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事業譲渡

読み: じぎょうじょうと 

事業譲渡とは、会社が営む事業(有機的一体として機能する財産の集合体)の全部または一部を、契約によって他の企業に移転する取引手法です。2006年施行の会社法以前は「営業譲渡」と呼ばれていました。M&Aの手法の一つとして広く利用されており、株式譲渡と並んで中小企業の事業承継でも多用されます。

事業譲渡の特徴

  • 個別移転方式:譲渡対象の資産・負債・契約・従業員を個別に選択して移転します。不要な負債や簿外債務を引き継がずに済むのが最大のメリットです。
  • 手続きの複雑さ:不動産登記・債権譲渡通知・債務引受の同意取得・許認可の再取得など、各資産・権利ごとに個別の移転手続きが必要です。
  • 消費税課税:事業用資産の譲渡は原則として消費税が課税されます(株式譲渡は非課税)。

会社法上の手続き要件

会社法第467条に基づき、以下の場合は株主総会の特別決議(議決権の3分の2以上)が必要です。

  • 事業の全部の譲渡
  • 事業の重要な一部の譲渡(総資産の5分の1超が目安)
  • 子会社株式の全部または一部の譲渡(一定要件を満たす場合)

また、競業避止義務(会社法第21条)により、譲渡会社は原則として同一の市区町村および隣接市区町村で20年間、同一事業を行うことができません。

株式譲渡との比較

  • 事業譲渡の優位点:負債・リスクの選別が可能、許認可・雇用関係を選択できる
  • 株式譲渡の優位点:手続きがシンプル、許認可・契約の承継が容易、消費税不課税

実務上のポイント

事業譲渡契約書では、譲渡対象資産・負債の範囲の明確化、表明保証条項、クロージング条件、競業避止義務の範囲・期間などを詳細に規定することが重要です。デューデリジェンスで簿外債務・偶発債務を事前に把握することが買主のリスク管理の要です。

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