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金融商品取引法の対象は、証券会社による株式や投資信託の販売だけではありません。企業がファンドを組成して出資を募る場合、投資判断を有償で助言する場合、顧客の資産を運用する場合なども、金融商品取引業の登録が必要になることがあります。
金融商品取引業は、主に次の4種類に分かれます。
| 業務の種類 | 該当し得る事業 |
|---|---|
| 第一種金融商品取引業 | 株式や社債など流動性の高い有価証券の販売、店頭デリバティブ取引などを扱う事業です。 |
| 第二種金融商品取引業 | ファンド持分や信託受益権などの募集、私募、販売を行う事業です。 |
| 投資運用業 | 顧客から投資判断と運用権限を預かる事業や、ファンド財産を運用する事業です。 |
| 投資助言・代理業 | 有価証券などの価値や投資判断について有償で助言する事業、投資顧問契約の締結を仲介する事業です。 |
千葉県内に本店を置く事業者も、原則として関東財務局の管轄になります。事業開始後に登録の問題が判明すると、サービスの停止や契約の見直しが必要になるため、商品設計や募集方法を固める前に登録の要否を確認しておくべきです。
出典:金融庁「投資運用業等 登録手続ガイドブック」・関東財務局「関東財務局登録会社等一覧」
金融商品を扱う事業者は、登録時に確認したルールを守るだけでは足りません。顧客への情報提供や利益相反管理などの実務は、近年も見直されています。
2025年4月1日から、金融商品取引契約に関する情報を、書面またはデジタルで提供できる制度が施行されています。ただし、従来どおり書面での交付を希望する顧客は書面を請求できます。単にPDFへ置き換えるのではなく、顧客のデジタル・リテラシーを踏まえた案内方法や、請求を受けたときの対応手順まで決めておく必要があります。
2025年5月1日には、投資運用関係業務受託業や非上場有価証券特例仲介等業務に関する制度が施行されました。外部委託を利用した運用体制や非上場株式の仲介を検討する企業は、新制度を使えるかだけでなく、自社と委託先の責任範囲も確認しなければなりません。
2025年12月1日から、顧客との利益相反の可能性に関する情報提供ルールが施行されています。自社やグループ会社が組成した商品を販売する場合、販売手数料や系列関係などをどこまで、どのように示すかが問題になります。
2026年7月1日から、インサイダー取引規制上の「親会社」は、有価証券報告書などの記載だけに依拠せず、他社の意思決定機関を支配している会社を基準に判断する制度へ変わりました。上場会社やそのグループ会社は、内部者登録や重要事実の伝達範囲に漏れがないか見直す必要があります。
出典:金融庁「金融商品取引契約に係る顧客交付書面のデジタル化について」・金融庁「令和6年金融商品取引法等改正に係る政令・内閣府令等」・金融庁「金融商品取引業等に関する内閣府令等の改正」・金融庁「金融商品取引法施行令の一部を改正する政令等」
金融商品取引では、事業を始める前の予防法務と、顧客や監督当局への対応の両方で弁護士への相談が必要になります。特に次の場面では、社内判断だけで進めないほうが安全です。
ファンドの自己募集や運用は、事業の内容によって第二種金融商品取引業や投資運用業の登録が必要です。適格機関投資家等特例業務を利用できる場合もありますが、投資家の範囲や届出などの要件を満たさなければなりません。
出典:e-Gov法令検索「金融商品取引法」・金融庁「いわゆるファンド形態での販売・勧誘等業務について」
登録が必要かどうかは、サービスの名称ではなく、誰が資金を集め、誰が投資判断を行い、どのように報酬を受け取るかによって決まります。弁護士に相談すれば、契約関係や資金の流れを整理したうえで、必要な登録や届出を検討できます。
金融商品取引業者には、広告規制、契約締結前の情報提供、禁止行為、適合性の原則、損失補てんの禁止など、複数の行為規制が課されています。弁護士へ依頼すると、広告だけ、契約書だけを個別に見るのではなく、勧誘から契約後の顧客管理まで一連の流れを確認できます。
顧客との話し合いで解決しない場合は、金融ADRや訴訟に進む可能性があります。弁護士は、勧誘記録や面談記録を確認し、相手方への回答、和解交渉、ADR、訴訟まで対応できます。財務局などから照会を受けたときも、事実関係と改善策を整理した回答書の作成を依頼できます。
出典:金融庁「いわゆるファンド形態での販売・勧誘等業務について」・金融庁「金融ADR制度」
出典:金融庁「投資運用業等 登録手続ガイドブック」・関東財務局「金融商品取引業関係」
弁護士費用は全国一律ではなく、事務所ごとの報酬基準や案件の難易度によって決まります。金融商品取引に関する依頼では、次の費用が想定されます。
| 依頼内容 | 費用を左右する要素 |
|---|---|
| 法律相談 | 相談時間、資料の量、事業スキームの複雑さによって変わります。 |
| 広告・契約書の確認 | 確認する書面の数、修正案の作成、社内打ち合わせの有無によって変わります。 |
| 登録・届出の支援 | 登録業種、当局との事前相談、社内規程の作成、人的要件の確認範囲によって変わります。 |
| 顧客との紛争対応 | 請求額、交渉やADRの有無、訴訟へ進むかどうかによって変わります。 |
| 継続的な顧問契約 | 相談回数、広告審査、社内研修、規制改正情報の提供など、契約に含める業務によって変わります。 |
相談時には、着手金や報酬金だけでなく、日当、実費、追加作業の単価も確認してください。複数の業務を依頼する場合は、作業範囲を分けた見積書を出してもらうと比較しやすくなります。
金融庁のガイドブックやフローチャートで代表的なケースは確認できますが、例外や特例まですべて網羅されているわけではありません。資金の流れ、契約当事者、投資判断を行う者、報酬の受け取り方を弁護士へ伝え、個別に判断してもらうのが安全です。
無料配信だけで直ちに投資助言・代理業へ該当するとは限りません。ただし、無料の広告やSNSから、有償の投資助言、金融商品の媒介、FX取引などへ誘導している場合は、一連の表示や勧誘が無登録営業に関する規制の対象となる可能性があります。
第一種は、株式や社債など流動性の高い有価証券の販売、店頭デリバティブ取引などを主な対象とします。第二種は、ファンド持分や信託受益権などを主な対象とします。実際に必要な登録は、扱う権利の内容と販売方法から判断します。
金融商品取引法は、金融商品取引業者による損失補てんを原則として禁止しています。早く終わらせようとして安易に支払いを約束せず、勧誘時の説明や取引記録を保存したうえで、弁護士へ相談してください。
金融ADRは、中立・公正な機関を通じて、裁判外での解決を目指す制度です。争点や請求額、証拠の内容によっては訴訟が適することもあります。顧客から苦情を受けた段階で弁護士へ相談し、交渉、ADR、訴訟のどこで解決を図るか検討します。
出典:金融庁「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」・金融庁「金融機関とのトラブルに関する相談・苦情窓口」・e-Gov法令検索「金融商品取引法」
初回相談では、事業や取引の全体像がわかる資料を持参すると、登録の要否や対応方針を判断しやすくなります。
千葉県弁護士会では、千葉市のほか、船橋、松戸、市川・浦安、成田、銚子など県内各地の法律相談センターで金融取引に関する相談を受け付けています。企業側の登録、コンプライアンス、紛争対応について相談する場合は、金融商品取引法や金融規制を取り扱う弁護士を選んでください。