セカンド顧問弁護士との契約を検討した方がよい状況とは

専門家監修記事
セカンド顧問弁護士とは、いわゆるセカンドピニオンの弁護士版です。最初に契約した顧問弁護士と会社の相性が合わないと感じた場合には、他の弁護士との契約に切り替えた方がよいかもしれません。この記事では、セカンド顧問弁護士との契約を検討した方がよい状況をご紹介します。
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
顧問・セカンド顧問

セカンド顧問弁護士とは、いわゆるセカンドオピニオンの弁護士版です。会社が契約できる顧問弁護士の人数に制限はないので、すでに弁護士と顧問契約中でも、他の弁護士に顧問契約を依頼することができます。

 

最初に契約した顧問弁護士の得意分野や業務スタイルが会社と合わず、満足できるサービスを受けられていないと悩む経営者は少なくありません。そんな場合には、別の弁護士との顧問契約を検討してみてもよいでしょう。

 

この記事では、セカンド顧問弁護士との契約を検討した方がよい状況と、顧問弁護士を選ぶポイントをご紹介します。もし今契約している顧問弁護士とのやり取りにお悩みの場合は、参考にしてみてください。

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セカンド顧問の契約を検討した方がよい状況

会社が顧問弁護士に不満を感じてしまうよくある原因を4つご紹介します。もし以下のような状況でお悩みの場合には、セカンド顧問の契約を検討した方がよいかもしれません。

会社が顧問弁護士に不満を抱く原因

  • 相談への対応が遅い
  • 事業分野の知識に疎い
  • 弁護士事務所外での相談が難しい
  • 相談の対応が悪い

相談への対応が遅い

ビジネスの世界は基本スピード勝負です。1日対応が早いか遅いかで、利益が倍近く変わるケースもあるでしょう。何かトラブルが生じた場合、迅速に適切な対処を行わないと、損害が拡大する恐れもあります。

 

顧問弁護士のレスポンスが遅いと、利益を逃したり、防げたはずの損害が生じてしまったりと、会社に不利益が生じてしまう可能性も不定できません。

 

会社でスピード感が重視される業務を担っている場合には、電話やメールで即日対応可能な弁護士との顧問契約をおすすめします。

事業分野の知識に疎い

例えば、IT企業の顧問弁護士なのにインターネットの知識に疎いといった場合、会社から法律相談を受けても、その意図が汲み取れずに適切なアドバイスをできない可能性があります。

 

弁護士に事業分野の知識がないと、「会社のビジネス内容にこのようなリスクがるからこの点を改善した方がよい」といった具体的な提案は期待できません。それでは顧問弁護士と契約した意味が薄れてしまうでしょう。

 

顧問弁護士から事業分野に適したアドバイスを受けられないことにお悩みであれば、会社の事業に詳しい弁護士との契約を検討してみてください。

弁護士事務所外での相談が難しい

弁護士は相談を受けた際は、自身の法律事務所で対応することが多いです。また、日頃の業務も事務所内でこなしているため、弁護士事務所外での対面相談に応じてもらうのに時間がかかる場合もあります。

 

しかし、対面相談のたびに弁護士事務所に出向くのは手間ですし、相談内容によっては資料が保管されている会社内の方がよいケースもあるでしょう。

 

社外での対面相談が難しい状況にお悩みであれば、積極的に外出に応じてくれる、フットワークの軽い弁護士との契約がおすすめです。

相談の対応が悪い

「話している内容が難しくてわかりにくい」「受け答えが上から目線で偉そうな態度をとる」など、弁護士の相談対応が悪いことに悩まれるケースは、意外と多いと言われています。

 

このような弁護士とは信頼関係を構築することが難しいですし、相談を持ちかけることに抵抗が生じても無理はありません。今後のやり取りに不安を感じるのであれば、別の弁護士との顧問契約を検討した方がよいでしょう。

会社に合った顧問弁護士を選ぶポイント

弁護士と顧問契約をする際には、その弁護士が会社に合っているかを見極めることが重要です。ここでは、そのポイントを3つご紹介します。

顧問弁護士を選ぶ3つのポイント

  • 弁護士が得意とする分野
  • レスポンスの速さ
  • 会話をした時の相性

弁護士が得意とする分野

依頼前の相談では、過去にどのような業種の会社と契約した経験があるのかを確認しておきましょう。同業種の会社顧問の経験がある弁護士であれば、充実したサポートを受けられる可能性が高いです。

 

なお、『不動産分野に特化した弁護士事務所』といった、弁護士の得意分野を売りにしている弁護士事務所も存在します。依頼先を探す際には、1つの分野に注力した弁護士事務所を探すと、会社に合った顧問弁護士が見つかりやすいです。

レスポンスの速さ

依頼の相談を持ちかけたとき、相談日時の設定やメールの返信などのレスポンスの速さも判断材料になります。対応が早い事務所ほど、契約後も迅速なサポートを受けられる可能性が高いからです。

 

逆に、問い合わせから依頼相談まで1週間以上かかったり、メールの返信が当日に返ってこなかったりする場合には、弁護士は多忙であることが予想されます。スピード感を重視するのであれば、その弁護士への依頼は避けた方が無難でしょう。

会話をした時の相性

どんなに経歴が立派で経験豊富な弁護士でも、話していて相性が悪いと感じるのであれば、別の依頼先を探すことをおすすめします。

 

顧問弁護士はこれから会社のパートナーとなる存在です。心から信頼できない相手のアドバイスを素直に受け入れるのは難しいですし、会社の重要な業務の一部を任せるのにも抵抗が生じるでしょう。

 

そのような状態では、満足いく十分なサービスを受けることはできません。『誰にとっても良い弁護士』は存在しないので、最終的にはご自身の感覚に従って判断をしてみてください。

セカンド顧問の弁護士費用

セカンド顧問の依頼費用は、通常の顧問弁護士の依頼費用と何ら変わりません。顧問弁護士の費用の相場は以下の通りです。

日本弁護士連合会のアンケートによる基本月額顧問料の相場

10万円

5万円

3万円

2万円

5.7%

45.7%

40.0%

6.7%

【参考】アンケート結果にもとづく中小企業のための弁護士報酬の目安|日本弁護士連合会

 

なお、最初に契約した顧問弁護士とセカンド顧問弁護士に業務を分担してもらうことによって、費用を節約できるケースもあるようです。料金体系は弁護士事務所によって異なるので、依頼時に詳しく確認してみましょう。

 

【関連記事】顧問弁護士の費用・顧問料相場と内訳|顧問契約のメリットとは

まとめ

契約中の顧問弁護士に以下のような不満を感じている場合は、セカンド顧問の契約を検討することも選択肢の1つです。

 

  • 相談への対応が遅い
  • 事業分野の知識に疎い
  • 弁護士事務所外での相談が難しい
  • 相談の対応が悪い

 

セカンド顧問を契約している会社もセカンド顧問として活躍している弁護士も珍しくありません。顧問弁護士でお悩みの場合には、2人目の顧問弁護士との契約を一度検討されてみてはいかがでしょうか。

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