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浮動株比率

読み: ふどうかぶひりつ 

浮動株比率とは、市場で流通する可能性が高い株式の分布状況を表す比率です。英語ではFree Float Weightといい、FFWと略されます。JPX総研が銘柄ごとに算定し、TOPIXなどの株価指数に使います。

浮動株比率とは

上場株式のうち、大株主や会社役員などが長期的・固定的に保有すると見込まれる株式を固定株として推定し、それ以外を浮動株として扱います。浮動株比率は、概念上「1-固定株比率」で表されます。

実際の算定では、有価証券報告書や大量保有報告書などの公表資料を使い、株主の属性や保有目的を踏まえて固定株を推定します。単に発行済株式数から大株主上位の保有分を引くだけでは、JPX総研の浮動株比率と同じ値にはなりません。

参考:日本取引所グループ|浮動株比率

固定株として扱われる主な株式

浮動株比率の算定では、次のような株式が固定的に保有される株式として推定されます。

  • 大株主が保有する株式:有価証券報告書に記載された大株主の保有分などを確認します。
  • 自己株式:会社自身が保有する株式です。
  • 役員等が保有する株式:取締役や監査役などが保有する株式を確認します。
  • 政策保有と判断される株式:取引関係の維持などを目的に、事業会社や金融機関が固定的に保有する株式を確認します。
  • その他固定的とみられる株式:保有目的や売買状況から、市場で流通する可能性が低い株式を確認します。

固定株の範囲や推定方法には細かな条件があります。企業が独自に計算した浮動株比率を指数算出へ使うことはできず、JPX総研の算定方法に従います。

参考:JPX総研|浮動株比率の算定方法

浮動株比率と流通株式比率の違い

浮動株比率は、TOPIXなどの指数を算出するためにJPX総研が算定する比率です。一方、流通株式比率は、東京証券取引所の上場審査基準・上場維持基準で使われます。

両者は市場で売買されやすい株式に注目する点では似ていますが、目的と算定対象が違います。IPOで確認する上場基準は流通株式比率であり、浮動株比率をそのまま代用できません。

上場維持基準の流通株式比率は、プライム市場が35%以上、スタンダード市場とグロース市場が25%以上です。これらは浮動株比率の基準ではありません。

参考:日本取引所グループ|流通株式に関する上場維持基準の詳細

浮動株比率がTOPIXへ与える影響

TOPIXは、各銘柄の時価総額をそのまま使うのではなく、浮動株比率を反映した浮動株時価総額でウエイトを計算します。同じ時価総額の会社であれば、浮動株比率が低い銘柄はTOPIXに占めるウエイトも小さくなるのが基本です。

TOPIXに連動する投資信託やETFは、指数のウエイトを参考に株式を保有します。そのため、浮動株比率の定期・臨時見直しで指数ウエイトが変わると、連動運用する資金の売買に影響することがあります。

参考:日本取引所グループ|TOPIX(東証株価指数)

2026年10月からのTOPIX定期入替

2026年10月以降のTOPIXでは、東証の全市場区分に上場する内国普通株式を対象に、年間売買代金回転率と浮動株時価総額の累積比率を使って構成銘柄を選びます。初回の定期入替は2026年10月、2回目は2028年10月に行われる予定です。

浮動株比率は指数ウエイトだけでなく、構成銘柄の選定に用いる浮動株時価総額にも関わります。上場会社は、大株主の異動、自己株式の取得・消却、公募・売出しなどが指数上の取扱いへ与える影響を確認する必要があります。

参考:日本取引所グループ|TOPIXの第2段階の見直し

上場会社が実務で確認したい点

  • 株主情報を正確に開示します:大株主の状況や自己株式数など、算定の基礎となる情報を有価証券報告書へ正確に記載します。
  • 保有目的を確認します:大株主の保有目的や売買実績によって、固定株の推定が変わる場合があります。
  • 資本取引の影響を検討します:公募・売出し、自己株式の取得・消却、株式交換などが浮動株比率へ与える影響を確認します。
  • 定期・臨時見直しの日程を確認します:指数への反映時期を把握し、IR部門と財務・法務部門で情報を共有します。
  • 流通株式比率と分けて管理します:指数用の浮動株比率と、上場基準用の流通株式比率を混同しないようにします。

浮動株比率でよくある疑問

浮動株比率はどのように計算しますか?

概念上は、上場株式から固定株を除いた割合です。ただし、JPX総研は公表資料と独自の算定方法を使って固定株を推定するため、会社四季報などの浮動株指標と同じ値になるとは限りません。

浮動株比率が高いと株価は上がりますか?

浮動株比率だけで株価は決まりません。指数ウエイトや売買可能な株式数には影響しますが、業績、投資家の需要、市場環境なども株価を左右します。

浮動株比率はどこで確認できますか?

TOPIX構成銘柄の浮動株比率等のデータは、JPXの案内に従ってJ-Quants DataCubeなどで確認できます。上場維持基準の流通株式比率を知りたい場合は、各社の開示資料やJPXの上場会社情報を確認します。

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