全て他社に譲渡・売却することになるため、解散や休業などの手続きをおこなうのが一般的です。
会社の清算方法は、大きく分けて「通常清算」と「特別清算」の2種類あります。
以下では、通常清算と特別清算の特徴や違いなどを解説します。
通常清算とは、会社解散時に資産が残っていて、現在抱えている債務を全て返済できる場合におこなわれる方法のことです。
もし完済できるほどの現金・預貯金を持っていなくても、売掛金・未収入金・不動産や在庫の売却金などで完済可能であれば通常清算が適用されます。
通常清算の場合、原則として裁判所の監督を受けずに手続きを進めることができ、比較的迅速な進行が望めるというのが大きな特徴です。
特別清算とは、会社解散時に十分な資産が残っておらず、現在抱えている債務を全て返済するのが困難で債務超過の疑いがある場合におこなわれる方法のことです。
株式会社のみが利用可能で、特例有限会社や合同会社などは対象外となります。
特別清算の場合、裁判所の監督を受けるなどして手続きが進められるため、通常清算よりも手続きが複雑で長期化しやすいというのが大きな特徴です。
会社をたたむことを考えている場合、事業精算以外にも以下のような選択肢があります。
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ここでは、事業清算以外の手段についても解説します。
会社の経営を後継者に委ねるプロセスのことを「事業承継」と呼びます。
多くの中小企業がある日本では、親から子どもへバトンタッチする形で事業承継がおこなわれてきたケースも多々あります。
しかし、少子高齢化や景気の先行き不透明化などの流れもあり、なかには親から子どもへの事業承継が難しくなってきているところもあります。
そこで注目されているのが、次項で解説するM&Aという方法です。
M&Aとは、複数の会社による合併・買収を指す言葉です。
具体的には、業務提携・資本提携・会社分割・企業や事業買収などが該当します。
日本の技術力は世界の中でもトップクラスにあり、技術力を欲する会社は世界に多く存在します。
現時点では十分な技術力を持っていない会社でも、他社事業を買収すれば大きな競争力を得ることができます。
なお、M&Aは買い手だけが得する方法ではありません。
売り手にとっても、売却益を得ることができたり、交渉次第では従業員達の雇用先も確保できたりするなど、両者にとってメリットのある取引が可能になるのです。
株式会社などの法人は、市区町村役場や税務署などに休業する旨を記載した「異動届出書」を提出することで休眠状態にすることも可能です。
会社の休眠化は、解散・清算などの方法に比べて手間や費用を大幅に抑えられます。
休眠状態にすると、法人としての事業活動は停止するものの、法人自体は消滅せずに存続させておくことができます。
ただし、売上がなかったとしても毎年の税務申告は必要であり、事業活動がなくても一定の維持費用がかかってしまうというデメリットもあります。
事業清算をおこなうためには、前段階として会社の解散手続きを済ませておく必要があります。
会社を解散するためには、会社法が定める以下のような解散事由に該当していなければいけません。
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【参考元】会社法第471条、第472条
ここでは、会社法で定められた会社の解散事由について解説します。
定款では、会社の存続期間を規定することができます。
すなわち、定めておいた存続期間が満了となった場合には、会社は解散となります。
それにともなって清算の手続きを踏んでいくことになります。
事業目的が永続性を有しない場合、定款では解散事由を定めることもできます。
たとえば「○○建物の建設工事ならびに諸手続きが完了した場合、当社は解散する」などと記載されていれば、定款の定める解散事由となります。
株主総会において、議決権を行使できる株主の過半数が出席し、かつ出席した株主の3分の2以上の賛成をもって会社解散の特別決議がなされた場合、会社は解散となります。
株主総会の決議で解散となった会社は取締役が清算人になるためそのまま清算手続きに入ることになりますが、改めて清算人の選任を行う場合には特別決議の必要はありません。
出席した株主の過半数の賛成をもって成立となる普通決議で足ります。
複数の会社がひとつの会社になることを「合併」と呼びます。
合併には、合併する複数の会社の内の1社が存続する「吸収合併」と、新しい会社を作って複数の会社を吸収させる「新設合併」の2つの形式に大きく分けられます。
いずれの形式であっても、吸収される会社は消滅することになります。
裁判所にて破産手続開始の決定が下された場合は、会社は解散となります。
この場合は清算手続きはなく、代わりに裁判所にて破産管財人が選任されたのち、財産の管理や処分などをおこなうことになります。
清算手続きの場合は自分達で清算人を選任して手続きが進行するのに対し、破産手続きの場合は裁判所が選任する破産管財人のもとで進行します。
会社の設立目的自体が法律に反していたり、違法行為を繰り返しおこなったりしている会社に対しては、裁判所に解散命令の申立てをおこなうことが可能です。
申立てに十分な理由があると認められた場合、裁判所は解散を命じ、会社は解散・精算となります。
休眠状態にし続けて、最後の登記から12年を経過している株式会社のことを「休眠会社」と呼びます。
株式会社の場合、少なくとも10年に一度は役員変更の登記をすることが会社法によって定められています。
つまり「12年もの間なにも登記されていない」という場合は、実態のない会社だという判断を下されてしまうのです。
休眠会社に対しては法務大臣によって官報公告がおこなわれ、官報公告から2ヵ月以内に登記申請しなければ「解散したもの」とみなされ、登記官によって解散登記がなされます。
ただし、あくまでも解散となるだけであって清算は終わっていないため、会社を消滅させるためには解散登記後に清算人を選任するなどして清算手続きを踏まなければいけません。
会社の解散から事業清算までの基本的な流れは以下のとおりです。
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なお、実際に事業清算・解散をおこなう際は、複雑で専門的な知識が求められるため、基本的には弁護士などのサポートを受けることをおすすめします。
ここでは、各手続きの流れについてわかりやすく解説します。
株式総会にて会社解散などの重要な決定をする場合は、普通決議ではなく特別決議でおこなわれます。
特別決議は普通決議よりも要件が厳格であり、定足数として「議決権を行使できる株主の過半数」の出席が必要です。
さらに、成立のためには「出席した株主の3分の2以上の賛成」が必要となります。
株主総会の特別決議によって会社の解散が決まった場合は、同じタイミングで清算人の選任もおこなわれるのが一般的です。
清算人とは「会社解散後の清算手続きを担当する人」のことで、代表取締役・取締役などのほか、弁護士が選ばれることもあります。
清算人の選任後は、会社の本店所在地を管轄する法務局にて、決議後2週間以内に解散および清算人の登記申請をおこなう必要があります。
登記申請では、定款・株主総会議事録・株主リスト・清算人の就任承諾書などの書類が必要です。
解散・清算人選任の登記申請後は、清算人が会社の財産状況を調査します。
調査後は、清算人が調査結果をもとに財産目録や貸借対照表の作成に移ります。
作成された財産目録や貸借対照表は、株主総会での承認を済ませたのち、会社で保管しておきます。
清算人は、作成した財産目録に基づいて債権者の保護手続きをおこないます。
具体的には、以下のような「官報公告」「個別催告」の2種類に分類されます。
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なお、官報掲載後は、債権申出期間として2ヵ月以上の期間を確保しておく必要があります。
事業精算・解散の手続きをおこなう場合、会社を解散した翌日から2ヵ月以内に解散確定申告をしなければなりません。
解散確定申告では、通常の確定申告と同様に所得金額に基づいて課税されます。
事業年度開始日から解散日までの確定申告書を作成し、税務署に提出しましょう。
清算人は、会社が保有する債権の回収や保有財産の換価などを済ませたのち、各債権者に対して債務の弁済をおこないます。
もし債務の弁済が済んだあとも財産が残っている場合は、株主に対して分配します。
株主に分配する際は、持株比率に応じておこなわれます。
事業精算・解散の手続きをおこなう場合、残余財産が確定した翌日から1ヵ月以内に清算確定申告をしなければなりません。
清算確定申告書を作成して税務署に提出し、所得があった場合は納税も済ませましょう。
清算人による清算事務が全て完了したら、最終報告をして株主総会で承認を受けます。
承認後は、2週間以内に法務局にて清算結了の登記申請をおこなう必要があります。
登記申請では、清算結了登記申請書・株主総会議事録・清算事務報告書などの書類が必要です。
登記申請後は、税務署・都道府県税事務所・市区町村役場などへの届出も済ませれば、基本的な手続きは終了となります。
事業清算・解散の手続きには、早くても2ヵ月半~3ヵ月程度はかかります。
会社の事業規模や資産状況などによっても変動し、たとえば多くの取引先を抱えている場合や特別清算となった場合などは、半年~1年以上かかったりする可能性もあります。
なるべく速やかに各手続きを済ませるためには、十分に事前準備を整えておき、書類漏れや税務処理のミスなどが起こらないように動いておくことが大切です。
ただし、事業清算・解散に関する知識や経験がなければ的確に対処できないおそれがあるため、少しでも自力での手続きに不安があるなら弁護士などに相談しましょう。
企業法務を得意とする弁護士なら、精算手続きや解散手続きに関する的確なアドバイスや、手続き代行などのサポートを受けることもでき、心強い味方として尽力してくれます。
事業清算・解散の手続きでは、主に以下のような費用が発生します。
| 項目 | 費用相場 |
| ①登録免許税 | 4万1,000円 |
| ②官報公告費用 | 4万円程度 |
| ③専門家への依頼費用 | 数万円~数十万円程度 |
ここでは、各費用の中身について解説します。
事業清算・解散の手続きでは、登記をおこなう際に登録免許税がかかります。
具体的には、解散登記・清算人選任登記・清算結了登記などの場面で発生します。
各金額は以下のとおりで、合計4万1,000円かかることになります。
| 項目 | 費用 |
| ①解散登記 | 3万円 |
| ②清算人選任登記 | 9,000円 |
| ③清算結了登記 | 2,000円 |
| 合計 | 4万1,000円 |
事業清算・解散の手続きでは、債権者保護として官報公告をおこなう際に官報公告費用が発生します。
いわゆる掲載料のようなものであり、掲載する行数によって金額が変動します。
事業清算・解散の手続きでは11行程度になるのが一般的で、1行あたりの金額は税込み3,589円となっているため、単純計算すると官報公告費用は3万9,479円になります。
したがって、基本的には官報公告費用として4万円程度かかるものと考えておきましょう。
事業清算・解散の手続きを弁護士などに依頼する場合は、依頼費用も発生します。
弁護士の場合、弁護士費用として以下のような費用が発生するのが一般的です。
| 項目 | 概要 |
| ①相談料 | 弁護士に法律相談する際にかかる費用 |
| ②着手金 | 弁護士にサポートを依頼する場合にかかる費用 |
| ③成功報酬 | 弁護士のサポートによって問題解決した場合、成功の度合いに応じてかかる費用 |
| ④実費 | 交通費・郵便切手代・書類のコピー代など |
なお、具体的な金額は、依頼範囲や依頼先事務所などによっても大きく変わります。
自社の場合はいくらかかるのか知りたい場合は、直接法律事務所にご確認ください。
ここでは、事業清算・解散に関するよくある質問について解説します。
事業清算・解散とは、それぞれ以下のような内容を意味します。
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基本的には、解散手続き→清算手続き→法人格消滅という流れで進行します。
解散手続きだけでは法人格は完全には消滅せず、解散後に清算手続きを済ませることで消滅します。
会社解散と廃業では、それぞれ意味合いが異なります。
廃業とは、一般的に「経営者の判断で自主的に事業活動を終了すること」を指します。
廃業は「事業活動の終了」を指す広い概念の一般用語であるのに対し、解散は「法人格を消滅させるためのプロセスの一部」であり、会社法に基づく正式な法律上の手続きです。
会社の清算が完了するまでの基本的な流れは以下のとおりです。
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スムーズに対応できたとしても、最低でも2ヵ月半~3ヵ月程度はかかるのが通常です。
手続きに慣れていないと半年~1年以上かかったりすることもあり、なるべく手間なく迅速に済ませたい場合は弁護士などのサポートを受けることをおすすめします。
通常の清算手続きであれば、裁判所が介在することもないため、破産手続きなどの方法に比べると手間や負担を抑えられます。
ただし、手続き自体は会社法に則っておこなわれますから、一定の法律知識が求められるほか、登記申請や税務処理などにも適切に対応する必要があります。
素人だけで対応するには限界があるため、少しでも手続きに不安を感じているのであれば弁護士などに一度相談しましょう。
企業法務を得意とする弁護士なら、自社にとって最適な選択肢をアドバイスしてくれますし、事業精算・解散手続きのサポートなども受けられます。
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