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私的再生

読み: してきさいせい 

私的再生(私的整理)とは、民事再生・会社更生などの法的倒産手続きを利用せず、金融機関・主要債権者との任意交渉によって債務の減免・返済条件の変更・経営改善計画の合意を図る事業再生手法の総称です。

私的再生の主な類型

  • バンクミーティング型:取引金融機関を集めた場で経営改善計画を説明し、リスケジューリング(返済猶予)・債権放棄の合意を求める
  • 中小企業再生支援協議会型:公的支援機関が仲介し、金融機関との合意形成を支援する(2023年の中小企業再生法で強制力が付与された)
  • 事業再生ADR型:法務大臣認証のADR機関が仲介し、全金融機関の同意に基づく計画を策定する
  • 任意整理型:弁護士が個々の債権者と交渉し、分割払い・和解による解決を図る(主に消費者向けだが中小企業でも活用)

私的再生と法的再生の比較

  • 公開性:私的再生は非公開(法的手続きは官報公告必須)
  • 速度:私的再生は手続きが柔軟で早い場合が多い(ただし交渉が長引く可能性もある)
  • 強制力:法的再生は少数反対債権者に強制できるが、私的再生は原則として全員合意が必要
  • 費用:法的手続きより低コストになる場合が多い
  • 担保・保証の取り扱い:私的再生では担保・保証の交渉が個別になり複雑

私的再生が適する場面

主要債権者(金融機関)が少数でまとまっており、事前の信頼関係が構築できている場合に私的再生が有効です。取引先に知られたくない・風評リスクを避けたい・できるだけ早く正常化したいというニーズにも対応しやすい手法です。

企業法務での実務ポイント

私的再生の交渉過程では、経営改善計画書の法的有効性(虚偽記載・不実表示のリスク)と、情報管理(インサイダー情報の取り扱い)が重要な法務課題となります。全金融機関の同意が得られない場合に備えて、法的手続きへの移行タイミングと条件を事前に設定しておくことが実務上のリスク管理として重要です。

関連法令

中小企業の事業再生等に関する法律(2023年施行)、産業競争力強化法(事業再生ADRの根拠法)

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