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現物出資

読み: げんぶつしゅっし 

現物出資とは、会社の設立または増資の際に、金銭ではなく不動産・有価証券・機械設備・知的財産権・売掛債権等の現物(財産)を出資することです。現物出資された財産は、株式等の対価と交換に会社に移転します。M&A・組織再編・スタートアップへの投資など、さまざまな場面で活用される手法です。

現物出資が活用される主な場面

  • 組織再編(会社分割・現物出資による子会社設立):事業・資産を現物出資して新会社を設立し、グループ再編を行う。
  • スタートアップへの技術・知財提供:技術ライセンス・特許権を現物出資してスタートアップに資本参加する。
  • 不動産の法人への移転:個人所有不動産を法人に現物出資して不動産事業法人化する(相続対策・税務対策として活用)。
  • 有価証券の出資:子会社株式を持株会社に現物出資して持株会社体制を構築する。

会社法上の規制(検査役調査)

現物出資の過大評価(出資財産の価値を実際より高く評価して株式を取得すること)から他の株主・債権者を保護するため、会社法は以下の規制を設けています(第28条・第33条)。

  • 原則:裁判所が選任した検査役(公認会計士・弁護士等)による調査が必要
  • 例外(検査役調査不要):①現物出資財産の総額が500万円以下、②市場価格ある有価証券を時価以下で出資、③弁護士・公認会計士等の証明を受けた場合(不動産は不動産鑑定士の鑑定評価も必要)

税務上の取り扱い

現物出資は税務上、時価での譲渡として扱われるため、含み益のある資産を現物出資する場合は譲渡所得課税が生じます。適格現物出資(会社法上・法人税法上の一定要件を満たす場合)では課税の繰り延べが認められます。

実務上のポイント

現物出資を行う際は、出資財産の適正な時価評価と会社法・税法上の適格要件の充足を専門家(弁護士・公認会計士・税理士・不動産鑑定士)とともに確認することが重要です。

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