
「商標権に関するトラブルに巻き込まれてしまったものの、どのように対処すべきかわからない」とお悩みではないでしょうか。
商標権の問題は、企業のブランド価値や事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があり、迅速かつ適切な対応が求められます。
そのため、専門的な知識を有する弁護士へ相談すべきです。
本記事では、商標権問題について相談する弁護士の選び方や、相談時の注意点をわかりやすく紹介します。
弁護士に依頼するメリットや、効果的なサポートを受けるためのポイントについても解説しているので、商標権トラブルの解決に役立ててください。
商標権手続き・トラブルを相談する弁護士を探すなら「企業法務弁護士ナビ」で
「企業法務弁護士ナビ」は、商標権をはじめとする知的財産権分野を得意とする弁護士を簡単に探せる便利なサービスです。
身近に相談できる弁護士がいない場合は、企業法務弁護士ナビを活用するのがおすすめです。
ここでは、企業法務弁護士ナビの特徴や商標権について弁護士に相談するメリットを見ていきましょう。
商標権を含む知的財産の対応に強い弁護士を探せる
「企業法務弁護士ナビ」では、商標の登録手続きや異議申立て、侵害訴訟の経験など、具体的な商標権トラブルの内容から弁護士を探すことができます。
各トラブルに関する弁護士の実績も具体的に掲載されているので、企業のニーズに応じた弁護士を見つけやすいでしょう。
商標権に関する問題といっても、登録手続きや異議申立て、侵害訴訟など、具体的な相談内容は多岐にわたります。
たとえば、商標登録をしたい場合には、商標が他社と競合していないかを確認するために調査が必要です。
もし既に類似の商標が登録されている場合、その商標を使うことはできないため、登録前にしっかりと確認し、戦略的に商標を選定しなければなりません。
また、商標権の侵害が発覚した場合は、迅速に法的措置を講じることが求められます。
このように、商標権に関する問題にはさまざまなものがあるので、それぞれの問題に応じた適切な対処が必要です。
とはいえ、問題ごとに適切な弁護士を自力で探すのは簡単ではありません。
ぜひ企業法務弁護士ナビを活用して、自社の課題解決に適した弁護士を探してみてください。
商標権に詳しい弁護士に相談するメリット
弁護士の中でも、とくに商標権に詳しい弁護士に相談することで、企業にとって次のようなメリットがあります。
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弁護士に相談することで、商標権を侵害しているかどうか、侵害してしまった場合にどう対処すればよいかなどに関する助言を受けられます。
また、商標権に関して詳しい弁護士であれば、さまざまなトラブルについても迅速かつ適切に対応してくれるはずです。
商標権の問題は、長引かせると会社への影響も大きくなってしまうので、できるだけ早めに弁護士へ相談しましょう。
商標権についてよくある弁護士への相談内容
商標権に関する相談内容として多いのは、主に以下の5つです。
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以下、それぞれ解説します。
商標登録の出願手続き
商標登録をせずにビジネスを進めると、他社に先に商標権を取得されてしまい、自社でのビジネスが商標権侵害に該当するリスクが高まります。
とくに、商品やサービスが軌道に乗った段階で商標登録をおこなうことが重要になります。
弁護士は、相談者のビジネス戦略にもとづき、最適な商標の選定や登録区分についてアドバイスを提供します。
また、商標の新規登録可能性の調査、出願手続きの代行サービスなども対応してくれる場合もあります。
商標登録審査の拒絶
商標登録審査を拒絶されてしまったという相談も多く見られます。
商標登録の手続き中に、特許庁から拒絶理由通知が送られることがあります。
通知を放置しておくと商標が登録されないため、迅速に対応しなければなりません。
拒絶理由通知に対しては、特許庁が示した理由をしっかりと確認し、適切な意見書を提出することで反論することが可能です。
必要に応じて内容を補正することで、商標登録が認められるケースも多くあります。
また、自社の商標が拒絶査定を受けた場合、不服審判を請求して商標登録を求めることができます。
ただし、不服審判の請求は、拒絶査定通知を受け取ってから3ヵ月以内におこなう必要があり、期限を過ぎると申し立てができなくなります。
さらに、不服審判では適切な主張をおこなわないと商標登録が認められないため、主張内容を慎重に検討することが大切です。
弁護士であれば、拒絶理由通知への対応や、不服審判の手続きの代行をおこなってくれます。
商標権侵害をされた
商標権に関するトラブルとしては「商標権を侵害された」というものも非常に多い傾向にあります。
商標は、企業のアイデンティティを守る重要な資産なので、自社の商標が無断で他社に使用されている場合、商標使用の停止請求や損害賠償請求をすることが重要です。
商標権侵害の警告を受けた
反対に、商標権侵害の警告を受けたことに対する相談も多く見られます。
商標権侵害で警告を受けた場合、まず実際に商標権の侵害が成立するかどうかを慎重に検討することが重要です。
勝手な判断で警告を放置してしまうと、訴訟に発展し、損害賠償額が大きく膨らむリスクがあります。
実際に、他社から商標権侵害の指摘を受け、内容証明郵便で警告を受けたケースや、売上の開示を求められ、損害賠償請求をされる事例も存在します。
商標や契約書のリーガルチェック
企業の商品名やサービス名、ロゴマークを決める際には、他社の商標権を侵害していないか事前にリーガルチェックが必要です。
自社にリーガルチェックをおこなえる人がいない場合は、弁護士に依頼するケースも多いでしょう。
商標権を侵害していることがあとから判明すると、名称やマークの変更を余儀なくされ、ブランディングに大きな影響を与える可能性があります。
パッケージ変更などに多額の費用が発生するリスクもあるでしょう。
また、商標権の使用許諾に関する契約では、使用権の種類や許諾範囲、契約終了時の措置をしっかりと定めておかないと、契約相手とのトラブルが生じるリスクがあります。
弁護士であれば、商標に関する契約書の作成やリーガルチェック、商標権侵害の有無をしっかりと確認可能です。
商標権について相談・依頼する弁護士の選び方
商標権に関する手続きやトラブルを弁護士に相談する際には、信頼できる弁護士を選ぶことが重要です。
ここでは、弁護士を選ぶ際の主なポイントを解説します。
商標権手続きやトラブルの対応に注力しているか
弁護士はそれぞれ注力している分野が異なるので、弁護士であれば誰に相談してもOKというわけではありません。
企業法務の中でも、とくに商標権手続きやトラブルの対応に注力している弁護士に相談するようにしましょう。
なお、知的財産権法は、特許法や商標法などに細分化されています。
知的財産権法を得意とすると謳っている弁護士であっても、とくに商標権に関する過去実績が豊富かどうかを確認してください。
対応が丁寧で相性が良いか
商標権のトラブルを解決に導くためには、弁護士が依頼者に丁寧にヒアリングし、状況を正確に把握することが不可欠です。
弁護士によってヒアリングの対応に差があるのは事実で、必要最低限の確認だけで済ませる弁護士もいます。
ヒアリングが疎かになると、あとになって想定外の事実が判明し、解決までに時間がかかってしまうおそれがあるでしょう。
そのため、ヒアリングなどを丁寧におこなってくれる弁護士を選ぶことが大切です。
また、事案が解決するまでは、長期間にわたって弁護士と連絡をとることになります。
弁護士と話しやすいかや信頼できるか、コミュニケーションがスムーズであるかなども確認しておきましょう。
レスポンスが早いか
対応が進む中で、弁護士に質問をしたい場面が何度も出てきます。
依頼者にとって、疑問や不安を迅速に解消してくれる弁護士は頼りがいがあり、心強いでしょう。
しかし、質問に対するレスポンスの速さは弁護士によって大きく異なるので注意が必要です。
数分から数時間以内に返信をくれる弁護士もいれば、数日間全く音沙汰がない弁護士もいます。
もちろん、質問への回答には時間が必要ですし、弁護士が出張や法廷で忙しい場合もあるため、常にすぐ返答があるわけではありません。
しかし、その場合でも「〇〇までに返信します」という連絡や、目安となる返信時期を示してくれる弁護士であれば、依頼者としても安心できるでしょう。
弁護士を選ぶ際には、レスポンスの速さにも着目し、迅速に対応してくれる弁護士を選ぶことが大切です。
弁護士費用が合理的か
依頼する法律事務所や弁護士によって、発生する費用は異なります。
費用は安いに越したことはありませんが、安易に料金が安い事務所を選んでしまうと、思っていたサービスを受けられない可能性があります。
依頼前に見積もりを発行してもらい、提示された弁護士費用が適正かつ合理的であるか確認しましょう。
なお、近年は初回の法律相談料を無料とする事務所も増えています。
時間が許すのであれば、複数の弁護士事務所で無料相談を受け、料金や対応の質を比較することもおすすめです。
商標権侵害について弁護士が取りうる対応
商標権侵害のトラブルに直面した際、弁護士は法的な専門知識を駆使して適切に対応することができます。
ここでは、商標権侵害が疑われる場合や実際に侵害してしまった場合に、弁護士がどのような対応をしてくれるのか詳しく解説します。
商標権侵害が成立するかの判断
まず、弁護士は本当に商標権侵害が成立するかどうかを確認してくれます。
前提として、商標権侵害は以下3つの要件を満たしていなければ成立しません。
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弁護士は、該当行為が要件を満たし、商標権侵害といえるかどうかについて判断します。
商標権侵害をされた場合に期待できる対応
商標権侵害を受けた場合、弁護士は被害者の権利を守るためにさまざまな法的措置を取ることが可能です。
具体的な対応策は、以下のとおりです。
差止請求
差止請求とは、商標権を侵害する行為を停止するよう、相手方に正式に求める手続きのことを指します。
商標権侵害が発生した場合は、以下の3つの差止請求が可能です。
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弁護士は、具体的な状況に応じて、相手方に適切な請求をすることができます。
損害賠償請求額の適切な算出と損害賠償請求
他社に商標権を侵害された場合、相手方に損害賠償を請求することができます。
損害賠償請求をするにあたっては、通常の場合は請求者側で相手方の故意または過失を立証する必要があります。
しかし、商標法では「過失の推定規定」(商標法第39条、特許法第103条)があり、侵害者に過失があったものと推定されるため、原則として故意や過失の立証は不要です。
なお、弁護士であれば損害賠償に関する一切の手続きを任せることができます。
警告書の送付
相手方の行為が商標権侵害に該当する可能性が高い場合、弁護士は相手方に対して警告書を送付します。
警告書は、侵害行為の停止を求める文書で、内容証明郵便で送るのが一般的です。
損害賠償請求を予定していても、警告書に具体的な請求額を記載することは少なく、まず販売数量や価格などの、損害額算定に必要な情報の提供を求めます。
相手方が情報提供に応じ、適正な損害賠償額を支払えば、その時点で解決に至ることもあります。
信用回復請求
商標権者の業務上の信用を損なう行為をおこなった相手に対しては、商標権者の請求に基づき、裁判所が信用回復のための適切な措置を命じることできます。
たとえば、他者が自社の商標を無断で使用し、粗悪品が市場に流通してしまったときには、消費者の信頼が失われることとなります。
この場合、商標権者は、信用回復を目的として、謝罪広告を日刊新聞などの公的メディアに掲載するよう求めることが可能です。
刑事告訴
商標権侵害が故意におこなわれた場合、刑事責任を追及することもできます。
商標権を侵害した者は、10年以下の懲役刑または1,000万円以下の罰金刑を科される可能性があります。
また、懲役刑と罰金刑を併科することも可能です。
なお、商標権侵害に関する刑罰はいわゆる「両罰規定」として定められており、法人が業務の一環として商標権侵害をおこなった場合、実行行為者に対する処罰に加えて、その法人自体にも罰金が科されることになります。
ただし、商標権侵害が大規模で悪質でない限り、捜査機関が独自に捜査をおこなうことはまれです。
よって、刑事責任を追及するためには、商標権者による告訴が必要になることが多いでしょう。
商標権侵害をしてしまった場合に期待できる対応
自社が商標権侵害をしてしまった場合、状況を改善するために、商標権者からの法的措置や要求に対して適切な対応策を講じることが求められます。
ここでは、商標権侵害をしてしまった場合に弁護士ができる対処を紹介します。
本当に商標権侵害に該当するかの調査
商標権侵害の警告書が届いた場合でも、まずは本当に商標権侵害に該当しているかを確認しなければなりません。
弁護士であれば、法律に基づいて商標権侵害が成立しているかを確認してくれるはずです。
そのため、警告書が届いたからといって商品の販売を中止したり、パッケージやチラシを破棄したり、謝罪の書面を送ったりするのは避けましょう。
「相手の商標が自社の標章と似ている」からといって必ずしも侵害とは限りません。
相手の商標と自社の商品が類似していない可能性や、相手の商標が使用されていない場合も考えられます。
必要に応じて相手方へ反論
商標権侵害が成立しなさそうな場合には、商標権侵害に該当しない理由を明確にしたうえで相手方に回答書を送るなど、相手方へ反論する方法も考えられます。
回答書の送付後、相手が納得すれば問題が解決することもありますが、納得しない場合、再度通知が来たり、最終的には訴訟に発展する可能性もあります。
相手の態度や自社の優先事項を考慮しながら、都度弁護士に相談しつつ、慎重に対応を検討することが重要です。
法的措置を講じることも
相手方とのやり取りや交渉で解決できない場合には、弁護士を通じて法的措置をとることを検討します。
商標権侵害に対する反論や防御策として、以下のような主張が可能です。
反論・抗弁の手法 | 内容 |
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登録無効審判請求(商標法第46条) | そもそも商標登録の要件を欠いており、登録を認めるべきでなかったとして、登録の無効を申し立てる |
不使用取消審判請求(商標法第50条) | 3年以上登録された商標を使用していないとして、商標登録の取消を申し立てる |
不正使用取消審判請求(商標法第51条) | 商標権者自身が故意に消費者の誤認を招く行為などをしたとして、商標登録の取消を申し立てる |
先使用の抗弁(商標法第32条) | 登録出願よりも先に、商標を使用し、周知されていたとして反論する |
継続使用の抗弁(平成26年改正附則第5条など) | 法改正で新たな登録が認められるよりも前から、商標を使用していたとして反論する |
商標無効の抗弁(商標法第39条、特許法第104条の3) | そもそも登録無効審判で無効とされるべきにもかかわらず登録されたとして反論する |
権利濫用の抗弁(民法第1条第3項) | 不正な目的で商標登録されていたとして反論する |
商標登録の代行は弁護士に依頼できる
弁護士には、商標権登録の代行を依頼することもできます。
商品の商標登録手続きには専門知識が必要で、自力で進めるには難しいので専門家に依頼するようにしましょう。
商標登録の代行は、弁護士に依頼すべき理由
商標登録手続きの代行は、「弁護士」だけでなく「弁理士」にも依頼できます。
弁理士は知的財産権の専門家であり、商標登録に関する手続きに精通していることが多いです。
一方で、弁護士が必ずしも商標を専門にしているとは限りません。
ただし、商標に関するトラブルが裁判や訴訟に発展した場合、弁護士への依頼が不可欠です。
最初から弁護士に依頼しておくことで、登録手続きから訴訟まで同じ弁護士に一貫して対応してもらえることになるので安心です。
商標登録の代行に必要な弁護士費用の目安
弁護士に商標登録を依頼する場合の弁護士費用の目安は、以下のとおりです。
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実際に発生する費用は、事務所の料金体系や案件の内容によって大きく異なるので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
さいごに|商標権について弁護士に相談するなら「企業法務弁護士ナビ」
商標権登録の出願手続きなどには、専門的な知識が求められます。
商標権全般については、商標登録やトラブル対応を得意とする弁護士に相談することで、適切な対応が可能です。
とくに、自社または相手方の商標権侵害が疑われるような場合には、訴訟や交渉を視野に入れた弁護士選びが重要になるでしょう。
「企業法務弁護士ナビ」では、商標権の分野を得意とする弁護士を簡単に探すことができます。
商標権に関する問題が生じたら、信頼できる弁護士に早めに相談して、スピーディーに対応を進めましょう。
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