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事業承継

読み: じぎょうしょうけい 

事業承継とは、現在の経営者が築いた事業・経営理念・雇用・顧客関係などを後継者に引き継ぐプロセスの総称です。単なる株式・資産の移転だけでなく、「ヒト(経営者としての能力・人脈)」「資産(株式・事業用資産)」「知的資産(ブランド・技術・顧客関係・組織文化)」の3つを包括的に承継することが真の事業承継とされています。

事業承継の3つの形態

  • 親族内承継:子・配偶者・親族への承継。最も多い形態でしたが、後継者不在・相続争いのリスクがあります。
  • 役員・従業員承継(MBO):現経営幹部・従業員への承継。経営の連続性が高い反面、買収資金の調達が課題です。
  • 第三者承継(M&A):外部の第三者(事業会社・PEファンド)への売却。後継者不在の中小企業で急増しており、従業員の雇用維持・事業の継続・売却益の確保が可能です。

事業承継税制

後継者が非上場会社の株式を贈与・相続によって取得した場合、一定要件を満たせば贈与税・相続税の納税猶予・免除を受けられる制度です(租税特別措置法第70条の7〜70条の7の8)。

  • 一般措置:発行済議決権株式の3分の2を上限に、贈与税100%・相続税80%の猶予
  • 特例措置(2018年〜2027年末):発行済議決権株式の全部について贈与税・相続税の100%猶予。特例承継計画の提出が条件(提出期限は延長される見込みあり)。

M&Aによる事業承継の増加

中小企業庁の調査によると、後継者不在率は約6割(2024年時点)に達しており、M&Aによる第三者承継の件数は年々増加しています。国・各都道府県の事業承継・引継ぎ支援センターでは、後継者不在の中小企業に対するM&Aマッチング支援を無料で提供しています。

実務上のポイント

事業承継は5〜10年の準備期間が理想とされます。株式評価額・税負担の試算、後継者の選定・育成、取引先・金融機関・従業員への説明と信頼移転、M&Aの場合はFAの選定・売却プロセスの設計など、多岐にわたる準備が必要です。早期から専門家(弁護士・税理士・M&AアドバイザーやFA)に相談することを強く推奨します。

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