用語集

企業法務の用語集

お気に入り追加

赤字経営

読み: あかじけいえい 

赤字経営とは、一定期間の収益より費用が多く、損益計算書上の利益がマイナスになっている経営状態です。ただし、赤字決算になっただけで直ちに会社が倒産するわけではありません。事業を続けられるかどうかは、手元資金や借入余力、今後の資金繰りによって決まります。

赤字経営とは

会社の赤字は、どの利益段階で損失が出ているかによって意味が変わります。本業の採算を見る営業損益が赤字なら、売上総利益や固定費の構造を早急に見直す必要があります。一方、設備の売却損など一時的な特別損失によって最終赤字になった場合は、本業まで不振とは限りません。

  • 売上総損失:売上高が売上原価を下回っている状態です。価格設定や仕入れ、製造原価そのものに問題がないかを確認します。
  • 営業損失:本業で生じた利益が、人件費や賃料などの販売費・一般管理費を賄えていない状態です。
  • 経常損失:本業の損益に、支払利息など通常発生する営業外損益を加えた段階で赤字になっています。
  • 当期純損失:特別損益や法人税等まで反映した最終的な損失です。

赤字と資金ショート・債務超過の違い

赤字は一定期間の経営成績を示す損益の概念です。これに対し、資金ショートは支払日に必要な現金を用意できない状態、債務超過は負債が資産を上回る状態を指します。黒字でも売掛金の回収が遅れれば資金ショートは起こり得ます。反対に、赤字でも十分な現預金や資金調達余力があれば、当面の事業継続は可能です。

赤字経営が続く場合のリスク

慢性的な赤字を放置すると、自己資本が減少し、融資審査や取引条件に影響します。借入契約に財務制限条項がある会社では、赤字や債務超過が期限の利益喪失などの条件に触れないかも確認が必要です。資金繰りが悪化した段階では、仕入代金や賃金、税金・社会保険料の支払いにも影響が及びます。

取締役には善管注意義務と忠実義務があります。経営不振だけで直ちに責任を負うわけではありませんが、資金状況を把握せず損失を拡大させたり、特定の関係者だけを不当に優遇したりすると、責任を問われる可能性があります。

赤字経営を立て直す手順

  1. 損失の原因を分けます:売上減少、粗利率の低下、固定費の増加、一時損失を分けて把握します。
  2. 資金繰り表を作ります:月ごとの入出金と支払期限を確認し、資金が尽きる時期を見積もります。
  3. 採算改善策を決めます:不採算取引の見直し、価格改定、在庫削減、遊休資産の処分などを検討します。
  4. 金融機関へ早めに相談します:返済条件の変更や追加融資は、延滞が発生する前のほうが協議しやすくなります。
  5. 再生手続の要否を判断します:自力再建が難しい場合は、私的整理、民事再生、破産などを比較します。

中小企業活性化協議会では、収益力改善や事業再生、再チャレンジに関する相談を受け付けています。早期に専門家へ相談すれば、事業を残すための選択肢を検討しやすくなります。

参考:中小企業庁|中小企業活性化協議会

赤字経営でよくある疑問

赤字でも会社が存続できるのはなぜですか

過去の利益による現預金、借入金、増資などで支払いを続けられるためです。ただし、資金流出が続けばいずれ限界が来るため、損益だけでなく資金繰りを確認しなければなりません。

赤字なら税金は一切かかりませんか

所得に連動する法人税等が発生しない場合でも、法人住民税の均等割や消費税、固定資産税などが生じることがあります。税目ごとの扱いは会社の状況によって異なるため、税理士に確認してください。

弁護士へ相談する目安はありますか

借入金の返済や取引先への支払いが難しくなる見込みが出た時点が目安です。支払不能になってからでは選べる再建策が減るため、資金繰り表で不足が見えた段階で相談したほうが安全です。

【関連記事】

会社破産を決断する前に確認しておきたいポイントとは?|弁護士に早期に相談

事業再生にかかる費用とは?私的・法的それぞれ解説!

倒産・破産を依頼する弁護士の探し方・選び方|弁護士費用の目安についても解説

関連用語集

貴社の課題解決に最適な
弁護士とマッチングできます
契約書の作成・レビュー、機密性の高いコンフィデンシャル案件、M&A/事業承継など、経営者同士でも話せない案件も、
企業法務弁護士ナビでは完全非公開で相談可能です。貴社の課題に最適解を持つ弁護士、最大5名とマッチングできます。
弁護士の方はこちら