用語集

企業法務の用語集

お気に入り追加

経営権プレミアム

読み: けいえいけんプレミアム 

経営権プレミアム(Control Premium:コントロールプレミアム)とは、M&Aにおいて買い手が対象企業の支配権(過半数以上の株式・経営権)を取得する際に、株式の市場価格(少数株主ベースの株価)に上乗せして支払うプレミアムのことです。支配権を持つことで経営上の意思決定を自由に行えること・シナジーを実現できることの対価として、買い手が負担します。

経営権プレミアムが生じる理由

  • 支配権の価値:経営陣の選任・事業戦略・配当政策等を決定できる権限の対価
  • シナジーの対価:買収後に実現するコスト削減・売上拡大シナジーの一部を売り手に還元
  • 競争入札の結果:複数の買い手が競合する入札プロセスで価格が吊り上がる
  • 希少性プレミアム:特定の事業・技術・顧客基盤へのアクセスに対する価値

経営権プレミアムの水準

日本の上場企業を対象としたTOBにおける経営権プレミアム(公表前株価に対するTOB価格の上乗せ率)は、一般的に20〜50%程度とされています。ただし、案件の性質(友好的・敵対的)・業種・市場環境・シナジーの大きさによって大きく異なります。

バリュエーションにおける取り扱い

  • DCF法(インカムアプローチ):シナジーを含む将来キャッシュフローを評価するため、経営権プレミアムは事業計画の達成度・シナジー実現度に依存します。
  • 類似取引比較法(マーケットアプローチ):過去のM&A取引マルチプルには経営権プレミアムが織り込まれているため、類似会社比較法より高い評価になります。
  • スクイーズアウトにおける公正価格:少数株主締め出しにおける対価の「公正価格」は、経営権プレミアムを含むべきかが訴訟で争われる場合があります。

実務上のポイント

高い経営権プレミアムを支払った案件では、のれんが過大に計上され、シナジーが実現できなかった場合に大幅なのれん減損リスクが生じます。買収価格決定においては、シナジーの確実性・実現時期を保守的に見積もり、過大なプレミアム支払いを避けることが財務規律の観点から重要です。

関連用語集

貴社の課題解決に最適な
弁護士とマッチングできます
契約書の作成・レビュー、機密性の高いコンフィデンシャル案件、M&A/事業承継など、経営者同士でも話せない案件も、
企業法務弁護士ナビでは完全非公開で相談可能です。貴社の課題に最適解を持つ弁護士、最大5名とマッチングできます。
弁護士の方はこちら