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弁護士監修記事
人事・労務

弁護士監修のチェックリスト付き!カスタマーハラスメントか判断する3つの要件・具体例・対策措置

2026.6.30
2026.6.30
2026年10月のカスハラ対策義務化に向け、弁護士が人事・労務担当者向けに徹底解説!カスハラ該当性の3要件や判断基準、身体的・精神的攻撃などの具体例から、企業に義務づけられた6つの対応措置、独自の抑止策、今すぐ使える対応チェックリストまで網羅しています。
監修弁護士
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ニシワキ法律事務所
弁護士 西脇 巧
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2026年10月1日から、カスタマーハラスメントへの対応が事業主の義務となりました。顧客からの過度なクレームや暴言によってメンタル不調者が出るケースは珍しくなく、企業としては何がカスハラに該当するかを正確に把握したうえで、体制を整備しておくことが求められます。

本記事では、カスタマーハラスメントの該当性をどう判断するか、そして企業に義務づけられた対応措置の内容を解説します。

本記事のポイント
  • カスタマーハラスメントは「顧客等の言動」「社会通念上許容される範囲を超えること」「就業環境が害されること」の3要件で判断される
  • 要求内容の妥当性と、言動の手段・態様の双方から総合的に判断する必要がある
  • 企業には、方針の明確化・相談体制の整備・事後対応・悪質行為への抑止措置など6項目の対応が義務づけられている
  • 自社に過失がある場合は、その点もカスハラ判断に影響し得る
  • マニュアル整備・研修・相談窓口の設置など、具体的な体制を事前に構築しておくことが重要
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カスタマーハラスメント対応 実務ガイド
カスタマーハラスメント防止条例の制定など、企業に求められるカスハラ対策が注目されています。本資料では、カスハラに該当するかを判断する3つの要件から、企業が講じるべき雇用管理上の措置まで、弁護士監修のもと実務で押さえておきたいポイントを解説します。

カスタマーハラスメントとはどのような行為か

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、職場において顧客等から行われる言動であって、社会通念上許容される範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されるものをいいます。2026年10月1日施行の改正労働総合施策推進法(以下「法」)33条により、事業主はカスハラへの対応措置を講じる義務を負います。

「顧客等」の範囲は広く、実際に商品・サービスを購入した顧客だけでなく、潜在的な顧客、取引先の担当者、施設の近隣住民なども含まれます。また、「職場」は通常の勤務場所に限らず、労働者が業務を遂行する場所であれば該当するため、外回り中や電話対応中のやりとりもカスハラの問題になり得ます。

カスハラの3要件と判断の考え方

カスハラに該当するかどうかは、次の3つの要件をすべて満たすかによって判断されます。

1つ目は、顧客等による言動であること。2つ目は、業務の性質等に照らして社会通念上許容される範囲を超えていること。3つ目は、労働者の就業環境が害されることです。

2つ目の要件について、判断の出発点は「要求内容の妥当性」です。まず、自社に過失や商品の瑕疵があるかを確認し、顧客の主張に根拠があるかを見極めます。過失がない場合、顧客の要求に正当な理由はなく、カスハラと判断される可能性が高まります。

次に「手段・態様」を確認します。仮に顧客の要求内容に一定の妥当性があったとしても、長時間の拘束、暴言、威圧的な言動、SNSへの投稿をほのめかす発言などが伴う場合は、手段・態様が社会通念上相当でないとして、カスハラに該当し得ます。要求の妥当性と手段・態様はどちらか一方だけでも超過すればカスハラになりうる点に注意が必要です。

3つ目の就業環境が害されるかどうかは、「平均的な労働者の感じ方」を基準に判断されます。1回限りの言動でも、身体的・精神的な苦痛が強い場合には就業環境を害すると認められることがあります。

具体的にどのような行為がカスハラにあたるか

カスハラ指針では、社会通念上許容される範囲を超える言動の例として、以下のような行為が挙げられています。

要求内容の面では、性的な要求や労働者のプライバシーに関わる要求、契約内容を著しく超えたサービスの要求、契約金額の著しい減額要求、商品・サービスと無関係な損害賠償請求などが該当します。

手段・態様の面では、殴る・物を投げるなどの身体的攻撃、脅迫・侮辱・土下座の強要・SNSへの悪評投稿の示唆といった精神的攻撃、大声による威圧、同じ質問の執拗な繰り返し、長時間の居座りや電話による拘束なども含まれます。

また、自社の不適切な対応が顧客の言動の背景にある場合もあります。カスハラか否かを判断する際は、自社側に問題がなかったかどうかも含めて確認することが大切です。

企業に義務づけられた6つの対応措置

法に基づくカスハラ指針では、事業主が講じるべき雇用管理上の措置として、以下の6項目が定められています。

第1に、カスハラには毅然とした態度で対応し労働者を保護する旨の方針を明確にし、社内に周知・啓発することです。対処の手順もあらかじめ定めて従業員に伝えておく必要があります。

第2に、相談窓口の設置と体制整備です。カスハラが実際に発生した場合だけでなく、そのおそれがある段階や、該当するか微妙な段階でも広く相談に応じられる体制が求められます。

第3に、事後の迅速かつ適切な対応です。事実関係を確認したうえで被害者への配慮措置を講じ、再発防止策を取ることが必要です。暴行・傷害・脅迫など犯罪に該当し得る言動については、警察への通報も視野に入れる必要があります。

第4に、悪質なカスハラへの抑止措置です。これはカスハラ独自の項目で、特に悪質な行為への対処方針(警告文の発出、入店拒否など)をあらかじめ定めておくことが求められます。

第5に、相談者等のプライバシー保護のための措置。第6に、相談したことを理由とする不利益取扱いを禁止し、その旨を周知することです。

実務担当者が確認しておくべき4つのポイント

カスハラ対策を実効性のある形で整備するには、方針の策定・周知にとどまらず、実際に現場が動ける体制を作ることが重要です。以下の点を確認しておきましょう。

対応チェックリスト
  • カスハラの定義・対処手順を定めたマニュアルや社内規定を整備し、全従業員に周知する
  • カスハラを受けた従業員が速やかに相談できる窓口を設置し、担当者の対応スキルを研修で高める
  • 特に悪質な行為への対処方針(警察通報・入店禁止など)をあらかじめ定め、体制を整えておく
  • BtoBの場面では、取引先への事実確認協力の要請や再発防止協力依頼の手順も検討しておく

どこから手をつければよいかわからない、自社の対応が指針の水準を満たしているか確認したい、という場合は、早めに現状を整理しておくことをおすすめします。

カスハラの該当性判断から企業に求められる6つの措置の内容、マニュアル整備や研修のポイントまでを詳しく解説したホワイトペーパーを公開しています。現場対応のフロー作成や社内規定の見直しにお役立てください。

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元労働基準監督官の経験と、社労士・労働安全衛生コンサルタント資格を併せ持つ多角的な視点で、労災対応から問題社員対応・退職勧奨まで、企業・法人の人事労務リスクを迅速に解決へ導きます。
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