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マーケットアプローチ

読み: まーけっとあぷろーち 

マーケットアプローチとは、対象企業と類似した上場企業の株価・財務指標、または過去に成立した類似M&A取引の対価・条件を参照することで対象企業の価値を評価する手法です。インカムアプローチ(DCF法)・コストアプローチ(純資産法)と並ぶ3大評価アプローチの一つで、市場の実態を直接反映した客観性の高い評価が特徴です。

マーケットアプローチの主な手法

  • 類似会社比較法(CCA:Comparable Company Analysis):類似の上場企業のEV/EBITDA・EV/EBIT・PER・PBR等の倍率(マルチプル)を対象企業の財務指標に適用して価値を算定。「コンプス(Comps)」とも呼ばれます。
  • 類似取引比較法(CTA:Comparable Transaction Analysis):同業種・規模の過去のM&A取引で支払われた対価と財務指標の比率(取引マルチプル)を参照。経営権プレミアムが上乗せされるため、一般的にCCAより高い評価になります。

主要なバリュエーションマルチプル

  • EV/EBITDA:最も広く使われる。業種・規模・成長率で異なるが、一般的に5〜15倍程度
  • EV/EBIT:設備投資・減価償却の影響を含む収益性との比較
  • PER(株価収益率):純利益ベースの株式価値評価
  • PBR(株価純資産倍率):純資産ベース。金融機関・不動産業で多用

マーケットアプローチのメリット・デメリット

  • メリット:市場の実態を反映・客観性・計算の簡便性
  • デメリット:完全に類似した企業は存在しない・市場環境(バブル等)の影響を受ける・非上場企業の場合は流動性ディスカウントを考慮する必要がある

実務上のポイント

M&Aにおける株式価値算定では、DCF法(インカムアプローチ)とマーケットアプローチを組み合わせて評価レンジを算定し、その結果を価格交渉の基礎とするのが実務標準です。類似会社の選定と正常化財務数値(Non-recurring項目の除外)の処理が評価の精度を左右します。

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