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【2026年7月施行】障害者雇用納付金とは|法定雇用率2.7%引上げと不足1人月5万円の計算を弁護士解説

2026.4.27
2026.4.27
2026年7月1日、民間企業における障害者の法定雇用率が2.5%→2.7%に引上げ予定。常用労働者100人超で未達成の場合、不足1人につき月5万円の納付金が発生します。対象判定・計算方法・企業名公表リスク・解雇の法的リスクを弁護士が解説。
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【2026年7月施行】障害者雇用納付金とは|法定雇用率2.7%引上げと不足1人月5万円の計算を弁護士解説というタイトルの記事のサムネイル画像

2026年7月1日、民間企業の法定雇用率が2.5%から2.7%に引き上げられる予定です。これに伴い、雇用義務の対象となる事業主の規模も常用労働者40.0人以上から37.5人以上へ拡大されます。法定雇用率を達成できない常用労働者100人超の事業主には、不足する障害者1人につき月額5万円の障害者雇用納付金が課されます。

本記事では、自社が納付金の対象になるかの判定基準、納付金・調整金・報奨金の計算方法、申告・納付の実務、未達成時の行政処分(企業名公表まで)、雇い止め・解雇に伴う法的リスクを、企業法務に詳しい弁護士の視点で解説します。

POINT 2026年7月の法定雇用率2.7%への対応、自社の状況を弁護士に確認しませんか?

法定雇用率の引上げと対象企業の拡大により、これまで雇用義務がなかった企業も新たに対象になる可能性があります。納付金の負担、合理的配慮の提供義務、雇い止め・解雇の法的リスクを一体で整理しないと、企業名公表や訴訟リスクにつながりかねません。

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この記事に記載の情報は2026年04月27日時点のものです
目次

障害者雇用納付金とは|2026年7月の法定雇用率2.7%引上げで何が変わるか

障害者雇用納付金は、障害者の雇用の促進等に関する法律(略称:障害者雇用促進法)に基づき、法定雇用率を達成していない事業主から徴収される金銭です。事業主間で障害者雇用に伴う経済的負担を調整し、障害者雇用が進んでいる企業への調整金・報奨金、雇用支援のための助成金の財源とすることを目的とします。

本セクションのポイント
  • 納付金の対象: 常用労働者数100人超の事業主(中小企業も含む)
  • 納付金額: 法定雇用障害者数に不足する障害者1人につき月額5万円
  • 2026年7月施行予定: 法定雇用率が2.5%→2.7%に引上げ、対象企業は常用労働者37.5人以上に拡大
  • 管轄機関: 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)

法定雇用率の引上げスケジュール

民間企業の法定雇用率は2024年4月に2.3%→2.5%へ引き上げられ、2026年7月にさらに2.5%→2.7%へ引き上げられる予定です。雇用義務が生じる対象企業の規模も段階的に拡大しています。

時期 法定雇用率 対象となる事業主の規模
〜2024年3月 2.3% 常用労働者43.5人以上
2024年4月〜(既施行) 2.5% 常用労働者40.0人以上
2026年7月〜(予定) 2.7% 常用労働者37.5人以上

出典: 厚生労働省「障害者雇用率制度の概要」。施行時期・要件は政省令により詳細が定まる部分を含みます。

制度の根拠条文

障害者雇用納付金制度は障害者雇用促進法 第53条以下が根拠です。法定雇用率自体は同法第43条で定められ、その水準は政令で定められます。事業主には以下の義務が課されています。

  • 雇用義務(第43条): 法定雇用率以上の障害者を雇用する義務。
  • 差別禁止(第34条): 募集・採用・賃金・教育訓練・福利厚生で障害者であることを理由とする差別を禁止。
  • 合理的配慮の提供義務(第36条の2〜4): 障害者が職務を遂行するうえで必要な配慮を提供する義務。
  • 雇用状況報告(第43条第7項): 毎年6月1日時点の雇用状況をハローワークへ報告。
  • 納付金の納付(第53条以下): 法定雇用率未達成の100人超事業主に課されます。

2026年7月引上げの企業への実務インパクト

法定雇用率引上げと対象企業拡大により、これまで雇用義務がなかった企業も新たに対象になる可能性があります。中小企業の経営者・人事担当者は、自社の常用労働者数と現在の障害者雇用人数を再確認しておく必要があります。

納付金の対象企業と判定基準|常用労働者「37.5人以上」の意味

障害者雇用納付金の対象は常用労働者数が100人を超える事業主です。一方、法定雇用率による雇用義務の対象は2026年7月から常用労働者37.5人以上に拡大されます。雇用義務の対象だが納付金の対象外(37.5〜100人)の事業主にも、報奨金制度や行政処分のリスクがあるため油断は禁物です。

「常用労働者」の数え方

常用労働者数のカウントは、雇用形態と週の所定労働時間によって異なります。事業主の規模を判定する際に重要な区分です。

雇用形態 カウント方法
週所定労働時間30時間以上の労働者 1人
週所定労働時間20時間以上30時間未満の短時間労働者 0.5人
週所定労働時間20時間未満の労働者(特定短時間労働者除く) 原則対象外

2024年4月から、週所定労働時間10時間以上20時間未満の特定短時間労働者のうち、重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者については0.5人としてカウントできるようになりました。

障害者の人数カウント方法(実雇用障害者数)

障害者の実雇用人数は、障害種別と障害の程度、週所定労働時間によってカウントが異なります。

区分 週30時間以上 週20時間以上30時間未満
身体障害者・知的障害者 1人 0.5人
重度身体障害者・重度知的障害者 2人(ダブルカウント) 1人
精神障害者 1人 0.5人(特例措置あり)

出典: 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用納付金制度の概要」。精神障害者の0.5人カウントは、新規雇入れから3年以内等の要件を満たせば1人としてカウントする特例措置(「当分の間」継続)があります。詳細は最新の厚生労働省・JEED資料で運用を確認してください。

自社の障害者雇用義務人数を計算する3ステップ

STEP 1|常用労働者数を集計
毎月1日時点の在籍労働者を、週所定労働時間に応じてカウントします(フルタイム1人+短時間労働者0.5人で換算した合計値)。年度途中の入退社も含めて算定します。

STEP 2|法定雇用障害者数を計算
常用労働者数(換算後)に法定雇用率(2026年7月以降は2.7%)を掛け、小数点以下を切り捨てた人数が法定雇用障害者数です。例:常用労働者100人 × 2.7% = 2.7 → 2人(小数点以下切り捨て)。

STEP 3|実雇用障害者数と比較
現在雇用している障害者の実人数(カウント方法に従って算定)と比較し、不足があれば納付金の対象になります。

納付金の計算方法|不足1人月額5万円・調整金・報奨金の違い

障害者雇用納付金は不足する障害者1人につき月額5万円です。年間に換算すると不足1人あたり60万円。一方、法定雇用率を上回って障害者を雇用している事業主には、調整金(100人超事業主)または報奨金(100人以下事業主)が支給されます。

納付金の計算式と計算例

納付金額は次の式で計算します。

年間納付金額 = 不足人数 × 月額5万円 × 12か月

具体的な計算例(2026年7月以降、法定雇用率2.7%で試算)を3パターン示します。

事業主規模 法定雇用障害者数 実雇用障害者数 不足人数 年間納付金額
常用労働者200人 5人(200×2.7%=5.4→切捨て) 3人 2人 120万円
常用労働者500人 13人(500×2.7%=13.5→切捨て) 10人 3人 180万円
常用労働者1,000人 27人(1,000×2.7%=27.0) 15人 12人 720万円

常用労働者1,000人規模で12人不足する場合、年間720万円の納付金は決して小さな金額ではありません。継続的に不足が生じる場合は、納付金を支払い続けるよりも障害者雇用を進める方が経済合理的になるケースもあります。

障害者雇用調整金(100人超事業主向け)

常用労働者100人超の事業主が法定雇用率を超えて障害者を雇用している場合、超過した障害者1人につき月額29,000円の調整金が支給されます。納付金の財源を、雇用が進んでいる事業主に再分配する仕組みです。

報奨金(100人以下事業主向け)

常用労働者100人以下の中小事業主が一定の基準を超えて障害者を雇用している場合、超過した障害者1人につき月額21,000円の報奨金が支給されます。中小企業の障害者雇用促進を後押しする制度です。

納付金・調整金・報奨金の比較

項目 納付金 調整金 報奨金
対象事業主 常用労働者100人超で法定雇用率未達成 常用労働者100人超で法定雇用率超過 常用労働者100人以下で基準超過
金額 1人月額5万円(不足分) 1人月額29,000円(超過分) 1人月額21,000円(超過分)
性質 負担金(支出) 支給金(収入) 支給金(収入)

出典: 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用納付金制度の概要」

POINT 納付金を払い続けるか、障害者雇用を進めるか|経営判断は弁護士と整理を

「不足分の納付金を払い続ける」選択は短期的には簡単ですが、企業名公表のレピュテーションリスクや採用活動への悪影響、ESG投資からの除外リスクを考慮すると、長期的には大きなコストになりかねません。雇用するか・払い続けるかの判断は、人事戦略・契約整備・合理的配慮を一体で検討する必要があります。

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申告・納付の実務|毎年5月15日まで・電子申告の流れ

障害者雇用納付金・調整金・報奨金の申告・納付は、毎年4月1日から5月15日までの期間に行います。前年度(4月1日〜翌年3月31日)の障害者雇用状況に基づいて算定し、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)へ提出します。

申告の手順

STEP 1|雇用状況の集計(4月1日〜)
前年度の各月初日における常用労働者数と実雇用障害者数を集計します。雇用契約書・賃金台帳・出勤簿・障害者手帳の写しなどが根拠資料となります。

STEP 2|納付金または調整金・報奨金の計算
不足人数 × 月額5万円(納付金)、または超過人数 × 月額29,000円(調整金)/月額21,000円(報奨金)を算定します。

STEP 3|申告書の作成と提出(5月15日まで)
JEEDの電子申告システムまたは郵送で申告書を提出します。電子申告システムの利用が推奨されています。

STEP 4|納付金の納付
納付金が発生した場合は、原則として5月15日までに一括納付します。経営状況により分割納付も認められる場合がありますが、JEEDへの事前相談が必要です。

申告書の保存と立入検査への備え

申告書類および算定の根拠資料は、立入検査・調査の対象となる場合に備えて、雇用契約書・賃金台帳・障害者手帳の写しなどとあわせて保管しておくことが望ましいです。具体的な保存期間については、最新のJEEDの事業主向け案内資料で確認してください。

申告期限を過ぎると延滞金(年14.5%)が発生し、未納が続くと国税徴収法の例による滞納処分(財産差し押さえ)の対象になります。納付が困難な場合は早期にJEEDへ相談してください。

違反時のリスク|行政処分のステップと企業名公表

法定雇用率未達成の事業主には、ハローワークによる行政指導が段階的に行われます。最終段階では障害者雇用促進法 第47条に基づく企業名の公表が行われ、企業のレピュテーションに直接影響します。

行政指導から企業名公表までの流れ

STEP 1|雇入れ計画作成命令
法定雇用率を著しく下回る事業主に対し、ハローワークが2年間の雇入れ計画作成を命令します。

STEP 2|計画的な実施の指導
計画期間中、定期的に進捗確認の指導が行われます。

STEP 3|計画適正実施勧告
計画通りに進んでいない場合、適正実施を勧告します。

STEP 4|特別指導
勧告後も改善が見られない場合、特別指導が行われます。9か月間の集中指導期間です。

STEP 5|企業名公表(法第47条)
特別指導後もなお改善が見られない場合、厚生労働大臣により企業名が公表されます。

出典: 厚生労働省「障害者雇用率制度」

企業名公表の実務インパクト

企業名公表は、社名・所在地・雇用率などが厚生労働省ウェブサイトで公開されます。直接的な罰金よりもレピュテーション面での影響が大きく、以下のリスクにつながります。

  • 採用活動への悪影響: 新卒・中途採用で「コンプライアンス不備の会社」と認識され、優秀な人材の確保が困難になります。
  • 取引先からの評価低下: BtoB取引のコンプライアンスチェック・サプライヤー評価で減点要素となります。
  • ESG投資からの除外: 機関投資家のESG評価で減点され、株式評価・資金調達への影響が生じる可能性があります。
  • 顧客・消費者からの信頼低下: 企業ブランドへの直接的なダメージにつながります。

納付金未納時の延滞金・滞納処分

納付金を期限までに納付しなかった場合、JEEDから督促が行われます。督促に応じない場合は延滞金(年14.5%)が課せられ、最終的には国税徴収法の例による滞納処分(財産差し押さえなど)が行われます。

POINT 企業名公表は採用・取引先評価に直撃|行政処分前の弁護士相談が確実です

雇入れ計画作成命令や勧告の段階で適切に対応すれば、企業名公表は回避できます。採用ルートの整備、就業規則の改定、合理的配慮の社内整備、雇用契約書の見直しを計画的に進めることが重要です。

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雇い止め・解雇は要注意|障害者雇用促進法・労働契約法の法的リスク

障害者の雇い止め・解雇は、一般の労働者の場合よりも厳格な法的判断が求められます。「業務遂行が困難」「他の業務に配置できない」と安易に判断すると、労働契約法 第16条の解雇権濫用法理、障害者雇用促進法の差別禁止・合理的配慮提供義務に違反するリスクがあります。

労働契約法第16条|解雇権濫用法理

労働契約法第16条は「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と定めています。障害者の解雇でこの要件を満たすには、企業側が以下の点を客観的に証明する必要があります。

  • 業務遂行能力の欠如: 障害特性に起因しない、または合理的配慮を尽くしてもなお業務遂行が著しく困難であること。
  • 改善努力の尽力: 業務内容の変更、配置転換、教育訓練など雇用継続のための努力を尽くしたこと。
  • 他の選択肢の検討: 障害者本人の意見を十分に聴取し、代替案を検討したこと。

障害者雇用促進法第34条|差別禁止

障害者であることを理由とする募集・採用・賃金・教育訓練・福利厚生の差別は禁止されています。「障害があるから昇給を抑える」「障害を理由に契約更新しない」といった対応は、差別として無効と判断される可能性があります。

障害者雇用促進法第36条の2〜4|合理的配慮の提供義務

事業主には、障害者が職務を遂行するうえで必要な合理的配慮を提供する義務があります。合理的配慮の例としては以下が挙げられます。

  • 職場環境の整備: 物理的なバリアフリー化、補助機器の提供、執務スペースの調整など。
  • 業務内容の調整: 担当業務の変更、業務手順の標準化、優先順位の明確化など。
  • 情報保障: 視覚・聴覚障害者への情報提供方法の調整、文字起こし・手話通訳の手配など。
  • 勤務時間・形態の調整: 通院休暇、時短勤務、テレワークの導入など。

合理的配慮を提供せずに業務遂行困難を理由とする解雇・雇い止めは、訴訟で「合理的配慮義務違反」「解雇権濫用」と判断されるリスクが高くなります。

判例の傾向|雇用継続を重視する司法判断

裁判例では、企業が合理的配慮を十分に提供せず、業務遂行困難を理由に解雇したケースについて、解雇無効と判断する傾向があります。地位確認請求(雇用関係の継続)、未払い賃金請求、慰謝料請求が認められると、企業の負担は数百万円〜数千万円規模に達することもあります。

障害者の解雇・雇い止めを検討する場合は、必ず事前に弁護士へ相談してください。「業務遂行が困難」「人員整理の対象」と判断するに至った経緯を客観的に記録し、合理的配慮を尽くした証拠を残すことが、トラブル発生時の防御につながります。

中小企業がいま準備すべき5つの対応

2026年7月の法定雇用率2.7%引上げに向けて、企業が施行までに進めるべき対応を5つに整理します。法務・人事・採用の横断プロジェクトとして取り組むのが効果的です。

① 自社の常用労働者数と実雇用障害者数を再算定

2026年7月以降の対象規模(常用労働者37.5人以上)に該当するか、現時点の実雇用障害者数で法定雇用率を達成できるかを確認します。納付金が発生する場合の年間負担額も試算しておきます。

② 採用ルートの整備|ハローワーク・就労移行支援事業所との連携

障害者採用は通常の採用ルートとは異なるノウハウが必要です。ハローワーク(専門援助部門)、地域障害者職業センター、就労移行支援事業所などとの連携を構築します。

  • ハローワーク(専門援助部門): 障害者求人の登録、合同面接会への参加。
  • 地域障害者職業センター: ジョブコーチ支援、雇用前後の助言。
  • 就労移行支援事業所: 訓練を受けた候補者の紹介、就労後のフォロー。
  • 特例子会社の検討: 親会社と一体での法定雇用率達成を目指す中堅・大企業向けの選択肢。

③ 就業規則・社内規程の整備

障害者雇用に対応した就業規則・社内規程を整備します。差別禁止・合理的配慮の提供義務を明文化し、相談窓口の設置を規定します。

就業規則チェックリスト

  • 差別禁止条項を就業規則に明記したか(障害者雇用促進法第34条準拠)
  • 合理的配慮の申出窓口・対応プロセスを規程化したか
  • ハラスメント防止規程に障害者へのハラスメント禁止を盛り込んだか
  • 休暇制度(通院休暇等)を明文化したか
  • 勤務時間・勤務形態の柔軟性(時短・テレワーク)を整備したか

④ 合理的配慮の社内整備

採用後の業務遂行を支援するため、合理的配慮の社内体制を整備します。具体的な配慮内容は障害特性ごとに異なるため、本人との対話を通じて個別に検討します。

⑤ 雇用契約・労務管理のリスクチェック

既に雇用している障害者がいる場合、雇用契約書・労務管理の状況をリーガルチェックします。差別的な待遇、合理的配慮の未提供、不当な雇い止め・解雇のリスクを早期に発見します。

労務管理チェックリスト

  • 賃金・昇給・賞与で障害者と健常者の間に不当な格差はないか
  • 合理的配慮の提供状況を記録しているか(提供した内容・本人の同意)
  • 業務遂行困難な場合の対応フロー(業務変更・配置転換・教育訓練)が整備されているか
  • 解雇・雇い止めの判断基準が客観的に整理されているか
  • ハラスメント・差別の相談窓口が設置されているか

よくある質問(FAQ)

Q. 常用労働者100人以下の中小企業は納付金の対象外?

納付金の対象は常用労働者100人超の事業主です。100人以下は納付金の対象外ですが、法定雇用率による雇用義務(2026年7月以降は常用労働者37.5人以上)の対象にはなり、未達成の場合は行政指導・特別指導・企業名公表の対象になり得ます。一定の基準を超えて雇用している場合は報奨金(月額21,000円/人)が支給されます。

Q. 短時間労働者(週20〜30時間未満)は障害者雇用にカウントできる?

週20時間以上30時間未満の短時間障害者は0.5人としてカウントできます。2024年4月からは、週10〜20時間未満の特定短時間労働者のうち重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者も0.5人としてカウントできるようになりました。詳細は最新の厚生労働省・JEED資料で確認してください。

Q. 重度の障害者を雇用するとダブルカウントできるって本当?

重度身体障害者・重度知的障害者を週所定労働時間30時間以上(常用雇用)で雇用する場合、2人としてカウントできます(ダブルカウント)。週20〜30時間未満の場合は1人としてカウントです。重度判定は障害者手帳の等級等で判定します。

Q. 障害者を雇用したいが業務がない場合はどうすればいい?

「業務がない」と決めつける前に、社内業務の切り出し(バックオフィス業務、データ入力、清掃、庶務など)や特例子会社の活用を検討してください。地域障害者職業センターのジョブコーチ支援、就労移行支援事業所からの紹介を活用し、本人の特性に合わせた業務設計を行うことが重要です。

Q. 既に雇用している障害者を業務不適合で解雇できる?

解雇には労働契約法第16条の客観的合理的理由・社会通念上相当性の要件を満たす必要があります。障害者の場合、合理的配慮を尽くしたうえでなお業務遂行が著しく困難であること、業務変更・配置転換・教育訓練など雇用継続努力を尽くしたことを企業側が証明する必要があり、ハードルは高くなります。トラブル発生時の防御のためにも、解雇前に弁護士相談を強く推奨します。

Q. 納付金が払えない場合はどうすればいい?

納付金は原則として5月15日までに一括納付ですが、経営状況により分割納付が認められる場合があります。納付が困難な場合は早期にJEEDへ相談し、分割納付や納付猶予の手続きを進めてください。期限を過ぎると延滞金(年14.5%)が発生し、最終的には滞納処分の対象になります。

まとめ|法定雇用率2.7%対応は今から準備が必要

本記事のポイント

  • 2026年7月1日、民間企業の法定雇用率が2.5%→2.7%に引き上げ予定。雇用義務の対象は常用労働者37.5人以上に拡大
  • 常用労働者100人超で法定雇用率未達成の事業主は、不足1人につき月額5万円の納付金(年間60万円/人)
  • 調整金(100人超事業主・月額29,000円/人)と報奨金(100人以下事業主・月額21,000円/人)で雇用促進が支援される
  • 未達成が続くと、雇入れ計画作成命令→勧告→特別指導→企業名公表のステップで行政処分。レピュテーションリスクが大きい
  • 障害者の解雇・雇い止めは労働契約法第16条・障害者雇用促進法の差別禁止・合理的配慮提供義務に厳格に縛られる

2026年7月の法定雇用率引上げは、これまで雇用義務がなかった企業も新たに対象とする可能性があります。納付金を払い続けるという選択は短期的には簡単ですが、企業名公表のレピュテーションリスク、採用活動への悪影響、ESG投資からの除外リスクを考慮すると、長期的には大きなコストになりかねません。

企業法務に強い弁護士は、就業規則の整備、合理的配慮の社内整備、雇用契約・労務管理のリスクチェック、行政対応まで一体で支援します。施行までの限られた期間で適切に対応するためにも、早期の弁護士相談をおすすめします。

POINT まずは無料相談から:障害者雇用納付金・就業規則・労務管理の見直しを弁護士と進める

2026年7月の法定雇用率引上げまでに、就業規則の整備・採用ルートの構築・合理的配慮の社内体制整備に必要な期間を逆算すると、いまから準備を始めても余裕があるとはいえない状況です。施行直前では弁護士・社労士の予約も取りづらくなる可能性があります。

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弁護士登録後、東証プライム(旧東証一部)の企業内弁護士として商事契約を含む企業法務を中心に活動を行い、2025年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。
編集部

本記事は企業法務弁護士ナビを運営する株式会社アシロ編集部が企画・執筆いたしました。

※企業法務弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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