SHARE
弁護士執筆記事
人事・労務

最近話題のLGBT。社員にいたら人事はどう対応すべきか?他の社員に通知や理解を促すべきか?

2018.10.31
近年、国内外でLGBT(セクシャルマイノリティー)の差別が問題となっています。日本におけるLGBTの当事者は約8%という統計もあり、会社組織の中にLGBTの社員がいる可能性は十分にあります。人事担当者はどんな対応をすべきでしょうか?
執筆弁護士
Ad Libitum(フリーランス人事)の弁護士のポートレート画像
Ad Libitum(フリーランス人事)
弁護士 松永 大輝
最近話題のLGBT。社員にいたら人事はどう対応すべきか?他の社員に通知や理解を促すべきか?というタイトルの記事のサムネイル画像

本人の同意を得ずにその人のセクシャリティを公にすることを、「アウティング」と言います。個人の人権意識の高まりに伴い、このような行為は国内外で問題視されています。日本でも、損害賠償が求められた事例があります。

会社組織の中にLGBT(セクシャルマイノリティー)の従業員がいる可能性も十分あります。人事担当者はどんな対応をすべきでしょうか?本記事では、会社としてのLGBT対応について解説します。

LGBTとは

そもそもLGBTとは何か、ということを確認しておきましょう。LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーのアルファベット頭文字をとった略称で、セクシャルマイノリティーの総称を指します。

日本労働組合総連合会は、日本におけるLGBTの当事者は約8%であるという調査結果を公表しています。従業員が100人のうち8人がLGBTであっても、何ら不思議ではないということになります。それほど、LGBTは身近な存在だと言えるでしょう。

非当事者への対応

LGBTの社員を守るには、LGBT当事者でない社員によるハラスメントを防ぐ必要があります。

社内規定の整備

職場でLGBTが問題になるケースとして、当事者への差別や偏見に起因するハラスメント(いじめ・嫌がらせなど)が考えられます。セクハラやパワハラと同様、LGBTに対するハラスメントも禁止する旨や、行為があった場合は厳重に処分する旨を、社内規程に明記する必要があります。

ハラスメント対策の一環とした啓蒙活動

とはいえ、社内にLGBTがいることが前提とした特別な対策を講じることは、かえってLGBTを特別視するような結果につながりかねません。LGBTを含むどのような従業員に対してもいじめや嫌がらせなどが存在しない組織づくりを目指すのが望ましいと言えます。

性別や社内での身分、身体的特徴などを理由としたハラスメントは等しく許されないことを啓蒙する研修などを実施するとよいでしょう。

当事者への対応|カミングアウトは求めない

何か対策をしよう、という視点に立ってしまうと、自社にLGBTが何名いるのか把握する必要性を感じてしまうかもしれませんが、本人が望まない形で第三者にセクシャリティーが知られてしまうことは、冒頭で述べたアウティングの問題にもつながりかねません。カミングアウトを求めてはなりません。

人事は、「誰がLGBTなのかは把握していないが、誰がそうであっても問題ない前提で仕組み作り・風土作りを行なっている」というスタンスを取るとよいでしょう。

まとめ

社員がLGBTだからといって、過剰な特別扱いをする必要はないと筆者は考えます。

ただし、LGBTに限らず女性や高齢者、障害者、外国人など多様なバックグラウンドを持つ人材が当たり前に働けるような仕組みを作ることは、どんな企業でも行うべきですし、行う必要があるでしょう。

それができない企業、LGBTに限って言えば人口の8%を占める層を人材として活用できない企業は、就業人口が減少していく日本においては採用難に陥り、存続していくことが難しくなっていくかもしれません。

人事・労務の解決実績が豊富な
弁護士に問い合わせる
ミカタ弁護士法人
東京都渋谷区恵比寿4-20-3恵比寿ガーデンプレイスタワー18階
顧問契約歓迎◎顧問先50社以上M&A人事労務にお悩みの企業様はぜひ当事務所にご相談ください/契約書作成は最短当日に返送・納品/電話・オンライン相談可!税理士法人との連携体制あり<初回相談は無料です>
WEBで問い合わせる
24時間受信中
電話で問い合わせる
電話番号を表示
弁護士 飛渡 貴之(弁護士法人キャストグローバル)
東京都港区虎ノ門3丁目4-10 虎ノ門35森ビル1階
不動産・建築/知的財産】でお困りの方は当事務所にお任せください。元事業会社勤務(現上場企業)、会社経営をしている弁護士が「知財法務を経営に生かし経営判断における最良のパートナー」として貴社の成長のために伴走いたします。【司法書士土地家屋調査士】資格も保有。不動産関連にも対応
WEBで問い合わせる
24時間受信中
電話で問い合わせる
電話番号を表示
田島・寺西・遠藤法律事務所
東京都千代田区麹町5-2-1K-WINGビル3階・4階
メール24時間受付【初回相談0円│出張面談対応◎(一都三県に限り)親しみやすくフットワークの軽い弁護士がスタートアップ/中小企業の成長を全力支援/契約書作成・チェック、交渉・手続き代行、M&Aなどはお任せください<顧問契約も歓迎!
WEBで問い合わせる
24時間受信中
電話で問い合わせる
電話番号を表示
執筆者
Ad Libitum(フリーランス人事)の弁護士のポートレート画像
Ad Libitum(フリーランス人事)
松永 大輝
【社労士有資格者】ベンチャーから上場企業まで様々な業種・規模の顧問先を担当。フリーランスの人事として現在はスタートアップ企業の採用・寄稿など幅広い活動を行う。http://ad-libitum.jp/
編集部

本記事は企業法務弁護士ナビを運営する株式会社アシロ編集部が企画・執筆いたしました。

※企業法務弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

貴社の課題解決に最適な
弁護士とマッチングできます
契約書の作成・レビュー、機密性の高いコンフィデンシャル案件、M&A/事業承継など、経営者同士でも話せない案件も、
企業法務弁護士ナビでは完全非公開で相談可能です。貴社の課題に最適解を持つ弁護士、最大5名とマッチングできます。
弁護士の方はこちら