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契約書のリーガルチェックとは、契約書を交わす際に法的リスクや不利益な条項などがないかチェックすることです。
リーガルチェックを怠ると契約の全部または一部が無効となったり、想定していたものと比較して不利な契約を締結していたことに後から気が付いたりして、トラブルに発展するおそれや、思わぬ不利益を受けるおそれがあります。
契約書のリーガルチェックには、法律知識や商取引などに関する理解が必要不可欠です。
弁護士なら契約書のリーガルチェックを代行してくれるので、もし社内での対応が難しい場合は弁護士に依頼することも検討しましょう。
本記事では、契約書のリーガルチェックが重要な理由やチェックする際の流れ、リーガルチェックで確認すべきポイントや弁護士に依頼するメリットなどを解説します。
冒頭でも触れたとおり、契約書のリーガルチェックとは「契約書の内容が法律に則っているか」「自社に不利な条項が記載されていないか」などを確認する作業のことです。
将来的なトラブルのリスクを低減し、ビジネスをスムーズに進めるためにもリーガルチェックは欠かせません。
場合によっては、契約書の内容が、取引相手と協議して合意した内容とは全く異なるものになってしまっていることもあります。
リーガルチェックの対象となる契約書の一例は以下のとおりで、基本的に事業活動で交わす契約書は全てチェックすることをおすすめします。
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契約書のリーガルチェックが重要な理由としては、主に以下のようなものがあります。
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ここでは、それぞれの理由について解説します。
基本的に契約内容は当事者間で自由に決定できますが、一定の制約もあります。
たとえば、当事者の意思に関係なく適用される「強行法規」という規定に反するような契約条項は無効となるほか、逆に業種によっては記載が必須の条項なども定められています。
例えば、消費者契約法第10条は、事業者が消費者との間で契約を交わす際、「消費者の利益を一方的に害する条項」を設けた場合、これは無効になると定めています。
また、例えば人材派遣業においては、派遣先・派遣元の間で取り交わす契約書に記載する必要がある項目が細かく定められており、これを欠くと、行政指導や罰金等のペナルティを受ける可能性があります。
その他にも、民法上の意思表示の瑕疵(虚偽表示や錯誤)に該当すると、契約自体が無効になることもあり、大きなトラブルとなるおそれがあります。
各種の法令違反のリスクを回避するためにも、リーガルチェックをおこなって問題ないか確認するとともに、必須条項の抜け漏れがないかも確認しておくことが大切です。
取引相手との間では、たとえ現在の関係性が良好でも、ビジネスでは予期せぬ形で争いになることもよくあります。
そのため、相手方と契約を交わす際は、将来どのようなトラブルが起こり得るのか想定し、そのようなトラブルが発生しない仕組みを考え、あるいは想定される紛争が発生した時の解決方法を決めておくのが一般的です。
トラブル発生を予防し、または発生時の被害を最小限に留めるためにも、リーガルチェックをおこなって適切な処理が望める内容になっているか確認し、万が一のトラブルに備えておく必要があります。
契約書を作成する際は、どちらか一方が契約書のドラフトを作成し、お互いに話し合いを重ねて加筆修正をおこないながら、双方が合意できる内容に仕上げていくのが一般的です。
特に相手方が取引に慣れている場合、自社が不利になるように設計された条項が盛り込まれている可能性もあり、そのことに気付かずに契約を締結してしまうと大きな損害を被るおそれがあります。
確かに契約当事者間には交渉力に差があることが一般的で、交渉力が大きい方(いわゆるビジネスの上流、元請けや、業界においてシェアを獲得している大手企業)に対して契約条項の修正を求めても聞いてもらえない、ということはあり得ます。
しかし、最初から諦めてリーガルチェックを省略するようでは、将来に渡って従属的な立場が継続してしまいかねず、ビジネスとして責任ある態度とは言えません。
契約書自体の修正は困難でも、「覚書」や「特約」などで不利益を修正してもらうことは交渉次第では可能です。
お互いに対等な立場で契約締結するためにも、リーガルチェックをおこなって不合理な条項がないか確認し、問題のある部分については簡単に妥協することなく交渉・修正することが大切です。
契約書の文言を作成する際の注意点として、あいまいな表現は将来的な紛争の火種となります。
誰が読んでも、同じ意味に正しく理解できるような内容にしておかなければ、当事者間の認識にずれが生じたりして、のちのち「言った言わない」のトラブルに発展するおそれがあります。
これでは契約書を交わした意味がありません。
余計な争いを避けて円滑にビジネスを進めるためにも、リーガルチェックをおこなって「具体的かつ明確な文言が用いられているか」「複数の解釈の余地がないか」なども確認しておく必要があります。
契約書のリーガルチェックの方法としては「社内の法務担当者がおこなう場合」と「弁護士に依頼する場合」の2つのパターンに大きく分けられます。
ここでは、それぞれのリーガルチェックの流れについて解説します。
社内で契約書のリーガルチェックをおこなう場合、基本的に以下のような流れで進めます。
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以下では各手続きについて解説します。
はじめに、取引・契約を担当する営業部門や製造部門(まとめて「事業部門」)が、法務部門に対してリーガルチェックを依頼します。
なお、業務の遅延や抜け漏れを防止するためにも、リーガルチェックの対応窓口はひとつに集約しておくことをおすすめします。
依頼を受けた法務部門の担当者は、契約書を確認して担当部署へのヒアリングなどもおこないながら全体像を把握し、取引の中心となる条件を特定します。
契約書のリーガルチェックでは「法令に違反する条項はないか」「自社にとって明らかに不利な条項がないか」「リスクになり得る条項がないか」などの視点からチェックします。
また、トラブルが発生しないようにするための条項や、トラブルが発生した時にそれを解決するための条項などがなければ、その追加が必要ということになります。
過去に類似の契約書を交わしている場合は、今回の契約書と比べて内容が変わっている箇所がないかチェックします。
具体的なチェック項目については「契約書のリーガルチェック時に確認すべきポイント」で後述します。
リーガルチェックによって問題点が見つかった場合は、具体的な修正案や修正理由をコメントとして記載します。
リーガルチェック終了後は、法務部門から担当の部署(事業部門)に対してフィードバックをおこないます。
フィードバックでは「どのような点が問題なのか」「どのような修正が必要なのか」などを担当者に正確に理解してもらうことが大切です。
このタイミングで、担当者が契約内容を正確に理解・把握することが極めて重要です。できるだけ難解な法律用語は使わず、法律知識がなくても理解できるように簡単な言葉で修正内容を補足説明しましょう。
相手方と何度かやり取りをおこなって契約書の内容が固まったら、最終版を作成します。
最後に修正内容が反映されているか確認したのち、問題がなければ双方が署名捺印・記名押印または電子署名をして契約締結となります。
締結した契約書は適切な方法で保管しておく必要があり、多くの契約書では10年間の保管が義務付けられています。
弁護士に契約書のリーガルチェックを依頼する場合、基本的に以下のような流れで進めます。
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以下では各手続きについて解説します。
はじめに、社内で準備した契約書や相手方から渡された契約書を用意しましょう。
リーガルチェックを適切に進めてもらうためには、弁護士に自社の事業状況や契約情報なども伝えて正確に現状を把握してもらうことが大切です。
契約書案にあわせて、以下のような情報もまとめておきましょう。
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契約書案などの準備ができたら、弁護士に提出してリーガルチェックを依頼します。
弁護士への提出方法としては、手渡しだけでなく電子メールやFAX、LINEなどのチャットアプリでも可能です。
なお、予算・納期スケジュール・チェック事項などに関する疑問や要望がある場合は、提出時にあわせて伝えるのが一般的です。
複雑な契約や特殊な取引の場合には、面談や電話などで担当者から弁護士に説明することも重要です。
依頼手続きが済んだら、弁護士によるリーガルチェックがおこなわれます。
「社内でリーガルチェックをおこなう場合」と同様に、契約書の内容に問題がないかチェックされ、問題点が見つかった場合は修正コメントなどが記載されます。
リーガルチェック終了後は、法務部門の担当者に対してフィードバックをおこないます。
法務部門の担当者が確認して問題なければ、取引・契約を担当する営業部門や製造部門などに契約書ファイルを回して修正対応をおこないます。
もし弁護士のフィードバック内容が難しい場合は、法務部門の担当者が弁護士に質問したり補足説明を加えたりして、円滑に修正対応が進むようにサポートしましょう。
「社内でリーガルチェックをおこなう場合」と同様に、相手方と何度かやり取りをおこなって契約書の内容が固まったら最終版を作成します。
最後に改めて弁護士に最終版を確認してもらい、問題がなければ双方が署名捺印・記名押印または電子署名をして契約締結となります。
リーガルチェックをおこなう際に確認すべきポイントとしては「契約書の条項」と「契約書の作成形式」の2つに大きく分けられます。
まず、契約書の条項については以下のような点を確認しましょう。
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次に、契約書の作成形式については以下のような点を確認しましょう。
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ここでは、契約書のリーガルチェックを弁護士に依頼するメリットを解説します。
弁護士に契約書のリーガルチェックを依頼することで、お互いの合意内容や権利義務の発生状況などについて明確にすることができます。
契約書の文中に不明確な表現があると、いざという場面で責任の所在がはっきりせず、トラブルがこじれて大きな不利益が生じたりするおそれがあります。
弁護士なら、契約書の不明確な項目を法的視点からチェックしてくれるため、権利義務に関する認識の食い違いなどを防止でき、安心して取引を進めることができます。
契約書を取り交わす際は、最新の法令や裁判例に関する知識・理解が必要です。
法律の専門家である弁護士なら、これまで培ってきた知識や経験を活かして契約書の不備や見落としのチェックや、自社にとってリスクになり得そうな条項なども確認してくれて、トラブルの未然防止が望めます。
もしトラブルが発生したとしても、リーガルチェックを通した適正な契約書があれば、トラブル解決に際して重要な指針して働くため、スムーズな問題解決が期待できます。
書面で契約を結ぶ際は「どのような表現・言い回しを使用するか」というのも重要です。
場合によっては、文言が少し異なるだけでも企業利益に大きく作用する可能性があるため注意が必要です。
弁護士に契約書対応を依頼すれば、細かい表現や言い回しなどにも注意しつつ、自社が不利な立場にならないような契約書を作成することができます。
リーガルチェックでかかる弁護士費用は、「定型的な契約書の場合」と「非定型的な契約書の場合」でそれぞれ金額が異なるのが一般的です。
ここでは、契約書のタイプごとの弁護士費用の相場を解説します。
ただし、弁護士費用は法律事務所によってもバラつきがあるため、あくまでも以下の金額は参考程度に留めておきましょう。
契約内容がシンプルで定型的な契約書の場合、弁護士費用は3万円~5万円程度かかるのが一般的です。
なお、多少工夫を要する程度の契約書の場合は若干高額になり、5万円~10万円程度かかる可能性があります。
契約内容が複雑で非定型的な契約書の場合、弁護士費用は10万円~20万円程度かかるのが一般的です。
契約書雛形があっても、大幅に修正する場合などは、こちらに当たります。なお、弁護士への依頼方法としては、単発で依頼する方法のほかにも「顧問契約を結んでリーガルチェックしてもらう」という方法もあります。
契約プランによっても異なりますが、顧問契約を結べば顧問料の範囲内であれば、毎月一定数のリーガルチェックを依頼することができます。
月額顧問料については3万円~5万円程度に設定しているところが多く、詳しく知りたい方は直接事務所にご確認ください。
ここでは、契約書のリーガルチェックに関するよくある質問について解説します。
契約書のリーガルチェックを依頼する際は、基本的に弁護士がおすすめです。
弁護士は、経験上、どのような契約書にトラブル発生のリスクが高いかを理解しているため、リーガルチェックの精度が高く、法令や裁判例の知識も豊富なため、新規の契約や大規模な契約を交わす場合でも適切な契約書作成が期待できます。
一方で、「精度よりもコストを重視したい」という場合は、社内の法務担当者に依頼するのも有効ですが、例えば取引額や取引の性質上、リーガルチェックの漏れや不備により損害が拡大するリスクを考慮すると、弁護士に依頼したほうが安心です。
契約書のリーガルチェックでは「契約書の内容が法律に則っているか」「自社に不利な条項が記載されていないか」などを確認し、問題点を洗い出したり修正案を提示したりします。
適切にリーガルチェックをおこなうことで、将来的なトラブルのリスクを低減し、ビジネスをスムーズに進めることができます。
AIによるリーガルチェックの違法性については、2023年8月に法務省が見解を示しており、サービス提供者が弁護士法違反に問われるリスクはありますが、サービスの利用者が処罰される可能性はほとんどないと考えられます(AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第 72 条との関係について|法務省)。
ただし、AIのチェックは現時点で完璧とは言えないため、あくまでも補助的なツールとして利用する程度に留めて、最終的には弁護士のチェックが必要となります。
AIによるリーガルチェックの違法性については、以下の記事で詳しく解説しているのでご覧ください。
【関連記事】AIによる契約書チェックは違法か?最新の議論の動向やプロダクトの進化と弁護士による対応が必要なポイント
ビジネスの現場では、さまざまな契約が取り交わされます。
なかには、書面で交わさずに済ませる契約もあるようですが、万が一のためにも契約書を作成しておくべきでしょう。
その際はリーガルチェックを通すことで、より有効性の高い契約書を作成することができます。
弁護士なら適切にリーガルチェックを済ませてくれますし、契約締結後に紛争が生じてしまった場合も問題解決のためのアフターフォローも期待できるなど、心強い味方としてサポートしてくれます。
特に「少しでもトラブルになる可能性を減らしたい」と考えている場合は、弁護士に依頼することをおすすめします。
編集部
本記事は企業法務弁護士ナビを運営する株式会社アシロ編集部が企画・執筆いたしました。
※企業法務弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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