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【2026年10月】106万円の壁撤廃|中小企業の対応策を弁護士解説

2026.4.27
2026.4.27
2026年10月施行の「106万円の壁」撤廃で、中小企業の社会保険料負担が大きく増える可能性があります。人件費インパクトの試算(業種別9パターン)、雇用契約・就業規則の見直し、雇い止めなど避けるべき法的リスクと判例を弁護士視点で解説します。
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2026年10月、いわゆる「106万円の壁」が撤廃される予定です。これは厚生年金保険法などを改正する「年金制度改正法」(社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律。令和7年法律第33号)に基づく賃金要件の撤廃で、パート・アルバイトを多く雇用する中小企業にとっては、社会保険料の事業主負担が大きく増加する可能性があります。

本記事では、中小企業の経営者・人事労務担当者向けに、企業視点での人件費インパクトの試算、雇用契約書・就業規則の見直しポイント、雇い止めなど避けるべき法的リスクを、企業法務に詳しい弁護士の視点で解説します。労働者本人への影響については、経営者が従業員から質問されたときに答えられるよう、要点のみ整理しています。

POINT 2026年10月の改正、自社への影響を弁護士に確認しませんか?

「106万円の壁」撤廃は、パート・アルバイトを多く雇用する中小企業の人件費・労務管理・契約実務すべてに直接影響します。施行が近づいてから動くのでは、就業規則の改定や従業員説明が間に合わない可能性があります。

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この記事に記載の情報は2026年04月27日時点のものです

「106万円の壁」とは?2026年10月撤廃の概要

「106万円の壁」とは、パート・アルバイトなど短時間労働者が、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の被保険者となるかどうかの基準のうち、賃金月額8.8万円以上(年収換算で約106万円以上)という賃金要件の通称です。

2026年10月から段階的に施行される年金制度改正法により、この賃金要件が撤廃される予定です。今後は「週の所定労働時間20時間以上」が短時間労働者の社会保険加入を判断する主たる基準として残ることになります。

本セクションのポイント
  • 改正法の正式名称: 社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律(令和7年法律第33号、2025年6月20日公布)
  • 賃金要件(月額8.8万円以上)の撤廃時期: 2026年10月施行予定
  • 残る要件: 週20時間以上の所定労働時間、雇用見込み2か月超、学生でないこと
  • 段階施行: 企業規模要件は2027年〜2035年にかけて段階的に撤廃される予定

改正前後の適用要件比較

改正の前後で短時間労働者の社会保険適用要件がどう変わるかを整理します。

要件項目 改正前(〜2026年9月) 改正後(2026年10月以降の予定)
企業規模 特定適用事業所(従業員数51人以上) 2027年10月以降、段階的に撤廃
週の所定労働時間 20時間以上 20時間以上(維持)
月額賃金 8.8万円以上(年収約106万円) 撤廃
雇用見込み 2か月超 2か月超(維持)
学生除外 学生は適用対象外 学生は適用対象外(維持)

「年収106万円超」から「週20時間以上」への変化

これまでパート・アルバイトの社会保険加入の境目として「年収106万円」が広く意識されてきましたが、2026年10月以降は、週20時間以上の労働時間の有無がより重要な判断基準となります。

  • 賃金が低くても加入対象に: 最低賃金の上昇により月額8.8万円要件は実質形骸化していたため、これを撤廃して労働時間で判断する整理に。
  • 週20時間の境界が重要: 雇用契約上の週所定労働時間が20時間以上であれば、賃金水準にかかわらず加入対象となる方向です。
  • 残業の取扱い: 所定労働時間が基本判断であり、突発的な残業のみで20時間を超えても直ちに加入対象となるわけではないとされています。

労働者から見た影響(経営者が説明できるように)

パート・アルバイト本人から「制度改正で自分の手取りはどうなるのか」と質問される場面が増えると見込まれます。経営者・人事担当者として、以下のポイントを把握しておくと従業員説明の場面で役立ちます。

  • 短期的: 社会保険料の本人負担分が発生し、手取り額が減少する可能性があります(試算は厚生労働省の社会保険適用拡大特設サイトの試算ツールが参考になります)。
  • 中長期的: 厚生年金の被保険者となるため、将来受給する年金額の増加、傷病手当金・出産手当金などの保障対象になるなど、社会保障の恩恵が広がります。
  • 扶養との関係: 配偶者の被扶養者(健康保険)や第3号被保険者(国民年金)であった場合、その地位を失うため家計全体への影響を整理する必要があります。

段階施行スケジュール — 2026年10月〜2035年10月の全フェーズ

賃金要件の撤廃と並行して、企業規模要件(特定適用事業所の要件)も段階的に撤廃される予定です。自社が「いつから対応が必要か」を年次ロードマップで把握しておきましょう。

段階 施行時期(予定) 対象となる企業 主な改正内容
第1段階 2024年10月(既施行) 従業員数51人以上の特定適用事業所 短時間労働者の社会保険加入が義務化
第2段階 2026年10月施行予定 特定適用事業所(51人以上) 賃金要件(月額8.8万円・年収106万円以上)撤廃
第3段階 2027年10月施行予定 従業員数36〜50人の企業 企業規模要件の段階的撤廃が開始
第4段階 2029年10月施行予定 従業員数21〜35人の企業 企業規模要件のさらなる段階的撤廃
第5段階 2032年10月施行予定 従業員数11〜20人の企業 企業規模要件のさらなる段階的撤廃
第6段階 2035年10月施行予定 従業員数1〜10人の企業 企業規模要件の完全撤廃(全企業対象)

出典: 厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」(2026年4月時点。段階施行スケジュールは政省令で詳細が定まる部分を含み、本記事公開時点での予定です)

段階施行のスケジュールは、政省令や厚生労働省の通達によって詳細が定まる部分を含みます。最新情報は厚生労働省・日本年金機構の公式サイトをご確認ください。

中小企業への人件費インパクト — 業種別×規模別 9パターン試算

「106万円の壁」撤廃後、社会保険加入対象となるパート・アルバイトが増えることで、事業主負担の社会保険料は具体的にどの程度増えるのでしょうか。前提条件を整理した上で、業種別×規模別に試算してみましょう。

試算の前提(社会保険料率・2026年想定)

社会保険料率は毎年見直されますが、ここでは2024〜2025年度の率を参考に2026年時点の目安として整理します。事業主は原則として保険料の労使折半部分を負担します。

  • 厚生年金保険料率: 18.3%(事業主負担9.15%)
  • 健康保険料率: 約10%(事業主負担約5%、協会けんぽ東京支部参考。業種・都道府県で変動)
  • 雇用保険料率: 1.55%(事業主負担0.95%、一般の事業・2024〜2025年度実績)
  • 労災保険料率: 業種により0.25〜0.6%程度(全額事業主負担)

例として、月額賃金8.8万円のパート従業員1名が新たに社会保険適用となった場合、事業主の追加負担は概算で月額約1万3,000円、年間で約16万円となります。

本試算はあくまで概算であり、業種・賃金水準・地域・労働時間などにより実額は変動します。実際の負担額は社会保険労務士または年金事務所にご確認ください。

飲食業(ホール・キッチンスタッフ)— 規模別 年間負担増の概算

飲食業はパート・アルバイト比率が高く、影響度が最も大きい業種の一つとされています。

パート従業員数 1人あたり月額負担増 年間負担増(概算)
10名 約13,300円 約160万円
30名 約13,300円 約480万円
50名 約13,300円 約800万円

小売業(販売員・レジスタッフ)— 規模別 年間負担増の概算

小売業も短時間労働者の比率が高く、店舗運営のコスト構造に直結します。

パート従業員数 1人あたり月額負担増 年間負担増(概算)
10名 約13,300円 約160万円
30名 約13,300円 約480万円
50名 約13,300円 約800万円

介護・福祉(介護補助員・調理員)— 規模別 年間負担増の概算

介護・福祉業界は短時間勤務の介護補助員などが多く、慢性的な人手不足の中で人件費インパクトをどう吸収するかが経営課題となります。

パート従業員数 1人あたり月額負担増 年間負担増(概算)
10名 約13,300円 約160万円
30名 約13,300円 約480万円
50名 約13,300円 約800万円

業種別の影響度ランキング(参考)

パート・アルバイトを雇用する比率や勤務時間の傾向から、影響を受けやすいと想定される業種は以下の順となります。

  1. 飲食業 — ホール・キッチンの短時間勤務スタッフが多く、影響度が最も高い傾向にあります。
  2. 小売業 — 販売員・レジ担当の比率が高く、店舗運営コストへの直接的な影響があります。
  3. 介護・福祉業 — 介護補助員・調理員の短時間労働者が多く、人手不足と人件費増の二重課題に。
  4. 教育業 — 塾講師・チューターなど短時間勤務者の比率が比較的高い業種です。
  5. サービス業 — 清掃・ホテル・美容など、業種により影響度が分かれます。

中小企業がやるべき5ステップの対応

2026年10月の施行までに、中小企業の経営者・人事労務担当者が押さえておくべき対応を5つのステップにまとめます。

STEP 1: 対象従業員の洗い出し

週の所定労働時間が20時間以上のパート・アルバイトをリストアップし、雇用契約書・賃金台帳と突合します。「現状で社会保険に加入していないが、改正後は加入対象となる従業員」が何名いるかを把握することがすべての出発点です。

STEP 2: 人件費インパクトの試算

厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイトの事業主向け試算ツールを活用し、自社の負担増額を概算します。年間ベースのキャッシュフロー影響を可視化したうえで、価格転嫁・業務効率化・賃金体系見直しなど、コスト吸収策を検討します。

STEP 3: 従業員への説明会・個別面談

従業員には社会保険加入のメリット(将来年金の増額、傷病手当金・出産手当金の対象化など)と、手取り変動の見通しを丁寧に説明する必要があります。一方的な通知ではなく、対話の機会を設けることが、後述する法的リスク(雇い止め・労働時間調整)を回避するうえでも重要です。

STEP 4: 雇用契約書・就業規則の見直し

短時間労働者の労働時間・賃金条項、社会保険適用の有無に関する記載を改定します。とりわけ、労働条件の不利益変更を伴う場合は、労働契約法に基づく適切な手続きを踏む必要があるため、弁護士・社会保険労務士への相談を推奨します。

STEP 5: 加入手続き・各種届出

新たに被保険者となる従業員について、年金事務所への被保険者資格取得届の提出が必要です。届出は加入要件を満たした日から原則として5日以内に行う必要があるため、施行直前の社内オペレーションに余裕を持たせる準備が求められます。

POINT 就業規則・雇用契約書の改定は弁護士と進めるのが確実です

STEP 4の雇用契約書・就業規則の見直しは、不利益変更に該当すると無効化のリスクがあります。条項のサンプル文言・同意取得プロセス・代償措置の妥当性まで、労働法に詳しい弁護士に事前確認すれば、後日の労働紛争を未然に防げます。

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雇用契約書・就業規則の改定ポイント

「106万円の壁」撤廃を機に、短時間労働者の労働条件・社会保険適用に関する規定を見直すことが望まれます。とくに就業規則の改定で労働条件の不利益変更に該当する内容(例: 福利厚生の縮小、賃金水準の事実上の引き下げ)を含む場合は、労働契約法上の手続きに細心の注意が必要です。

雇用契約書 改定の必須3項目

  1. 社会保険加入の有無に関する記載 — 改正後の加入要件(週20時間以上等)に合わせて記載を更新します。
  2. 労働時間の規定 — 週所定労働時間20時間の境界を明示し、労働時間管理の責任範囲を明確化します。
  3. 賃金条項 — 手取り額の変動が生じる場合、その旨を明記し、労働者の合意プロセスを記録に残せる形にします。

就業規則 サンプル条項(社会保険適用基準)

就業規則に短時間労働者の社会保険加入基準を明記する場合、以下のような条項例が考えられます(実際の文言は社会保険労務士・弁護士の確認のもと作成してください)。

第〇条(社会保険の適用)
週の所定労働時間が20時間以上であり、雇用見込みが2か月を超え、かつ学生でない短時間労働者は、健康保険法および厚生年金保険法の定めるところにより、社会保険の被保険者となる。会社は、被保険者資格を取得した労働者について、関係法令に基づき所定の届出を行う。

不利益変更を伴う場合の同意取得プロセス(労働契約法第10条と判例)

就業規則を従業員に不利益な方向に変更する場合、労働契約法第9条・第10条に基づき、原則として労働者の合意が必要であり、合意がない場合は「変更の合理性」が必要とされます。最高裁判例(第四銀行事件・最判平成9年2月28日民集51巻2号705頁等)では、就業規則の不利益変更が認められるかどうかは、変更の必要性、不利益の程度、変更内容の相当性、代償措置、労働組合との交渉状況などを総合考慮して判断するとされています。

  • 個別合意の取得: 不利益変更について労働者から書面での同意を取得することが基本です。
  • 説明と質疑応答の機会: 改定の必要性・内容・影響を丁寧に説明し、従業員の質問に答える機会を設けます。
  • 変更の合理性の確保: 個別合意が得られない場合、変更内容の合理性が問われます。代償措置(手当の付与等)も検討対象です。

やってはいけない対応 — 法的リスクのある「壁逃れ」3パターン

社会保険料の事業主負担を回避する目的で、以下のような対応を取ると、後日の労働紛争・損害賠償請求・行政指導に発展するリスクがあります。弁護士の視点から、やってはいけない代表的な3パターンを整理します。

パターン1: 意図的な労働時間の引き下げ(週19時間化など)

従業員の同意を得ずに労働時間を一方的に削減すると、労働契約上の労働条件の不利益変更に該当し、無効となる可能性があります。労働者からは未払い賃金(差額賃金)の請求や、慰謝料請求がなされるリスクがあります。

  • 労働契約法上の問題: 個別合意のない労働条件変更は原則として効力を持たないとされています。
  • 就業規則の不利益変更法理: 就業規則で一律に労働時間を短縮する場合、変更の合理性が必要とされ、合理性が認められなければ変更は無効となる場合があります(秋北バス事件・最大判昭和43年12月25日民集22巻13号3459頁、第四銀行事件等)。
  • 不法行為責任: 労働者に経済的損失を与えた場合、不法行為に基づく損害賠償責任が生じる可能性もあります。

パターン2: 社会保険適用回避目的の雇い止め

有期労働契約の従業員について、契約更新を拒絶する「雇い止め」を、社会保険適用を避ける目的で行うことは、労働契約法第19条に定める雇い止め法理に抵触するおそれがあります。

  • 労働契約法第19条: 反復更新により実質的に無期契約と同視できる場合、または労働者が更新を期待することについて合理的な理由がある場合は、客観的に合理的かつ社会通念上相当と認められる理由がない雇い止めは無効とされ、契約は更新されたものとみなされます。
  • 雇い止め法理の判例: 古典的な判例として、日立メディコ事件(最判昭和61年12月4日)などがあり、雇い止めの有効性は契約の実態・更新の経緯・更新拒絶の理由など総合判断するとされています。
  • 社会保険回避を動機とする雇い止めのリスク: 社会保険適用回避を主たる動機とする雇い止めは、客観的合理性を欠くと判断される可能性が高く、訴訟・労働審判で会社側が敗訴するリスクがあります。

パターン3: 個人事業主への切り替え(業務委託契約化)

パート・アルバイトを「業務委託契約」「個人事業主」として扱い、雇用関係の外に置くことで社会保険適用を免れようとする対応も、実態が雇用関係であれば偽装請負として労働基準法・労働者派遣法等に抵触するリスクがあります。

  • 使用従属性の判断: 雇用か業務委託かは契約書の名称ではなく、実態(指揮命令の有無、勤務時間・場所の拘束、業務内容の代替可能性、報酬の労務対価性など)で判断されます。
  • 主な法的リスク: 労働基準法・最低賃金法違反、未払い残業代請求、労災適用拒否時の損害賠償請求、行政指導など。
  • 近年は労働行政の監視が強化: 偽装請負・名ばかり業務委託は、労働基準監督署や労働局の指導対象になりやすく、社会保険適用回避目的の切り替えはとくに注視されています。

本セクションで紹介した判例・法的論点は一般的な解説であり、個別の事案によって結論は異なる場合があります。具体的な対応を検討される場合は、必ず弁護士に個別にご相談ください。

POINT 「壁逃れ」の判断、実施前に必ず弁護士へ

労働時間の引き下げ・雇い止め・業務委託への切り替えは、いずれも実施後では取り返しがつかない労働紛争に発展します。実施前に弁護士に相談することで、法的リスクを正確に把握したうえで、合理的な代替策(合意取得・代償措置・段階的移行)を設計できます。

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活用できる支援策と特例措置

社会保険料の事業主負担増を緩和するため、政府は中小企業向けの支援策・特例措置を整備しています。これらを活用することで、実質的なコスト負担を軽減できる可能性があります。

  • キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース): 短時間労働者を新たに社会保険適用としたうえで賃金引上げ等を行った場合、一定の要件を満たすと助成金が支給される制度です。最新の支給要件は厚生労働省 社会保険の適用範囲拡大ページ等で確認してください。
  • 事業主上乗せ負担の特例(激変緩和措置): 労使合意により、事業主が労働者負担分の社会保険料を任意で上乗せ負担できる激変緩和措置の方針が示されています。これにより、改正直後の従業員の手取り減少を緩和することが可能となる見通しです。詳細は政省令・告示で定まる予定であり、最新情報の確認が必須です。
  • 業務効率化・賃金制度見直しによる吸収: シフト最適化、業務の自動化、賃金体系の見直しなど、人件費以外の経営改善で吸収する方策を検討します。

よくある質問

「106万円の壁」撤廃に関して、中小企業の経営者・人事担当者からよく寄せられる質問を整理します。

  • Q1. 106万円の壁撤廃はいつから施行されますか?
    A. 賃金要件(月額8.8万円・年収106万円以上)の撤廃は2026年10月から施行される予定です。企業規模要件は2027年10月から段階的に撤廃され、2035年10月で全企業が対象となる予定とされています。詳細は政省令で定まる部分を含みます。
  • Q2. 従業員10人以下の小規模企業も対象になりますか?
    A. 段階施行スケジュールによれば、2035年10月から対象化される予定です。それまでに段階対応の準備を進めることが推奨されます。
  • Q3. パートが社会保険加入を拒否した場合はどうなりますか?
    A. 加入要件を満たす場合、事業主には届出義務があり、労働者本人の意思のみで加入を免れることはできません。説明と納得形成のプロセスが重要となります。
  • Q4. 労働時間を週19時間に減らせば加入を回避できますか?
    A. 労働者の同意なしに労働時間を一方的に削減することは、労働条件の不利益変更として無効とされる可能性が高く、雇用トラブルや雇い止め紛争のリスクが大きくなります。事前に弁護士へのご相談をおすすめします。
  • Q5. 顧問の社会保険労務士がいますが、弁護士相談も必要ですか?
    A. 加入手続き・届出など定型的な社会保険実務は社会保険労務士の担当領域です。一方、就業規則の不利益変更、雇用契約書の改定、雇い止めや業務委託への切り替えなど労働紛争に発展しうる場面では弁護士相談が有用です。両者の連携で対応するのが望ましいケースが多く見られます。

まとめ — 2026年10月までに準備すべきこと

「106万円の壁」撤廃は、中小企業のパート・アルバイト雇用にとって大きな転換点となります。2026年10月の施行までに、以下のステップで準備を進めましょう。

中小企業がやるべき5ステップ(チェックリスト)

  • STEP 1: 週20時間以上のパート・アルバイトを洗い出した
  • STEP 2: 人件費インパクトを試算した(年間負担増の概算把握)
  • STEP 3: 従業員説明会・個別面談を計画した
  • STEP 4: 雇用契約書・就業規則の改定方針を整理した
  • STEP 5: 加入手続き・届出の社内オペレーションを準備した
弁護士に相談すべき3つのシグナル
  1. パート従業員の労働時間や賃金体系を変更したい — 不利益変更に該当しうる場合は、労働契約法上の手続き確認が必要です。
  2. 就業規則・雇用契約書の改定が必要 — 就業規則の不利益変更法理、サンプル条項の妥当性などの観点でレビューを受けることが望まれます。
  3. 加入回避目的の雇い止め・業務委託への切り替えを検討している — 重大な法的リスクがあるため、検討段階での弁護士相談を強く推奨します。

「106万円の壁」撤廃への対応は、社会保険手続き・労務管理・労働法務など複数の専門領域にまたがる課題です。社会保険労務士と弁護士の連携、そして経営層・現場・従業員の三方向のコミュニケーションを丁寧に組み立てることが、トラブルを未然に防ぎ、円滑な移行を実現する鍵となります。

POINT 2026年10月までに、まずは無料相談から始めましょう

「106万円の壁」撤廃への対応は、社会保険手続き・労務管理・労働法務など複数の専門領域にまたがります。早期に弁護士・社会保険労務士と連携し、自社のロードマップを描くことが、トラブル回避と円滑な移行の鍵です。

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弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。
編集部

本記事は企業法務弁護士ナビを運営する株式会社アシロ編集部が企画・執筆いたしました。

※企業法務弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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