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業績悪化で社員を減らさざるを得ないものの、進め方に不安を感じている経営者や人事担当者は少なくありません。
リストラには、希望退職者の募集、退職勧奨、整理解雇という3つの方法があり、会社の状況に応じて適した進め方が変わります。なかでも整理解雇は法律上の要件を満たさないと無効になる可能性が高まるため、慎重な判断が欠かせません。
本記事では、それぞれの方法の違いや具体的な進め方、法的リスクを避けるためのポイントを解説します。会社規模や対象者の状況に合わせて、自社に合った方法を見極めるための材料として役立ててください。
リストラという言葉は、もともと「事業を作り直すこと」という意味です。事業を立て直す際は、コストの見直しが欠かせず、なかでも給料などの人件費への切り込みが中心になりがちです。
そのため日本では、リストラが社員を減らす人員整理という意味で使われるのが一般的になっています。不採算部門の撤退にともない、該当部署の従業員に早期退職を求めたり、整理解雇をおこなったりするケースが、リストラの典型例です。
リストラには、希望退職者の募集や退職勧奨、整理解雇といった複数の方法があります。
しかし日常会話で使われる「リストラされた」という表現は、この中でも特に整理解雇、つまり会社都合による一方的な解雇を指すケースが一般的です。
会社の業績悪化によってある日突然仕事を失うという、労働者側に根付いた強いイメージが背景にあります。例えば、業績不振により工場を閉鎖し、従業員をリストラしたとニュースで報じられるケースは、労働者の合意を得ない整理解雇にあたるケースが多いです。
リストラを実行する前には、法的リスクを避けながら会社を確実に立て直すために、社内で確認しておくべき重要なポイントが3つあります。
不当解雇として訴えられるリスクを下げるには、人員削減が経営上どうしても避けられないこと、事前の計画が妥当であることを客観的に示す必要があるためです。対象となるのは、雇用調整の進め方、削減の目的や規模、削減後の体制に関わる3つの点です。
正社員を辞めさせる前に、辞めさせない形での雇用調整を、全てやり切っているか確認してください。日本の法律では、解雇は最後の手段だとされています。
裁判になったときも、解雇を避けるためにできる限りの努力をしたかどうかが、合法かどうかを分ける重要なポイントです。
先におこなうべきことは、以下のとおりです。
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そのうえで、それでも経営が苦しいという状況を、誰の目にもわかる形にしておく必要があります。
なぜ人を減らす必要があるのか、そして何人減らせば経営が立て直せるのかを、あらかじめはっきり決めておく必要があります。
目標があいまいなままリストラを進めると、あとで不当解雇だと訴えられたときに、削減人数の妥当性を証明できません。本当にその人数を減らす必要があったのかを裁判所で説明できなければ、負けてしまうリスクは高まります。
事業計画書には、次のような具体的な数字を書き込んでおきましょう。
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人を減らした後も、残ったメンバーで仕事を続けられるかどうかを、計画段階でシミュレーションしておく必要があります。目先の人件費を減らすことだけを考えて必要な人まで手放してしまうと、業務が回らなくなってしまいます。
その結果、残った社員が疲れきってしまったり、次々に辞めていったりする原因にもなりかねません。やっておきたいのは、次の2つです。
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そのうえで、仕事のやり方を見直したり、外部に業務を任せたりすることも、あわせて考えておきましょう。
経営者が正社員を対象にリストラを進める具体的な方法は、大きく分けて3種類あります。
労働契約を終わらせる際に、合意を全社から募るか、個別に得るか、あるいは合意なしに進めるかという違いによって、3パターンに分類されます。
それぞれの違いは、以下のとおりです。
| 方法 | 進め方 | 対象 |
|---|---|---|
| 希望退職者募集によるリストラ | 全社に募集し、応募を待つ | 条件該当者全体 |
| 退職勧奨によるリストラ | 個別に呼び出し、説得する | 会社が指定した個人 |
| 整理解雇によるリストラ | 合意なく一方的に解除する | 人選基準に該当する個人 |
このなかで整理解雇は最終手段にあたり、まずは希望退職者の募集や退職勧奨から検討するのが一般的です。
希望退職者募集とは、会社が退職金を上乗せするなど有利な条件を提示して、全社に呼びかけ、自分から辞めたいという人を募るリストラの方法です。メリットとデメリットは、以下のとおりです。
| メリット | ・合意退職のため、法的リスクが低い ・会社への不信感や反発を抑えやすい |
|---|---|
| デメリット | ・辞めてほしくない優秀な人材も応募する恐れがある ・退職金の割増分など、金銭的な負担が大きい |
従業員自身が手を挙げて退職に合意する形をとるため、不当解雇だと訴えられるリスクを最小限に抑えられます。3つのリストラ方法のなかでは、もっとも安全な方法です。
個別に退職勧奨するリストラとは、会社が辞めてほしいと考えた特定の従業員を個別に呼び出し、退職に応じてくれるよう説得する方法です。メリットとデメリットは、以下のとおりです。
| メリット | ・対象者を絞れるため、コアな人材を残しやすい ・希望退職ほど大がかりな社内周知が不要 |
|---|---|
| デメリット | ・進め方を誤ると退職強要とみなされる恐れがある ・対象者の反発や労働トラブルに発展しやすい |
全社に呼びかける余裕がない中小企業や、能力不足が目立つ特定の社員だけを対象にしたい場合に、現実的で効果的な手段となります。
【関連記事】退職勧奨(退職勧告)とは?違法にならない進め方や言い方・流れ・注意点を解説
整理解雇は、希望退職や退職勧奨をおこなっても人員削減の目標に届かなかった場合にのみ選べる、会社都合による一方的な労働契約の解除です。メリットとデメリットは、以下のとおりです。
| メリット | ・対象者の同意を得ずに、確実に人員を削減できる ・削減の時期や人数を、会社側で確定できる |
|---|---|
| デメリット | ・要件を満たさないと、不当解雇として無効になる恐れがある ・訴訟や労働審判に発展するリスクが3つの方法の中で最も高い |
労働者の生活を奪う極めて重い処分であるため、日本の労働法では解雇権の濫用を厳しく防ぐ目的で、ほかの手段を尽くした最後の選択肢としてしか認められていません。
【関連記事】整理解雇とは?整理解雇の4要件と解雇との違いを解説
希望退職者募集によるリストラは、条件の決定から社内発表、面談、合意まで、いくつかの段階を踏んで進める必要があります。段取りを誤ると、想定外の人材が応募してきたり、社員との間でトラブルが起きたりする恐れがあります。
失敗を防ぐためにも、それぞれの段階でどのような準備が必要になるのか、順を追って解説します。
募集を開始する前に、社内で決めておくべきことがいくつかあります。条件が曖昧なまま募集をかけると、想定していなかった社員が応募してきたり、辞めてほしい人材がなかなか集まらなかったりしてしまうためです。まずは、募集の骨組みとなる部分を固めましょう。
希望退職に応募してもらうための一番のきっかけになるのは、お金の条件です。具体的には、退職金の割増分にあたる特別退職金などが挙げられます。
従業員は退職後の生活に不安を抱えています。そのため、いつもの自己都合退職より、はっきりとお金の面でメリットが大きくなければ、自分から退職するという重い決断はできません。
会社の財務状況が許す範囲で、できるだけ以下のような手厚い条件を設定するのがおすすめです。
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希望退職に応募した従業員の退職予定日を、あらかじめはっきり決めておきます。退職日があいまいなままだと、仕事の引き継ぎスケジュールが組めず、残された社員が混乱してしまいます。さらに、人件費を減らせる効果がいつから出るのか、経営計画も立てられません。
有給休暇を消化する期間も考えながら、仕事の引き継ぎが終わる日を逆算して、退職予定日を決めておきましょう。
全社員を対象にするのか、それとも特定の部署や年齢、勤続年数に絞るのか、希望退職に応募できる人の範囲を決めます。
対象を限定せずに募集をかけると、次の会社を担う若手社員や、特別なスキルを持つ専門職など、辞めてほしくない人材まで流出してしまう危険があります。
例えば45歳以上55歳未満の管理部門の社員というように、人が余っている部署や人件費の負担が大きい層に絞って、募集要項を作りましょう。
応募してきた従業員に対して、誰が、いつ、どのような形式で面談をおこなうのか、あらかじめ決めておきます。
面談を担当する人によって説明内容がずれてしまったり、威圧的な態度をとって退職強要だと誤解されたりするのを防ぎ、法律に沿った形で手続きを進めるためです。
人事部長と直属の上司がペアになって面談に臨む体制を作り、退職条件の説明マニュアルや想定問答集を用意して、担当者間で対応を統一しておきましょう。
募集条件や面談の準備が整ったら、全従業員に向けて会社の厳しい現状と希望退職の募集要項を誠実に発表します。
業績悪化の事実を隠さず正直に伝えることで、会社への不信感がやわらぎます。会社を救うために協力しよう、あるいは新しい道を探そうという、応募への納得感が生まれやすいです。
社長自らが全社集会やオンライン会議で、会社を続けていくために〇名の希望退職を募ると背景を説明し、同時に詳しい募集要項を社内ポータルに掲示します。
なお、募集要項には、あらかじめ以下の2つの点を明記しておきましょう。
募集要項の中で、応募しても会社が承認しなければ退職できないというルールを、必ず明記して伝えます。会社の承認が必要である旨を記載しておかないと、辞めてほしくない優秀な社員が応募してきたときに、そのまま退職金を支払って手放さざるを得なくなるためです。
本制度を利用するには会社の承認が必要であり、業務上不可欠と会社が認めた人材からの応募は承認しない場合があると、募集案内に明記しておくのがおすすめです。
設定した目標削減人数に達した時点で、募集期間中であっても即座に応募を締め切る旨を、あらかじめ伝えておく必要があります。
想定以上に応募が殺到すると、全て承認した場合に当初予定していた割増退職金の予算を大幅に超え、会社の資金繰りが厳しくなる危険があるためです。
応募者数が募集人員の10名に達した場合は、募集期間内であってもその時点で受付を締め切るという但し書きを、募集要項に記載しておきましょう。
希望退職に応募してきた従業員と個別に面談を行い、条件の最終確認と、退職に向けた気持ちのすり合わせを丁寧に行います。書面でのやり取りだけでは、双方の認識にズレが生じるかもしれません。
本当に自分の意思で退職を決めたのかを確認しておくことで、後々の言った言わないという労働トラブルを防げます。面談の場では、割増退職金の具体的な計算書や、有給消化のスケジュールを提示してください。
本人が完全に納得したことを確認した上で、その場で合意退職書にサインをもらいましょう。
個別に退職勧奨するリストラでは、対象者一人ひとりへの向き合い方によって、結果が大きく変わってきます。会社側の説明が不十分だったり、面談での伝え方を誤ったりすると、対象者の反発を招き、退職強要だと訴えられるリスクが一気に高まります。
対象者の選定から合意書の締結まで、何をどう進めればよいのか、具体的なステップを見ていきましょう。
なぜその社員に辞めてもらう必要があるのか、客観的で納得できる理由と、会社としての交渉方針を、社内であらかじめ固めておきます。理由があいまいなまま面談に臨むと、社員からの「なぜ私なんですか?」という反発に、論理的に答えられません。
その結果、感情的な言い合いになったり、嫌がらせだと誤解されたりする原因になってしまう可能性があります。客観的な証拠として、以下のような事実を整理しておきましょう。
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対象となる従業員を個室の会議室などに呼び出し、業務の合間を縫って、周りの目を気にせず話せる環境で面談を行います。ほかの社員がいる場所で退職の話をすると、対象者の自尊心を傷つけ、名誉毀損やパワハラだと訴えられるリスクがあるからです。
就業時間内に、少し今後のキャリアについて相談があると声をかけ、個室に呼び出します。
面談は1対1ではなく人事担当者と上司の2名体制で行い、言った言わないのトラブルを防ぎましょう。
対象者との面談で最も気を遣うのが、本題である退職の話をどう切り出すかです。伝え方を誤ると、対象者の反発を招いたり、後になって退職強要だと訴えられたりする恐れがあります。
会社側の意向を誠実に伝えつつ、対象者にも納得してもらうためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
社内で固めた理由を、面談の場では本人に向けてわかりやすく伝え直します。業績悪化で人員削減が必要という会社側の事情だけでなく、本人の評価や適性についても具体的に触れて説明しましょう。
不当なえこひいきや個人的な嫌がらせではないと理解してもらうことが、交渉の第一歩になります。
対象者を狙い撃ちにしたわけではないと伝えるために、役員報酬のカットや経費削減など、会社が解雇や退職を避けるために尽くしてきた努力を説明します。
会社も痛みをともなう努力をしたが、それでもどうしようもなかったという背景を知ることで、対象者の怒りや反発をやわらげられます。
例えば、役員報酬を30%カットし、新規採用も停止して、あらゆる経費を見直したことを伝えます。そのうえで、それでも〇名の削減が避けられない状況まで追い込まれていると、会社の窮状を誠実に伝えましょう。
退職するかどうかはあなた次第だが、会社としては退職という選択をしてほしいと、はっきり伝えます。退職勧奨はあくまでお願いにとどまるものです。
しかし、会社の姿勢が弱腰だと、残っても構わないと受け取られてしまい、話がまったく前に進まなくなってしまいます。
無理に辞めさせることはできません。ただ、「割増退職金を受け取って新しい環境に移った方が、あなたのキャリアにとってもよい選択になると考えている」と、会社の考えを伝えましょう。
会社側の主張を一方的に押し付けるのではなく、従業員側の不安や怒り、質問には時間をかけて丁寧に向き合います。従業員の言い分を無視して強引に退職を迫ると、退職強要だと受け取られてしまいます。さらに、感情的な対立が深まり、労働組合に駆け込まれる事態を招きかねません。
なぜ私なのか納得がいかない、生活はどうなるのかといった質問には、事前に準備した客観的なデータや解決金の提示で答えましょう。感情を逆なでしないよう、まずは相手の話に耳を傾ける姿勢を貫くことが大切です。
退職を受け入れてもらうための交換条件として、退職金の割増にあたる解決金や、転職支援サービスの提供など、従業員にとって有利な処遇を具体的に提示します。法的義務のない退職に応じてもらうには、会社に残るメリットよりも、お金をもらって辞めるメリットの方が大きいと、対象者に実感してもらう必要があります。
今月末までに退職に合意してもらえるなら、通常の退職金に加えて解決金として給与の2ヶ月分を支給するなどの対応がおすすめです。さらに、再就職支援会社の費用も全額会社で負担すると、オファーを出しましょう。
従業員が退職勧奨に納得し、口頭で同意したら、その日のうちに合意退職に関する合意書を作成し、双方で署名・捺印を交わしてください。口約束だけでは、後になって「やっぱり辞めたくない」「無理やり同意させられた」と前言を撤回されるリスクがあります。
書面という客観的な証拠を残すことで、退職を法的に確定できます。合意書には、以下のような条項を明記して署名させましょう。
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希望退職や退職勧奨を尽くしてもなお人員削減の目標に届かない場合、会社は整理解雇に踏み切るかどうかの判断を迫られます。整理解雇は労働者の生活を強制的に奪う重い処分であるため、手続きに不備があると、裁判所から無効だと判断されるリスクがあります。
法的な要件を満たしているかの確認から、実際に手続きを進めるまでの流れを解説します。
整理解雇に踏み切る前に、まず確認すべきなのが過去の判例で確立された法律上の要件です。この要件をひとつでも欠いていると、裁判で不当解雇と判断されるリスクが高まります。
顧問弁護士とも相談しながら、自社の状況が要件を満たしているかを客観的にチェックしておく必要があります。
ひとつ目の要件は、人員削減がどうしても避けられないという「高度な客観的必要性」です。会社が倒産の危機にあるなど、経営を続けるために人員整理が欠かせない状況でなければなりません。
利益を少し増やしたい、株主に配当を出したいといった経営者側の都合だけで、労働者の雇用を犠牲にして一方的に解雇することは、法律上認められません。連続して多額の赤字を計上している、主要な取引先が倒産して売上が半減したなど、人員削減が避けられない状況であることを示す必要があります。
2つ目の要件は、解雇を避けるための努力を尽くしたかどうかです。経費削減や配置転換、希望退職の募集など、整理解雇を回避するためのあらゆる手段を試している必要があります。
解雇はあくまで最終手段であり、会社側が身を切る努力を怠ったまま安易に労働者のクビを切れば、解雇権の濫用とみなされてしまいます。
先におこなっておくべきことは、以下のとおりです。
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そのうえで、退職金割増による希望退職を募ったものの目標人数に届かなかったという事実が求められます。
3つ目の要件は、解雇される対象者を選ぶ基準が、客観的かつ合理的であることです。特定の人物に対する不当な差別や、個人的な嫌がらせがあってはいけません。人選の基準があいまいだったり、社長の好き嫌いで決められたりすると、労働者に対する平等な扱いを欠き、解雇の正当性が根底から崩れてしまいます。
誰が見ても公平で、数値化できる基準を設けて、対象者を絞り込みましょう。例えば、直近3年間の人事評価がCランク以下の者、過去に複数回の懲戒処分を受けた者などが挙げられます。
4つ目の要件は、対象となる労働者や労働組合に対して、十分な説明と誠実な協議をおこなうことです。整理解雇の必要性や時期、人選基準について、きちんと話し合う義務があります。
一方的な通告は労働者の手続き的権利を侵害するものであり、誠実な協議プロセスを経ていない解雇は、裁判で無効と判断される傾向が強くなります。
解雇を実施する数ヵ月前から、労働組合に対して経営状況をオープンにして協議を重ねましょう。また、対象者にも複数回の説明会を開き、会社の窮状への理解を求めるプロセスが欠かせません。
4つの要件をクリアできる見通しが立ったら、解雇対象者を選ぶ人選基準と、解雇を実施する時期などの基本方針を社内で決定します。解雇基準がぶれると、対象者から反発を招いてしまう恐れがあります。
労働審判において、人選の合理性が否定される致命的な原因にもなりかねません。経営再建に不可欠な人材は残しつつ、裁判所に合理性を主張できる基準を文書化しておきましょう。
例えば、勤続年数が短く再就職が容易な若手層や、特定の赤字部門に所属している者などが基準として挙げられます。
事前に定めた客観的な人選基準にもとづき、情実や個人的な感情を排除して、解雇を通達する対象の従業員をリストアップします。
基準と異なる人物がリストに含まれていると、その瞬間に解雇の不当性が問われてしまいます。その結果、リストラ計画全体が裁判で覆されるリスクを抱えることになりかねません。
人事データや評価シートを突き合わせ、定めた基準に該当する社員を機械的に抽出しましょう。
解雇を通告する前に、対象となる従業員や社内の労働組合、または過半数代表者に対して、解雇の必要性と基準を誠実に説明し、十分に協議します。事前の協議を怠って不意打ちのように解雇を通告すると、適切な解雇手続を欠いているとみなされ、不当解雇として無効になりかねません。
労働組合には財務資料を開示し、どうしても〇名の解雇が避けられないと理解を求めましょう。対象者にも個別の面談を通じて、解雇基準の妥当性を丁寧に説明し尽くしてください。
協議が完了し解雇を実行する際は、労働基準法にもとづき、解雇日の少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の解雇予告手当を支払って即時解雇します。整理解雇であっても、労働基準法の基本ルールは守らなければなりません。
予告義務を怠ると、法律違反として労働基準監督署からの指導や罰則の対象となってしまいます。予告の方法は、大きく分けて以下の2つです。
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リストラには、希望退職者の募集、退職勧奨、整理解雇という3つの方法があり、それぞれ進め方や法的リスクが異なります。なかでも整理解雇は、4つの要件をひとつでも欠くと不当解雇として無効になるため、慎重な手続きが必要です。
もし、進め方を誤れば、訴訟や労働審判に発展し、会社の経営そのものを揺るがしかねません。自社だけで判断するのが不安な場合は、労働問題に強い弁護士へ早めに相談しましょう。
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編集部
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