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吸収分割

読み: きゅうしゅうぶんかつ 

吸収分割とは、会社(分割会社)が営む事業の全部または一部を、他の既存の会社(承継会社)に承継させる組織再編手法です(会社法第757条〜第766条)。分割会社の特定の事業に属する権利義務(資産・負債・契約・従業員等)が、包括的に承継会社に移転します。新たに会社を設立して事業を承継させる「新設分割」と対になる概念です。

吸収分割の活用場面

  • グループ内事業再編:子会社間・親子会社間での事業の統廃合・集約
  • ノンコア事業の売却:特定事業を切り出して第三者に売却(会社分割+株式譲渡の組み合わせ)
  • 持株会社化:事業会社が事業を子会社に承継し、自社は持株会社に転換
  • 事業の集中・選択:コア事業と非コア事業の分離

会社法上の主な手続き

  • 吸収分割契約の締結:分割会社と承継会社が吸収分割契約を締結
  • 株主総会の特別決議:原則として分割会社・承継会社双方で必要(簡易分割・略式分割の例外あり)
  • 債権者保護手続き:分割会社の債権者・承継会社の債権者への公告・催告(異議申述期間1ヶ月)
  • 労働者保護:会社分割に伴う労働者の保護(分割会社と協議・通知義務)
  • 登記:承継会社の変更登記・分割会社の変更登記

事業譲渡との主な違い

  • 吸収分割:包括承継(承継範囲に属する権利義務が一括して移転)。個別の承諾不要(ただし労働者保護規定あり)。
  • 事業譲渡:特定承継(契約ごとに相手方の同意が必要)。消費税課税。

実務上のポイント

吸収分割では「分割会社の詐害的会社分割」(債務超過会社が優良事業だけを分割して残存債権者を害する行為)に対する規定(会社法第759条第4項・第4条等)に留意が必要です。また、労働契約承継法に基づく労働者への通知・協議義務を遵守することが重要です。税制適格要件を満たせば無税での組織再編が可能です。

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