
企業として契約書を作成・締結する際は、思わぬトラブルやリスクさけるため、さまざまなことを考慮する必要があります。
とくに、自社のビジネスが複雑になるにつれて、契約書の内容が不十分だったり、誤解を招くような表現が含まれていたりすると、大きな問題に発展しかねません。
また、今まさに契約書の作成・確認をしようとしているものの、内容に自信が持てず、弁護士に依頼すべきか迷っている方もいるでしょう。
本記事では、契約書の作成からリーガルチェックまで、トラブルを未然に防ぐための基礎知識をわかりやすく解説します。
契約書の重要なポイントやチェック項目を理解し、法的なリスクを最小限に抑える方法を学ぶことで、安心して取引を進められるようになるでしょう。
契約書の重要性と役割
ここでは、契約書の重要性とその役割について詳しく解説します。
契約書とは当事者の合意を証明するもの
契約は、基本的に当事者同士が合意するだけで成立します。
つまり、口頭での合意やメール・FAXのやりとりによる合意であっても、双方が内容に納得していれば契約は成立したとみなされます。
しかし、口頭だけで合意がおこなわれた場合、後日相手方が「そのような話をした覚えはない」と主張すれば、合意を立証するのは困難です。
また、売買契約の内容自体を証明できたとしても、次のような点等について具体的に取り決めをしていないと、後のトラブルを招く可能性があります。
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このような事態を防ぐため、当事者の合意内容を具体的かつ明確に記録するために、契約書を締結する必要があるのです。
契約書の役割
続いて、契約書の主な役割を3つ説明します。
役割①:将来のトラブルや争いを防止する
契約書を作成することで、「言った」「言わない」といった主張の食い違いを防ぎます。
また、双方の認識や理解にズレがあった場合でも、契約書に明確な記載があることで、誤解や紛争を未然に防ぐことが可能です。
役割②:訴訟の際に重要な証拠として機能する
民事訴訟で自社の主張を認めてもらうためには、証拠が必要です。
証拠がなければ、たとえ主張が真実であっても、裁判で勝つことは困難でしょう。
その点、署名や押印がされた契約書は、合意内容を立証する強力な証拠となります。
そのため、契約書が存在するだけで、裁判の行方を有利に進められる可能性が高まるのです。
役割③:合意内容の明確化と契約内容の充実
口頭でのやりとりでは、細かい部分や重要な点が抜け落ちていることが少なくありません。
文書化の過程で内容を確認し合うことで、認識のズレや曖昧な点を修正でき、契約内容がより具体的で充実したものになります。
また、契約書を作成することで、当事者が契約の重要性を認識しやすくなるのもメリットです。
契約書自体が契約の履行をスムーズにするきっかけにもなるのでしょう。
契約書を自社で作成する場合に知っておきたい基礎知識
契約書を自社で作成する場合は、法的効力を持つ適切な書式や記載内容を把握しておく必要があります。
ここでは、契約書を作成する際に知っておくべき基本的な知識について見ていきましょう。
契約書の基本の構成
契約書には、以下の事項が記載されることが基本的です。
記載事項 | 概要 |
---|---|
表題(タイトル) | どんな内容に関する契約書であるか端的に説明する |
前文 | 契約当事者や目的などを明らかにする |
本文(一般条項・主要条項) | 具体的な契約内容を記載する |
後文 | 契約書を締める一文 |
日付 | 契約締結日を記載する ※なお、「契約締結日」と「効力発生日」はそれぞれ異なる概念なので、混同しないように十分に注意しましょう。効力発生日とは、「契約内容に基づく効力が実際に発生する日」を指します。 |
住所・署名・押印欄 | 契約者の住所、氏名及び押印欄を記載する |
まず、上記の項目の抜け漏れがないように契約書を作成することが大切です。その後、必要に応じて項目を追記しましょう。
前文の書き方と記載例
契約書の前文は、契約の趣旨や当事者間の合意を簡潔に示す部分です。
「〇〇株式会社(以下「甲」という)と、△△株式会社(以下「乙」という)とは、以下のとおり、××契約を締結する。」といった形式で、契約書の冒頭部分に記載されるのが一般的です。
一般条項の主な内容
契約書には、契約内容の細部を定める条項以外に、一般的な条件を定める「一般条項」が含まれます。
以下、主な内容を紹介します。
1.契約期間条項
契約の期間を定める条項です。
「本契約の契約期間は、〇〇年〇月〇日から〇〇年〇月〇日までとする。」といった形で記載されます。
自動更新の有無や、更新手続きについても明記しておくとトラブル防止に役立ちます。
2.損害賠償条項
契約違反や損害発生時の対応について定める条項です。
「甲または乙が本契約に違反し、相手方に損害を与えた場合、これによって生じた損害を賠償するものとする。」といった形で記載されます。
必要に応じて、損害の範囲や賠償額の上限などを補足することも検討しましょう。
3.秘密保持義務条項
契約に関して知り得た秘密情報を保護する条項です。
「甲および乙は、本契約に関連して知り得た相手方の秘密情報を第三者に開示しないものとする。」といった形で記載されます。
秘密保持義務の範囲や例外事項を具体的に定める場合もあります。
4.契約解除条項
契約を解除できる条件を記載します。
「甲または乙が以下のいずれかの事由に該当した場合、相手方は催告することなく、本契約を解除することができる。」といった形で記載されます。
解除事由の具体例として、支払い遅延や債務不履行などが挙げられることが多いです。
5.権利・義務の譲渡禁止条項
契約上の権利や義務を第三者に譲渡することを禁止する条項です。
「甲および乙は、相手方の書面による事前の同意なく、本契約に基づく権利または義務を第三者に譲渡することはできない。」などと記載します。
6.反社会的勢力の排除
反社会的勢力との関与を排除するための条項です。
「甲および乙は、反社会的勢力に属していないこと、また今後も関与しないことを表明し、保証する。」などと記載します。
7.協議条項
契約に定めのない事項や契約の解釈や運用に疑義が生じた場合の解決手段を示す条項です。
「本契約に定めのない事項または解釈に疑義が生じた場合は、甲および乙が誠意をもって協議し、解決を図るものとする。」などと記載します。
8.合意管轄条項
契約に関する訴訟が発生した場合の管轄裁判所を定めるための条項です。
「本契約に関する一切の訴訟については、〇〇地方裁判所を専属的合意管轄裁判所とする。」などと記載します。
契約書には押印・割印・契印が必要
契約書は、署名だけでも法的効力が認められます。
しかし、署名に加えて押印をおこなうことで、契約書の信頼性や証拠能力をさらに高めることができるため、署名と押印の両方を求めることが一般的です。
そのため、大半の契約書には署名欄に加えて押印欄が設けられていることが多いです。
押印は、当事者双方の合意をより明確に示す手段として用いられるだけでなく、後のトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
また、契約書の改ざん防止や証明力の向上のためにも、「割印」や「契印」を押すようにしましょう。
契印とは、契約書の複数のページにまたがる形で押印することで、書類全体が一体であることを示す方法です。
割印は、契約書が複数部作成される場合に、それぞれの部が同一の内容であることを証明するためにおこなう押印を指します。
自社商品・サービスの契約書は自社で作成する
自社商品やサービスに関する契約書は、商談時に繰り返し使用されるケースも多いはずです。
そのため、あらかじめ自社でひな形を準備しておいたほうがよいでしょう。
他社が用意した契約書をそのまま流用すると、必要な条項が漏れてしまう可能性があります。
自社の実態やリスクに即した内容を盛り込み、適切な契約書を使用するようにしましょう。
また、ひな形を一度作成したあとも、商品やサービスを提供する過程で、当初は予測できなかったトラブルやリスクが明らかになる場合があります。
新たに判明したリスクに対処するために、都度契約書の内容を見直し、必要な条項を加えてアップデートしましょう。
継続的にひな形を見直し、精度を高めることで、取引の安全性と契約の有効性を向上させることができます。
契約書を自社で作成する際の5つのポイント
契約書を自社で作成する場合、注意を怠ると後々トラブルにつながる可能性があります。
ここでは、契約書作成時に押さえるべき5つのポイントについて解説します。
1.契約の目的を理解しておく
契約書を作成する際には、取引にどのようなリスクが伴うのかを十分に考慮し、考えうるリスクを適切にカバーする内容の契約書を作成することが重要です。
以下は、売買契約における売主側または買主側の代表的なリスクの例です。
売主側として考えられるリスク | 買主側として考えられるリスク |
---|---|
代金未回収 買主からの過剰要求 製品不良時の過大請求 納品不能 輸送中の損傷 |
納期遅延 製品不良時への対応不足 代金前払いをした場合による相手方の債務不履行 |
取引によって自社が負う可能性のあるリスクをあらかじめ洗い出し、それらを十分に想定したうえで、リスクを軽減・回避する内容を契約書に反映しましょう。
2.どちらの権利・義務なのかを意識
契約書を作成する際には、自社や相手方に、どのような権利または義務が発生するかを常に意識してください。
たとえば、売買契約であれば、売主側には商品を引き渡す義務と売買代金を受け取る権利が発生し、買主側には売買代金を支払う義務と商品を受け取る権利が発生します。
3.わかりやすい明確な文言を用いる
契約書は、裁判官などの第三者が内容を正しく理解できるように作成することも大切です。
契約書の解釈について裁判になった場合、裁判官が内容を理解できないと、自社の主張を認めてもらえない可能性があります。
リスクを回避するためにも、契約書ではできる限り一般的な言葉を使用するのが理想です。
専門用語やオリジナルの表現を使用する場合には、意味を明確に定義しておくようにしましょう。
4.ひな形は安易に流用しない
自社オリジナルの契約書を作成するにあたっては、インターネットや契約書のひな形集に掲載されているひな形を参考にするのもよいでしょう。
ただし、ひな形に記載されている契約条項であっても、実際の取引内容に合致しないものは盛り込むべきではありません。
とくに、自社が実行不可能な内容をそのまま契約書に盛り込むと、あとになってその内容を守ることができず、相手方から契約違反を指摘されるリスクがあります。
ひな形を活用する際は、自社の事情にあわせてカスタマイズすることが重要です。
5.最終チェックは念入りに
契約書を作成した際は、最終チェックを念入りにおこないましょう。
条文ずれや誤字脱字、表現の不統一などがあると、契約の有効性や信頼性に影響を及ぼします。
社内でダブルチェックをするほか、弁護士のチェックを受けることで、適切な契約書を作成できるでしょう。
契約書のリーガル(法務)チェックの重要性
契約書の内容に違和感がないように思える場合でも、契約書を締結する前にリーガルチェックをおこないましょう。
ここでは、リーガルチェックの概要と重要性について説明します。
リーガルチェックとは法的な問題点の確認すること
リーガルチェックとは、契約書の内容について法的な観点から問題がないかを確認する作業を指します。
具体的には、契約書の内容が法律に違反していないか、自社に不利な条項が含まれていないか、曖昧な表現がトラブルを招く可能性がないかなどを検討します。
主に、自社の法務部や管理部が担当するケースが多いため、契約をおこなう前に社内で確認しておきましょう。
自社で作成した場合も他社から受領した場合もおこなう
自社で作成した契約書だけでなく、他社から受け取った契約書についても必ずリーガルチェックをおこないましょう。
他社から受け取った契約書には、相手方に有利な条項が含まれていることが多いです。
そのままサインしてしまうと、自社にとって不利益な条件を受け入れることになる可能性が高いので、内容をしっかりと精査することが重要です。
リーガルチェックが必要な3つの理由
以下、リーガルチェックが必要となる主な理由を3つ紹介します。
1.不利な内容での契約を防止するため
契約は、双方にとって公平で互いに利益をもたらすものであるべきです。
しかし、相手方が作成した契約書を十分にリーガルチェックしないまま署名してしまうと、相手方のみが有利で、自社にとって不利な条件で契約が成立してしまうリスクがあります。
たとえば、遅延や損害が発生した場合、どちらがどの範囲で責任を負うのかといった細かい条項を見落としてしまうと、当事者の一方が思わぬ不利益を被る可能性があります。
2.トラブルや損害の発生を防ぐため
契約内容があいまいな場合、想定したとおりの義務を履行してもらえないリスクがあります。
たとえば、売買契約の場合は「いつまでも商品が納品されない」「代金を支払ってもらえない」などです。
リーガルチェックをしておくことで、契約上の不備を減らせてトラブルや損害を防げるようになるでしょう。
3.法律に違反した内容で契約しないため
契約書に法律に違反する内容が含まれている場合でも、当事者双方が法律違反に気づかないまま契約を締結してしまうことがあります。
もし契約内容が法律に違反していた場合、その契約内容自体が無効になる可能性があるだけでなく、違反に対してペナルティを受けるリスクがあります。
たとえば、下請法に違反する契約を結んでしまった場合、行政から指導を受けることになり、企業の社会的信頼が失われるおそれがあるでしょう。
また、特定商取引法に違反する契約を結んだ場合、顧客からのクーリングオフの申し出に応じなければならなくなり、その結果予期しない損害が発生する可能性もあります。
契約書作成の際には、法的な観点を十分に理解し、適切な内容で契約を結ぶことが重要です。
契約書のリーガルチェックにおける7つのポイント
契約者間でのトラブルを防ぐためにも、契約書を作成した際は適切なリーガルチェックをおこなうことが重要です。
ここでは、契約書のリーガルチェックの主なポイントを7つ紹介します。
1.不明瞭な点、曖昧な部分は修正して明確にする
契約書には、誤解を招いたり解釈に違いが生じたりするような不明瞭な表現や曖昧な部分が存在することがあります。
たとえば、支払い条件や納期、責任の範囲などが不明確な場合、後々トラブルを引き起こす可能性があります。
契約書に記載されている内容が双方にとって理解しやすいものか、明確な言葉で表現されているかをしっかりと確認しましょう。
2.自社に不利な条項はないかチェックする
自社に不利な内容かどうかの判断は、民法や商法の規定と照らし合わせるほか、業界の慣習や標準的な契約条件とも比較しながらおこなう必要があります。
たとえば、商品の売買契約において、買主側が商品を自由に返品できる契約条項が含まれている場合、民法や商法では特別な事情がない限り返品は認められていないので、売主に不利な条項とされます。
とはいえ、特定の業界では買主の自由な返品が慣習として認められている場合もあり、その場合は不当に不利とはいえません。
法的規定と業界慣習を総合的に判断して、契約内容が不当に不利といえる場合、取引先に修正を求める必要があるでしょう。
3.関連する契約書との整合性をチェックする
契約書を作成する際には、関連する他の契約書との整合性を確認することも大切です。
とくに、基本契約書に基づいて個別契約書を作成する場合、基本契約書との整合性を保つ必要があります。
また、既に締結済みの契約書が存在する場合、その契約と新しく作成する契約書との整合性も必ずチェックしてください。
契約書間で矛盾が生じないように注意を払いましょう。
4.関連する法令や判例はチェックしておく
契約書を作成する際、関連する法律や判例をきちんと確認することも大切です。
具体的には、民法や商法、消費者保護法などの基本的な法律を理解したうえで、契約書に反映させるべき内容を網羅する必要があります。
また、契約書の条項の解釈については、過去の判例が参考になるので、しっかりと確認しておくことが重要です。
5.自社の目的・実態と合った内容になっているか確認する
取引の目的や実態と契約書の内容が一致していない場合、取引フローが曖昧になり、万が一トラブルが発生した際に適切かつ迅速な対応ができなくなるおそれがあります。
そのため、契約内容と取引の目的・実態が整合性を保っているか、常に確認することが重要です。
もし、契約書の内容に疑問点や不安な点が残る場合は、所管部署や担当者に対して十分にヒアリングをおこない、内容を確認しましょう。
6.トラブルを想定した内容が足りているか確認する
契約書を作成したあとは、想定していたトラブルを未然に防げる内容になっているかも確認しましょう。
とくに、損害賠償に関する条項や、契約の解除・途中解約に関する条項、秘密保持義務の範囲については、注意深く内容を検討する必要があります。
これらの条項が曖昧であると、トラブル発生時に対応が困難になる可能性もあるので注意しましょう。
また、万が一トラブルが発生した際にどのような手順で問題を解決するか、具体的な処理方法を契約書内で明確に定めておくことも大切です。
秘密保持契約・売買契約・ライセンス契約など、契約の種類に応じて、トラブルの予防や対処の観点から、十分な内容になっているかどうかを確認してください。
7.内容に不足はないか検討する
リーガルチェックでは、記載が不足している事項や抜け漏れがないかも注意深く確認しましょう。
取引条件の中で明確に記載すべき項目が省略されていないか、また、法令や判例の観点から記載が求められる事項がないかを確認し、必要に応じて追加や修正をおこなう必要があります。
リーガルチェックは誰に依頼すべき?
契約書のリーガルチェックを誰に依頼するかは、契約内容の複雑さやリスクの高さによって異なります。
案件ごとに最適な依頼先を選ぶことが重要です。
ここでは、リーガルチェックの依頼先について詳しく見ていきましょう。
複雑な案件やリスクの高い案件は、専門知識が豊富な弁護士に依頼するのがおすすめ
法令や判例に関して豊富な専門知識を持つ弁護士にリーガルチェックを依頼すれば、正確で信頼性の高い契約書を作成できるでしょう。
弁護士は、契約書に潜む法的リスクを的確に指摘し、問題を未然に防ぐための修正案を提示できます。
また、弁護士は示談交渉や裁判などのさまざまなトラブルに精通しています。
そのため、取引に伴うリスクやトラブルが発生した場合に備え、事前に有効な条項を契約書に盛り込むことが可能です。
ただし、リーガルチェックを弁護士に依頼する場合は時間がかかるほか、費用がかかることを覚えておきましょう。
スピーディーにリーガルチェックを進めてもらうためにも、顧問弁護士と日頃から良好な関係を築くことが大切です。
だいたいの案件は社内の法務部に任せてもよいが、専門知識や客観性に不安が残る
社内の法務部にリーガルチェックを任せることで、費用がかからず、迅速に対応してもらえるメリットがあります。
しかし、法務部の担当者は必ずしも法律の専門家ではないため、法令や判例についての知識に欠けている可能性があります。
また、法務部は自社の一部として利害関係を持っているため、第三者的な立場で客観的に契約書をチェックすることが難しい点もデメリットです。
大半の契約においては、法務部によるリーガルチェックで問題ありませんが、契約内容が複雑な案件やリスクが高い案件、特定の業界法に関連する案件に関しては、弁護士に依頼することを検討しましょう。
AIツールを活用する場合、AIがどこまでチェックするか確認が必要
近年では、AIツールを利用した契約書のリーガルチェックも注目を集めています。
ChatGPTなどのAIツールでは、契約書内の誤字脱字や一般的な法的リスクを指摘してくれるので、効率的に契約書のチェックを進められます。
ただし、AIツールだけではチェックが不十分な可能性が高いです。
たとえば、法律の解釈や契約書における微妙なニュアンスの判断、業界特有のルールを考慮したアドバイス、当該事案に即した契約書のチェックなどは、AIだけでは対応できないケースが多いでしょう。
AIツールを使った場合は、最終的に有資格者によるレビューも必要となる
AIツールの活用は便利ですが、最終的な責任を持つのは人間の専門家です。
AIが見逃す可能性があるリスクや、契約書の特定の文言に対する法的な問題については、必ず弁護士などの法律の専門家に確認してもらいましょう。
弁護士にリーガルチェックを依頼した場合の流れ
リーガルチェックを弁護士に依頼する際の手順は、以下のとおりです。
1.契約書の作成、準備
自社で作成した契約書、または取引先から受け取った契約書を準備します。
2.自社情報や取引情報の提出
次に、自社に関する情報を弁護士へ共有しましょう。
弁護士が事実関係を正確に判断できるように、事前に自社の情報を整理し、自社の会社情報や取引に関する情報を提供しましょう。
自社が提供する情報が不正確であれば、リーガルチェックの効果が十分に発揮されないおそれがあります。
また、契約内容に関する要望があれば、あわせて弁護士に伝えておきましょう。
3.弁護士からのフィードバック
弁護士は契約書の内容を詳しく精査し、依頼者の要望を踏まえたうえで、法的な問題点を指摘して、必要な箇所について助言します。
ただし、必ずしも弁護士の指摘どおりに契約書を修正する必要はありません。
弁護士は取引の詳細や業界の慣例についてすべてを把握しているわけではないため、助言を受け入れるかは慎重に検討しましょう。
たとえば、弁護士からリスクがあると指摘された場合でも、それが「業界内での一般的な慣例であり、実際には問題ない」というケースや取引先とのパワーバランスから受け入れざるを得ないケースも想定されます。
リスクがさほど高くないにもかかわらず、指摘に従って機械的に契約書を修正すると、取引の開始が遅れたり、相手方の信頼を損なうおそれがあります。
弁護士の意見を尊重しつつ、自社にとって最適な契約書を作成してください。
また、弁護士の助言に疑問点や要望がある際は、遠慮せずに質問や相談をすることが大切です。
4.契約書の修正と交渉
契約書を自社が作成していた場合、修正案を反映したうえで、取引先と交渉しましょう。
反対に、契約書を取引先が作成していた場合、修正内容を取引先に提案します。
5.契約の締結
最後に、契約内容について双方の合意が得られた場合には、契約を締結します。
弁護士に依頼した場合にかかる費用の相場
契約書のリーガルチェックにかかる費用は1件あたり5万円〜15万円程度です。
ただし、内容の複雑さによって変動するので注意が必要です。
なお、必要に応じて法律事務所と顧問契約を締結する方法も考えられます。
顧問契約を締結することで、以下のメリットを得られるでしょう。
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リーガルチェックを依頼した場合の弁護士費用については、以下のページで詳しく説明しています。
【関連記事】契約書のリーガルチェックにかかる弁護士費用相場とは?
さいごに|契約書のリーガル(法務)チェックは弁護士へ
契約書は取引の基盤となる重要な文書ですが、作成には専門的な知識が求められるため、作成や確認の際は細心の注意を払う必要があります。
とくに、法的リスクを回避するためには弁護士によるリーガルチェックが欠かせません。
弁護士に相談すれば、契約内容を適切に精査し、リスクを指摘してもらえるだけでなく、必要な修正案を提案してもらえます。
契約トラブルを未然に防ぎ、安全で円滑な取引を実現するためにも、積極的に弁護士のサポートを活用しましょう。
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