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公開規模

読み: こうかいきぼ 

公開規模とは、IPO(新規株式公開)で投資家へ販売される株式の数量や総額を示す指標です。一般に、公募株数と売出株数を合計した公開株式数、または公開株式数に公開価格を掛けた金額を指します。オーバーアロットメントによる売出しを含めて示す場合もあるため、数字を見るときは算定範囲を確認する必要があります。

公開規模を構成する株式

公募株

公募株は、会社が新たに発行し、投資家を募集する株式です。払込金は会社に入り、設備投資、研究開発、人材採用、借入金返済などの資金に充てられます。新株発行によって発行済株式数が増えるため、既存株主には持株比率や1株当たり利益の希薄化が生じる可能性があります。

売出株

売出株は、創業者、役員、ベンチャーキャピタルなどの既存株主が保有株式を投資家へ売却するものです。売却代金は売出人に入り、会社の資金調達額にはなりません。発行済株式数は増えませんが、市場で流通する株式を増やす役割があります。

オーバーアロットメントによる売出し

需要が強い場合などに、引受証券会社が大株主から借りた株式を追加で投資家へ販売することがあります。これがオーバーアロットメントによる売出しです。公開規模を示す資料では、この株数を含む場合と含まない場合があるため、注記まで確認します。

参考:日本取引所グループ|株式公開(IPO)

公開規模の計算方法

株数で見る公開規模は、基本的に「公募株数+売出株数」です。オーバーアロットメントを含む最大の販売株数を見る場合は、その予定株数も加えます。

金額で見る公開規模は、一般に「公開株式数×公開価格」で計算します。たとえば、公募株50万株、売出株30万株、公開価格1,500円なら、オーバーアロットメントを含まない公開規模は80万株、金額は12億円です。

一方、会社が調達する金額を確認するときは、売出株を除き、公募株数を基礎に計算します。さらに引受手数料相当額や発行諸費用を考慮するため、「公開規模」と「会社の手取金」は一致しません。

参考:日本取引所グループ|新規上場に係る料金

公開規模がIPOに与える影響

資金調達額と希薄化が変わる

公募株を増やせば会社の調達額を増やせますが、発行済株式数も増えるため、既存株主の希薄化は大きくなります。必要資金から公募株数を逆算するだけでなく、発行後の議決権比率や1株当たり指標への影響も試算します。

上場後の株式需給に影響する

公開株式数が多いと市場に出る株式の供給も増えます。投資家の需要に対して公開規模が大きい場合は、公開価格や初値に影響する可能性があります。反対に株式の流通量が少なすぎると、売買が成立しにくく、価格が大きく動くことがあります。

上場基準との整合が必要になる

東京証券取引所の新規上場基準には、市場区分ごとに株主数、流通株式数、流通株式時価総額、流通株式比率などの形式要件があります。公開規模はこれらの数値に関係しますが、公開株式のすべてが機械的に流通株式として扱われるわけではありません。株主構成や保有目的を踏まえて確認します。

参考:日本取引所グループ|上場審査基準概要(プライム市場)

参考:日本取引所グループ|流通株式

公開規模を設計するときの実務ポイント

  • 上場で必要となる資金額と具体的な資金使途を整理する
  • 公募株数、売出株数、オーバーアロットメントを分けて計算する
  • 公開価格が変わった場合の調達額と公開規模を複数の条件で試算する
  • 発行後の株主構成、議決権比率、希薄化率を確認する
  • 希望する市場区分の流通株式に関する上場基準と照合する
  • 定款の発行可能株式総数と株主間契約上の制約を確認する
  • 有価証券届出書、目論見書、取引所提出書類の株数を一致させる

会社法199条に基づく募集株式の発行では、募集株式数、払込金額またはその算定方法、払込期日・払込期間などの募集事項を定めます。公開規模を変更すると、必要な会社決議や提出書類の訂正に影響する可能性があるため、主幹事証券会社、監査法人、弁護士と変更手順を確認します。

参考:e-Gov法令検索|会社法

公開規模でよくある疑問

公開規模にはオーバーアロットメントを含みますか?

資料によって異なります。公募株と通常の売出株だけを合計する場合も、オーバーアロットメントを含む最大株数で示す場合もあります。株数の内訳と注記を確認してください。

公開規模と会社の資金調達額は同じですか?

同じではありません。公開規模には既存株主が売却する売出株が含まれることがありますが、その代金は会社には入りません。会社の手取金は、主に公募分の払込金から発行諸費用などを差し引いて算定します。

公開規模は大きいほどよいのでしょうか?

一概にはいえません。大きな公募は調達額を増やせますが、希薄化や株式需給への影響も大きくなります。資金需要、投資家の需要、上場基準、上場後の株主構成を合わせて設計する必要があります。

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