ネット誹謗中傷の問題は弁護士に相談|メリット・費用・相談の流れを解説

専門家監修記事
ネット誹謗中傷について、企業は速やかに適切な対応を取る必要があります。自力で対応することも可能ですが、少しでも不安がある場合は弁護士に相談するべきでしょう。この記事では、ネット誹謗中傷について弁護士に相談する際のメリットや費用、相談の流れなどを解説します。
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
IT・誹謗中傷削除

企業へのネット誹謗中傷を放っておくと、企業・商品イメージの低下や取引先との契約打ち切り、採用活動の難化や機密情報の漏えいなど、さまざまな被害が生じる可能性があります。企業は迅速かつ適切に対応する必要があるでしょう。

 

ネット誹謗中傷のトラブルを解決するためには、投稿者やサイト管理者と交渉を行ったり、場合によっては裁判手続きを行ったりすることもあります。特に初めて対応する場合は、思わぬ時間・手間が取られる可能性もあるため、法律知識・経験が豊富な弁護士に相談するべきでしょう。

 

この記事では、ネット誹謗中傷について弁護士に相談する際のメリットや費用、相談の流れや事務所の選び方などについて解説します。

ネット誹謗中傷を弁護士に相談するメリット

ここでは、ネット誹謗中傷について弁護士に相談するメリットを解説します。

交渉・裁判手続きの代理を依頼できる

これまでネット誹謗中傷について対応したことがない場合、思わぬ時間・手間が取られたり、望ましい結果が得られなかったりする可能性もあります。特に裁判手続きを行う場合は、ある程度の法的知識がなければ問題解決が長引くことも考えられるでしょう。

 

弁護士は、交渉や裁判手続きなどについて依頼者に代わって行うことができるため、自力で対応するよりもスムーズな問題解決が望めます。「ネット誹謗中傷の対応にかかる手続きの代理を依頼できる」という点は、大きなメリットです。

法的トラブルを未然に回避できる

なかには報酬と引き換えに、投稿の削除交渉などを代理で行う対策業者も存在します。しかし、弁護士以外が報酬と引き換えに交渉などの法律事務を行うことは、弁護士法第72条に定められている違反行為に該当する可能性が高いでしょう。このような対策業者に依頼した場合、企業の信用に傷がつく恐れがあります。

 

弁護士は法律知識・経験が豊富であるため、法的問題性について熟知しています。合法的な手段のみを用いて問題解決に向けて取り組むため、企業の信用に傷がつくこともありません。「法的トラブルを未然に回避できる」という点もメリットです。

事業に集中できる

ネット誹謗中傷については、自力で対応することも不可能ではありませんが、ケースによっては対応が煩雑になることもあります。特に、十分な知識・経験もないまま対応してしまうと、時間・労力が取られて本来の事業活動に支障をきたしてしまう可能性もゼロではありません。

 

「弁護士に相談することで事業に集中できる」という点もメリットと言えるでしょう。

ネット誹謗中傷を弁護士に相談した場合の対応内容

ここでは、ネット誹謗中傷について相談した場合の、弁護士の対応内容について解説します。

投稿削除

弁護士は投稿者やサイト管理者に対して、投稿を削除するよう「削除請求」を行うことが可能です。交渉によって任意で削除請求を行うことも可能ですが、もし請求に応じない場合は、裁判所を通じて仮処分の申立てを行うことで、強制的に投稿を削除させることもできます。

 

なお仮処分の申立てを行う際は、誹謗中傷に関する証拠を提示するなどして、権利侵害の事実や削除請求の正当性などについて明らかにする必要がありますが、弁護士であればそれらの手続きにも対応しています。

投稿者の特定

場合によっては、投稿者に対して損害賠償請求を行うことも考えられます。ただし損害賠償請求を行うためには、投稿者の身元について特定しなければなりません。

 

弁護士はサイト管理者やプロバイダに対して、投稿者の身元に関する情報を開示するよう「発信者情報開示請求」を行うことができます。

 

こちらも、交渉によって任意で発信者情報開示請求を行うことも可能ですが、もし請求に応じない場合は、裁判所を通じて強制的に投稿者の情報を開示させることも可能です。なお、この場合にかかる手続きについても、弁護士に対応を依頼できます。

損害賠償請求

投稿者の身元が特定できている場合、弁護士は投稿者に対して、損害分について金銭で支払うよう「損害賠償請求」を行うことができます。

 

こちらも、交渉によって任意で損害賠償請求を行うことも可能ですが、もし請求に応じない場合は、裁判所を通じて損害賠償請求を行うことで、強制的に賠償金を支払わせることができます。なお、この場合にかかる手続きについても、弁護士に対応を依頼できます。

ネット誹謗中傷を弁護士に相談する際の費用

ネット誹謗中傷について弁護士に相談する場合、相談料が発生することがほとんどです。

費用相場としては5,000円/30分程度ですが、なかには無料相談を実施している事務所もあるため、具体的な費用については直接確認を取ることをおすすめします。

 

また、投稿削除・発信者情報開示請求・損害賠償請求などの対応を依頼する場合は、依頼内容に応じて着手金報酬金などの費用が発生します。さらに「裁判外での対応を依頼するか、裁判での対応を依頼するか」によって、それぞれ料金設定が設けられている事務所が多いようです。

 

依頼時の手続きをスムーズに済ませるためにも、ネット誹謗中傷の対応を依頼する場合にかかる弁護士費用について、あらかじめ知っておくと良いでしょう。ここでは、「裁判での対応を依頼する場合」と「裁判外での対応を依頼する場合」の弁護士費用について解説します。

裁判外での対応を依頼する場合

裁判外での対応を依頼する場合、費用相場は以下の通りです。

ただし、事務所によって費用にはバラつきがあるため、あくまで目安として参考にしてください。

 

着手金

報酬金

削除請求

約5~10万円

約5~10万円

発信者情報開示請求

約5~20万円

約10~20万円

損害賠償請求

約10~20万円

慰謝料の16%

裁判での対応を依頼する場合

裁判での対応を依頼する場合、費用相場は以下の通りです。

なお裁判を行う際は、弁護士費用とは別に裁判費用が発生します。またこちらの場合も、費用相場はあくまで目安として参考にしてください。

 

着手金

報酬金

裁判費用

削除請求

約20万円

約15万円

約3万円

発信者情報

開示請求

約20~30万円

約15~20万円

約6万円

損害賠償請求

約20~30万円

慰謝料の16%

約3万円

ネット誹謗中傷を弁護士に相談する際の流れ

ネット誹謗中傷について弁護士に相談する際、以下の流れで手続きが進められます。また、必ずしも対応を依頼する必要はなく、法律相談のみを行うことも可能です。

 

  • 依頼内容に関する情報を準備する(誹謗中傷しているページのURLやプリントアウトした用紙など)
  • 電話・メールで弁護士との面談を予約する(予約時は、会社名・担当者氏名・対象サイトなどの情報が必要な場合もある)
  • 弁護士と面談したのち、対応を依頼する場合は契約を締結する
  • 弁護士による業務遂行

ネット誹謗中傷を弁護士に相談する際の選び方

「弁護士であればどこでも良い」というわけではありません。事務所ごとに特徴は異なるため、ケースごとに適切な事務所を選択する必要があります。

ここでは、ネット誹謗中傷について弁護士に相談する際の、事務所の選び方を解説します。

風評被害問題の解決に注力している

「相続問題の解決に注力している弁護士」や「離婚問題の解決に注力している弁護士」など、事務所によって注力している分野は異なります。

 

特に、投稿者やサイト管理者との投稿削除に関する交渉を行う際、風評被害問題の解決に注力している弁護士に相談することで、スムーズな交渉の進行が期待できるでしょう。

インターネットに関する知識が豊富

ネット誹謗中傷に関するトラブルを解決するには、ある程度のインターネット知識が必要です。特に投稿者の特定を行うような場合は、インターネット知識が豊富な弁護士に相談することで、スムーズな手続きの進行が望めます。

 

また、サイトのサーバーが海外にある場合は、海外の法律知識が必要になることもありますが、ネット知識の豊富な弁護士であれば対応が可能です。まずは、相談時にサイトを削除できるかお尋ねください。

権利侵害に関する問題解決実績が豊富

ネット誹謗中傷に関するトラブルを解決するには、「具体的にどの部分がどの権利を侵害しているか」について明らかにする必要がありますが、なかには判断が難しい場合もあります。

 

そのようなケースでは、権利侵害に関する問題解決実績が豊富な弁護士に相談することで、有効なアドバイスが期待できます。

まとめ

企業に対するネット誹謗中傷が行われた場合は、削除請求・発信者情報開示請求・損害賠償請求などの対応を取る必要があります。

 

ネット誹謗中傷については自力で対応することも可能ですが、弁護士に相談することで、各対応にかかる交渉や裁判手続きなどの代理を任せることができます。また、「投稿内容のどの部分がどの権利を侵害しているか」に関する法的視点からのサポートをしてくれるため、スムーズな問題解決が期待できます。

 

ただし、事務所によって注力分野や問題解決実績は異なるため、風評被害問題の解決に注力しており、インターネット知識や権利侵害問題の解決実績が豊富な事務所を選択する必要があります。なお、その際は、事務所HPなどを参考にすると良いでしょう。

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