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営業秘密の漏洩に気づいたとき、何から手をつければよいか迷ってしまうはずです。しかし対応に迷っているうちに情報は競合他社へ広がり、取引先からの信用も失われていきます。
営業秘密の漏洩が起きたときは、すぐに弁護士へ相談するのがおすすめです。弁護士に任せれば、相手とのやり取りから裁判所の手続きまで代わりに進めてもらえます。
本記事では、弁護士に依頼できる6つの法的措置や相談できる窓口6選、依頼までの手順、費用の相場を解説します。自社の状況に当てはめながら読み進めてください。
まず、営業秘密の定義について確認しておきましょう。
営業秘密とは、秘密管理性・有用性・非公知性の3つを満たす情報です(不正競争防止法2条6項)。以下、主な要件の定義と具体例をまとめました。
| 要件 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 秘密管理性 | 従業員から見て秘密だとわかる管理がされている | マル秘表示、アクセス権限の限定 |
| 有用性 | 事業活動に役立つ情報である | 製造方法、顧客名簿、仕入価格 |
| 非公知性 | 保有者の管理下以外では手に入らない | 一般には知られておらず、通常の方法では容易に入手できない情報 |
3つのなかで、最も争われやすいのが「秘密管理性」です。会社が秘密管理性を認めてもらうには、マル秘表示をつけたり、閲覧できる社員を限定したりして、従業員が秘密情報だとわかる状態を整える必要があります。
一方で、全社員が情報を自由に閲覧できる状態であれば、一般的に秘密管理性は認められません。
営業秘密の不正な取得や使用は、不正競争防止法が禁じる「不正競争」にあたります。
たとえば、元従業員が自分の利益を図る目的や会社へ損害を与える目的で情報を使用・開示した場合、会社は元従業員に対して以下の措置を取れます。
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営業秘密の取得・使用・開示の経緯によっては、元従業員だけでなく、転職先企業に対しても差止請求や損害賠償請求が認められる可能性があります。ただし、転職先企業の行為が不正競争に該当するかどうかは、営業秘密の取得経緯、不正取得・不正開示に関する認識の有無、実際の使用・開示行為などに応じて判断する必要があります。
また、悪質な行為には刑事罰が科されます。行為をした個人だけでなく、その者が所属する法人も処罰の対象です。
| 対象 | 国内での使用 | 国外での使用 |
|---|---|---|
| 個人(同法21条) | 10年以下の拘禁刑または2,000万円以下の罰金、もしくは両方 | 10年以下の拘禁刑または3,000万円以下の罰金、もしくは両方 |
| 法人(同法22条) | 5億円以下の罰金 | 10億円以下の罰金 |
会社は民事と刑事の両面から責任を追及できるため、被害の内容に応じて取る手段を選べます。
ここでは、営業秘密の漏洩に関する裁判例を3つ取り上げます。いずれも、元従業員や元役員が会社を離れた後に情報を利用したケースです。
原告の主張が裁判所にどこまで認められたのか、確認してください。
採尿器具メーカーの元代表取締役が顧客情報を使って営業し、賠償を命じられた事案です。
元代表取締役は退任後、前職の顧客名簿と購入履歴を使って、競合他社の営業活動に関わりました。そこで採尿器具メーカーは、顧客情報の使用差止めと440万円の損害賠償を請求しました。
大阪地方裁判所は2018年3月15日、元代表取締役が以下の3点をおこなっていたことを根拠に、顧客情報の営業秘密性を認めています。
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そのうえで、顧客情報の使用と開示の差し止めを命じました。
ただし、元代表取締役が営業をかけた顧客は多数にのぼるなかで、不正使用が認められたのは2件だけでした。賠償額も、請求額440万円に対して70万1,250円にとどまっています。
【参考記事】平成27年(ワ)第11753号 顧客情報の使用差止等請求事件|裁判所
化学メーカーの元従業員が技術情報を持ち出し、差止めを命じられた事案です。
元従業員は社内サーバーの技術データにアクセスできる立場を利用し、無断でデータをUSBメモリなどに複製しました。在職中から競合会社と接触しており、持ち出しの発覚後は懲戒解雇となったものの、その競合会社に協力して相当の経済的待遇を受けていました。
大阪地方裁判所は2017年10月19日、化学メーカーが以下の2点をおこなっていたことを根拠に、技術情報の営業秘密性を認めています。
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そのうえで、データの使用と開示の差止めを命じ、弁護士費用相当額として500万円の支払いも認めました。
【参考記事】平成27年(ワ)第4169号 不正競争行為差止等請求事件|裁判所
中古車の輸出会社から元従業員が顧客情報を持ち出し、転職先とともに賠償を命じられた事案です。
元従業員は営業を担当し、社内システムからデータを取り出す権限をもっていました。退職を控えた2008年2月、この権限を使って顧客情報を大量にコピーし、転職した直後に前職の顧客へ販売リストを送るメールを送信しました。
大阪地方裁判所は2013年4月11日、顧客情報の営業秘密性を認めています。会社が管理ソフトの利用にIDとパスワードを求め、就業規則で機密の漏洩を禁じていたためです。
持ち出しの事実は、アクセス記録から認定されました。退職する直前の月だけ、システムへのアクセスが107回から227回へ倍増していました。
裁判所は、顧客情報の使用差止めと媒体の廃棄に加えて、顧客への営業行為そのものを禁じています。賠償額は、逸失利益と弁護士費用を合わせて1億3,923万5,088円でした。
【参考記事】平成22年(ワ)第7025号 不正競争行為差止等請求事件|裁判所
元従業員が顧客名簿や技術情報を持ち出した疑いがあるときは、弁護士に依頼するのがおすすめです。弁護士に依頼すれば、持ち出された情報が営業秘密にあたるかを判断し、速やかに適切な対応を取ってくれます。
弁護士には、主に6つの内容を任せられます。ここでは、依頼できる内容を1つずつ解説します。
営業秘密が漏洩した場合、内容証明郵便の送付を弁護士に依頼できます。
内容証明郵便とは、いつ誰がどのような内容の文書を送ったかを、郵便局が証明する制度です。書面を送った事実と内容が公的な記録として残るため、後の交渉や裁判で証拠として使えます。
内容証明郵便には、以下の項目を記載するのが一般的です。
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弁護士に依頼すると、持ち出された情報のどこまでを営業秘密として特定できるか判断したうえで、文面を適切に作成してもらえます。また、内容証明郵便の差出人を弁護士名義にできるため、相手方へ法的措置をとるというプレッシャーを与えられます。
【関連記事】内容証明郵便の書き方とは|提出時のポイントや返送時の対応も解説
情報の使用を止めたいなら、使用差止請求や除去請求を弁護士に依頼できます。
使用差止請求とは、営業秘密の使用や開示をやめるよう相手に求める請求です(不正競争防止法3条1項)。元従業員が不正に取得した顧客名簿を利用して営業している場合には、当該顧客情報の使用や開示の差止めを求めることが考えられます。
また、具体的な事情によっては、当該営業秘密の使用に該当する特定の営業行為についても差止めが認められる可能性があります。ただし、元従業員の営業活動一般を無制限に禁止できるわけではありません。
除去請求とは、侵害に使われた物の廃棄や設備の除却を求める請求です(同条2項)。不正競争防止法3条2項では、差止請求に伴い、侵害の停止・予防に必要な範囲で、侵害行為を組成した物の廃棄、設備の除却その他の措置を請求できる場合があります。
営業秘密が保存された電子ファイルや記録媒体の廃棄・削除などが問題となることもありますが、対象や方法は、侵害を防止するための必要性に応じて検討されます。
弁護士に依頼すれば、過去の裁判例を踏まえて、どこまでの行為を止めるよう請求するか決めてもらえます。
漏洩によって生じた損失は、弁護士に依頼して損害賠償請求で取り戻せます(不正競争防止法4条)。
請求できる代表的な費用としては、以下の4つが挙げられます。
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ただし、いくら請求できるか計算するのは簡単ではありません。そこで、不正競争防止法では3つの算定方法が用意されています。
| 算定方法 | 考え方 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 譲渡数量による算定(5条1項) | 侵害品の販売数量×自社の単位利益 | 技術上の秘密で、侵害品が市場に出ている |
| 利益の推定(5条2項) | 侵害者が得た利益を損害と推定 | 相手の利益を立証できる |
| 使用許諾料相当額(5条3項) | ライセンス料に相当する額を請求 | 販売への影響を立証しにくい |
使える方法はケースによって決まり、どれを選ぶかで請求できる額も変わります。集めた証拠から使える方法を判断し、有利な形で請求を組み立ててもらえるのが、弁護士に依頼するメリットです。
【関連記事】全国対応で損害賠償請求に強い弁護士・法律事務所一覧
取引先からの信用を失った場合は、弁護士に依頼して信用回復措置請求を進めてもらうことで回復を図れます(不正競争防止法14条)。
信用回復措置請求とは、金銭ではなく、傷ついた信用そのものを取り戻すための請求です。謝罪広告の掲載や訂正文の交付を要求できます。
営業秘密侵害によって会社の営業上の信用が実際に害された場合には、不正競争防止法14条に基づく信用回復措置を検討できることがあります。ただし、単に顧客情報が持ち出されたというだけでは足りず、不正競争行為によって営業上の信用が害されたことなど、同条の要件を満たす必要があります。
弁護士に依頼すれば、信用が害されたといえるか判断したうえで、必要な措置の内容を検討してもらえます。
悪質な営業秘密の漏洩では、刑事告訴の手続きも弁護士に任せられます。
刑事告訴とは、被害を受けた会社が警察や検察に犯罪の事実を申告し、加害者の処罰を求める手続きです。告訴状という書面を作成して提出します。
弁護士は、アクセスログや操作の記録から手口を組み立て、犯罪が成立することを告訴状で説明します。警察は、全ての告訴を受理するわけではありません。警察に告訴を受理される可能性を高めるためにも、告訴状の作成は弁護士に任せましょう。
弁護士には、営業秘密の漏洩の再発を防ぐための社内体制の整備も依頼できます。
最初に任せられるのは、秘密情報の分類です。どの情報を営業秘密として扱うかを決め、他の情報と区別できる状態にします。
そのうえで、以下の書面を作成してくれます。
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書面をそろえておけば、次に争いが起きたときに秘密管理性を立証しやすくなるでしょう。
弁護士は、それぞれ得意とする分野がさまざまです。選び方を誤ると、請求できる額や解決までの期間が大きく変わる可能性があるため、不正競争防止法の解決実績がある弁護士に依頼してください。
ここでは、弁護士選びの6つのポイントを解説します。
まずは不正競争防止法の解決実績が豊富かどうか確認しましょう。解決実績が豊富な弁護士は、法改正や裁判例の動向に通じているため、状況を踏まえて適切な対応を早く取ってもらえます。
法律事務所のホームページでは、解決事例・取扱分野・知的財産の実績を確認してみてください。セミナーの登壇歴や書籍の執筆歴があれば、知見の深さがうかがえます。初回相談で「同種の案件を何件扱いましたか」と直接聞く方法も有効です。
自社の業種に詳しい弁護士を選ぶと、営業秘密の価値を正しく主張してもらえます。
業種により、保護すべき営業秘密は異なります。たとえば、製造業なら設計図・製造条件・実験データなど、小売業なら仕入価格・顧客名簿・販売データなどが中心です。
情報が変われば、有用性や非公知性の説明の仕方も変わります。業界の事情を知る弁護士なら、裁判所に対して争点を押さえた主張ができます。
法律事務所のホームページで、自社と同じ業種の解決事例があるかどうかも確認してみてください。
不正競争防止法に関する専門用語を簡単な言葉で説明できる弁護士を選んでください。
営業秘密の分野では「秘密管理性」や「使用許諾料相当額」といった、なじみのない用語が出てきます。意味を説明せずに話を進める弁護士だと、用語の理解が追いつかないかもしれません。
説明がわかりやすい弁護士なら、その場で疑問を解消しやすいでしょう。初回相談で、わからない言葉をそのままにしない弁護士かどうかを確かめてみてください。
費用の総額を丁寧に説明してくれる弁護士を選べば、あとになって思いもよらない費用を請求されるリスクを防げます。
確認すべき主な項目は、以下の4つです。
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見積もりの段階で、費用の内訳と総額を確認してください。初回無料相談を2ヵ所〜3ヵ所で使い、見積もりを比べるのもおすすめです。同じ案件でも、法律事務所により金額の差が出ます。
連絡が速い弁護士を選べば、対応方針の決定と法的手続きを早く開始できます。
営業秘密の漏洩では、相手への警告や交渉を急がなければなりません。返信が遅いと、警告や交渉の着手が遅くなってしまいます。
委任契約を結ぶ前に、返信までの日数の目安を確認してください。担当弁護士が不在のとき、事務員や別の弁護士が対応してくれるかも聞いておくと安心です。
データ調査に対応できる弁護士を選べば、証拠を早い段階で押さえられます。
データのコピーは目に見える痕跡が残らないため、営業秘密の漏洩ではデジタル証拠の調査が重要です。調査でアクセスログ、メールの送信履歴、USBの接続記録を解析すれば、誰がいつどのファイルを開き、どこへ送ったか辿れます。
初回相談で、データ調査を扱う会社と連携しているかを確認してみてください。連携先があれば、調査先を自社で探す手間が省けます。
営業秘密の漏洩は、主に6つの窓口で相談できます。相手への請求まで任せたいなら弁護士につながる窓口、社内の体制づくりなら公的窓口が向いているでしょう。
ここでは各窓口の対象者、費用、任せられる範囲を1つずつ解説します。
自社に合った営業秘密の漏洩が得意な弁護士を見つけたいなら、「企業法務弁護士ナビ」がおすすめです。
企業法務弁護士ナビでは、営業秘密の漏洩に対応できる弁護士を、相談内容・自社の業種・地域から絞り込めます。各法律事務所のページには料金体系や解決実績が掲載されているため、依頼する前に費用の目安と対応力を確認できます。
また、初回相談無料の法律事務所も多く掲載されており、費用をかけずに複数の弁護士に相談できるのが特徴です。「持ち出された情報が営業秘密にあたるかわからない」といった段階でも、気軽に相談できます。
【参考記事】企業法務弁護士ナビ
ひまわりほっとダイヤルは、日本弁護士連合会と全国52の弁護士会が運営する窓口です。中小企業や個人事業主が、初回の面談30分を無料で利用できます。
0570-001-240へ電話をかけると、最寄りの弁護士会に転送され、折り返しの連絡で面談日時を決める流れです。Webの申込フォームからも予約できます。
相談した弁護士に、そのまま案件を依頼できる点も特徴です。
ただし、一部の地域では初回から料金が発生します。30分を超えた分と2回目以降も有料で、東京弁護士会の場合は30分あたり5,500円(税込)です。
【参考記事】ひまわりほっとダイヤル|日本弁護士連合会
日本知的財産仲裁センターは、日本弁護士連合会と日本弁理士会が共同で運営する機関です。本センターに相談すれば、裁判をせずに紛争の解決を目指せます。
相談すると、知的財産を得意とする弁護士または弁理士が対応してくれます。相談料は1名で1時間10,000円(税別)、弁護士と弁理士の2名なら18,000円(税別)です。話し合いで解決しない場合は、調停を申し立てられます。申立手数料は45,000円(税別)です。
手続きは非公開のため、営業秘密の内容が外部に出る心配もありません。相談した弁護士や弁理士に、そのまま案件を依頼できるのもメリットです。
【参考記事】日本知的財産仲裁センター
INPIT知財総合支援窓口は、INPIT(工業所有権情報・研修館)が全国47都道府県に設置する無料の相談窓口です。主に、秘密管理の方法や社内規程の整備について相談できます。
利用するときは、全国共通の0570-082100へ電話をかけてください。受付時間は平日9時00分〜17時00分ですが、窓口により異なる場合があります。
電話をかけると、自動で最寄りの窓口につながる仕組みです。基本的な対応は支援担当者で、必要に応じて弁護士や弁理士が加わります。
ただし、対象は中小企業などに限られるほか、相手への請求の代理も依頼できません。損害賠償請求や差止請求へ進む段階では、法律事務所への依頼が必要です。
【参考記事】INPIT総合支援窓口とは|INPIT知財総合支援窓口
中小企業振興公社のワンストップ総合相談窓口は、都道府県や市町村が設立した中小企業の支援機関です。経営と法律を1ヵ所で相談できます。
東京都中小企業振興公社の場合、相談員に弁護士、司法書士、税理士、中小企業診断士が含まれます。相談は無料で何度でも利用でき、来社とオンラインのどちらにも対応しています。
法律相談は予約制のため、Webまたは電話(03-3251-7881)で予約してください。
なお、対象者が地域の中小企業者に限られる点に注意が必要です。設置状況や相談の体制は地域により異なるため、自社の地域の公社へ確認してください。
【参考記事】総合相談事業(ワンストップ総合相談窓口)|東京都中小企業振興公社
よろず支援拠点は、国が全国47都道府県に設置した経営相談所です。中小企業と小規模事業者を対象に、何度でも無料で相談できます。
ただし、弁護士の在籍状況と相談日は拠点により異なります。利用するときは、各拠点へ電話またはWebで予約してください。弁護士に相談したい場合は、対応日をあわせて確認しておくと確実です。
【参考記事】よろず支援拠点全国本部|独立行政法人 中小企業基盤整備機構
営業秘密の漏洩にかかる弁護士費用は、案件の規模や複雑さによって変わります。
弁護士費用は、主に7つに分類されます。以下、内訳別の相場をまとめました。
| 依頼内容 | 費用の目安 | 支払いのタイミング |
|---|---|---|
| 相談料 | 30分5,000円〜1万円程度 | 相談時 |
| 着手金 | 20万円〜数百万円 | 依頼時 |
| 成功報酬金 | 回収した金額の10%〜20% | 完了時 |
| 手数料 | 案件による | 依頼時 |
| 日当 | 案件による | 事務所による |
| 実費 | 実際にかかった額 | 事務所による |
| 顧問料 | 月3万円〜5万円 | 毎月 |
ただし、実際にかかる金額は事務所ごとに異なります。金額の見込みについては、初回の相談の場などでよく確認しておきましょう。
【関連記事】【中小企業向け】顧問弁護士は月額3〜5万円が相場|顧問弁護士の選び方も解説!便利な顧問弁護士必要性診断チャート付き!|企業法務弁護士ナビ
弁護士への相談から委任契約までに要する期間は、事案の緊急性や資料の準備状況、法律事務所の対応状況によって異なります。営業秘密の漏洩が疑われる場合には、証拠保全や被害拡大の防止が急務となることもあるため、早期に相談することが重要です。
ここでは、各ステップをそれぞれ解説します。
まず電話やメールフォームで、相談したい内容を簡潔に伝えます。
問い合わせの段階で伝えるべきは、主に以下の内容です。
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相談日時の調整は、当日から数日以内で決まる場合が多いです。急ぎであれば、相談日を早めてもらいましょう。
初回相談には、証拠やメモを持参してください。有効となる主な証拠は、以下のとおりです。
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資料がそろうほど状況は伝わりますが、足りない場合でも相談できます。メモは、退職を申し出た日、最終出社日、データへ最後にアクセスした日などを時系列で整理しておきましょう。出来事の前後関係がわかると、限られた相談時間を有効に使えます。
相談の場では、今後取るべき措置と費用の見積もりを確認しましょう。
確認すべきは、以下の3点です。
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見積もりは、口頭ではなく書面で受け取ってください。着手金や報酬金の内訳が残っていれば、金額の認識がずれる事態を防げます。初回相談の場で契約する必要はありません。持ち帰って社内で検討したり、複数の事務所を比べたりもできます。
方針に納得できたら、委任契約書を交わして着手金を支払います。
契約書で確認するのは、以下の3点です。
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着手金は結果にかかわらず戻ってきません。金額と支払い時期には、必ず目を通しておいてください。分割払いに応じてくれる法律事務所もあるため、一括での支払いが難しければ契約前に相談してみましょう。
さいごに、営業秘密の漏洩に関するよくある質問に回答します。
転職先の会社にも損害賠償を請求できます。転職先が不正な経緯を知りながら営業秘密を使用すれば、不正競争にあたるためです(不正競争防止法2条1項8号)。
ただし、転職先が不正な持ち出しを知っていた、または重大な過失で知らなかったことを立証しなければなりません。そこで役立つのが、営業秘密を使ったと推定する規定です(同法5条の2)。
たとえば、持ち出された技術を使わなければ作れない製品を転職先が生産していれば、営業秘密を使ったと扱われます。ただし、推定の対象は技術上の情報に限られ、顧客名簿などは含まれません。
損害と相手を知ったときから3年以内なら請求できます(民法724条)。
3年の起算点は、損害の発生と持ち出した人物の両方がわかった日です。発覚が遅ければ、10年前の漏洩でも請求できます。ただし漏洩から20年が過ぎると、気づいていたかどうかに関係なく請求権は消滅します。
営業秘密の使用が継続している場合、不正競争防止法15条に定める要件を満たすと、同法3条1項に基づく使用差止請求権が時効によって消滅します。また、同法4条ただし書により、当該差止請求権が消滅した後の営業秘密の使用によって生じた損害については、同条に基づく損害賠償請求が認められません。ただし、これは民法709条に基づく損害賠償請求の可能性まで一律に否定するものではありません。民法上の不法行為が別途成立するかどうかは、個別に検討する必要があります。
営業秘密が漏洩したときは、早めに弁護士へ相談しましょう。
弁護士には、内容証明郵便の送付から、使用差止請求、損害賠償請求、刑事告訴まで依頼できます。証拠をもとに、自社の状況に合う請求を選んでもらえるのがメリットです。
請求できる相手は元従業員だけでなく、事情を知りながら情報を使った転職先の会社も含まれます。証拠が足りない段階でも、データ調査を扱う会社と連携して集めてもらえます。
営業秘密が得意な弁護士を探すなら、「企業法務弁護士ナビ」が役立つはずです。相談内容・業種・地域から弁護士を絞り込めるため、自社に合う弁護士を効率よく見つけられます。
対応が遅れるほど、営業秘密は競合他社へ広がっていきます。被害を最小限に抑えるためにも、早めに弁護士へ相談してみてください。
編集部
本記事は企業法務弁護士ナビを運営する株式会社アシロ編集部が企画・執筆いたしました。
※企業法務弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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