契約書を内容変更する方法|覚書の作成方法・雛形もあわせて解説

専門家監修記事
契約条件の変更などにより、契約書の記載項目の追加・修正などが発生した場合は、覚書という書類が取り交わされます。覚書の作成方法は基本的に自由ですが、変更箇所や効力発生日などの項目は最低限記載しておくべきでしょう。この記事では契約書を内容変更する方法を解説します。
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
取引・契約

契約条件の変更などにより、契約書の記載項目の追加・修正などが発生した場合、内容変更手続きを行う必要があります。記載項目の大部分を変更する場合などは、協議を行って一から契約書を作成し直すこともありますが、一般的には変更点について記載した「覚書」という書類が取り交わされます。

 

なかには、覚書ではなく「変更契約書」「変更合意書」「変更確認書」などの名称が用いられることもあるようですが、名称はあくまで慣例的なもので効力に違いはありません。「どのような内容が記載されているか」という点がポイントとなります。

 

この記事では、契約書を内容変更する方法について解説します。

雇用契約・就業規則を変更したい人へ

契約書の中でも、給料や休日など「就業規則」に関する内容を変更したい場合はこちら【就業規則の変更と注意点】を参考にしてください。

覚書の雛形

ケースにもよりますが、契約書を内容変更する場合は以下のような覚書を作成します。

覚書

 

A社(以下「甲」)とB社(以下「乙」)が、平成○○年○月○日に締結した○○契約書(以下「原契約」)について、平成○○年○月○日付をもって以下の通り変更することを合意する。

 

第1条(○○料の変更)

原契約書第○条の○○料「金○○円」を「金○○円」に改める。

 

第2条(契約期間の変更)

原契約書第○条の契約期間「平成○○年○月○日」を「平成○年○月○日まで」に改める。

 

第3条(効力発生日)

この契約の効力は平成○○年○月○日より発生する。

 

本契約の成立を証するため、本書2通を作成し甲乙両者が記名押印の上、各1通ずつ保有するものとする。

 

平成○○年○月○日

 

(住所)○○

(会社名)株式会社○○

(代表者氏名)○○ 印

 

(住所)○○

(会社名)株式会社○○

(代表者氏名)○○ 印

 

契約書を内容変更する際の流れとポイント

契約書を内容変更する際は、以下の流れで行うのが一般的です。

 

  • 契約書を確認したのち、内容変更について合意を取る
  • 覚書を作成する
  • 課税文書の場合は収入印紙を貼り付ける

 

ここでは、それぞれの手順について解説します。

契約書を確認したのち、内容変更について合意を取る

まずは、契約書の契約条件について確認します。内容変更に関する条件が記載されている場合は、記載内容に則って手続きを行う必要があります。

 

契約条件について確認したのち、双方で変更箇所を確認・共有し、変更手続きを行うことについて合意を取ります。

覚書を作成する

覚書の作成方法については厳格な決まりがなく、当事者間で納得できるものであれば大きなトラブルが起こる可能性は低いでしょう。しかし、署名捺印がない場合や記載内容が不十分な場合は法的効力が弱まり、いざという時に期待通りの効力を発揮しないことも考えられます。

 

覚書も契約書と同様に契約書類の一つであるため、適正に作成することで契約書と同等の効力を発揮し、トラブルやリスクなどが未然に回避できます。覚書を作成する際は、主に以下の項目について記載すべきでしょう。

 

  • 変更前の契約書の締結日
  • 変更箇所
  • 効力発生日
  • 署名捺印

 

また、契約書を作成する場合と同様に「内容に法的問題性はないか」「解釈に齟齬が生じるような表現はないか」などの点についても注意する必要があります。

課税文書の場合は収入印紙を貼り付ける

作成した覚書が課税文書に該当する場合は、収入印紙を貼り付ける必要があります。

課税文書については、「覚書に『重要な事項』が記載されているか否か」という点が判断基準となります。覚書の記載内容に「重要な事項」が含まれる場合は課税文書に該当し、含まれない場合は課税文書に該当しません。

 

ただし、「重要な事項」に該当する項目は文書の種類によって異なるため、ケースごとに確認が必要です。具体的な該当項目については「別表第2 重要な事項の一覧表|国税庁」より確認しましょう。

 

また、印紙税額も文書の種類によって異なり、「課税物件表:No.7140|国税庁」または「課税物件表:No.7141|国税庁」から確認できます。

 

契約書の内容変更が不安な場合は弁護士に相談

契約書を内容変更する上で覚書を作成する場合、契約書と同様に不備なく記載する必要があります。記載内容に不備があると、トラブルが発生した際に予期せぬ不利益を被る可能性もゼロではありません。

 

「不備なく手続きが進められるか不安」「スムーズに内容変更を行いたい」という場合などは、弁護士に手続きのサポートを依頼するとよいでしょう。弁護士であれば覚書の作成代行が依頼できる上に、法的視点からのチェックも受けられるため、法的トラブルの未然防止も望めます。

 

ちなみに、覚書の作成を依頼する場合の費用は5~10万円程度、チェックを依頼する場合の費用は2~10万円程度が相場です。ただし、細かい料金設定は事務所ごとに異なるため、具体的な費用については直接事務所に確認を取るとよいでしょう。

まとめ

契約書を内容変更する場合は、双方で合意を取った上で、覚書を作成して取り交わします。

覚書の作成方法に関する厳格な決まりはありませんが、「変更前の契約書の締結日」「変更箇所」「効力発生日」「署名捺印」などの項目は最低限記載し、課税文書に該当する場合は収入印紙も貼り付ける必要があります。

 

また、今後法の改正により不特定多数と契約する際に「約款」を用いることがありますが、その際の変更については、ルールが変わっていく可能性があります。

 

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