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企業法務の用語集
ワッセナー・アレンジメントとは、通常兵器と、軍事転用が可能な汎用品・技術の輸出を各国が協調して管理するための国際的な枠組みです。英語名はWassenaar Arrangementで、WAと略されます。1996年に発足し、日本も参加しています。
ワッセナー・アレンジメントは、通常兵器や関連する機微な貨物・技術の過度な蓄積や、地域の安定を損なう移転を防ぐことを目的としています。参加国は、輸出管理に関する情報を交換し、規制対象となる品目や管理の考え方を調整します。
条約のような法的拘束力をもつ国際約束ではなく、参加国による政治的な申合せです。そのため、ワッセナー・アレンジメントが企業を直接規制するのではなく、各参加国が合意内容を国内法令へ反映して輸出を管理します。
参考:外務省|通常兵器及び関連汎用品・技術の輸出管理に関するワッセナー・アレンジメント
管理対象は、通常兵器に加え、民生用途と軍事用途の両方に利用できる汎用品や技術です。具体的な対象は、軍需品リストと汎用品・技術リストで整理されます。
汎用品には、材料、エレクトロニクス、コンピュータ、通信、情報セキュリティ、センサー、レーザー、航法、海洋、航空宇宙、推進装置など幅広い分野が含まれます。一般向けの製品やソフトウェアであっても、性能や仕様が基準に該当すれば管理対象になり得ます。
リストは技術の進歩や国際情勢を踏まえて見直されます。企業は過去の判定をそのまま使わず、輸出や技術提供の時点で有効な国内法令と最新の仕様を確認する必要があります。
参考:経済産業省|リスト規制
日本では、ワッセナー・アレンジメントを含む国際輸出管理レジームの合意を踏まえ、外国為替及び外国貿易法に基づいて安全保障貿易管理を実施しています。貨物は輸出貿易管理令、技術は外国為替令などで規制されます。
輸出令別表第1または外為令別表の1項から15項に該当する貨物・技術を輸出または対外提供する場合は、原則として経済産業大臣の事前許可が必要です。仕向地だけで判断するのではなく、品目の種類と仕様を確認して該非判定を行います。
リスト規制に該当しない貨物や技術でも、大量破壊兵器や通常兵器の開発などに用いられるおそれがある場合は、許可が必要になることがあります。用途、需要者、取引経路を確認し、経済産業省から許可申請を求める通知を受けた場合にも対応が必要です。
製品、部品、材料、ソフトウェア、設計情報などがリスト規制の仕様に該当するかを確認します。メーカーから判定資料を取得した場合も、自社が輸出者となるときは、品名、型式、仕様、根拠法令が取引対象と一致しているかを確かめます。
最終用途、最終需要者、取引経路、仕向地を確認します。注文内容が取引先の事業規模に比べて不自然な場合や、用途の説明を避ける場合などは、追加調査が必要です。外国ユーザーリストに掲載されていない取引先でも、直ちに規制対象外になるわけではありません。
輸出管理は物品の海外発送だけに適用されるものではありません。設計図、製造ノウハウ、プログラムなどを電子メール、クラウド、会議、国外からのアクセスによって提供する行為も確認対象です。社内の研究開発部門や情報システム部門を含めて管理します。
該非判定、用途確認、需要者審査、許可、出荷確認の記録を残します。対象取引が多い企業では、審査権限、相談経路、出荷停止の手順を規程に定め、営業、技術、物流部門へ教育することが重要です。
法的拘束力をもつ条約ではなく、参加国による政治的な申合せです。企業に適用される具体的な義務は、日本では外為法や関係政省令によって定められます。
いいえ。リスト規制品に該当する場合は、仕向地を問わず原則として事前許可が必要です。利用できる許可の種類や特例は取引ごとに確認します。
有償か無償かだけで規制対象外にはなりません。海外の取引先や研究者へ技術情報を提供するときは、提供方法を問わず外為法上の許可要否を確認する必要があります。
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