
テレワークを導入・運用する際、課題としてよく挙がるのが勤怠管理に関する対応です。
引用元:情報通信白書平成29年版|総務省
元々はオフィスで働く場合を想定して管理体制を整備しているわけですから、そのままテレワークに当てはめようとしても、上手くいかないのは当然のことといえます。
勤怠管理に問題ある状態が続けば、社員からの信用をなくしかねないため、すみやかにテレワークにも対応できるようにしておきたいところです。
ですが、テレワーク時における勤怠管理について、そもそもどのように行うのが適切か、わからないという方は多いのではないでしょうか。
この記事の前半では、テレワークの勤怠管理が難しい理由やどのような管理方法があるのか解説します。
後半では、テレワークでの勤怠管理を円滑に行うためのポイントや役立つITツールなどを解説するので参考にしてみてください。
テレワークでの勤怠管理はなぜ難しい?
テレワークでの勤怠管理がなぜ難しいかというと、勤務時間をただ記録するだけではダメだからです。
テレワークを行う社員については、勤務状況を直接見て確認することはできません。
仮に勤務状況が見えないのをいいことに、テレワークの社員が勤務時間中、業務以外のことをしていたらどうでしょうか?
成果を出していれば問題ないという意見もあるかと思います。ですが、他の社員は納得いくでしょうか?
オフィスで働く社員は所定労働時間通りに働かなければならないのに、テレワークは勤務時間が自由だとしたら、納得できないと思う社員は少なくないでしょう。
テレワークが会社に導入されると、社員の働き方に多様性が生まれます。
皆がオフィスで働いていたときは、勤務時間だけを記録する勤怠管理方法でも問題なかったかもしれません。
ですが、社員によって働き方が異なる場合には、マネジメントなども含めて勤怠管理を行わないと、不満を抱く社員が出てきてしまうのです。
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テレワーク時の主な勤怠管理方法
テレワークを行う社員の勤怠管理をする方法自体は、それほど難しくはありません。
テレワークをする社員の主な勤怠管理方法は以下の3つです。
- 自己申告
- PCログの取得
- 勤怠管理システムの利用
一番手軽なのは自己申告ですが、実際に働いていた時間よりも長く勤務時間を申請できてしまうという問題があります。
PCログを取得することでも、社員の勤怠管理は可能です。ただし、それなりにPCに関する知識がないと対応が難しいかもしれません。
最近だとITを活用した勤怠管理システムを導入する企業も多いようです。
勤務時間の管理だけでなく、残業や休暇の申請も簡単にできるなど便利ではありますが、費用面がネックといえます。
テレワークでの勤怠管理を円滑に行うためのポイント
勤怠管理が適切に行われているかどうかは、社員にとって自身の給与・評価に関わるため非常に重要な問題です。
特にテレワークでは、互いが見えづらい状況にあるため、勤怠管理に問題があるとなれば、社員が不審に思うのも当然でしょう。
この項目では、テレワークでの勤怠管理を円滑に行うためのポイントを解説します。
正確に勤務時間の申請をしてもらう
どのような方法で勤怠管理をするにしても、社員には勤務時間の申請を正確にやってもらいましょう。
注意してほしいのは、勤務時間のかさ増しだけを問題視するのではなく、少なく申請するのもダメな行為だということを周知させてください。
正しく申請をしてくれれば、業務を巻き取ったり、割り振りを見直したりすることができますが、誤魔化されては対応ができません。
最悪、本人が無理を続けたことにより、身体を壊す恐れもあります。
業務内容・進捗状況の共有をする
テレワークの場合、始業・終業時間の報告だけだと、勤務時間中にきちんと業務に従事していたかわからないので、業務内容・進捗状況の共有も合わせて行いましょう。
始業時に当日に行う業務予定を送ってもらい、終業時にはどこまで完了したかを報告してもらってください。
日報や週報を送ってもらうようにすれば、社員もサボりづらくなりますし、人事評価もやりやすくなります。
勤怠管理システムの導入をする
費用面の問題をクリアできるのであれば、勤怠管理システムを導入してしまうほうが、面倒な集計作業を行う手間が減るのでおすすめです。
勤怠管理システムを導入すれば、スマホやPCで簡単に出退勤、残業、休暇申請などができますし、給与システムとの連携も期待できます。
打刻漏れやミスがあったときの修正対応もすぐ行え、かつ、簡単なので、勤怠管理がかなり楽になるでしょう。
テレワークにおすすめの勤怠管理システム3選
勤怠管理システムを導入したほうがよいと言われても、どの会社の製品を使うべきか迷ってしまいますよね。
この項目では、テレワークにおすすめの勤怠管理システムを紹介します。
ジョブカン
ネットでよく広告が流れており、名前はご存知の方も多いのではないでしょうか。
【ジョブカンでできること】
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ジョブカンの特徴の一つは豊富な打刻方法です。PC・スマホだけでなく、ICカードや指静脈、LINEなど、職場の環境に合わせて打刻方法が選べます。
また法令改正にも対応した機能がついているため、手動で修正する手間が少なく済みます。
jinjer
jinjerは人材紹介でも有名な株式会社ネオキャリアが手掛ける勤怠管理システムです。
【jinjerでできること】
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jinjerの魅力は、勤怠管理や経費申請、給与計算など、人事業務をjinjer一つで完結できることです。
それぞれの業務ごとに利用するシステムが異なっていると、互換性を気にしなければいけないですし、わざわざそれらをまとめたデータを作らなければならないことも。
ですが、jinjerであればデータ管理が楽なのは当然、集めたデータを分析し、業務の改善につなげることが可能です。
TeamSpirit
TeamSpiritは急成長企業から大手優良企業まで1,300社以上に利用されている勤怠管理システムです。
【TeamSpiritでできること】
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TeamSpiritの魅力は、セキュリティの高さです。勤怠管理システムにおいては、社員の個人情報を扱うことから、ある程度のセキュリティは必要不可欠。
高い水準のセキュリティ機能を有しており、安全な運用が可能だからこそ、多くの企業の信頼を勝ち得ているのでしょう。
テレワーク時に勤怠管理と合わせて会社で見直しをすべきこと
テレワークを上手く運用していくためには、勤怠管理だけでなく、以下についても合わせて見直しを行ったほうがよいでしょう。
- 評価制度
- マネジメント方法
- 就業規則
- セキュリティ対策
- 業務フロー
テレワークとオフィス勤務では、働き方が大きく変わります。
その際、テレワークに合わせて現状のルールを変えていくか、テレワークを現状のルール下で運用するかが問題となります。
会社によって結論は変わりますが、できればテレワークに合わせて会社のルールを変えていくほうがよいでしょう。
テレワークは適切に運用をしないと、成果が出づらいです。であれば、テレワークを運用するのに最適な環境となるよう、ルールを変えていくのが合理的といえます。
まとめ
社員が安心してテレワークを行うためには、適切な勤怠管理が必要不可欠です。
もし勤怠管理の方法に問題があれば、テレワークを行う社員とそれ以外の社員で、不公平な扱いとなってしまいかねません。
そのため、勤怠管理の方法をテレワークの運用に合わせて、変えていく必要があります。
また、勤怠管理の方法だけでなく、
- 評価制度
- マネジメント方法
- 就業規則
- セキュリティ対策
- 業務フロー
についても、合わせて見直しを行ったほうがよいでしょう。
テレワークは単に導入しただけだと、思ったように生産性は上がりません。社員からフィードバックを受けつつ、適切な運用方法を模索していきましょう。
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