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時短促進法

読み: じたんそくしんほう 

時短促進法とは、1992年に制定された「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法」の通称です。同法は2006年4月に「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」へ改正されました。そのため、現在「時短促進法」というときは、前身の法律を指す場合と、現行の労働時間等設定改善法を指す場合があります。

参考:厚生労働省|労働時間等の設定の改善

時短促進法から労働時間等設定改善法へ変わった理由

時短促進法は、年間の総実労働時間を一律に短縮する取組を促す時限法でした。その後、育児や介護、健康上の事情、自己啓発など、労働者ごとに必要な働き方が異なることを踏まえ、単純な時間短縮だけでなく、健康と生活に配慮した多様な労働時間の設定を促す法律へ改められました。

現行法は、労働者が能力を有効に発揮できるようにし、健康で充実した生活と国民経済の健全な発展に役立てることを目的としています。

参考:厚生労働省|労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の施行について

労働時間等設定改善法が対象とする「労働時間等」

労働時間等の設定には、労働時間の長さだけでなく、休日数、年次有給休暇を与える時季、深夜業の回数、終業から次の始業までの時間などが含まれます。繁忙期と閑散期に応じた始業・終業時刻の設定や、年次有給休暇を取得しやすい環境づくりも対象です。

事業主には、こうした労働時間等の設定を改善するために必要な措置を講じる努力義務があります。法定労働時間を守るだけで終わらず、働く人の健康や生活上の事情に合う運用を検討する趣旨です。

参考:e-Gov法令検索|労働時間等の設定の改善に関する特別措置法

事業主に求められる主な取組

  • 業務の繁閑に応じて始業・終業時刻を見直す
  • 勤務間インターバルを設け、休息時間を確保する
  • 年次有給休暇を取得しやすい業務体制を整える
  • 健康上の配慮が必要な労働者に休暇などの措置を検討する
  • 育児・介護、単身赴任、職業訓練などの事情に配慮する
  • 労使で労働時間等について話し合う機会を設ける

取組は就業規則の変更だけで完了するものではありません。勤怠データから長時間労働や休暇取得の偏りを確認し、人員配置、業務手順、取引条件まで見直す必要があります。

参考:厚生労働省|労働時間等設定改善法について

勤務間インターバル制度との関係

勤務間インターバル制度は、前日の終業から翌日の始業までに一定の休息時間を確保する仕組みです。2019年4月から、労働時間等設定改善法に基づき、制度導入が事業主の努力義務となっています。

法律はすべての企業に一律の休息時間数を定めているわけではありません。導入する場合は、自社の勤務形態に合わせて必要な時間数、対象者、例外時の手続、翌日の始業を繰り下げる方法などを就業規則や労使協定で明確にします。

参考:厚生労働省|勤務間インターバル制度

取引先の労働時間への配慮

事業主は、他社との取引で著しく短い納期を設定したり、発注内容を頻繁に変更したりして、取引先による労働時間等の設定改善を妨げないよう配慮する必要があります。自社内の残業を減らすために、業務を受注企業へ一方的にしわ寄せする運用は避けなければなりません。

発注の締切、仕様変更の承認手順、追加費用の扱いを整え、繁忙期には早めに需要見込みを共有するなど、調達部門を含めた対応が必要です。

参考:厚生労働省|大企業・親事業者の事業主の皆様へ

労働基準法との違い

労働時間等設定改善法は、労使の自主的な取組を促す法律です。一方、労働基準法は、法定労働時間、休憩、休日、時間外労働、割増賃金、年次有給休暇などの最低基準を定めています。

フレックスタイム制や変形労働時間制を導入しても、労働時間の把握や割増賃金の支払いが不要になるわけではありません。柔軟な働き方を設計するときは、設定改善法上の趣旨と労働基準法上の要件を分けて確認します。

労働時間を見直すときの実務手順

  1. 勤怠の実態を集計する
    部署・職種・時期別に残業、休日労働、休暇取得、終業から始業までの時間を確認します。
  2. 長時間労働の原因を特定する
    人員不足、承認手続、会議、属人化、短納期発注などに分けて整理します。
  3. 改善策と目標を決める
    勤務制度の変更だけでなく、業務量や取引条件の改善も含めます。
  4. 労使で協議して規程を整える
    必要に応じて就業規則や労使協定を変更し、従業員へ周知します。
  5. 実施後のデータを確認する
    残業時間が減っても持ち帰り残業や未申告労働が増えていないかまで確認します。

時短促進法に関するよくある質問

時短促進法は現在も存在しますか?

当時の名称の法律は、2006年4月に労働時間等設定改善法へ改正されています。現在の制度を調べるときは、「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」を確認します。

育児のための短時間勤務を定めた法律ですか?

名称に「時短」とありますが、育児短時間勤務だけを定めた法律ではありません。育児のための所定労働時間短縮措置は、主に育児・介護休業法に基づく制度です。

勤務間インターバルの導入は義務ですか?

労働時間等設定改善法では、勤務間インターバル制度の導入は努力義務です。ただし、長時間労働による健康障害を防ぐ観点から、終業時刻と翌日の始業時刻を把握し、自社に合う休息時間を検討することが重要です。

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