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自社名を検索したとき、「○○ やばい」「○○ 怪しい」などの身に覚えのないネガティブワードが並んでいたら、誰でも動揺するはずです。
「取引先や求職者にも見られているのでは」「放置して大丈夫なのか」と、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
このような「サジェスト汚染」は、放置するほど被害が拡大し、企業イメージや採用活動に深刻な影響を及ぼすおそれがあります。そのため、早急かつ適切に対処することが大切です。
本記事では、サジェスト汚染の仕組みと原因、削除申請の具体的な手順、弁護士に依頼すべき理由まで解説します。自社の風評被害を今すぐ止めたい方は参考にしてください。

サジェスト汚染とは、検索窓に企業名や個人名を入力した際、ネガティブなキーワードが自動で表示される状態を指します。
たとえば、「株式会社〇〇」と入力すると「やばい」「ブラック」といったキーワードが候補に上がる状態です。
サジェスト汚染で厄介なのは、一度表示されると被害が拡大しやすい点です。ネガティブなキーワードは興味本位でクリックされやすく、クリックが増えるほど検索エンジンは関連性が高いと判断します。
そうすると、ネガティブなキーワードがさらに上位に表示される悪循環が生まれてしまうのです。
なお、サジェスト汚染は、Google検索だけの問題ではありません。Yahoo!やYouTubeなど、検索機能を持つあらゆるプラットフォームで発生します。
サジェストは、検索エンジンの「オートコンプリート機能」によって自動生成されます。
オートコンプリート機能とは、ユーザーが検索窓に文字を入力すると、過去の検索データやトレンド情報をもとにキーワード候補が表示される仕組みです。検索ボリュームが多いワードほど、上位候補に挙がりやすくなります。
たとえば、多くの人が「企業名+ブラック」というキーワードで検索すれば、「企業名+ブラック」というサジェストワードが上位表示されやすくなります。
注意したいのは、サジェストは人為的に選ばれているわけではない点です。
あくまでアルゴリズムによる自動処理の結果として表示されているにすぎません。
サジェスト汚染が発生する主な原因は、以下の3つです。
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ここでは、それぞれの原因を詳しく解説します。
X(旧Twitter)や5ちゃんねるなどの掲示板で企業に関するネガティブな情報が投稿されると、興味本位でネガティブキーワードを検索するユーザーが急増します。その結果、「企業名+炎上」「企業名+やばい」などの検索が短時間で集中し、サジェストに反映されるのです。
なお、事実無根の噂であっても、検索エンジンは情報の真偽を判断しません。検索ボリュームが増えれば、そのままサジェスト候補に表示されてしまいます。
特に、SNSや掲示板の拡散スピードは速いため、短期間でサジェスト汚染が発生するケースもみられます。
競合他社やクレーマーなど、悪意を持つ人物によってネガティブキーワードが大量に検索され、サジェスト汚染が起きている可能性もあります。
たとえば、ボットを使って「企業名+ブラック」「企業名+詐欺」などの検索を大量に繰り返す手口です。
検索エンジンは、ボットと通常の検索を完全には区別できないので、検索数が増えたと判断してネガティブキーワードがサジェストに反映されてしまいます。
なお、ボットによる検索の大量送信は、Googleが定める「ウェブ検索のスパムに関するポリシー」で禁止されている行為です。
しかし、検索エンジン側でボットを完全に防ぐことは難しく、サジェストにそのまま反映されてしまうのが実情です。
数年前に起きた事件や不祥事が、サジェスト汚染の原因になるケースもあります。
不祥事を報じたニュース記事やまとめサイトの投稿がネット上に残っていると、求職者や取引先が企業名を検索するきっかけになります。
その結果、検索が繰り返されて検索ボリュームが増え、サジェストに反映されやすくなるのです。
事件が解決済みでも、情報がネット上に残っている限りサジェストに影響する可能性があります。
サジェスト汚染を放置するデメリットは、以下の2つです。
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ここでは、それぞれ詳しく解説します。
サジェスト汚染を放置すると見込み客が離れ、売上の減少に直結する可能性があります。
なぜなら、消費者は商品購入やサービス利用の前に、ネットで企業の評判を検索するのが一般的だからです。
検索の際に「詐欺」や「最悪」といったサジェストワードが目に入れば、購入や利用をためらうのは自然な心理でしょう。
さらに、一度低下した企業イメージの回復には、時間もコストもかかります。サジェスト汚染が長引くほど、信用回復のハードルは上がっていくのです。
サジェスト汚染は、採用活動にも影響する可能性があります。
就職活動をしている人の多くは、応募前に企業名を検索して働き方や社風などを調べています。
しかし、会社について「ブラック」「やばい」などのサジェストワードが表示されていれば、求職者が応募を敬遠するかもしれません。
その結果、採用コストが無駄になるだけでなく、優秀な人材が集まらず、事業成長が鈍化するおそれもあるでしょう。
サジェスト汚染の対処には、短期的な対策と中長期的な対策の両方が必要です。複数のアプローチを並行して進めましょう。
主な対処法は、以下の4つです。
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ここでは、それぞれの対処法を詳しく解説します。
サジェスト汚染の最も基本的な対処法は、GoogleやYahoo!に対してサジェストワードの削除を申請する方法です。
各プラットフォームには、ポリシー違反を報告するための専用フォームが用意されています。個人情報の漏洩や名誉毀損など、明確なポリシー違反があれば対応してもらえる可能性があります。
ただし、申請が必ず認められるわけではありません。却下されるケースも多いため、他の対策と併せて進める必要があります。
具体的な申請手順は、「Google検索でサジェスト汚染が発生したときの対策手順」で解説します。
サジェストを削除しても、原因となっているブログ記事や掲示板の投稿が残っていれば、サジェスト汚染が再発するおそれがあります。
根本的な解決のためには、情報源の削除が欠かせません。
まずは、該当サイトの問い合わせフォームや削除依頼ページから、管理者に直接削除を依頼しましょう。理由を丁寧に説明すれば、任意で削除してもらえるケースもあります。
サイト管理者が削除依頼に応じない場合は、法的手続きに進みましょう。情報流通プラットフォーム対処法(旧プロバイダ責任制限法)に基づく「送信防止措置依頼」を活用する方法が一般的です。
送信防止措置依頼には、業界標準の「テレサ書式」(プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会が公開)が広く使われています。書式には以下の内容を記載し、本人確認書類とともに郵送します。
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【参考】書式①-1 侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書(名誉毀損・プライバシー)|一般社団法人 テレコムサービス協会
依頼を受けたプロバイダは投稿者に意見照会を行い、一定期間(一般的には約7日程度)反論がなければ削除されるケースがあります。
ただし、依頼すれば必ず削除されるわけではありません。権利侵害と認められなければ却下されるケースもあります。
権利侵害の主張を法的に正確に記載する必要があるため、弁護士に依頼書の作成を任せるのがおすすめです。
サジェスト汚染の中長期的な対策として有効なのが、ポジティブな情報発信によるサジェストの健全化です。
公式サイトやSNSで有益なコンテンツを発信し続けることで、健全なキーワードの検索ボリュームを増やせます。ネガティブワードの検索数を上回るポジティブな検索が生まれれば、自然とサジェストが入れ替わるでしょう。
具体的な取り組みは、以下のとおりです。
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即効性はないものの、長期的に見ても企業のブランド力を底上げする効果があります。
サジェスト汚染の原因に執拗なスパム行為や明らかな名誉毀損がある場合は、犯人を特定して法的責任を追及する方法もあります。
犯人を特定するには、情報流通プラットフォーム対処法(旧プロバイダ責任制限法)に基づいて裁判所に発信者情報開示命令を申し立てます。
開示命令が認められると、サイト管理者やプロバイダから投稿者のIPアドレス・氏名・住所などが開示されます。
そのため、匿名掲示板などであっても身元の特定が可能です。
投稿者の特定後は、損害賠償請求や刑事告訴をおこなうことで、責任を追及できます。法的対処をしたことによって、再発防止にも期待できるでしょう。
ただし、証拠の確保や裁判所への申立てには専門知識が必要です。弁護士に相談したうえで進めることをおすすめします。
Googleのサジェストは、ポリシー違反や法的根拠があれば自分で削除申請が可能です。
具体的には、以下3つの申請方法が用意されているため、状況に応じて使い分けましょう。
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それぞれの手順を詳しく解説します。
最も手軽なのは、検索画面から直接フィードバックを送信する方法です。
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ただし、この方法はあくまで「Googleへのフィードバック」にとどまります。削除が保証されるわけではありません。
緊急性が高い場合は、次に紹介する方法も併用してください。
「Google上のコンテンツを報告」を利用する方法もあります。
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名誉毀損や商標権侵害など、法律に基づく権利侵害を主張する場合は法的な削除リクエストを送信します。
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ただし、この方法では法的根拠を正確に説明する必要があり、個人で対応するにはハードルが高いです。根拠が不十分だと申請が認められないおそれもあります。
申請を確実に認めてもらうために、あらかじめ弁護士に相談しておくのがおすすめです。
サジェスト汚染は、Yahoo!やYouTubeなどでも発生します。
それぞれ削除申請手順が別に用意されているので、確認しておきましょう。
YouTubeの検索窓にもサジェスト機能があり、企業名と一緒にネガティブワードが表示されるケースがあります。
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Yahoo!検索の関連検索ワードについては、Googleとは別の窓口から申請します。
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サジェスト汚染は、一度発生すると解決までに時間とコストがかかります。
すでに被害に遭った企業は再発防止のために、まだ被害に遭っていない企業は未然に防ぐために、日頃からサジェスト汚染の予防に取り組むことが大切です。
ここでは、主な予防法を3つ紹介します。
サジェスト汚染の予防でまず取り組むべきは、自社名や主力商品名で定期的にエゴサーチを実施する体制づくりです。
広報担当者や法務担当者が、定期的に検索サジェストの変化を記録・確認するルールを確立しましょう。「先月はなかったワードが今月出てきた」といった変化にいち早く気づけるかどうかで、その後の対応スピードは変わります。
また、以下のようなツールの活用もおすすめです。
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ネガティブキーワードの発生を早めに検知できれば、サジェスト汚染が深刻化する前の段階で手を打てます。
サジェスト汚染を予防するには、日頃から質の高いコンテンツを発信し続けることも効果的です。
プレスリリースやオウンドメディアを通じて、ユーザーにとって有益な情報を継続的に提供しましょう。「企業名+採用」「企業名+社会貢献」など、クリーンなキーワードでの検索を自然に促す取り組みが有効です。
検索エンジンのアルゴリズムは、検索ボリュームを重視します。ポジティブな情報量が多いほど、ネガティブ情報がサジェストに上がりにくくなります。
サジェスト汚染を予防するには、炎上リスクへの備えも欠かせません。
炎上が起きるとネガティブキーワードでの検索数が急増し、数日でサジェスト汚染に発展するおそれがあります。一方で、炎上発生後にスピーディーに対応できれば、被害を最小限に抑えられるでしょう。
初動を早めるには、対応マニュアルの事前整備が有効です。トラブル発生から事実確認、公式見解の発表までのフローを明文化し、「誰が」「どの順番で」動くかを事前に決めておきましょう。
また、日頃から企業法務分野に強い弁護士と関係を築いておくのもおすすめです。炎上を検知した段階ですぐに相談できれば、サジェスト汚染が深刻化する前に削除申請や法的対応を開始できます。
サジェスト汚染の対策を外部に依頼する場合、依頼先として考えられるのは「専門業者」と「弁護士」の2つです。
どちらを選ぶべきか迷うかもしれませんが、基本的には弁護士への依頼がおすすめです。
ここでは、弁護士に依頼すべき理由を3つに分けて解説します。
弁護士に依頼するメリットは、検索エンジンや掲示板、SNSなどに対して法的根拠に基づいた削除請求ができる点です。
Googleなどの検索エンジンは、削除申請に対して「どの権利がどのように侵害されているか」といった法的な説明を求めます。
そのため、法的知識を持たない業者の場合、法的根拠を正確に組み立てるのは困難です。申請内容が不十分であれば、削除が認められない可能性が高いでしょう。
その点、弁護士であれば法的根拠を正確に主張できるため、申請の成功率が高まります。
専門業者にサジェスト汚染の対策を依頼すると、自社サイトが検索圏外に飛ばされるリスクがあります。
サジェスト汚染の対策手法のひとつに「逆SEO」があります。逆SEOとは、特定のキーワードで検索されたときに表示されるネガティブキーワードの順位を引き下げる施策です。
適切に実施すれば有効な対策となりますが、不適切な方法で取り組む業者も存在します。たとえば、大量のダミーサイトを作成したり、ボットで検索数を操作したりする手口です。
このような手法はGoogleの「ウェブ検索のスパムに関するポリシー」に抵触します。
そのため、発覚すればペナルティを受け、結果として自社の公式サイトが検索圏外に飛ばされるかもしれません。
一方、弁護士に依頼すれば、このようなリスクとは無縁でサジェスト汚染対策を進められます。
弁護士に依頼すれば、非弁行為による法律違反のリスクを回避できます。
弁護士資格を持たない業者が、報酬を得て削除交渉や管理者への削除請求を代行する行為は「非弁行為」にあたります。非弁行為は、弁護士法第72条で明確に禁止されています。
しかし実際には、削除請求後のサイト管理者との交渉までおこなう業者も存在します。交渉をおこなえば、弁護士法に違反します。
また、法律違反のリスクが依頼した企業にも及ぶ点には注意が必要です。業者が企業に代わってサイト管理者等と交渉した場合、企業もトラブルに巻き込まれる可能性があるからです。
弁護士であれば、削除請求から交渉・裁判手続きまで、法律違反のリスクなく対応できます。
サジェスト汚染とは、検索窓に企業名を入力した際にネガティブなキーワードが自動表示される状態です。放置するほど被害は拡大し、企業イメージの低下や採用難といった深刻な実害につながります。
被害を最小限に抑えるには、早い段階で適切に対処することが重要です。専門業者に依頼する方法もありますが、法的根拠に基づいた削除請求や元記事の削除まで一貫して対応できる弁護士へ依頼するほうが効果的です。
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編集部
本記事は企業法務弁護士ナビを運営する株式会社アシロ編集部が企画・執筆いたしました。
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