事業再生を弁護士に依頼するメリットと費用を解説

専門家監修記事
売り上げが急激に減少している、毎月の資金繰りが難しい、倒産だけはなんとか回避したい…。こんなときは、事業再生が可能かどうかを判断することが非常に重要です。この記事では、事業再生を弁護士に依頼するメリットと、その費用についてご紹介します。
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
事業再生・破産・清算
  • 売り上げが急激に減少している
  • 毎月の資金繰りが難しい
  • 倒産だけはなんとか回避したい など

このような事でお悩み場合、まず事業再生が可能かどうかを判断することが非常に重要になります。再生しても、資金が回せなければ、最終的に倒産するしかないからです。

しかし、焦っている状況で冷静な判断を下すのは難しいでしょう。そのような場合は、第三者である弁護士に客観的に判断してもらうことをおすすめします。弁護士への依頼では、事業再生できるかの判断だけではなく、その他手続きを依頼することが可能です。

この記事では、企業における事業再生を弁護士に依頼するメリットと、その費用についてご紹介します。また、自社の事業再生が可能なのか、事業再生に特化した弁護士事務所の選び方なども解説します。  

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会社の事業再生とは?

本記事内では裁判所の倒産手続きを経ることなく企業の財務状況を立て直す処理の意味で『事業再生』という言葉を使用しています。

例えば、採算部門と不採算部門を明確にし、採算部門に資金を注入し、不採算部門については撤退するなどの処理が考えられます。

事業再生が可能な場合とは

事業再生に着手する前に以下のような事項は考慮すべきです。

  1. 資金繰りの上で支払猶予等を求めるべき負債があるかどうか
  2. 持続可能な収益事業が存在するかどうか
  3. 不採算部門の処理が可能かどうか

結局、資金が回らない会社の場合、事業再生に着手しても資金繰りは改善しない可能性があります。

そのため、事業再生をするにあたっては上記観点から資金が回るかどうかが重要なポイントとなります。

事業再生を弁護士に依頼する背景について

事業再生を弁護士に依頼する背景についてですが、これが大企業と中小企業では大きく異なります。

大企業の場合は事業の中に採算部門と不採算部門が混在している場合が多く資金注入先の選択と集中が可能な場合が多いと言えるかもしれません。

他方、中小企業では単一の事業しか存在しないということもあり、このような選択と集中が困難ということもあり得ます。

なお、オーナー社長経営の中小企業の場合、経営者の高齢化の問題もあり、そもそも持続可能なのかという問題も別途あります。  

事業再生を弁護士に依頼するメリット

ここでは、弁護士に事業再生を依頼するメリットをご紹介します。

経験豊富な実績から現状分析

弁護士へ事業再生を依頼することのメリットとして、事業再生の経験豊富な実績から自社の現状を分析してもらえることが挙げられます。

そのなかで、資金面だけでなく、本当に再生可能かどうかを資金・清算・法的整理・私的整理の観点から判断していきます。

法的整理において、再建型の民事再生・会社更生・特定調停などがふさわしいのか、それとも裁判所の関与なしに再生を行う私的再生がふさわしいのかを事業再生の専門家の立場から分析してくれます。

法的整理か私的整理か?プロの目線から判断

裁判所のもとで行われる『法的整理』。すべての債権者に対して公正なのが最大のメリットです。

再生案に反対する一部の債権者がいたとしても、賛成多数で再生案が可決されれば、再生計画に従った債務の圧縮等が可能です。

他方、私的整理の場合は裁判所の法的手続きによらないため、“経営破綻”のイメージが付くのを回避できるというメリットがあります。

事業再生を行うにあたり、弁護士に相談することで企業の経営状況に応じて法的整理か私的整理か最適な道を提案してくれるでしょう。

経営戦略と事業戦略の見直しを図れる

会社が倒産寸前の事態に陥ったのには、これまでの経営戦略と事業戦略が甘かったという背景があります。

そのような場合には、事業再生の実績豊富な弁護士による詳細な事業計画の見直しによって、今後自社で必要となる事業や経営戦略を明確にすることが可能です。

それらをもとに、今後の経営戦略の計画を立てていきましょう。  

事業再生が得意な弁護士・法律事務所の選び方

ここでは、事業再生が得意な弁護士や法律事務所の選び方について詳しくみていきます。

事業再生実績が豊富かどうか

どんなに事業再生をうたっている弁護士・法律事務所でも事業再生の経験の程度は話を聞いてみなければわかりません。また、自社と同じ業界での実務経験があるかも重要な判断要素です。

簡単に実績のある弁護士を探したいのであれば、【企業法務弁護士ナビ】の利用をおすすめします。企業法務弁護士ナビでは、掲載に一定の基準を設けている上に、地域・相談内容・業種を掛け合わせて検索することができます。

他の専門家とのネットワークを持っているか

事業再生の手続きには場合によって税務や会計の観点からの検討が必要となります。そのような時に、弁護士だけのネットワークではなく税理士や会計士などとネットワークを持つ弁護士、法律事務所の方が、事業経営者の幅広いニーズに対応することが可能と思われます。  

事業再生を弁護士に依頼する場合の費用

弁護士費用は事務所により異なりますが、一般的な目安として以下のような費用になります。また、事業再生には弁護士費用の他に裁判所に納める予納金も発生しますのでご注意ください。

相談料

相談料は、法律相談時に発生する費用です。一般的に30分5,000円~1万円が相場になります。事務所により無料相談を受け付けている事務所もあります。

着手金・成功報酬金

着手金や成功報酬は基本的に負債総額によって変動します。

負債総額

着手金目安

5,000万円未満

240万円

5,000万円〜1億円未満

360万円

1〜5億円未満

480万円

5〜10億円未満

600万円

10〜50億円未満

720万円

成功報酬は、着手金の2倍が一般的な相場となります。事務所により、費用は変動しますのであくまでの目安です。支払い方法も経済状況によって分割支払いができることもありますので、資金に不安がある方は、支払い方法などを弁護士に直接相談してみましょう。 

まとめ

事業再生は、再生手続き後の支払い(給料、その他設備費など)を現金で取引しなければならないので、多くのお金が必要になります。スポンサーが見つからない、資金繰りが難しいとなった場合は、M&Aなど事業再生以外の方法も検討しなければなりません。

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