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配当

読み: はいとう 

配当とは、株式会社が剰余金を株主へ分配することです。一般には金銭を支払いますが、会社法上は金銭以外の財産を配当する場合もあります。会社に利益が出ていても自動的に支払われるものではなく、決議、分配可能額、基準日などの要件を確認して実施します。

配当を決めるための会社法上の手続

原則は株主総会で決議する

会社法454条では、剰余金の配当を行う都度、配当財産の種類と帳簿価額の総額、株主への割当て、効力発生日を株主総会の決議で定めることを原則としています。定時株主総会で決議する期末配当のほか、必要な手続を踏めば事業年度の途中に配当することもできます。

一定の場合は取締役会で決議できる

取締役会設置会社は、定款に定めがあれば、事業年度の途中に1回、取締役会決議で金銭による配当を行える場合があります。一般に中間配当と呼ばれる仕組みです。

また、会計監査人設置会社であり取締役の任期が1年であるなど、会社法459条の要件を満たす会社は、定款で定めることにより、剰余金の配当を取締役会で決定できる場合があります。上場会社であっても自動的に取締役会決議になるわけではないため、機関設計と定款を確認します。

参考:e-Gov法令検索|会社法

配当額の上限となる分配可能額

会社は、配当の効力が生じる日における分配可能額を超えて配当できません。分配可能額は、単純に当期純利益や現預金残高と同じではなく、会社法と会社計算規則に基づいて剰余金の額を調整して計算します。

利益が出ていても、過去の損失や自己株式の取得などによって分配可能額が不足することがあります。反対に、当期が赤字でも過去の利益剰余金などがあり、分配可能額を確保できれば配当できる場合があります。

分配可能額を超えて配当した場合、配当を受けた株主や業務を執行した取締役などに返還・賠償の問題が生じる可能性があります。配当案を取締役会や株主総会へ付議する前に、経理部門と法務部門で計算根拠を確認し、資料を保存します。

参考:e-Gov法令検索|会社法

配当を実施する実務の流れ

  1. 利益計画、資金繰り、投資計画を踏まえて配当方針と金額案を検討する
  2. 定款、種類株式の内容、株主間契約、金融機関との契約を確認する
  3. 分配可能額を計算し、配当総額が範囲内かを確認する
  4. 配当を受ける株主を確定する基準日と公告の要否を確認する
  5. 株主総会または取締役会で必要事項を決議する
  6. 株主名簿に基づいて支払額を確定し、源泉徴収や支払通知などを準備する
  7. 決議した効力発生日に配当を支払い、会計・税務処理を行う

株主ごとに異なる種類株式を発行している会社では、定款で定めた優先配当や累積・非累積などの内容も確認します。普通株式だけの会社でも、基準日後の株式譲渡や未払配当の管理に備え、株主名簿と振込先情報を正確に保つ必要があります。

参考:e-Gov法令検索|会社法

配当方針を検討するときの指標

1株当たり配当金

1株当たり配当金は、普通株式1株に支払う配当額です。株式分割や株式併合がある場合は、過年度との単純比較で誤解が生じないよう調整後の数値も確認します。

配当性向

配当性向は、当期純利益のうち配当に回す割合を見る指標です。一般に「年間配当総額÷当期純利益×100」または「1株当たり配当金÷1株当たり利益×100」で計算します。利益が小さい年度や赤字年度は数値が大きく変動するため、単年度だけで判断しません。

自己資本配当率

自己資本配当率は、自己資本に対する配当総額の割合を示す指標です。利益の変動をならして株主還元方針を考える際に使われますが、配当による現金流出後も事業投資や債務返済に必要な資金を確保できるかを併せて検討します。

配当の税務と開示で確認すること

会社が配当を支払う際は、株主の区分や株式の種類に応じて源泉徴収が必要になります。上場株式等の配当と非上場株式等の配当では取扱いが異なり、大口株主等に該当するかによっても変わります。最新の税率と申告方法は国税庁の案内を確認し、税理士と処理します。

上場会社では、配当予想の修正や配当決定が適時開示の対象になる場合があります。配当原資に資本剰余金が含まれる場合は、決算短信などで内訳や純資産減少割合を記載する取扱いも確認します。

参考:国税庁|配当所得の課税方法

参考:日本取引所グループ|配当原資に資本剰余金が含まれる場合、決算短信等の配当の状況はどのように記載すればよいですか。

配当でよくある疑問

会社は利益が出たら必ず配当する必要がありますか?

必ずしも配当する必要はありません。事業投資、借入金返済、運転資金などに利益を残す判断もできます。ただし、株主との合意、定款、配当方針を踏まえ、無配または減配の理由を説明できるようにします。

赤字の年度でも配当できますか?

当期が赤字でも、過去の剰余金などにより分配可能額があれば配当できる場合があります。反対に黒字でも分配可能額が不足していれば配当できません。会社法に基づく計算が必要です。

配当は年1回に限られますか?

株主総会でその都度決議する配当は、年1回に限られていません。ただし、定款に基づき取締役会決議で行う中間配当には回数などの要件があります。会社の定款と適用条文を確認してください。

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