【労務担当者向け】残業代を正しく計算する手順

専門家監修記事
残業代の計算は、労使で認識の違いが起きやすい問題です。『残業代請求』が労働者のなかで一般的になってきている近年、残業代の計算方法は労務管理の上で必須の知識です。この記事では、残業代の計算方法や労働者から残業代請求をされた場合の対処法などについてご紹介します。
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
人事・労務

残業代の計算は、労使で認識の違いが起きやすい問題です。

労働者から残業代請求があった場合、そのまま鵜呑みにするのも、請求を放置することも企業にとっては大きなリスクになります。

厚生労働省によると、2016年に100万円以上の残業代請求があった企業は1,349社。また、それらの企業で支払われた残業代は労働者1人あたり13万円になっています。

引用元: 厚生労働省|平成28年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果を公表します

『残業代請求』が労働者の中で一般的になってきている近年、残業代の計算方法は労務管理の上で必須の知識となっています。

この記事では、残業代の計算方法や労働者から残業代請求をされた場合の対処法などについてご紹介します。  

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この記事に記載の情報は2024年08月16日時点のものです

残業代の計算における割増賃金の考え方

時間外労働とは、一般的に会社で定めた労働時間を超えて働くことを意味し、大まかに以下の式で計算できます。

【残業時間数】×【1時間あたりの賃金】×【割増率】=残業代

ただし、残業代は、働いた時間帯や労働契約の内容、月の残業時間によって、割増率や計算方法が異なります。この項目では、時間外労働や残業代の計算方法などについてご紹介します。

法定内残業

法定内残業とは、法定労働時間(1日8時間、週40時間)の範囲内で所定労働時間を超えて働いた残業をさします。会社によっては、所定労働時間を1日8時間以下に設定している場合もありますよね。このような場合、8時間を越えない間の労働は、法定内残業になります。

法定内残業は、就業規則で別途定めがない場合には割増のない労働賃金が支払われます

法定外残業

法定外残業とは、法定労働時間を超えて働いた残業をさします。法定外残業は、法定の割増率以上で計算される割増賃金が支払われます

深夜残業

深夜残業とは、夜22:00〜翌5:00の間に働く残業のことです。深夜残業をした場合にも割増賃金が支払われます。みなし残業制や裁量労働制などの場合でも、深夜残業について割増賃金支払義務が発生します

残業代の割増率

残業代の割増率は以下の表のとおりです。

 労働時間  5:00〜22:00  深夜(22:00~翌5:00)
所定内労働  割増なし  1.25倍(原則)
 法内残業  1日8時間、週40時間以内  割増なし  1.25倍
 法外残業  1日8時間、週40時間超  1.25倍  1.5倍
 1ヶ月に60時間超  1.5倍  1.75倍
 (法定)休日労働  すべての時間  1.35倍  1.6倍

残業代計算の際、働いている時間帯や月の残業数などによって変わります。一定の規模以上の企業では1ヶ月60時間以上の残業代をしている場合、割増率が高くなるので注意が必要です。

残業代の計算方法

残業代の計算式は以下のとおりです。

【残業時間数】×【1時間あたりの賃金】×【割増率】= 残業代

【1時間あたりの賃金】は基準賃金を月平均所定労働時間で割ると算出できます。

なお、通勤手当や住宅手当などの諸手当は通常は基準賃金に含まれません。その後、残業時間数や働いた時間帯などに応じ、割増率を変えて計算すれば、残業代が算出できます。ここでは、具体的な計算方法を事例とともにご紹介します。

実際の計算例

<事例>Aさんは2月に合計35時間の残業をしましたが、月給は21万5,000円でした。

給与明細を見ると内訳は、基本給18万円、住宅手当2万円、通勤手当1万円、主任手当5,000円となっており、残業代は含まれていないようでした。

Aさんの会社の月平均営業日は22日で、所定労働時間は8時間と設定されています。

<計算>残業代の計算式は以下のとおりです。

【残業時間数】×【1時間あたりの賃金】×【割増率】= 残業代

まず、【1時間あたりの賃金】を求めます。

【1時間あたりの賃金】= 【基準賃金】/【月平均所定労働時間】なので【1時間あたりの賃金】= 185,000 / (22営業日×8時間) = 1,051円

月の残業時間は35時間で、深夜残業はなかったと仮定すると以下の式ができます。

35 × 1,051 × 1.25 ≒ 45981

したがって、この月の残業代は5,981となります。

残業代請求をされたら弁護士に相談

未払い残業代は近年、厳しく追及される問題です。

労働者が訴訟を起こしてきた場合などは早い段階で弁護士に相談し、対応を検討する必要があります。

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