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上記のような行為は、いずれも不正競争防止法に違反する可能性がある行為です。「自社の被害は違反にあたるのか」「どこまで請求できるのか」と判断に迷っているうちに、被害が広がるおそれがあるため、迅速な対応が求められます。
そこで頼りになるのが、不正競争防止法に注力する弁護士です。弁護士に相談すれば、警告書の送付・差止請求・刑事告訴など、自社の被害に応じた手段を提案してもらえます。
本記事では、弁護士に相談すべき4つのケースと、弁護士が取れる6つの対応をわかりやすく解説します。費用相場や弁護士の選び方、相談窓口も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
不正競争防止法は、事業者同士の公正な競争を守るための法律です。「不競法(ふきょうほう)」とも呼ばれます。
不競法の保護対象には、商品名・デザイン・顧客名簿・製造ノウハウ・取引先から得た信用などが含まれます。
不競法第2条で禁止しているのは、主に以下10種類の行為です。
| 類型 | 被害の例 |
|---|---|
| 周知表示混同惹起(1号) | 有名店の名前をまねた営業 |
| 著名表示冒用(2号) | 著名ブランドのロゴを無断使用 |
| 商品形態模倣(3号) | ヒット商品のデザインを複製 |
| 営業秘密侵害(4号〜10号) | 顧客名簿や技術の持ち出し |
| 限定提供データの不正取得など(11号〜16号) | 提供データの無断利用 |
| 技術的制限手段の無効化(17号・18号) | コピーガード解除機器の販売 |
| ドメイン名の不正取得(19号) | 社名に似せたドメインの取得 |
| 誤認惹起(20号) | 産地や品質の偽装表示 |
| 信用毀損(21号) | 虚偽の悪評を取引先へ流布 |
| 代理人などの商標冒用(22号) | 海外権利者の商標を無断使用 |
自社の被害が10類型のいずれかに該当しているか、確認してみてください。
ここでは、弁護士に相談すべき「営業秘密侵害」「商品形態模倣」「信用毀損行為」「誤認惹起行為」の4つを、実際の裁判例とあわせて解説します。
退職者や競合他社が顧客名簿や製造ノウハウを不正に取得・使用・開示した場合には、不正競争防止法上の営業秘密侵害に該当する可能性があります。
ただし、全ての社内情報が営業秘密になるわけではありません。不正競争防止法で保護されるには、秘密管理性・有用性・非公知性の3要件を全て満たす必要があります。
| 要件 | 満たす例 | 満たさない例 |
|---|---|---|
| 秘密管理性 | ㊙表示やアクセス制限がある | 全社員が自由に閲覧できる |
| 有用性 | 製造ノウハウ・顧客名簿 | 脱税の記録など反社会的な情報 |
| 非公知性 | 社外に出ていない情報 | 刊行物に掲載済みの情報 |
裁判で最も争われるのは秘密管理性です。アクセス制限や「㊙」表示など、秘密として管理していた跡が残っているかが見られます。
営業秘密の要件該当性が争われた裁判例には、日本製鉄事件(東京地判平成31年4月24日)があります。本事案では、約35年間にわたり電磁鋼板の技術開発に従事した元従業員が、製造技術を韓国企業へ開示しました。
裁判所は、機密保持規程による設備の管理や秘密保持の書面提出などを根拠に、秘密管理性を認めました。有用性と非公知性についても、製造技術が品質の優位性を保つ情報であり、会社の管理下以外では入手できない点を根拠に認めています。
そのうえで、元従業員に約10億2,300万円の損害賠償を命じました。
【参考記事】平成29年(ワ)第29604号 損害賠償等請求事件|裁判所
自社商品のデザインをまねされた場合は、商品形態模倣行為として販売の停止を求められます。
対象となるのは、日本国内で最初に販売した日から3年以内の商品です。意匠登録をしていなくても使えるため、中小企業にとって利用可能性の高い規定といえるでしょう。
商品形態模倣が問題となった裁判例として、ザ・リラクス事件(東京地判平成30年8月30日)があります。本事案では、国内アパレル会社が販売していたコートを、大手アパレルチェーンが模倣したかどうかが争われました。
争点は、被告のコートが原告商品と実質的に同一といえるか、原告商品に依拠して作られたかの2点でした。裁判所は被告のコートが原告商品と実質的に同一と判断し、被告に約1,041万円の損害賠償を命じています。
【参考記事】平成28年(ワ)第35026号 損害賠償請求事件|裁判所
競合他社が自社について虚偽の事実を広める行為は、信用毀損行為にあたります。
たとえば、取引先へのデマの通知、口コミサイトへの虚偽投稿、根拠のない権利侵害の指摘などが典型例です。
信用毀損行為が問題となった裁判例には、結ばない靴紐事件(東京地判令和4年10月28日)があります。本事案では、特許権者が競合会社の取引先10社に対し、競合会社の製品が特許権を侵害している旨の通知書を送りました。
裁判所は、通知書の送付が競合を市場から排除する目的でおこなわれた信用毀損行為にあたると判断し、告知の差止めと100万円の損害賠償を命じています。
【参考記事】令和3年(ワ)第22940号 不正競争行為差止等請求事件|裁判所
競合他社が商品の産地や品質を偽って表示する行為は、誤認惹起行為(ごにんじゃっきこうい)にあたります。産地で選ばれている商品ほど、偽装品に顧客を奪われる影響は大きくなるでしょう。
たとえば、以下のような表示が問題になります。
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誤認惹起行為が問題になった裁判例として、マンハッタンパッセージ事件(大阪地判平成12年11月9日)があります。本事案では、カバンを製造販売する会社が、中国製のカバンに「NEW YORK CITY, N.Y., U.S.A.」などと表示して販売していました。
裁判所は、消費者が原産地を米国と誤認するおそれがあると判断し、表示の差止めと50万円の損害賠償を命じています。
【参考記事】平成12年(ワ)第943号 不正競争行為差止等請求事件|裁判所
自社の被害が不正競争にあたるとわかっても、どう動けばよいか迷う場面は多くあるはずです。そんなときこそ、不正競争防止法が得意な弁護士に相談してみてください。
弁護士が取れる対応は、主に6つあります。ここでは、6つの対応を順に解説します。手段によっては期限があるため、早めに動いてください。
弁護士には、警告書の作成と送付を依頼できます。
警告書とは、違反行為の停止を求める書面です。訴訟に進む前に相手へ働きかける手段で、応じてもらえれば裁判をせずに被害を止められます。
ただし、相手企業ではなく取引先へ送る場合は注意が必要です。裏付けが不十分だと、自社が信用毀損行為に問われる恐れがあります。
弁護士に任せれば、送付前に主張の根拠を確認してもらえます。法的な裏付けを提示した書面なら、相手も無視できません。また、相手の回答を受けて、交渉で終えるか裁判手続きへ進むかの判断も委ねられます。
弁護士には、差止請求(不正競争防止法第3条)の手続きを依頼できます。
差止請求とは、侵害している行為をやめさせ、模倣品の廃棄を要求するものです。損害賠償請求と異なり相手の故意や過失は要件にならないため、被害が出る前の段階でも請求できます。
ただし、請求書面では止めさせる行為を具体的に特定しなければなりません。特定が曖昧だと、請求が裁判所に認められないおそれもあるでしょう。
裁判例を知る弁護士に依頼すれば、認められる範囲を判断して請求を組み立ててくれます。判決で差止めが認められると相手は行為をやめる義務を負い、従わなければ強制執行の対象になります。
被害を今すぐ止めたい場合は、弁護士を通じて仮処分を申し立てられます。
仮処分とは、判決を待たずに相手の販売や使用を止める手続きです。訴訟になると判決までに1年以上かかるケースが多いため、判決を待っている間に被害が広がるおそれがあります。だからこそ、被害を今すぐ止めたい場合には仮処分が有効です。
ただし、申立てでは緊急性と侵害の事実を短期間で裁判所に示す必要があります。準備が不十分だと請求が認められません。
経験のある弁護士なら、限られた時間で必要な資料をそろえてくれます。仮処分が認められれば被害の拡大をその時点で止められるため、売上の流出を最小限に抑えられるでしょう。
受けた損害を金銭で取り戻したいなら、弁護士に損害賠償請求(不正競争防止法第4条)を依頼してください。
損害賠償請求とは、不正競争によって生じた損害の賠償を求めるものです。ただし、模倣品によって売上がどれだけ減ったかを証明するのは簡単ではありません。そこで不競法は、5条に損害額の推定規定を設けています。
不正競争防止法5条には、一定の不正競争行為について損害額の算定や推定に関する規定が設けられています。適用できる規定や必要な立証は事案によって異なるため、相手方の販売実績、自社の利益率、侵害行為の内容などを踏まえて、法的に認められる損害額を検討する必要があります。
失った取引先からの信用を取り戻したいなら、弁護士に信用回復措置(不正競争防止法第14条)を求めてもらう方法があります。
信用回復措置とは、裁判所が相手方に対して信用を回復するための行為を命じる制度です。裁判所が、営業上の信用を回復するために必要な措置を命じると、相手方はその内容に応じて謝罪広告や訂正文の掲載といった対応をしなければなりません。
たとえば、虚偽の悪評を取引先に流されると、賠償金を受け取るだけでは取引先の誤解が解けません。信用回復措置により相手に訂正させることで、失った取引を取り戻せる可能性があるでしょう。
ただし、命じられる内容は被害に見合ったものに限られます。弁護士は失われた信用の範囲を立証したうえで、実効性のある方法を裁判所に主張してくれます。
悪質な被害を受けた場合は、弁護士に刑事告訴の手続きを依頼できます。
刑事告訴とは、証拠をそろえて告訴状を作り、警察に受理してもらう手続きです。受理されれば捜査が始まり、相手が刑事罰を受ける可能性があります。
たとえば営業秘密侵害罪の罰則は、以下のとおりです。
| 対象 | 罰則 |
|---|---|
| 個人 | 10年以下の拘禁刑または2,000万円以下の罰金 |
| 法人 | 5億円以下の罰金 |
警察は、証拠が不十分だと刑事告訴の受理に慎重になります。その点、弁護士が告訴状を作成し、警察と事前に協議したうえで提出すれば、受理される可能性が高まります。
弁護士なら誰に頼んでも同じわけではありません。依頼するのであれば、不正競争防止法が得意な弁護士を選びましょう。
ここでは、不正競争防止法が得意な弁護士を見極めるポイントを4つ解説します。
まず確かめたいのは、営業秘密侵害や商品形態模倣を実際に扱った実績です。
法律事務所のホームページに、営業秘密や信用毀損に関する解決事例が掲載されているかを確認してください。法律事務所のホームページに掲載がない場合は、初回相談で、同じような案件を取り扱った経験があるか直接聞く方法もあります。
あわせて同じ業種の案件を扱った経験も確認しておきましょう。商慣行や技術の内容を一から説明する手間が省けるぶん、話が早く進みます。
相談後すぐに動いてくれる弁護士を選んでください。
営業秘密の流出や模倣品の拡散は、時間がたつほど被害が広がります。初動が遅れると、以下のような不利益が生じやすいです。
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初回相談で「いつまでに何ができるか」をスケジュールで提示してくれるかを確認してみてください。あわせて、電話やチャットツールで緊急時にすぐ連絡が取れるかも聞いておくと安心です。
勝訴の見込みだけでなく、立証の難しさや敗訴のリスクまで隠さず説明してくれる弁護士のほうが信頼できます。
たとえば、自社の情報が営業秘密の3要件を満たしていないケースがあります。そうした場合に「秘密管理性の立証は厳しいです」と伝えてくれる弁護士なら、安心して任せられるでしょう。
反対に、良い見通しばかり伝える弁護士には注意が必要です。依頼したあとで「やはり難しい」と方針が変わると、費やした時間が無駄になります。
見積書が明瞭で、費用の内訳を事前に説明してくれる弁護士を選びましょう。
見積書で確認すべき点は、着手金と報酬金の計算基準、印紙代や鑑定費用などの実費の目安、追加費用が発生する可能性などです。認識のずれを防ぐために、見積書は口頭ではなく書面で発行してもらってください。
あわせて、費用倒れの見通しについても聞いておきましょう。費用倒れとは、弁護士費用のほうが回収できた金額より高くなり、結果として損をしてしまう状態です。信頼できる弁護士であれば、費用倒れの可能性についても丁寧に教えてくれます。
不正競争防止法の相談先には、弁護士を探せるサイトと公的な窓口の5つがあります。すぐ法的措置を進めたいなら弁護士へ直接、予防や社内の体制づくりなら公的窓口が向いています。
どの窓口も、相談できる範囲と費用が異なります。以下では、5つの窓口を対象・費用・向いている場面ごとに紹介します。
不正競争防止法が得意な弁護士を探すなら、「企業法務弁護士ナビ」がおすすめです。
企業法務弁護士ナビは、企業法務に注力する弁護士だけを掲載したポータルサイトです。知的財産をはじめ、取引・契約や債権回収など、分野ごとに絞り込んで探せます。
事務所ごとに「オンライン面談可能」「当日相談可能」「19時以降の相談可能」といった対応体制が表示されるのも特徴です。急ぎの案件でも、すぐ動ける弁護士を見つけられます。
顧問契約がなくてもスポットで依頼できるため、「今回のトラブルだけ相談したい」という場合にも向いています。
【参考記事】企業法務弁護士ナビ
裁判に進まずに事案を解決したい場合は、日本知的財産仲裁センターの利用を検討してください。
日本知的財産仲裁センターは、日本弁護士連合会と日本弁理士会が共同で運営する機関です。相談を受け付けるだけでなく、調停や仲裁など、知財の紛争を裁判外で解決する手続きも取り扱っています。
相談は予約制で、弁護士または弁理士1名、もしくは弁護士と弁理士それぞれ1名が対応します。費用は1時間あたり10,000円(担当者1名の場合)で、ウェブ会議での相談も可能です。
調停は、弁護士と弁理士それぞれ1名が調停人となり、和解の成立に向けて協力してくれる手続きです。仲裁は、弁護士と弁理士を含む3名以上の仲裁人に判断を委ねる手続きで、その判断には強制力があります。
ただし、調停も仲裁も相手の同意が必要です。応じてもらえなければ、訴訟に進むしかありません。
【参考記事】日本知的財産仲裁センター
営業秘密の管理体制づくりを相談したいなら、INPITの営業秘密支援窓口を利用できます。
営業秘密支援窓口とは、INPIT(工業所有権情報・研修館)が運営する無料の相談窓口です。知財戦略エキスパートに、秘密情報の管理体制の構築から漏えい事案への対処まで相談できます。漏えい・流出の被害については警察庁、情報セキュリティ対策についてはIPAと連携した支援を受けられるかもしれません。
相談はWebフォーム、メール、電話のいずれからも申し込めます。
ただし、支援内容はアドバイスにとどまり、契約書の作成や交渉への同席、特許事務所の紹介は受けられません。
【参考記事】営業秘密支援窓口|INPIT
公的窓口から弁護士を探したい方には、ひまわりほっとダイヤルを利用できます。
ひまわりほっとダイヤルとは、日弁連と全国52の弁護士会が提供する、弁護士との面談予約サービスです。全国共通の電話番号0570-001-240にかけると、地域の弁護士会から折り返しの連絡が入り、面談日を決められます。電話ではなく、申込フォームからの予約も可能です。
初回30分の相談は無料ですが、旭川や宮城県など11の地域では、30分5,500円の相談料がかかります。
なお、相談が集中している時期は、弁護士からの折り返しに3営業日程度かかる場合があります。急ぐ場合は、弁護士へ直接相談するほうが確実です。
【参考記事】ひまわりほっとダイヤル|日本弁護士連合会
対面でじっくり相談したい方には、各地の弁護士会が運営する法律相談センターが向いています。
弁護士会とは、その地域の弁護士が所属する、弁護士法にもとづいて設立された団体です。全国に52あり、日弁連のサイトから最寄りの法律相談センターを探せます。
相談は有料が基本で、30分5,500円が目安です。金額は地域によって異なるため、事前に確認しておくと安心でしょう。
ただし、相談を担当する弁護士は当日まで選べません。不正競争防止法を得意とする弁護士に当たるとは限らないため、専門性を重視するなら弁護士検索サイトの利用も検討してください。
【関連記事】【中小企業向け】弁護士に無料相談できる窓口7選!初回相談無料の弁護士も紹介
不正競争防止法の弁護士費用の目安は、以下のとおりです。
| 依頼内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 法律相談 | 1時間1万〜3万円(初回無料の事務所あり) |
| 警告書(内容証明郵便)の作成 | 10万円前後 |
| 仮処分の申立て | 20万円〜50万円 |
| 差止請求・損害賠償請求・信用回復措置の着手金 | 請求額の10〜20%程度 |
| 差止請求・損害賠償請求・信用回復措置の成功報酬 | 回収額の10〜20%程度 |
| 月額顧問料(中小企業の場合) | 3万円〜5万円 |
ただし、実際に発生する費用や料金体系は事務所により大きく異なります。依頼前に、必ず見積もりを出してもらってください。
なお、複数の事務所から見積もりを取れば、同じ依頼内容でも金額に差があるとわかるでしょう。費用と対応内容を比べたうえで、納得できる事務所を選んでください。
【関連記事】知財トラブルは弁護士に相談!費用相場・選び方・弁理士との違いを徹底解説
弁護士への相談・依頼までの流れは、4段階に分けられます。
ここでは、それぞれのステップについて解説します。相談から解決までのイメージを、事前につかんでおきましょう。
まずは、不正競争の事実を示す客観的な証拠を集め、状況を整理しましょう。
集めるべき証拠は、被害の種類によって変わります。
| 被害の種類 | そろえる証拠 |
|---|---|
| 営業秘密侵害 | アクセスログ、秘密保持誓約書、社内の管理規程 |
| 商品形態模倣 | 模倣品と販売ページの記録 |
| 信用毀損行為 | 口コミサイトの投稿画面、取引先に届いた文書 |
| 誤認惹起行為 | 商品の表示、実際の産地がわかる資料 |
あわせて、いつ・誰が・何をしたかを時系列でメモにまとめておきましょう。事案の説明が短く済むため、限られた相談時間を有効に使えます。
証拠がそろったら、法律相談で違法性の有無や取れる手段を確認しましょう。
初回の相談では、以下の点を聞いておくのがおすすめです。
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なお、相談したからといって、その弁護士に依頼する義務はありません。相性が合わないと感じたら、遠慮せず別の事務所を訪ねてみてください。
費用と方針に納得したら、弁護士と委任契約を結びましょう。
契約書では、依頼する範囲・着手金・報酬金の計算方法を確認してください。あいまいなまま進めると、後から費用のトラブルにつながります。
委任契約を結んだら、弁護士に交渉と手続きを進めてもらいましょう。
まずは警告書を送り、相手が応じれば交渉で解決します。応じない場合は、裁判所での手続きに移ります。
仮処分が認められれば、判決を待たずに販売や使用を止められます。そのうえで本訴訟に進み、損害賠償と差止判決を求める流れです。悪質性が高い場合は、あわせて警察へ告訴状を提出します。
どの手続きに進むかは、証拠の強さと被害の状況で変わります。弁護士と相談しながら、自社に合った手段を選んでください。
【関連記事】弁護士依頼の流れ
ここでは、企業法務弁護士ナビに掲載されている弁護士が、実際に不正競争のトラブルを解決した事例を紹介します。
食品業を営む会社から、「自社のメニュー写真が他店で無断使用され、メニュー自体も模倣されている」との相談を受けた事例です。弁護士は相手方に対し、不正競争防止法などを根拠に、写真の掲載とメニューの模倣をやめるよう求める警告書を送付しました。
その後の交渉で、模倣をやめる旨の誓約書を相手方から取得し、相談から約1ヵ月で解決に至りました。注目したいのは、裁判をせずに解決している点です。弁護士名義の警告書と交渉だけで、費用と時間を抑えながら被害を止められました。
このように、警告書を送った段階で解決するケースも多くあります。
【参考記事】メニューの模倣・写真の無断使用をやめさせることに成功した事例
さいごに、不正競争防止法に関するよくある質問に回答します。
不競法が保護するのは、営業秘密やブランドなどの利益です。被害を受けた企業が、自ら差止めや損害賠償を請求できます。
一方、独禁法が取り締まるのは、カルテルや価格の操作など市場の競争をゆがめる行為です。違反の調査や処分は、公正取引委員会が進めます。
なお、下請法は2026年1月1日に「中小受託取引適正化法(取適法)」へ名前が変わりました。取適法は、発注者と受注者の取引条件を規制する法律です。
| 項目 | 不正競争防止法 | 独占禁止法 | 取適法(旧下請法) |
|---|---|---|---|
| 保護対象 | 個別企業の利益 | 市場全体の競争 | 受注側の中小企業 |
| 主体 | 被害企業 | 公正取引委員会 | 公正取引委員会・中小企業庁 |
| 被害企業ができること | 差止請求・損害賠償請求 | 申告・被害の届け出 | 申告・被害の届け出 |
全ての引き抜きが違法になるわけではありません。転職の勧誘は職業選択の自由(憲法22条1項)の範囲内で、社員が競合他社へ移ること自体を止められないためです。
ただし、顧客名簿など営業秘密の持ち出しをともなう場合は、不正競争防止法に違反します。
営業秘密の持ち出しがなくても、引き抜きの方法が社会通念上許される限度を超えていれば、民法709条の不法行為として賠償を請求できます。限度を超えていると判断されやすいのは、以下のケースです。
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自社が同じような被害にあったら、まず弁護士に相談してください。
営業秘密や商品のデザインは、長年の努力で築いた企業の資産です。しかし競合他社や元社員によって、その資産が流出するトラブルが発生しています。
模倣品の販売や顧客名簿の流出に直面したとき、自社だけで判断するのは危険です。営業秘密の要件を満たすか、どの手段を選ぶべきかといった検討には法的な知識が欠かせません。
弁護士に依頼すれば、警告書の送付から差止請求、損害賠償請求までを任せられます。裁判をせずに、交渉だけで解決するケースも多くあるでしょう。
どの弁護士に相談すればよいか迷ったら、「企業法務弁護士ナビ」を使ってみてください。不正競争防止法が得意な弁護士を、相談内容や業種、地域から探せます。
被害は、時間とともに広がります。証拠を確保したうえで、早めに弁護士へ相談してください。
編集部
本記事は企業法務弁護士ナビを運営する株式会社アシロ編集部が企画・執筆いたしました。
※企業法務弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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