売掛金の回収を弁護士に依頼するメリットや費用・依頼時の流れを解説

専門家監修記事
売掛金をトラブルなくスムーズに回収するには、弁護士にサポートを依頼するのが有効です。弁護士に依頼することで、各手続きの代理や法的リスクの回避など、早期解決に向けたサポートが受けられます。この記事では、売掛金の回収を弁護士に依頼するメリットや費用を解説します。
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
債権回収

売掛金を回収するためには、以下の中から「どの対応が適切か」を判断しなければなりません。

催告書通知…債務の弁済を促す「催告書」を作成・郵送する方法

交渉…債務弁済について話し合いを行う方法

民事調停…裁判所指定の調停委員による仲介のもと、債務弁済について話し合う方法

支払督促…裁判所を介して、債務を弁済するよう督促する方法

訴訟…債務の弁済を求める裁判を起こす方法

仮差押・仮処分…訴訟提起前などの段階で、相手の財産などをあらかじめ確保する方法

強制執行…強制的に財産などを差押える方法

企業状況に応じて適切な対応は異なり、対応によっては望ましい結果が得られない可能性もあります。トラブルなくスムーズに売掛金を回収するためには、債権回収に関する知識・経験が豊富な弁護士にサポートを依頼するべきでしょう。

 

この記事では、売掛金の回収を弁護士に依頼するメリットや費用、依頼時の流れなどについて解説します。

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売掛金の回収を弁護士に依頼するメリット

売掛金については自力で回収することも可能ではありますが、弁護士にサポートを依頼することで、自力で行うよりもトラブルなくスムーズな問題解決が望めます。

 

ここでは、売掛金の回収を弁護士に依頼するメリットについて解説します。

全額回収できる可能性が高まる

個人で債権回収を行っても、相手がまともに取り合ってくれないことがほとんどです。また、交渉できたとしても、相手が「お金がないので3割しか支払えない」と言われたり、契約書を作成しても滞納し結局回収できなかったりする可能性は高いでしょう。

 

弁護士を通して債権回収することで、「応じなければ裁判を起こす」といったプレッシャーをかけることができるため、相手方が全額支払いに応じることがあります。

 

また、契約書を作成する場合、相手の社長に個人保証をつけたり、すぐに強制執行する旨を弁護士が記載してくれたりすることで、分割支払いでも全額回収できる可能性が高まります。

問題の早期解決が望める

売掛金を回収する際は、「どの対応を選択するのか」という点が大きなポイントとなります。

弁護士にサポートを依頼することで、自社だけでなく相手方の状況なども踏まえた上で、今後の対応に関する効果的なアドバイスが期待できるため、自力で行うよりも問題の早期解決が期待できます。

 

また「これまで懇意にしていた取引先に売掛金の回収を行う」というケースなど、なかには積極的な対応が難しい場合もあります。そのような場合も、弁護士に依頼することでスムーズな問題解決が望める上に、対応にかかる精神的負担なども軽減できます。

手続きの代理を依頼できる

売掛金の回収にあたっては、催告書などの書類作成手続きや訴訟提起などの裁判手続きを行う必要があります。特に裁判手続きを行う際は、証拠を準備するなどして裁判所ともやり取りを交わさなければならないため、これまで対応したことがない企業などは、予想以上に手間・労力が取られることもあります。

 

弁護士であれば対応にかかる手続きの代理を任せられるため、手間・労力が削減できる上に、本業に集中する時間的・精神的余裕も確保できます。

法的リスクを回避できる

たとえ相手側に非がある場合でも、強引な手段を用いて回収を行うと、逆に相手から損害賠償請求を受けてしまうなどの可能性もあります。売掛金を回収する際は、正当な手続きに則って適切な方法で行わなければなりません。

 

弁護士であれば法律知識・経験が豊富であるため、法的問題性について考慮した上で対応が行われ、企業としての社会的信用を損なうことなく売掛金を回収することができます。

 

また弁護士以外に、債権回収会社(サービサー)認定司法書士などにも回収対応を依頼することができます。しかしサービサーについては特定金銭債権のみ、認定司法書士については債権額140万円までと、対応できる内容には限りがあります。

 

弁護士であれば上記のような対応制限はないため、回収対応に関するトータルサポートが受けられます。

売掛金の回収を弁護士に依頼する際の費用

売掛金の回収を弁護士に依頼する場合、弁護士費用として相談料・着手金・成功報酬金などが発生します。ここでは、依頼時に発生する費用や費用相場について解説します。

相談料

弁護士に法律相談を行う際にかかるのが、相談料です。

費用相場は5,000円/30分程度ですが、なかには「無料相談」を行っている事務所などもあります。

着手金

弁護士に案件を依頼する際にかかるのが、着手金です。

料金体系は事務所ごとに異なり、「依頼内容に応じて料金設定している事務所」のほかに「債権額に応じて料金設定している事務所」などもあります。

 

依頼内容ごとに料金設定している場合

依頼内容ごとに料金設定している事務所の場合、着手金の費用相場は以下の通りです。

ただし事務所によって費用は異なるため、具体的な費用については事務所に確認を取ることをおすすめします。

 

依頼内容

着手金相場

内容証明郵便

1~5万円程度

支払い督促

3~20万円程度

強制執行

5~20万円程度

民事調停・交渉

10~20万円程度

訴訟

10~30万円程度

債権額ごとに料金設定している場合

債権額ごとに料金設定している事務所の場合、着手金の費用相場は以下の通りです。

なお料金体系はさらに細分化され、「あらかじめ着手金額を設定している事務所」のほかに「パーセンテージ計算を行って着手金を算出する事務所」などもあります。

 

こちらの場合も、具体的な費用については事務所に確認を取ることをおすすめします。

 

債権額

着手金相場

100万円以下

10万円程度or請求額10%程度

100~500万円

15~30万円程度or請求額8%程度

500~1,000万円

30~50 万円程度or請求額6%程度

1,000~3,000万円

50~100万円程度or請求額4%程度

3,000万円以上

100万円以上or請求額2~3%程度

成功報酬金

弁護士による案件終了後にかかるのが、成功報酬金です。

費用相場は回収額の10~20%程度ですが、事務所や依頼内容ごとに費用は異なるため、具体的な費用については事務所に確認を取ることをおすすめします。

 

なお成功報酬金については、「債権を回収した時点」や「和解が成立した時点」など、事務所ごとに発生要件が異なる場合もあります。「回収額よりも弁護士費用の方が高くついた」ということがないよう、依頼前はどのような場合に成功報酬金が発生するのかについて確認しておくべきでしょう。

その他費用

催告書通知を行う場合や訴訟手続きを行う場合など、回収方法によっては上記以外の費用が発生することもあります。その他費用としては、主に以下のものがあります。

 

催告書通知

内容証明郵便代(1通あたり):1,470円~

交渉

・手数料:5,000~95,000円(債権額に応じて異なる)

・印紙税:200~100,000円(債権額に応じて異なる)

民事調停

・郵券代:1,015円

・収入印紙代(訴額に応じて異なる)

支払督促

・通常訴訟時の半額の印紙代(債権額に応じて異なる)

・予納郵券:4,000円未満(裁判所によって異なる)

・資格証明書(1社あたり):1,000円

・連絡用官製ハガキ:50円

訴訟

・印紙代(訴額に応じて異なる)

・予納郵券:6,000円程度(裁判所によって異なる)

・資格証明書(1社あたり):1,000円

仮差押・仮処分

・印紙代:2,000円

・予納郵券(裁判所によって異なる)

  債権仮差押え:3,000円程度

  不動産仮差押え:2,000円程度

  不動産仮処分など:1,000円程度

・資格証明書(1社あたり):1,000円

・不動産全部事項証明書(1件あたり):1,000円

・登録免許税:債権額の0.4%

強制執行

・印紙代:4,000円

・予納郵券:5,000円程度(裁判所によって異なる)

・資格証明書(1社あたり):1,000円

弁護士に依頼し売掛金回収に成功した事例

弁護士に依頼することで、一銭も支払われなかった売掛金の回収に成功した事例をご紹介します。

280万円の売掛金を一括請求できた事例

【相談者Aさん】

AさんはB社に対し、注文通りの納品を行いましたが、納品後に様々な理由を付けられ、売掛金300万円を受け取ることができませんでした。

B社の経営に倒産する可能性があるといった噂もあり、すぐに回収にしたいと弁護士に相談しました。

契約書などの証拠上Aさんに落ち度はなく、B社が支払い時間を延ばしていることは明らかです。弁護士は案件の受任後、B社の銀行口座を仮差押えし、訴訟の申立てを行いました。

 

訴訟を申立てることで、B社から全額を分割支払いする旨の申し出がありました。しかし、今までの事を鑑みて、長期分割は滞納・未払いのリスクがあると判断し、少し減額した280万円の一括回収に成功しました

結果

円→280万円回収

3,500万円全額+利息の回収に成功した事例

【相談者Bさん】

取引先(以下C社)から入金がないまま、取引を続けていたBさん。未回収金額が3,500万円までふくらみ、他の取引先にも滞納金があるということで、今後の回収の見通しに不安を覚え、弁護士に相談しました。

C社はメインバンクの支援を受け、事業を継続できることになりました。Bさんは、最大の限回収gが希望でしたので、C社の資金繰り表を見ながら、3年間の弁済計画を作成し合意。万が一、滞納金があった場合は、その時点で強制執行できるように構成証書を作成しました。

 

その結果、3,500万円に加え利息の回収に成功しました。このように、長期的な回収も可能です。

結果

円→3,500万円+利息の回収

売掛金の回収を弁護士に依頼する際の選び方

「弁護士であれば誰でもよい」というわけではありません。弁護士によって対応内容はさまざまであるため、速やかに問題解決するためには、依頼内容に適した弁護士に依頼する必要があります。ここでは、売掛金の回収を弁護士に依頼する際の選び方について解説します。

債権回収の問題解決実績が豊富

弁護士を選ぶ際は、「これまでどのような案件を取り扱ってきたか」という点が大きな判断材料となります。「刑事事件に注力している弁護士」や「相続問題に注力している弁護士」など、注力分野は事務所ごとに異なるため、依頼時は債権回収に注力しており問題解決実績が豊富な弁護士を選びましょう。

 

弁護士ごとの問題解決実績や注力分野などについては、事務所HPを参照することで、ある程度把握することができます。事務所によっては、解決件数や解決金額を年度別で詳しく紹介しているところなどもあり、HPの情報量や分かりやすさなども比較材料となるでしょう。

対応スピードが迅速

売掛金の時効が迫っている場合など、なかには「速やかに対応してほしい」というケースもあるでしょう。ただし問題解決実績や注力分野と同様、対応スピードも事務所ごとに差があり、夜間・土日も対応している事務所のほか、即日相談に対応している事務所などもあります。

 

対応スピードについても事務所HPを参照することで、ある程度把握することができます。速やかな対応を希望する場合は、それぞれのHPを参考に比較検討するのが有効でしょう。またメール相談などに対応している事務所であれば、相談後の返信速度も判断材料の一つとなります。

見積もりを提示してくれる

売掛金の回収については、ケースごとに発生する費用が異なります。特に「催告書通知を行ったが回収できず、支払督促手続きに移行した」などのように、依頼内容が複数に及ぶ場合は、想定よりも費用が高額になる可能性もあります。

 

また弁護士費用は、依頼内容だけでなく事務所によっても異なります。依頼時は起こりうるケースをいくつか想定した上で、「どれほどの費用がかかるのか」についておおよその見積もりを提示してくれる事務所を選ぶと良いでしょう。その際、成功報酬金の発生要件についても確認しておくことをおすすめします。

売掛金の回収を弁護士に依頼する際の流れ

売掛金の回収を弁護士に依頼する場合、以下の手続きを踏むのが通常です。

  • メールや電話で弁護士へ連絡
  • 弁護士による企業状況や希望内容のヒアリング
  • 面談日時の決定
  • 弁護士との面談
  • 依頼内容の確定~正式依頼
  • 弁護士による業務着手~問題解決

 

なお手続きをスムーズに済ませるためにも、面談前には社名・住所・債権額・取引日などの債権に関する情報を整理し、契約書請求書などの「実際に取引を行ったことを証明する資料」も用意しておきましょう。

 

また「面談した弁護士には必ず依頼しなければならない」というわけではないため、面談したのち、ほかの弁護士を探すということも可能です。

まとめ

売掛金を回収する際は、交渉や支払督促などケースごとに適した方法を選択しなければなりません。

 

トラブルなくスムーズに対応を進めるためには、債権回収に関する一定の知識・経験が必要となるため、対応に慣れていない場合は弁護士に依頼してサポートを得ることをおすすめします。弁護士に依頼することで、対応にかかる各手続きのサポートが受けられ、問題の早期解決法的リスクの回避などが期待できます。

 

なお弁護士に依頼する際は、相談料・着手金・成功報酬金などの費用が発生し、料金は依頼内容や事務所によって異なります。また事務所ごとに対応内容は異なるため、依頼時は事務所HPなどを参考にしながら、「債権回収に注力しており問題解決実績が豊富な弁護士」を選ぶと良いでしょう。

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