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契約書を作成するとき、「弁護士に依頼せず自分で作っても問題ないのか」と不安に感じる方も多いでしょう。「何を書けば法的に有効になる?」「個人間の契約でも書面は必要?」と悩む方も少なくないはずです。
契約書は、当事者の合意内容が明確に記載され、法令に反していなければ、自作したものでも原則として法的効力を持ちます。ただし、必要な項目が抜けていたり、曖昧な表現が使われていたりすると、後からトラブルに発展するおそれがあります。
本記事では、契約書の作り方を6つのステップに分けて解説します。記載すべき基本項目や自作する際の注意点も紹介するので、契約書を作成する際の参考にしてください。
契約書とは、当事者が合意した権利・義務や取引条件を文書化した書面です。契約そのものは口頭でも成立します。しかし、口頭のみで契約した場合、合意内容を後から証明するのは難しいでしょう。契約書があれば、取引条件を書面で確認できます。
弁護士に依頼せず自分で作成した契約書にも、原則として法的効力があります。一方で、雇用契約のように法律で書面の作成や交付が求められる契約も存在します。契約の種類ごとに確認が必要です。
まずは、契約書の必要性や法的効力について確認していきましょう。
契約書を作成する目的は、当事者の合意内容を確認し、証拠として残すことにあります。作成の過程で契約条件をひとつずつ書き出すため、「言った・言わない」の認識違いを防げます。
契約後に問題が起きたときも、どちらがどこまで責任を負うのかを契約書で確認可能です。訴訟や調停に発展した場合には、契約書は合意内容を示す資料としても役立ちます。
弁護士に依頼せず自分で作成した契約書でも、当事者の合意があれば原則として法的効力を持ちます。
民法上、契約は申込みと承諾の意思表示が合致した時点で成立します(民法第522条)。書式の体裁や作成者の資格で効力が決まるわけではありません。
ただし、公序良俗や強行法規に反する内容は認められません。強行法規とは、当事者が合意しても変更・排除できない法律上のルールです。たとえば、契約書で労働基準法を下回る労働条件を定めても、その部分は無効になります。
自分で契約書を作る際は、合意内容が明確かだけでなく、強行法規に反していないかも確認しましょう。書面作成などが法律で求められる契約では、形式上の要件も満たす必要があります。
【参考元】労働基準法に違反している契約でも、結んでしまえば有効なのでしょうか。|厚生労働省
契約を結ぶ方法には、口頭契約、紙の契約書、電子契約の3種類があります。契約は口頭でも原則として成立しますが、重要な取引では書面や電子データとして記録を残すのが望ましいです。
口頭契約では、合意した事実や具体的な条件を後から証明しにくいためです。認識の違いが生じると、「言った・言わない」のトラブルに発展する可能性があります。
紙の契約書であれば、署名や押印によって合意内容を確認できます。電子契約なら、契約内容に加えて締結日時や操作履歴なども保存可能です。電子署名やタイムスタンプを利用すれば、本人性や改ざんの有無も確認しやすくなります。
契約方法は取引内容に応じて選べます。ただし、将来のトラブルに備えるなら、重要な合意は紙の契約書か電子契約で残しましょう。
契約書は契約当事者のどちらが作成しても構わず、作成者を定めた一般的な法律上の決まりはありません。
自社で原案を用意すれば、自社の取引条件や想定するリスクを反映しやすくなります。一方、相手方が用意した契約書には、相手方に有利な条項が含まれている場合もあるため、弁護士などの専門家によるリーガルチェックが欠かせません。
作成者が誰であっても、条項をひとつずつ読み、納得したうえで合意しましょう。
契約の種類によっては、書面の作成・交付や特定事項の明示が法律で求められます。
たとえば雇用契約では労働条件の明示が、建設工事の請負契約では契約書面の作成が必要です。フリーランスへの業務委託も、取引条件の明示が求められます。
まずは契約の種類を特定し、関係する法令を確認するのが確実です。判断に迷う場合は、弁護士など専門家への相談も検討してみてください。
契約書は、以下の6つのステップで作成できます。
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それぞれのステップについて、具体的な内容と注意点を確認していきましょう。
最初に、「誰と誰が・何を・いくらで・いつまでにおこなう取引か」を整理します。
| 整理項目 | 記入する内容の例 |
|---|---|
| 当事者 | 住所、代表者名(氏名) |
| 契約の対象 | 商品名、業務範囲、成果物の仕様 |
| 金額 | 報酬額、消費税の扱い、経費の負担 |
| 期日 | 納期、支払日、契約期間 |
金額・支払日・納期・契約期間といった事項は、箇条書きで書き出しておくとあとの作業がスムーズです。整理した内容が、そのまま条項の材料になります。
取引の実態に合った契約の種類を選び、適用される法令を確認しましょう。代表的な契約の種類として、以下のようなものが挙げられます。
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業務委託では請負契約または準委任契約が念頭に置かれることが一般的ですが、それぞれ負う責任の質が異なります。請負は成果物の完成義務を負うのに対し、準委任は業務を適切に遂行すること自体が目的です。
契約の種類が決まったら、民法をはじめとする関係法令を確認し、法定記載事項や書面交付義務の有無を調べましょう。契約の法的な性質は、契約書のタイトルではなく実際の取引内容に基づいて判断されます。
たとえば、業務委託契約書という名称でも、実際には会社の指揮命令下で働いているなど雇用契約の実態があれば、請負等ではなく、法律上は雇用契約と判断される場合があります。
契約の種類や取引内容、自分の立場に合ったテンプレートを用意します。公的機関が公開しているものや、弁護士が監修したものを優先しましょう。
たとえば、国土交通省では賃貸借契約に利用できる「賃貸住宅標準契約書」を公開しています。経済産業省では、システム開発などに関する「情報システム・モデル取引・契約書」を確認できます。
ただし、適切な監修者がついているものでも、テンプレート公開後に法律が改正され、最新のルールが反映されていない場合もあります。公開日や更新日、準拠している法令などを確認しましょう。
テンプレートは、必要な条項を検討するための土台にすぎません。そのまま流用するのではなく、取引の実態に合わせて条項を追加・削除し、内容に不安がある場合は弁護士へ確認を依頼しましょう。
業務内容・金額・期限は、第三者が読んでも同じ意味に受け取れる表現で記載します。
「速やかに」「相当量」といった曖昧な言葉は、具体的な数値や日付に置き換えてください。解釈の幅がトラブルにつながります。追加作業や条件変更が生じたときの手続きも、あらかじめ決めておきましょう。
作成した契約書に、法令違反・不利な条項・記載漏れがないかを確認します。自社で確認する方法と、弁護士に依頼する方法の2つがあります。
金額が大きい契約や、権利関係が複雑な契約では、弁護士への依頼を検討してください。
【関連記事】契約書のリーガルチェックとは?流れ・チェック項目・弁護士に依頼するメリットを解説
リーガルチェックを終えた最終版を相手方と確認し、紙または電子で締結します。
締結前には、交渉で合意した内容が全て反映されているかを確認しましょう。修正のやりとりを重ねた契約書ほど、反映漏れが起こりやすくなります。内容に問題がなければ、締結方法に応じて署名・押印や電子署名の手続きをおこないます。
締結後は、契約期間や更新期限を契約台帳で管理してください。自動更新の契約は、解約通知の期限を過ぎると意図せず継続してしまうため特に注意しましょう。
契約書は、表題から日付・署名欄まで以下の12項目で組み立てます。
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全ての契約に共通する法定の様式はありません。取引の内容に応じて、必要な条項を足していく形になります。まずは全体像を押さえたうえで、項目ごとの役割と記載例を見ていきましょう。
表題は「業務委託契約書」「売買契約書」のように、取引内容がわかる名称にします。
ただし、表題だけで契約の法的性質が決まるわけではありません。判断の対象になるのは、本文に書かれた実際の合意内容です。「覚書」「合意書」という名称でも、権利や義務を定めていれば契約として扱われます。
社内で管理しやすくしたい場合は、案件名を副題として添える方法もあります。
前文には、契約当事者・契約の目的・本文で使う呼称を記載します。正式名称と「甲」「乙」などの略称は、ここで対応させておきます。
どのような取引についての契約かを1文で示しましょう。呼称を決めたら、本文中の表記も統一してください。甲乙が入れ替わっていると、義務を負う側がわからなくなります。
記載例は以下のとおりです。
| 株式会社A(以下「甲」という。)と株式会社B(以下「乙」という。)は、甲が乙に委託するWebサイトの制作および保守業務について、次のとおり業務委託契約(以下「本契約」という。)を締結する。 |
契約当事者の法人名・氏名・住所は、正確に記載します。法人の場合は、登記上の商号と本店所在地を使います。「(株)」などの省略形は避けてください。前文の表記と署名欄の表記も一致させましょう。
担当者や代理人が締結する場合は、代表権や代理権の有無を確認します。権限のない人が署名した契約は、あとから効力を争われるおそれがあります。
当事者情報の記載例は以下のとおりです。
| 委託者(甲):東京都○○区○○一丁目2番3号 株式会社A 受託者(乙):東京都△△区△△四丁目5番6号 株式会社B |
契約内容では、商品・業務・成果物と、各当事者が負う義務を具体的に定めます。記載するのは、数量や仕様、品質、作業範囲などです。「Webサイト制作一式」だけでは、どこまでが業務なのか判断できません。
業務に含まれない作業も、必要に応じて書き出しておくと安心です。文量が多くなる場合は仕様書などの別紙にまとめます。別紙を併用する場合は、契約書との優先関係を明記するのも大切です。
| 第1条(委託業務) 1.甲は、乙に対し、次に掲げる業務(以下「本業務」という。)を委託し、乙はこれを受託する。 (1)Webサイト全10ページのデザインおよびコーディング (2)CMSの導入および初期設定 (3)動作確認ならびに公開作業 2.記事の作成、写真撮影およびサーバーの利用料金は、本業務に含まれないものとする。 3.本契約と別紙仕様書の内容が異なる場合は、本契約の定めを優先する。 |
代金・報酬は、金額・計算方法・支払期日をセットで決めます。金額は税込か税抜かを明示し、消費税の扱いを書き添えてください。
振込手数料や交通費などの経費についても、どちらが負担するかを決めておきます。追加作業が発生した場合の精算方法を同時に定めておけば、トラブルを防ぎやすくなるでしょう。
| 第2条(委託料および支払方法) 1.甲は乙に対し、本業務の委託料として、金55万円(消費税込み)を支払う。 2.甲は、成果物の検収が完了した月の翌月末日までに、乙が指定する銀行口座へ委託料を振り込む。振込手数料は甲の負担とする。 3.交通費その他の経費は委託料に含む。ただし、甲が事前に承認した経費は、甲が別途負担する。 4.追加作業の内容および報酬は、作業開始前に書面または電磁的記録で合意する。 |
契約の開始日・終了日・納期を明確にします。期間が満了したあとの扱いも決めておきます。自動更新とする場合は、更新後の期間もあわせて記載しましょう。
中途解約を認めるなら、何日前までに申し出るかも定めてください。納期の変更や履行の遅れが生じたときの手続きも決めておけば、遅延が起きた場面で慌てずに済みます。
| 第3条(契約期間および納期) 1.本契約の有効期間は、2026年9月1日から2027年8月31日までとする。 2.乙は、Webサイトの成果物を2026年11月30日までに甲へ納品する。 3.期間満了日の30日前までに、甲乙いずれからも書面または電磁的記録による終了の申出がない場合、本契約は同一条件でさらに1年間更新される。 4.納期を変更する場合は、甲乙協議のうえ、書面または電磁的記録で合意する。 |
契約違反が起きた場合の損害賠償や違約金、対応の手順を定めます。先に決めておきたいのは、違反した相手へ是正を求める通知の方法と期限です。
損害賠償については、対象・範囲・上限を検討します。違約金を設ける場合は、金額や計算方法に加え、損害賠償との関係も明確にしましょう。
| 第4条(契約違反および損害賠償) 1.甲または乙は、相手方が本契約に違反した場合、書面または電磁的記録により是正を求めるものとする。通知後14日以内に違反が是正されないときは、本契約を解除できる。 2.本契約への違反により相手方へ損害を与えた当事者は、通常かつ直接の損害を賠償する。賠償額は、本契約に基づく委託料の総額を上限とする。ただし、故意または重大な過失による場合を除く。 |
納期遅延に違約金を設ける場合は、次のように記載します。
| 乙が正当な理由なく納期に遅れた場合、乙は、遅延1日につき委託料の○%を違約金として甲に支払う。ただし、違約金の累計額は委託料の○%を上限とする。 |
【関連記事】契約違反で損害賠償を請求する方法|手続き・相場・時効を弁護士解説
契約内容を変更する方法と、途中で契約を終了できる条件を定めます。変更は「書面または電磁的記録による甲乙双方の合意による」と決めておくのが一般的です。口頭やチャットでの変更を認めると、合意内容があいまいになりかねません。
中途解約については、可否・申出期限・通知方法を記載します。契約違反や信用不安が生じた場合に、直ちに契約を解除できる条件も定めておきましょう。
| 第5条(契約の変更および終了) 1.本契約の内容は、甲乙双方が書面または電磁的記録により合意した場合に限り変更できる。 2.甲または乙は、相手方に対して30日前までに書面または電磁的記録で通知することにより、本契約を中途解約できる。 3.相手方に支払停止、差押え、破産手続開始の申立てその他信用状態の重大な悪化が生じた場合、甲または乙は、催告することなく直ちに本契約を解除できる。 |
【関連記事】契約書を内容変更する方法|変更契約書の作成方法・雛形もあわせて解説
成果物の知的財産権の帰属と、取引中に共有する秘密情報の取扱いを定めます。著作権や特許を受注者に残すのか、発注者へ移転するのかを明確にしてください。
知的財産権を移転しない場合は、成果物を利用できる範囲や、第三者への利用許諾の可否を記載します。秘密保持については、秘密情報の範囲、利用目的、開示できる相手、義務が存続する期間などを定めましょう。
| 第6条(知的財産権) 1.成果物の著作権は、著作権法第27条および第28条の権利を含め、甲が委託料を全額支払った時点で乙から甲へ移転する。 2.乙が従前から保有するプログラム、素材、ノウハウおよび第三者に権利が帰属する素材は、前項の対象外とする。 3.乙は、甲および甲が指定する者に対し、成果物について著作者人格権を行使しない。 第7条(秘密保持) 1.甲および乙は、本契約に関連して相手方から開示された非公開の営業上、技術上その他の情報を、本業務以外の目的で利用してはならない。 2.甲および乙は、相手方の事前の承諾なく、秘密情報を第三者へ開示してはならない。 3.公知の情報、開示前から保有していた情報および正当な権限を有する第三者から取得した情報は、秘密情報に含まれない。 |
取引内容に応じて、契約全体に共通する一般条項を設けます。代表的なのは、以下のようなものです。
| 一般条項 | 主な役割 | 要否の目安 |
|---|---|---|
| 権利義務の譲渡禁止 | 契約上の地位を勝手に移されるのを防ぐ | ほぼ全ての契約 |
| 反社会的勢力の排除 | 相手が該当した場合に契約解除できる | ほぼ全ての契約 |
| 不可抗力 | 災害などで履行できない場合の免責 | 納期のある契約 |
| 準拠法 | 適用する国の法律を定める | 海外の相手方との契約 |
| 合意管轄 | 訴訟時の裁判所を特定する | ほぼ全ての契約 |
| 協議条項 | 契約に定めのない事項や解釈上の疑問については当事者間の話し合いで解決する | ほぼ全ての契約 |
各条項の記載例は以下のとおりです。
| 第8条(権利義務の譲渡禁止) 甲および乙は、相手方の事前の書面による承諾なく、本契約上の地位または本契約に基づく権利義務を第三者へ譲渡し、承継させ、または担保に供してはならない。 第9条(反社会的勢力の排除) 甲および乙は、自らおよびその役員が反社会的勢力に該当せず、反社会的勢力と関係を有しない旨を表明し、保証する。相手方が本条に違反した場合、催告なく本契約を解除できる。 第10条(不可抗力) 天災地変、戦争、感染症、法令の制定改廃その他当事者の合理的な支配を超える事由により、契約上の義務を履行できない場合、当該当事者は、その責任を負わない。 第11条(準拠法) 本契約の成立、効力、履行および解釈には、日本法を適用する。 第12条(合意管轄) 本契約に関して訴訟の必要が生じた場合、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。 第13条(協議) 本契約に定めのない事項または本契約の解釈に疑義が生じた場合、甲乙は、誠意をもって協議し、解決を図る。 |
テンプレートの一般条項を無条件に残すのは避けてください。特に合意管轄は、訴訟時の移動や対応の負担にも影響します。取引に必要か、自社に過度な不利益がないかを一つずつ確認しましょう。
後文には、契約書の作成通数・締結方法・各当事者が保管する部数を記載します。紙で締結する場合は、原本を何通作成し、誰が保管するのかを明示します。電子契約の場合は、電磁的記録を作成して各自が保管する旨を書きましょう。
紙の契約書では、次のように記載します。
| 本契約の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙が記名押印のうえ、各1通を保有する。 |
電子契約の場合の記載例は以下のとおりです。
| 本契約の成立を証するため、本契約の電磁的記録を作成し、甲乙が電子署名を行ったうえで、各自その電磁的記録を保管する。 |
末尾には、契約締結日と署名者の情報を正確に記載します。法人の場合は、所在地・法人名・代表者の役職・氏名を記載してください。
契約締結日と契約開始日は別物です。4月1日開始の契約を3月20日に締結したなら、締結日は3月20日と記載します。
署名する人に契約締結の権限があるかどうかも、あらかじめ確認しておいてください。
| 2026年8月20日 甲 東京都○○区○○一丁目2番3号 株式会社A 代表取締役 ○○ ○○ 印 乙 東京都△△区△△四丁目5番6号 株式会社B 代表取締役 △△ △△ 印 |
なお、以上は一般的な記載例です。実際に使用する際は、契約の種類や取引条件に合わせて修正し、必要に応じて弁護士の確認を受けましょう。
自分で作成した契約書は、以下の6点を確認しましょう。
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見るべきは形式だけではありません。実際の取引内容と条項が合っているかどうかが重要です。テンプレートを使った場合も、セルフチェックは欠かせません。金額が大きい契約や権利関係が複雑な契約では、弁護士によるリーガルチェックも検討してください。
契約当事者の名称・住所と、署名者に契約締結権限があるかを確認します。法人名・所在地・代表者名は、登記情報や国税庁の法人番号公表サイトと照合できます。担当者や代理人が締結する場合は、委任状や社内の決裁権限をチェックしましょう。
個人間の取引では、本人確認資料と契約書の記載が一致しているかを見ます。運転免許証などで氏名と住所を確認しておけば安心です。
金額・数量・納期・支払日は、第三者が読んでも同じ意味に伝わる表現にします。「速やかに」「必要に応じて」といった曖昧な表現は、明確な数値に置き換えてください。
品質や完成条件は、仕様書や検査基準で明確にします。どうしても曖昧さが残る場合は、誰が判断するのか、どのように協議するのかを定めておきましょう。
契約内容が強行法規や公序良俗に反していないかを確認します。契約の内容は当事者が自由に決められるのが原則です。ただし、消費者契約法や労働基準法、利息制限法などによる制限があります。
注意したいのは、一方の責任を全面的に免除する条項です。無効と判断される可能性があります。テンプレートを使った場合は、最新の法改正に対応しているかも確認してください。
権利・義務や責任の負担が、一方へ過度に偏っていないかを確認します。比べたいのは、解除権・損害賠償・知的財産権の3つです。どちらか一方だけが行使できる作りになっていないかを見ます。
たとえば次の内容は、受注者側に負担が偏っている例です。
| 項目 | 発注者(甲) | 受注者(乙) |
|---|---|---|
| 解除権 | 無催告で解除できる | 催告後でなければ解除できない |
| 損害賠償 | 賠償責任を負わない | 上限なし(報酬額を大きく超える) |
| 知的財産権 | 全て甲に帰属 | 実績としての公表も認められない |
実際には履行できない条件や、過大な責任を負う条項も避けてください。不利な条項が見つかったら、修正案を添えて相手に伝えます。理由を示せば、交渉は進めやすくなるでしょう。
取引内容と、想定されるトラブルに対応する条項が漏れていないかを確認します。多くの契約で必要になるのは、解除・損害賠償・秘密保持・権利義務の譲渡禁止の4つです。
知的財産権や個人情報を扱う取引では、専用の条項を追加します。一方で、不要な一般条項をそのまま残す必要はありません。取引に必要かどうかを基準に、ひとつずつ判断してください。
契約書と、見積書・仕様書・発注書などの関連書類に矛盾がないかを確認します。具体的には、金額・日付・商品や業務の名称・作業範囲などを照合しましょう。見積書の金額と契約書の報酬額がずれているケースは珍しくありません。
文書ごとに内容が異なる場合の優先順位も、契約書で定めておきます。口頭やメールで合意した変更も、忘れずに最終版へ反映してください。
紙の契約書を締結するときは、以下で解説する5点を確認してください。
署名や記名押印は、契約当事者本人の意思に基づいて契約書が作成されたことを示す証拠になります。一般的な契約は、押印がなくても成立します。押印がないから無効、というわけではありません。
ただし、争いになったときに、押印は本人が作成した文書である旨を示す材料になるため、実務では広く使われています。法人の場合は、署名・押印する人に契約締結権限があるかもあわせて確認してください。
紙の契約書が印紙税法上の課税文書に該当する場合は、所定額の収入印紙を貼付します。判断の基準になるのは、契約書のタイトルではなく記載された内容です。「覚書」という名称でも、課税文書に該当する場合があります。
税額は、文書の種類と契約金額から確認しましょう。国税庁が公表している印紙税額一覧表で調べられます。
貼付した印紙は、印章または署名で消印してください。再使用を防ぐための手続きで、貼り忘れや消印漏れは過怠税の対象になります。
割印と契印は目的が異なるため、場面に応じて使い分けます。
割印は、2通以上の契約書にまたがって押すもの。同じ内容の契約書であることや、原本と写しの関連性を示します。契印は、ひとつの契約書の複数ページにまたがって押すもので、ページの差し替えを防ぐ役割を持ちます。
どちらも、一般的な契約の成立要件ではありませんが、改ざんを疑われる事態を避けるうえでは有効です。
複数ページの契約書は、袋とじにすると製本部分への契印だけで差し替えを防ぎやすくなります。製本の前に、ページの順番と不足がないかを確認してください。
ホチキス留めの場合、契印は全てのページの境目に必要です。袋とじなら、製本テープと表紙・裏表紙の境目の2箇所で済みます。
別紙や添付資料も、契約書と一体で製本しましょう。バラバラに保管すると、どの資料が契約の一部なのか判断しづらくなります。
法人が取引に関して作成・受領した契約書は、税務上、原則として7年間保存します。起算日は、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から。契約の締結日からではない点に注意してください。
青色申告で欠損金が生じた事業年度などは、10年間の保存が必要になる場合もあります。契約期間が長い契約や、紛争のおそれがある契約は、法定期間より長く残しておくと安心。契約台帳とあわせて管理すれば、必要な契約書をすぐ取り出せます。
電子契約書は、PDF化して署名を依頼し、締結証跡を確認し、電子保存する3つのステップで作成します。
電子契約書であれば、紙のような印刷・製本・郵送は不要で、オンライン上で締結まで完了します。作成時に確認したいのは、本人性と非改ざん性の2点です。あわせて、電子取引データの保存要件も押さえておきましょう。
合意済みの契約書をPDF化し、正しい権限者へ電子署名を依頼します。PDF化する前に確認したいのが、当事者名・契約日・別紙の3点。締結後に修正が見つかると、再締結の手間がかかります。
送信先のメールアドレスと、署名者に契約締結権限があるかもチェックしてください。担当者宛てに送ったものの決裁権がなかった、というケースは起こりがちです。署名方式や社内承認の順序も、送信前に設定しておきましょう。
締結後は、電子署名・タイムスタンプ・操作履歴などを確認します。見るべきは、誰がいつ同意したのか。閲覧日時や署名日時が記録として残ります。
多くの電子契約サービスでは、締結証明書を取得できます。ダウンロードして、契約データとあわせて保管してください。本人確認の方法は、取引のリスクに応じて選びます。金額が大きい契約や重要な契約では、電子証明書を用いる当事者型の電子署名も検討しましょう。
【関連記事】5分で分かる電子契約とは?法律上の有効性・導入メリット・リスク・システム選びの全知識
署名済みのPDFと締結証明書は、改変せずに保存しましょう。
管理の要は検索性です。取引年月日・金額・取引先の3項目で探せる状態にしておきます。電子取引でやりとりしたデータは、電子帳簿保存法の保存要件を満たす形での保存が必要です。
必要項目を盛り込んだファイル名を付けたり、電子契約サービスの検索機能を利用したりすることで対応できます。なお、電子契約書には原則として収入印紙がかかりません。紙で締結していた契約を電子へ切り替えれば、印紙税の負担も抑えられます。
本章では、契約書を自作する際にテンプレートを活用する方法を詳しく解説します。
テンプレートは、契約の種類と自分の立場が一致するものを選びましょう。まず確認するのは、売買・業務委託・雇用といった対象の取引です。
次に立場。同じ売買契約書でも、売主向けと買主向けでは条項の書き方が変わります。複数のテンプレートを安易に組み合わせるのは避けてください。条項同士が矛盾し、どちらが優先するのか判断できなくなります。
テンプレートの作成者・監修者・更新日・利用条件を確認します。
公的機関や弁護士監修のものを優先して利用するのがおすすめです。根拠がはっきりしている分、安心して土台にできます。民法改正前の条項が残っている可能性もあるため、更新日が古いひな形を使うのは基本的に避けましょうが
商用利用や編集の可否といった利用規約も、あわせて確認しておきましょう。
テンプレートに必要な条項が不足していないか、不要な条項が含まれていないかを確認します。
取引に関係のない条項は削除してください。残したままだと、どの条項が実際に効くのか読み取りにくくなります。
反対に、取引固有のリスクに対応する条項は追加します。個人情報を預かるなら取扱条項を、外注する可能性があるなら再委託条項を、といった形です。修正を終えたら、あらためてリーガルチェックをおこないましょう。
契約書に必要な条項は、取引の種類によって変わります。
ここでは、企業間・企業対個人・個人同士でよく使われる契約書16種類について、法定記載事項や手続き上の注意点を紹介します。
| 分類 | 該当する契約書 |
|---|---|
| 継続的な取引 |
|
| 業務の委託・請負 |
|
| 人に関する契約 |
|
| 情報の管理 |
|
| 会社・事業の移転 |
|
| 個人でも使う契約 |
|
同じ相手と繰り返し取引する場合は、共通する条件を取引基本契約書にまとめます。取引のたびに同じ条件を交渉する手間がなくなります。数量や納期といった個々の条件は、注文書や個別契約書で決めましょう。
| 契約 | 定める内容 |
|---|---|
| 取引基本契約書 |
|
| 個別契約(注文書など) |
|
注意したいのが、基本契約と個別契約で内容が食い違った場合の扱いです。「個別契約を優先する」といった優先順位を、基本契約書に明記しておいてください。
販売代理店契約書は、メーカーやサービス提供会社が、外部の代理店へ商品の販売や契約の媒介を任せる際に使用します。
販売代理店契約書によって、代理店が販売および媒介できる商品・地域・顧客・権限の範囲を明確にします。あわせて決めたいのが、独占か非独占かについてです。独占とする場合は、競合商品を取り扱えるかどうかも定めます。
販売手数料・販売目標・費用の負担者・報告義務も記載しましょう。商標や販促物の使用条件、契約終了後の在庫や顧客対応まで決めておけば、解消時のトラブルを防げます。
業務提携契約書は、複数の企業が独立性を保ちながら、共同開発や共同販売などの事業に取り組む場面で使用します。契約書によって、共同でおこなう事業・業務の範囲と、各社の役割や責任を明確にします。
人員・技術・設備・資金など、それぞれが何を提供するのかを具体的に定めてください。費用の負担割合もセットで決めます。知的財産権の帰属や秘密情報の取扱い、成果や収益の配分も記載します。
意思決定の方法、契約期間、提携を解消する際の処理まで定めておけば、方針が食い違ったときにも整理しやすくなります。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 提携範囲 | 対象となる事業・地域・期間 |
| 役割分担 | 各社が提供する人員・技術・設備・資金 |
| 費用負担 | 負担割合、精算の方法と時期 |
| 成果の帰属 | 共同開発した知的財産権の帰属、収益の配分 |
| 解消時 | 通知期限、共有資産・情報の取扱い |
業務委託契約書は、企業や個人が、自社では対応しない業務や専門的な仕事を外部の事業者へ依頼する場面で使用します。委託する業務、成果物、報酬、検収、知的財産権を具体的に定めます。
まず整理したいのが、請負と委任のどちらにあたるかです。
| 項目 | 請負 | 委任 |
|---|---|---|
| 約束する内容 | 成果物の完成 | 業務の遂行 |
| 報酬の発生 | 原則として完成・引渡し後 | 業務の履行に応じて発生 |
| 契約不適合責任 | 負う | 原則として負わない |
| 具体例 |
|
|
成果物の完成を約束するのか、業務の遂行を任せるのかで、負う責任が変わります。再委託の可否、秘密保持、経費の負担者も記載してください。フリーランスへ業務を委託する場合は、フリーランス法による取引条件の明示義務も確認しておきましょう。
システム開発委託契約書は、企業などが開発会社やエンジニアへ、システムやアプリの開発を依頼する場面で使用します。
システム開発委託契約書は、開発範囲・工程・成果物・検収方法・発注者および受注者の役割を明確にするために重要です。工程によって適した契約形態は変わります。要件定義や運用支援は準委任、設計・開発は請負とする組み合わせが一般的です。
仕様変更が起きたときの手続き、追加費用、納期変更のルールも決めておきましょう。知的財産権の帰属・データの取扱い・セキュリティ・開発中止時の精算方法まで定めておけば、途中で揉めにくくなります。
建設工事請負契約書は、建物の新築や改修、設備の設置などを、建設会社や工事業者へ依頼する場面で使用します。
工事内容・請負代金・着工日・完成日・変更条件などを契約書に記載しましょう。建設工事の請負契約では、建設業法によって書面の作成と法定記載事項が求められます。口頭での受発注は避けてください。
追加工事や設計変更が生じた場合の手続きも決めておきます。金額と工期の両方について、書面で合意する流れにしておくと安全。不可抗力による損害や、第三者に損害を与えた場合の負担も確認しておきましょう。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 工事内容・請負代金 | 工事の対象、代金額と支払方法・時期 |
| 工期 | 着工日、完成日、引渡しの時期 |
| 変更手続き | 設計変更・追加工事の際の代金と工期の変更方法 |
| リスク分担 | 不可抗力による損害、第三者損害の負担 |
| 契約不適合 | 責任の内容と期間 |
雇用契約書は、企業や個人事業主が労働者を雇い、賃金や勤務時間などの労働条件について合意する場面で使用します。契約期間・就業場所・業務内容・労働時間・賃金などを明示します。
雇用契約書と労働条件通知書は別物です。労働条件通知書は使用者が労働者へ交付する書面で、雇用契約書は双方が合意して署名する書面です。両方の役割を兼ねた「労働条件通知書兼雇用契約書」もよく使われます。
また、2024年4月からは、明示すべき事項が以下のように追加されました。
| 従来からの事項 |
|
|---|---|
| 2024年4月の追加分 |
|
就業規則との矛盾にも注意してください。就業規則を下回る条件は無効になります。
【参考元】令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます|厚生労働省
労働者派遣契約書は、派遣会社が雇用する労働者を、派遣先企業の指揮命令のもとで働かせる場面で使用します。派遣業務の内容・就業場所・派遣期間・就業時間など、労働者派遣法で定められた事項を記載しましょう。
派遣元・派遣先それぞれの責任者と、現場で指揮命令をおこなう人も定めてください。安全衛生に関する事項、苦情処理の方法、契約解除時の雇用安定措置も記載します。
なお、基本契約とは別に、個別の労働者派遣契約が必要になります。ひとつの契約書で全てを済ませられるわけではない点に注意しましょう。
秘密保持契約書は、商談や業務委託、共同開発などに伴い、相手方へ営業上・技術上の秘密情報を開示する場面で使用します。開示する秘密情報の範囲・利用目的・管理方法・開示できる相手を明確にします。
範囲を定める際は、秘密情報に「該当しない情報」も書いておきましょう。公知の情報や、独自に開発した情報が代表例です。複製、第三者への提供、目的外での利用を認めるかどうかも記載します。
契約が終了した際の返還・廃棄の方法と、秘密保持義務が続く期間も定めてください。義務が永久に続く条項は、受け入れられにくい傾向があります。
【関連記事】秘密保持契約(NDA)とは?契約書の書き方、ひな形、締結の流れまで徹底解説
株式譲渡契約書は、M&Aや事業承継、資本参加などに伴い、株主が保有株式を個人や企業へ譲渡する場面で使用します。譲渡する株式の種類や数・譲渡価格・支払方法・譲渡実行日を明確にします。
譲渡制限株式の場合は、会社法上の譲渡承認手続きが必要です。手続きを踏まないまま契約しても、会社に対して効力を主張できません。表明保証や誓約事項、譲渡実行の前提条件も定めます。表明保証に違反があった場合の補償や、契約を解除できる条件も記載しておきましょう。
事業譲渡契約書は、会社が営む事業の全部または一部を、資産や契約関係などとともに別の会社へ譲渡する場面で使用します。譲渡する事業と、そこに含まれる資産・負債・契約・知的財産などを特定します。譲渡価格や実行日、支払方法もあわせて定めてください。
注意したいのが承継の方法です。取引先との契約や従業員の雇用は、自動的には移りません。個別の同意や再契約が必要になります。
| 承継対象 | 承継の方法 |
|---|---|
| 資産・設備 | 契約書で特定し、個別に移転する |
| 取引先との契約 | 取引先の同意を得て契約上の地位を移転する |
| 従業員の雇用 | 本人の同意を得て、譲受側と新たに雇用契約を結ぶ |
| 許認可 | 原則として承継されず、譲受側が新たに取得する |
表明保証、競業避止義務、許認可の取扱いも定めておきましょう。許認可は原則として引き継がれないため、取得のスケジュールを確認しておきます。
賃貸借契約書は、不動産や設備などの所有者が、賃料を受け取って相手方へ一定期間貸し出す場面で使用します。賃貸する物件や設備・賃料・契約期間・使用目的・返還条件を明確にします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 物件の所在・面積、付属設備の範囲 |
| 金銭 | 賃料、共益費、敷金・保証金、支払期日 |
| 期間 | 契約期間、更新の方法、解約の申出期限 |
| 使用条件 | 使用目的、禁止事項、転貸の可否 |
| 返還時 | 原状回復の範囲、敷金の精算方法 |
敷金や保証金の額と返還条件、修繕費や公共料金の負担者も定めてください。更新の方法や解約の申出期限、禁止事項、原状回復の範囲も記載します。原状回復をめぐる争いは、範囲があいまいなまま契約したことが原因になりがちです。
不動産の賃貸借では、借地借家法などの関係法令や、国土交通省が公表している標準契約書も確認しておきましょう。
塗装工事契約書は、住宅やビルなどの外壁・屋根・内装の塗装を、専門業者へ依頼する場面で使用します。施工箇所・使用する塗料・工程・工期・代金・保証内容を明記します。
足場の設置費や下地処理が代金に含まれるかどうかは、必ず確認してください。追加工事が生じた場合の手続きと、天候による工期変更の扱いも決めておきます。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 施工範囲 | 施工箇所、足場・下地処理・養生が代金に含まれるか |
| 塗料・仕様 | 製品名、メーカー、塗り回数 |
| 工期 | 着工日、完成日、天候による延長の扱い |
| 保証 | 保証期間、対象となる不具合、点検の有無 |
個人間売買契約書は、中古車や家具、家電などを、事業者を介さず個人同士で売買する場面で使用します。商品・代金・引渡方法・所有権が移る時期を定めます。
中古品を売買する場合は、傷や故障など商品の状態を具体的に記載してください。「現状有姿で引き渡す」と書いておけば、後から状態を争われにくくなります。支払前後のキャンセルや返品の条件、契約不適合責任を負うかどうかも決めておきます。
車を売買する場合は、車台番号・登録番号・走行距離の記載も忘れずに。事故歴や不具合、ローンの残債の有無も確認しておきましょう。
| 項目 | 一般的な個人間売買 | 車の個人間売買 |
|---|---|---|
| 対象の特定 | 商品名、型番、数量 | 車台番号、登録番号、車種、年式、走行距離 |
| 状態 | 傷・故障の内容、現状有姿での引渡し | 事故歴、不具合、修復歴 |
| 代金 | 金額、支払方法、支払期日 | 金額、支払方法、ローン残債の有無と処理 |
| 引き渡し | 引渡日、引渡場所、所有権移転の時期 | 引渡日、名義変更の期限と費用負担 |
金銭消費貸借契約書は、個人や企業が相手方へ金銭を貸し、将来の返済を約束してもらう場面で使用します。貸付額や金銭を交付した日、返済期限、返済方法を契約書に記載します。
利息や遅延損害金を定める場合は、利息制限法の上限を確認してください。上限を超える部分は無効になります。
| 元本の額 | 利息の上限(年利) |
|---|---|
| 10万円未満 | 20% |
| 10万円以上100万円未満 | 18% |
| 100万円以上 | 15% |
分割で返済する場合は、返済回数と各回の金額を記載します。返済が滞った際に残額を一括請求できる「期限の利益喪失」の条項も入れておきましょう。
高額な貸付けでは、公正証書の利用も検討すべきです。強制執行認諾文言を付けておけば、裁判を経ずに強制執行が可能です。
贈与契約書は、現金や不動産などの財産を、相手方へ無償で譲り渡す場面で使用します。贈与者・受贈者、贈与する財産、贈与日、引渡方法を記載します。
財産は、第三者が見ても特定できる情報で示してください。不動産なら登記事項証明書の記載どおりに、預金なら金融機関名・支店名・口座番号を書きます。受贈者に一定の負担を求める負担付贈与では、その条件を明確にします。
贈与税の申告が必要になるかどうかも、別途確認しておきましょう。年間110万円の基礎控除を超える場合は、申告が必要になります。
弁護士へ相談すれば、契約書の法的リスクを確認し、取引内容に合った条項を整備できます。契約書作成を弁護士に相談するメリットを確認していきましょう。
弁護士へ依頼すれば、民法を土台としつつ、契約ごとの関係法令を踏まえた契約書を作成できます。
民法は、契約の成立や履行、損害賠償、解除などの基本ルールを定めています。売買・賃貸借・請負・委任といった契約類型ごとの規定もあるため、契約内容に応じた確認が必要です。
さらに、契約の種類や当事者によっては、次のような法律も適用されます。
| 確認範囲 | 関連する法律・法令 | 主な確認内容 |
|---|---|---|
| 契約全般の基本ルール | 民法 |
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| 契約類型ごとのルール | 民法 |
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| 契約ごとの特別な規制 |
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| 事業者間取引の適正化 |
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| 消費者・個人を保護する規制 |
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弁護士に相談すれば、必要な条項の漏れや矛盾、法令への抵触を確認してもらえます。法改正に合わせて内容を更新できる点もメリットです。
弁護士にリーガルチェックを依頼すれば、問題のある条項を指摘してもらったうえで、具体的な修正案を得られます。
解除権や損害賠償などについて、相手方だけが有利になる条項を洗い出せます。知的財産権や秘密保持についても、想定されるリスクを分析してもらえます。
「この条項は削除すべき」で終わらず、自社の立場を踏まえた代替条項まで提案してもらえるのがメリットです。
弁護士に相談すれば、一般的なテンプレートでは補えない、取引固有の条項を設計できます。
業務の進め方や業界の商慣行を伝えれば、実態に沿った形で契約書へ反映してもらえるでしょう。想定されるリスクに応じて、条項の追加も可能です。再委託が多い業務なら再委託条項を、個人データを扱うなら取扱条項を、といった具合です。
契約書と別紙・仕様書との整合性も確認してもらえます。
将来起こり得る紛争を想定して条項を整えておけば、契約後のトラブルを防ぎやすくなります。
企業間・企業対個人の契約において、代金の未払いや納期の遅延、成果物の品質をめぐる争いは少なくありません。問題が起きた際の通知方法、協議の進め方、解除の手続きを決めておけば、対応の道筋が見えるでしょう。
紛争になった場合に証拠として使いやすい契約書を作れる点も、弁護士に依頼するメリットです。
弁護士には、契約書の作成・確認だけでなく、相手方との交渉や修正対応も相談できます。
相手から届いた修正案を、法的な観点から確認してもらえます。受け入れてよい修正かどうかの判断がつきやすくなるはず。自社の希望条件を反映した代替案の提示も依頼できます。
やりとりの負担が減れば、社内の担当者は本来の業務に集中できるでしょう。
契約書の作成やリーガルチェックを弁護士へ相談したい方におすすめなのが「企業法務弁護士ナビ」です。
地域、相談内容、業界などの条件を指定して、対応できる弁護士を検索できます。契約書の作成とリーガルチェックのどちらから探すことも可能。
弁護士を選ぶ際は、契約法務の経験、相談の方法、費用を比べてみてください。自社の取引に近い分野を扱っている弁護士なら、商慣行を踏まえた提案を受けられます。気になる事務所が見つかったら、そのまま問い合わせできるので、気軽に相談してみてください。
「企業法務弁護士ナビ」には、弁護士の支援によって契約業務を改善した事例を掲載しています。ここでは、新規事業用のひな形整備と継続的な契約書チェックの2例を紹介します。
| 相談者:法人 業界:IT・メディア 相談内容:新規事業向けの契約書・利用規約などの整備 解決までの期間:2か月 <相談企業の状況> 相談企業は、新規事業の開始を控えたITスタートアップ企業です。既存の契約書を流用していましたが、利用規約や個人情報の取扱いが新サービスに対応しておらず、取引先ごとの条件調整にも時間がかかっていました。 |
新規事業では、既存の契約書が実際のサービス内容に合うとは限りません。ひな形を安易に流用すると、利用規約やプライバシーポリシーとの間に矛盾が生じるおそれがあります。
弁護士は、契約書の「標準版」と「譲歩版」に加え、利用規約とプライバシーポリシーを整備しました。営業担当者向けの交渉チェックリストも作成し、譲歩できる範囲を明確にしています。
結果として、現場で契約条件を判断しやすくなり、契約締結までの時間と担当者の負担を削減できました。
【参考記事】事業スピードを加速させる「攻め」の契約書ひな形整備
| 相談者:法人 業界:IT・メディア 相談内容:継続的な契約書のリーガルチェック 対応期間:最短当日 <相談企業の状況> 相談企業は、月に10件ほどの契約書を取り扱っていました。以前から顧問弁護士へ確認を依頼していましたが、回答までに1週間ほどかかっていたといいます。 |
相談企業は迅速な契約書チェックに対応できる弁護士へ依頼しました。弁護士はSlackを利用し、希望する回答期限を確認しながらチェックを進めています。
確認時には、契約書の文言だけで判断していません。取引の実態や過去の実績、相手方との力関係も踏まえ、案件ごとに確認の重点を変えました。過度にリスク回避を重視し、実態に合わない修正を求めない点も意識しています。
結果として、急ぎの契約書は当日中に確認できるようになりました。時間を要する案件でも、原則として3営業日以内に回答する体制が整っています。取引のスピードを維持しながら、契約上のリスクにも対処できた事例です。
【参考記事】月10件程度の契約書チェックを最短当日中に行っている事例
契約書の作り方について、よくある疑問に回答します。
個人が手書きした契約書も、法律上有効です。手書きかパソコン作成かだけで、契約書の効力が決まるわけではありません。合意した内容が明確に書かれていれば、手書きの契約書でも契約として成立します。
ただし、読み間違いには注意が必要です。金額や日付は、誰が読んでも同じに見える書き方を心がけてください。訂正する場合は、二重線と訂正印で処理するか、一から作り直しましょう。高額な取引では、本人確認資料の記録も残しておくと安心です。
特別な定めのない一般的な契約であれば、押印がなくても契約自体の効力は有効です。契約は当事者同士の合意で成立し、押印はその合意を裏づける材料のひとつでしかありません。署名や、電子契約の締結記録も証拠になり得ます。
一方で、実印と印鑑証明書が求められる手続きもあります。不動産登記や自動車の名義変更などは、個別に確認してください。
申込みと承諾が明確であれば、メールのやりとりで契約が成立する可能性があります。
ただ、条件が複数のメールに分散すると、どこまでが合意内容なのかがわかりにくくなります。重要な取引では、条件をひとつの契約書へ集約するのが確実です。
紙の契約書は、各当事者が原本を保管できるよう、当事者の数と同じ部数を作成するのが一般的です。二者間の契約なら2通作成し、それぞれが1通ずつ保管します。合意があれば、原本を1通だけ作成し、一方が写しを保管する方法も可能です。
注意したいのが収入印紙です。課税文書に該当する原本には、それぞれに印紙が必要になります。
契約書は自分でも作成できますが、テンプレートをそのまま使用するのは避けましょう。取引内容や当事者の立場、関係法令に合わせた調整が必要です。
契約書を作成する際は、以下の6ステップで進めます。
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契約締結後に不利な条項が見つかっても、簡単には修正できません。記載漏れや法的リスクに不安がある場合は、締結前に弁護士へ相談しましょう。
「企業法務弁護士ナビ」では、契約書の作成やリーガルチェックに対応する弁護士を多数掲載しています。高額な取引や複雑な権利関係を含む契約に不安がある方は、契約を締結する前に相談してみてください。
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本記事は企業法務弁護士ナビを運営する株式会社アシロ編集部が企画・執筆いたしました。
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