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デューデリジェンス(Due Diligence)とは、M&A・出資・その他の企業間取引などをおこなう際に、対象企業の価値やリスクを調査・査定する作業のことです。
一般的なM&Aはもちろん、特に数十億円を超えるような極めて大きな金額に及ぶM&Aでは失敗が許されません。
取引前に対象企業の内情について正確に把握しておくためにも、調査手続きは欠かせない重要なものです。
本記事では、M&Aでのデューデリジェンスの種類・手続きの流れ・かかる費用などを解説します。
M&Aや出資を検討している場合は、参考にしてみてください。
デューデリジェンスとは、検討している企業買収や出資などの企業間取引のリスクや、対象企業の価値などを確認するためにおこなう手続きのことです。
特にM&Aでは欠かせないプロセスであり、適切に済ませておかないと、M&A後に簿外債務や未払い残業代などの想定外の問題が発覚したりして損を被るおそれがあります。
デューデリジェンスを実施する中でどのような情報を得たのかによって、条件交渉の進め方や契約の締結なども大きく変わってきます。
デューデリジェンスの詳しいプロセスや依頼先の選定方法など、詳しくは以下の関連記事をご覧ください。
【関連記事】デューデリジェンスとは?M&Aを成功へ導くための基礎知識と実務ポイントを弁護士が解説
デューデリジェンスでは、M&Aなどの対象企業が未開示にしている情報はないか、対象企業の業務内容や資金調達に不正やその他の問題はないかなど、できるかぎりリスクを事前に洗い出します。
主な目的としては以下の3つがあります。
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デューデリジェンス自体は、自力でおこなっても問題ありません。
ただし、M&Aや出資などのような重要な取引の際には、トラブルなくスムーズに済ませるためにも弁護士などの専門家にデューデリジェンスを依頼するのが一般的です。
デューデリジェンスでは、取引の対象企業をさまざまな観点から調査・査定します。
デューデリジェンスとして代表的なものとしては、以下の6つがあります。
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ここでは、デューデリジェンスの主な種類や特徴などについて解説します。
事業デューデリジェンスとは、市場における対象企業のポジションや事業の将来性などを調査する手続きです。
なお、別名「ビジネスデューデリジェンス(ビジネスDD)」と呼ばれることもあります。
具体的には、主に以下のような内容の調査がおこなわれます。
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事業デューデリジェンスを依頼する際は、経営コンサルタントを選ぶのが一般的です。
実際の調査手続きでは、経営陣や営業担当などへのインタビュー・資料分析・競合調査などの手法を組み合わせておこなわれます。
【関連記事】ビジネスDD|企業法務弁護士ナビ
財務デューデリジェンスとは、対象会社の決算の財務諸表などから、業績の推移・収益性・資金繰り・資産状況などを調査する手続きです。
具体的には、主に以下のような内容の調査がおこなわれます。
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財務デューデリジェンスを依頼する際は、公認会計士や会計事務所を選ぶのが一般的です。
実際の調査手続きでは、対象会社の価値やM&A取引のリスクなどを把握するために重要な判断材料となる要素を調査します。
【関連記事】財務DD|企業法務弁護士ナビ
法務デューデリジェンスとは、法的トラブルのリスクや対象企業に関連する権利義務関係(第三者・従業員との契約関係や損害賠償請求を受けるリスクなどを含む)などを確認する手続きです。
具体的には、主に以下のような内容の調査がおこなわれます。
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法務デューデリジェンスを依頼する際は、弁護士を選ぶのが一般的です。
対象企業の中には、法令を無視した企業活動をおこなっていたり、大きな負担や義務を伴う契約を締結していたりする場合もあり、M&A後にトラブルに発展して思わぬ不利益が生じる可能性もあります。
したがって、特に法務デューデリジェンスにおいて念入りな調査が必要となります。
【関連記事】法務DD|企業法務弁護士ナビ
人事デューデリジェンスとは、人事制度の運用やマネジメントなどの状況を調査する手続きです。
具体的には、主に以下のような内容の調査がおこなわれます。
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人事デューデリジェンスを依頼する際は、人事コンサルタントや社会保険労務士を選ぶのが一般的です。
従業員は会社の資産であり、特に優秀な従業員が退職したりモチベーションが低下したりすることは大きなリスクとなります。
したがって、事前に対象会社の労働環境などを把握しておくことも必要不可欠です。
税務デューデリジェンスとは、対象企業が法人税や消費税といった処理を適切に済ませているかを確認し、納税処理の申告漏れや誤りの有無などを調査する手続きです。
具体的には、主に以下のような内容の調査がおこなわれます。
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税務デューデリジェンスを依頼する際は、税理士を選ぶのが一般的です。
のちのち納税の申告漏れや脱税などが発覚した場合は、追徴課税などが課される可能性もあります。
したがって、税務デューデリジェンスにおいて念入りな調査をおこなっておくことも大切です。
ITデューデリジェンスとは、経営に大きな影響がある情報システムの問題点や影響などを調査する手続きです。
具体的には、主に以下のような内容の調査がおこなわれます。
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ITデューデリジェンスを依頼する際は、ITコンサルタントや専門ベンダーを選ぶのが一般的です。
特にITがビジネスを直接支えているような業態の場合、ITデューデリジェンスが重要となることは言うまでもありません。
また「対象企業のシステムの仕様が古く、合併後に顧客データなどを統合するのに新しいシステム開発が必要」というような場合も、事前の備えが必要となります。
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デューデリジェンスを実施する場合、基本的な流れは以下のとおりです。
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ここでは、デューデリジェンスの進め方について解説します。
まずは、事前準備・スケジュール策定をおこないます。
買い手企業が調査目的や調査範囲などを決定し、弁護士・税理士・公認会計士などの各分野の専門家を集めてプロジェクトチームを作ります。
デューデリジェンスの依頼先は、以下のとおり種類によって異なります。
| 主なデューデリジェンスの種類 | 主な依頼先 |
| 事業デューデリジェンス(事業DD) | 経営コンサルタント |
| 財務デューデリジェンス(財務DD) | 公認会計士、会計事務所 |
| 法務デューデリジェンス(法務DD) | 弁護士 |
| 人事デューデリジェンス(人事DD) | 人事コンサルタント、社会保険労務士 |
| 税務デューデリジェンス(税務DD) | 税理士 |
| ITデューデリジェンス(ITDD) | ITコンサルタント、専門ベンダー |
プロジェクトチームの組成後は、具体的なスケジュールの策定や秘密保持契約(NDA)の締結などを済ませたのち、具体的な調査へと移ります。
事前準備・スケジュール策定が完了したあとは、売り手企業に対して調査を実施します。
具体的には、買い手企業側が売り手企業に対して、財務諸表や契約書などの資料の開示を依頼して資料分析をおこなうのが一般的です。
より正確な状況を把握するために、買い手企業の担当者と依頼先の専門家が同席のうえで、売り手企業の経営陣などに対してヒアリングがおこなわれることも多々あります。
なお、調査によってリスクなどが疑われる箇所が見つかった場合は、追加で詳細調査がおこなわれるケースもあります。
売り手企業に対する調査が完了したあとは、調査結果をもとに検討をおこないます。
調査結果をまとめた「デューデリジェンス報告書」を作成したのち、経営陣がM&Aについて最終判断をおこなうのが一般的です。
調査後の対応としては、以下のようにケースに応じて異なります。
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デューデリジェンスでかかる費用は、デューデリジェンスの種類・企業規模・調査内容・依頼先事務所などによって大きく変わります。
参考までに、デューデリジェンスごとの一般的な費用の目安としては以下のとおりです。
| 主なデューデリジェンスの種類 | 費用相場 |
| 事業デューデリジェンス(事業DD) | 100万円〜500万円程度 |
| 財務デューデリジェンス(財務DD) | 50万円〜300万円程度 |
| 法務デューデリジェンス(法務DD) | 50万円〜300万円程度 |
| 人事デューデリジェンス(人事DD) | 30万円〜100万円程度 |
| 税務デューデリジェンス(税務DD) | 30万円〜150万円程度 |
| ITデューデリジェンス(ITDD) | 50万円〜200万円程度 |
また、企業規模ごとの費用総額の目安としては以下のとおりです。
| 企業規模 | 費用総額の相場 |
| 小規模企業(売上高:5億円未満) | 150万円〜300万円程度 |
| 中小企業(売上高:5億円〜30億円程度) | 300万円〜600万円程度 |
| 中堅企業(売上高:30億円〜100億円程度) | 600万円〜1,000万円程度 |
| 大企業(売上高:100億円以上) | 1,000万円〜3,000万円以上 |
ただし、必ずしも上記の範囲内に収まるとはかぎらないため、あくまでも参考程度に留めておきましょう。
ここでは、デューデリジェンスを実施する際の注意点について、売り手側と買い手側の双方の視点から解説します。
自社が売り手側としてデューデリジェンスを受ける場合は、以下の2点に注意しましょう。
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デューデリジェンスは、適切な企業間取引をおこなう目的で実施される手続きです。
特に取引で生じ得るリスクをなるべく回避することが大きなポイントであり、本来開示すべき情報を隠して会社を良く見せようとして、のちに大きなトラブルや補償義務が生じたりするような事態は避けなければいけません。
リスクを隠したところで取引後に発覚すれば、表明保証違反や詐欺など大きな問題に発展しますので、取り繕うことが会社の利益になるわけではないということには注意が必要です。
なお、会社のコア技術に関する資料などの秘密性の高い資料については、流出や目的外利用のリスクを避けるためにも取引成立が確実になってから開示したほうが安全です。
また、個人情報や守秘義務を負っている契約書などについては、開示の可否・開示のタイミング・開示方法などについて慎重に検討する必要があります。
デューデリジェンスを実施する場合、情報管理を徹底して適切なタイミングで公表することが大切です。
会社の売却手続きを進めていることが自社の従業員に知られた場合、会社に対する不信感やモチベーションの低下などを引き起こし、最悪の場合には退職を誘発するおそれもあります。
人材流出などの事態を避けるためにも、どの段階でどのような情報を社内に公表するのかについて慎重に検討する必要があります。
デューデリジェンスの開始前に公表しない場合は、情報管理を徹底して従業員には秘密にした形で手続きを進めることになります。
自社が買い手側としてデューデリジェンスを実施する場合は、以下の2点に注意しましょう。
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デューデリジェンスを実施する場合、あまり調査範囲を広げ過ぎないように注意する必要があります。
たしかに、M&A後の想定外の問題発覚などを避けるためには、なるべく入念にデューデリジェンスを実施することが大切です。
ただし、デューデリジェンスにかけられる時間やコストは限られており、調査項目を増やして調査範囲を広げ過ぎるとコストが膨らむうえにM&Aの成立も長引きます。
一方で、調査範囲を狭めすぎると想定外の問題発覚などにつながるリスクが高まるため、規模に応じた適切な範囲を見極めて設定する必要があります。
デューデリジェンスを実施する場合、買い手側も情報管理を徹底しておく必要があります。
NDAを締結して情報の取り扱いについて明確に定めておき、定めた内容に則って適切に対応しましょう。
もし情報漏洩が発生した場合やM&Aの目的以外に利用した場合は、これまでの交渉が白紙撤回となったり、損害賠償請求などのトラブルに発展したりするおそれがあります。
機密情報については特定の関係者しか閲覧できない状態にしておくなどして、くれぐれも取り扱いには注意しましょう。
ここでは、デューデリジェンスに関するよくある質問について解説します。
デューデリジェンスとは、対象企業の価値やリスクなどを調査・査定する作業のことです。
M&Aにおいては欠かせないプロセスであり、デューデリジェンスにてどのような情報を得たのかによって、条件交渉の進め方や契約の締結なども大きく変わってきます。
デューデリジェンスでは、主に以下のような観点から取引の対象企業を調査・査定します。
| 主なデューデリジェンスの種類 | 概要 |
| 事業デューデリジェンス(事業DD) | 市場における対象企業のポジションや事業の将来性などを調査する手続き |
| 財務デューデリジェンス(財務DD) | 対象企業の業績推移・収益性・資金繰り・資産状況などを調査する手続き |
| 法務デューデリジェンス(法務DD) | 対象企業の法的トラブルのリスクや対象会社に関連する権利義務関係などを確認する手続き |
| 人事デューデリジェンス(人事DD) | 対象企業の人事制度の運用やマネジメントなどの状況を調査する手続き |
| 税務デューデリジェンス(税務DD) | 対象企業が税金処理を適切におこなっているかを確認し、申告漏れや誤りがないかを調査する手続き |
| ITデューデリジェンス(ITDD) | 対象企業の経営に大きな影響がある情報システムの問題点や影響などを調査する手続き |
デューデリジェンスは、対象企業との間で基本合意契約を結んだあとのタイミングで実施するのが一般的です。
デューデリジェンスの実施には多くの時間や費用がかかるため、できるだけ取引成立の可能性が高まったタイミングでおこなったほうがよいといえます。
なお、デューデリジェンスの手続きには、1ヵ月~2ヵ月間程度かかるのが一般的です。
ただし、企業規模や調査範囲などによっても異なり、小規模企業の場合や調査範囲が限定的な場合などは2週間~1ヵ月程度で済むこともあります。
デューデリジェンスの費用は、買い手側が負担するのが一般的です。
参考までに、企業規模ごとの費用総額の目安としては以下のとおりです。
| 企業規模 | 費用総額の目安 |
| 小規模企業(売上高:5億円未満) | 150万円〜300万円程度 |
| 中小企業(売上高:5億円〜30億円程度) | 300万円〜600万円程度 |
| 中堅企業(売上高:30億円〜100億円程度) | 600万円〜1,000万円程度 |
| 大企業(売上高:100億円以上) | 1,000万円〜3,000万円以上 |
なお、デューデリジェンスの依頼先は、以下のとおり種類によって異なります。
| 主なデューデリジェンスの種類 | 主な依頼先 |
| 事業デューデリジェンス(事業DD) | 経営コンサルタント |
| 財務デューデリジェンス(財務DD) | 公認会計士、会計事務所 |
| 法務デューデリジェンス(法務DD) | 弁護士 |
| 人事デューデリジェンス(人事DD) | 人事コンサルタント、社会保険労務士 |
| 税務デューデリジェンス(税務DD) | 税理士 |
| ITデューデリジェンス(ITDD) | ITコンサルタント、専門ベンダー |
デューデリジェンスは、M&A取引において必要不可欠な重要な手続きです。
対象企業の内情を正確に把握できれば、取引後に思わぬトラブルが生じるリスクを回避することができます。
ただし、不備なくスムーズに済ませるためには、周到な事前準備や弁護士などの専門家によるサポートが必要不可欠です。
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編集部
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