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始業・終業時刻の前後10分も実労働時間!法律からみる2つのポイント

2019.3.22
2019年2月1日に未払い賃金の疑いで㈱マルミと同社の代表取締役を書類送検する事件が発生しました。今回の事件について企業法務に詳しい弁護士に法的な観点から「何が問題となるのか」についてコメントをいただきました。
執筆弁護士
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諏訪坂法律事務所
弁護士 黒井新
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岐阜・大垣労働基準監督署は労働者1人に1カ月の賃金のうち約1万7000円を支払わなかったとして、㈱マルミ(岐阜県養老郡)と同社の代表取締役を労働基準法第24条(賃金の支払い)違反の疑いで岐阜地検大垣支部に書類送検した。

同社は、はちみつの製造販売を営んでいる。代表取締役は平成30年7月21日~8月20日までの1カ月分の賃金のうち、1万7305円を所定支払日に支払わなかった。同社はタイムカードにより労働時間管理をしていたが、始業・終業時刻の前後10分間については、労働時間としてカウントせず、賃金を支払わない取扱いをしていたという。


違反は労働者の告訴により発覚した。代表取締役は容疑について否認しているという。【平成31年2月1日送検】

(引用:1万7000円の賃金不払いで送検 始業・終業前後の10分を労働時間とせず 大垣労基署|労働新聞社)

2019年2月1日に未払い賃金の疑いで㈱マルミと同社の代表取締役を書類送検する事件が発生しました。今回の事件について、諏訪坂法律事務所黒井 新弁護士に法的な観点からコメントをいただきました。

法律の観点からみる2つのポイント

今回の事件は、特に2つのことがポイントになります。

  1. 賃金支払い5原則
  2. 実労働時間

賃金支払い5原則

労働基準法24条では、賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならないと定められています。これが賃金支払いの5原則です。

今回の事例では、そもそも賃金の不払いが生じたというケースですが、現物給与や代理人への支払いが禁止されること、例えば会社から購入した商品代金を控除することなども禁止されていることは念頭に置いておく必要があります。

実労働時間

労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間を「実労働時間」といいます。この労働時間には、例えば始業時刻前の点呼の時間や作業着着用のための準備時間も原則として含まれるとされています。

今回の事例では、実際には実労働時間に該当するにも関わらず全く賃金を支払わなかったものですが、労働時間についての認識を誤っているとこのような事態を招きかねません。

まとめ

今回の事例は、賃金の不払いにより刑事手続きにまでなってしまったというやや特殊な例ですが、実労働時間についての認識が誤っていると、意図しない違法状態を放置するという事態を招きかねません。

労働法は思っている以上に複雑になっている部分もありますし、様々な解釈が加えられている部分もありますから、日ごろから弁護士や社労士など専門家に相談しておくことが重要です。

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執筆者
東京商工会議所中央支部にて相談担当歴があり、契約書作成、リーガルチェックのほか労務管理、労働紛争への対応等を行っています。株主総会対策など会社運営についてのご相談にも応じます。
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編集部

本記事は企業法務弁護士ナビを運営する株式会社アシロ編集部が企画・執筆いたしました。

※企業法務弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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