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偶発債務

読み: ぐうはつさいむ 

偶発債務(Contingent Liability)とは、現時点では確定した債務ではないが、将来特定の事象(訴訟の敗訴・保証の履行請求・税務調査の指摘等)が発生した場合に現実の債務となる可能性がある潜在的な負債のことです。M&Aにおけるデューデリジェンス(特に財務DD・法務DD)において、偶発債務の把握は買収リスクの評価上、最重要項目の一つです。

偶発債務の主な種類

  • 係争中の訴訟・紛争:損害賠償請求・特許侵害訴訟・労働争議等で敗訴した場合の賠償金
  • 税務リスク:税務調査で指摘される可能性のある過去の申告誤り・移転価格問題
  • 保証債務:他社(グループ会社・取引先)への債務保証で、主債務者が履行できない場合に発生
  • 環境負債:土壌汚染・廃棄物処理違反に関する将来の浄化費用・行政処分
  • 製造物責任(PL)リスク:製品の欠陥による損害賠償請求
  • 退職給付債務の未積立部分:年金・退職金の将来支払い見込み額の不足
  • オフバランスリース・未開示契約:財務諸表に計上されていない将来の支払義務

M&Aにおける偶発債務の影響

  • 買収価格の調整:DDで発見された偶発債務はネットデットに加算し、株式価値(買収価格)を引き下げます。
  • 表明保証条項への反映:売り手が偶発債務の存在について表明保証し、違反時の補償義務を規定します。
  • エスクロー・価格調整:不確実な偶発債務について、クロージング後一定期間の補償のためにエスクロー口座に資金を留保する仕組みが利用されます。

実務上のポイント

株式譲渡では偶発債務も包括承継されるため、買い手はDDで可能な限り偶発債務を洗い出すことが重要です。訴訟リスクについては弁護士意見書、税務リスクについては税理士・会計士の見解を入手し、定量的なリスク評価(最大損失額・発生確率)を行います。

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