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企業法務の用語集

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引当金

読み: ひきあてきん 

引当金(Allowance / Reserve)とは、将来において発生することが合理的に見込まれる費用や損失に備えて、その金額を当期の費用として計上し、貸借対照表の負債または純資産の部に計上する会計上の概念です。収益と費用の期間対応を適切に行うための重要な会計処理です。

引当金の計上要件(4要件)

企業会計原則注解18によれば、以下の4要件をすべて満たす場合に引当金を計上します。

  1. 将来の特定の費用・損失である
  2. その発生が当期以前の事象に起因している
  3. 発生の可能性が高い
  4. 金額を合理的に見積もることができる

主な引当金の種類

  • 貸倒引当金:売掛金・貸付金などの回収不能リスクに備えて計上(一般債権・貸倒懸念債権・破産更生債権等に区分)
  • 賞与引当金:翌期に支払う賞与のうち当期に帰属する部分を計上
  • 退職給付引当金:従業員の退職時に支払う退職金・年金の積立不足分を計上
  • 製品保証引当金:販売済み製品の保証修理費用の見積額を計上
  • 訴訟損失引当金:係属中の訴訟について敗訴した場合の損害賠償額の見積もりを計上

事業再生・破産局面との関係

経営悪化が見込まれる取引先への売掛金については、貸倒引当金を早期かつ適切に積み増すことが求められます。破産更生債権等に分類された場合は、原則として債権全額を引当計上(実質的な損失計上)します。

企業法務での実務ポイント

訴訟損失引当金は、法務部門が案件の勝訴可能性・賠償額を定期的に評価し、財務部門・会計監査人に報告する必要があります。特に大型訴訟・クラスアクションについては、IAS37(国際会計基準)の偶発負債の開示要件も含め、開示の適切性を検討することが重要です。引当金の過少計上は粉飾決算につながるリスクがあるため、保守的な見積もりが求められます。

関連法令

企業会計原則注解18、法人税法(貸倒引当金の損金算入)、会社法(計算書類の作成義務)

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