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病院は、規模や専門分野にかかわらず、ひとつひとつの処置が患者の今後の生活に大きく影響を与えますし、なかには患者の家族や従業員との間でトラブルが発生することもあります。
トラブルが大事になれば、病院の社会的信用が落ちて廃業に追い込まれる可能性もあります。
できるだけトラブルのリスクを回避するためには、顧問弁護士を雇うのが効果的です。
顧問弁護士がいることで、患者や患者家族とのトラブルだけでなく、病院内の労働問題や各業者との取引契約まで幅広く対応してもらうことができます。
本記事では、顧問弁護士を検討している方のために、顧問弁護士を雇うメリット・弁護士費用・弁護士の選び方などを解説します。
冒頭でも解説したように、病院では患者・患者の家族・従業員との間でトラブルが起こるおそれがあり、なかには病院の評判が落ちたり経営に悪影響が生じたりすることもあります。
顧問弁護士なら、顧問料を支払う代わりに、法律相談やトラブル対策などの継続的なサポートが受けられます。
病院内の事情を把握して最適な対応策をアドバイスしてくれますし、日常的な業務だけでなく緊急時の問題解決も依頼できるなど、病院にかかる不利益を最小限に抑えるために尽力してくれます。
病院経営におけるトラブルのリスクを抑え、健全な経営を維持するためにも、顧問弁護士の存在が非常に重要なのです。
病院が顧問弁護士を雇うメリットは多数あります。
たとえば、労働問題から業者間の取引、患者や家族とのトラブル対応、病院内の体制改善、未払い医療費の回収など、顧問弁護士に依頼できることは本当に幅広いのです。
ここでは、特に知っておくべき5つのメリットについて解説します。
病院の顧問弁護士の役割のひとつとして、「未払い医療費の回収」があります。
高額な入院医療費や外国人の医療費などの未払い問題を解決するためには、医療問題が得意な顧問弁護士と相談することが大切です。
医療費の未払い問題の対策としては、まず病院内で対策マニュアルを作成するのが一般的です。
それでも未払い問題が解決しない場合は、顧問弁護士が内容証明郵便を送付するなどして、支払いを催促してもらうことが可能です。
病院での医療費未払い問題は、十分な対策を講じないまま時間が経過してしまうと、時効を迎えて回収できなくなる場合もあります。
医療費の未払いが起きてから弁護士を探すとなると、そのぶん回収対応が遅れてしまうため、事前に顧問弁護士をつけておくことをおすすめします。
たとえ病院スタッフが患者に適切な対応を取っていても、なかには患者から理不尽なクレームが寄せられる場合もあります。
いわゆる「ペイシェントハラスメント」というもので、主なクレームの内容としては以下があります。
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顧問弁護士がいない場合、病院スタッフだけで全てのクレームに対応しなければなりません。
もし対応を誤った場合には、病院側が不利な立場におかれて重大な問題に発展する可能性もあります。
顧問弁護士をつけることで、いわゆる「モンスター患者」に対しても法的視点から適切な対応を取ることが可能となります。
一般企業と同様に、従業員とのトラブル相談も顧問弁護士の役割のひとつです。
具体的な従業員とのトラブルとしては、主に以下のようなものがあります。
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特にパワーハラスメントやセクシャルハラスメントなどの問題については、内部調査をしっかりおこなわないと従業員が病院で働きにくくなるおそれがあります。
身近な従業員とのトラブルこそ、顧問弁護士をつけて迅速に対応してもらう必要があるのです。
病院での業務において従業員が重大なミスを犯してしまった場合、経営者としては従業員を処分・人事異動しなければならないこともあります。
当該従業員の処分や人事異動に関しては、ほかの従業員の目に触れない形で水面下にておこなう必要がありますが、顧問弁護士がいれば処分内容や実施時期などを慎重に判断してくれます。
さらに、病院での医師法違反や医療ミスにかかわる業務上過失致死などの刑事事件の対応・契約書のリーガルチェック・病院経営者の所有不動産に関する問題なども、幅広く対応してもらうことが可能です。
保険医療機関は、診療行為をおこなった際に費用の一部を患者から徴収し、残りは保険者に請求しています。
保険者に対する請求については審査がなされており、保険医療機関はルールに則った診療をおこなう必要があります。
ルールを遵守しているか否かについては厚生局や自治体によってチェックされ、なかには個別指導や監査の結果、保険医療機関の資格を取り消される場合もあります。
顧問弁護士をつけておくことで、個別指導や監査などの対応が必要となった場合にも迅速かつ適切なアドバイスが受けられます。
ここでは、病院における顧問弁護士の選び方について解説します。
「医療機関での顧問弁護士としての経験があるかどうか」は、特に重視すべきポイントのひとつです。
医療機関での顧問弁護士経験があるということは、「病院・クリニック・医療機関における顧問弁護士の役割」で解説したような病院内におけるさまざまな問題解決の実績があるということです。
一口に弁護士といっても持っている知識やノウハウはそれぞれ異なり、誰を選んでも同じというわけではありません。
実際に病院での法律相談などに関わったことのある弁護士を選びましょう。
弁護士自身の人柄や雰囲気がどうかという点も、顧問弁護士を選ぶうえでは重要です。
たとえサービス内容や費用面が良くても、「横柄な態度を取られた」「しっかり話を聞いてくれない」などの相談しにくい弁護士では、相談のたびにストレスを感じることになるため避けたほうがよいでしょう。
顧問弁護士とは長い付き合いになるため、「親身に相談に乗ってくれる」「わかりやすい回答をしてくれる」「相談しやすい」というような弁護士を選びましょう。
病院の場合、患者や従業員とのトラブルはどのタイミングで発生するのかわかりません。
医療費の未払い問題や患者からのクレームなど、いち早く対応しなければならない問題が発生することも多くあります。
つまり「トラブル時にすぐかけつけてくれるかどうか」も顧問弁護士を選ぶ際のポイントとなります。
19時以降の夜間や土日祝日でも迅速に対応してもらえるかどうか、時間外対応が可能かどうかなども確認しておきましょう。
現在ではインターネット掲示板やSNSなどで誹謗中傷を書き込まれる事案も多く発生しています。
ありもしない噂や内情をインターネット上に書き込まれてしまうと、病院の風評被害につながり、経営にも悪影響が生じる可能性があります。
病院の顧問弁護士を選ぶ際は、インターネット犯罪も得意としており、犯人特定の実績などがあるかどうかもポイントになります。
法律事務所によって、顧問契約プランの内容や料金設定は異なります。
たとえば、毎月の相談回数に制限が設けられているプランもあれば、回数無制限で緊急時にいつでも弁護士がメールや電話で対応してくれる高額なプランなどもあります。
弁護士を選ぶ際は、病院に合った最適なプランを提供している法律事務所を選びましょう。
ここでは、病院の顧問弁護士にかかる費用について解説します。
ただし、法律事務所によってもサービス内容や料金設定はさまざまであるため、あくまでも参考程度に留めてください。
病院における顧問弁護士費用ですが、月額5万円程度が一般的な相場です。
月額5万円程度のプランであれば、「相談時間の制限なし」「メールや電話にて迅速な対応」「土日や夜間でも緊急時の対応可能」などの充実したサポートが望めます。
顧問料を月額5万円程度に設定している法律事務所が多いのは、かつて日本弁護士連合会が(旧)日本弁護士連合会報酬等基準にて「事業者の顧問料は月額5万円以上」と定めていたからです。
なお、弁護士会の報酬基準は2004年に廃止されており、現在では自由に金額設定できます。
法律事務所の中には、顧問弁護士の月額料金を1万円〜2万円程度の低価格に設定しているところもあります。
しかし、顧問料金が安いと「顧問弁護士への相談は毎月2時間まで」「契約書のリーガルチェックは1通まで」「その他業務については正価2万円分まで」など、業務内容に制限が設けられているのが一般的です。
ライトユーザーであれば問題ないかもしれませんが、病院の規模が大きい場合や対応する業務範囲が広い場合などは対応しきれなくなります。
顧問弁護士を選ぶ際は、費用の安さだけでなく、弁護士がどこまで対応してくれるのかも見て選びましょう。
顧問弁護士と契約すると毎月一定額を支払うことになりますが、なかには追加料金が発生するケースもあります。
たとえば「病院の医療ミスに対して訴訟を受けた」というケースでは、顧問弁護士の通常の業務範囲を超えて、事実関係や因果関係の調査のほか、被害者との交渉や裁判などのさまざまな業務をおこなわなければなりません。
また、未払い診療費を回収する場合や労働問題が発生した場合なども、弁護士は追加で多くの業務に対応することになるため、別途追加料金が発生するのが一般的です。
「具体的にどのような場合に追加料金が発生するのか」「いくらかかるのか」などは法律事務所によっても異なるため、詳しくは直接事務所にご確認ください。
病院では、患者や家族からのクレームや従業員との労働トラブルのほか、外国人患者の増加にともなって医療費の未払い問題なども深刻化しています。
病院で起こるトラブルに迅速かつ適切に対応するためには、顧問弁護士のサポートが必要不可欠です。
これまでは「自分の病院は大きくないから…」などと考えて雇っていなかったとしても、非常事態が起きる前に一度じっくり検討することをおすすめします。
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初回相談料0円・電話相談可能などの法律事務所も多くあるので、顧問契約を検討している方は一度気軽にご相談ください。
編集部
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