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労働基準法

読み: ろうどうきじゅんほう 

労働基準法とは、賃金、労働時間、休憩、休日、年次有給休暇など、労働条件の最低基準を定める法律です。労働契約や就業規則で法律を下回る条件を定めても、その部分は無効となり、労働基準法の基準が適用されます。

雇用契約の成立から終了まで、企業の日常的な労務管理に広く関わります。違反には罰則が設けられている規定もあるため、人事部門だけでなく、管理職や経営陣も基本ルールを把握しておく必要があります。

参考:e-Gov法令検索|労働基準法

労働基準法が定める主なルール

労働条件の明示

使用者は労働契約を結ぶ際、賃金、労働時間、就業場所、業務内容、契約期間、退職に関する事項などを労働者へ明示します。書面または労働者が希望する一定の電子的方法で示すべき事項もあります。

賃金支払いの原則

賃金は、通貨で、労働者へ直接、全額を、毎月1回以上、一定の期日に支払うのが原則です。税金や社会保険料など、法令に根拠がある控除は例外となります。

労働時間、休憩、休日

法定労働時間は原則として1日8時間、1週40時間です。労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を労働時間の途中に与えます。休日は、毎週少なくとも1日、または4週間を通じて4日以上必要です。

時間外・休日労働と36協定

法定労働時間を超えて働かせる場合や法定休日に働かせる場合は、原則として36協定を締結し、所轄の労働基準監督署へ届け出ます。時間外労働の上限は原則として月45時間、年360時間です。特別条項を設けても、年720時間、時間外労働と休日労働の合計が単月100時間未満、複数月平均80時間以内などの上限を守らなければなりません。

年次有給休暇

雇入れから6か月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者には、原則として10日の年次有給休暇を付与します。年10日以上の年休が付与される労働者については、使用者が年5日の取得を確保します。

解雇予告と就業規則

労働者を解雇する場合は、原則として30日前に予告するか、不足する日数分の平均賃金を解雇予告手当として支払います。また、常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則を作成して労働基準監督署へ届け出なければなりません。

参考:厚生労働省|確かめよう労働条件 労働基準法

労働基準法が適用される労働者

契約書に「業務委託」と書かれていても、実態として事業者の指揮監督下で働き、報酬が労務の対価であるなど、使用従属性が認められれば労働基準法上の労働者に該当する可能性があります。契約名だけで判断はできません。

管理監督者など、一部の労働者には労働時間、休憩、休日に関する規定が適用されない場合があります。ただし、会社が管理職と呼んでいるだけで管理監督者になるわけではなく、職務内容、権限、勤務態様、待遇から判断します。深夜労働の割増賃金規定は管理監督者にも適用されます。

参考:e-Gov法令検索|労働基準法

企業が行うべき労務管理

労働時間を客観的に把握する

タイムカード、ICカード、パソコンの使用記録などを用い、始業・終業時刻を確認します。自己申告制を採る場合も、申告時間と入退館記録などに大きな差があれば実態を調べます。

36協定と実際の残業時間を照合する

36協定を届け出るだけでは足りません。事業場ごとの協定期間、限度時間、特別条項の発動回数を管理し、時間外労働と休日労働の合計も毎月確認します。

就業規則と労働条件通知書を更新する

法改正や制度変更があれば、就業規則、賃金規程、育児・介護休業規程、労働条件通知書をまとめて見直します。規程を変更した後は、届出だけで終わらせず、労働者がいつでも確認できる状態にします。

年次有給休暇の取得状況を管理する

基準日、付与日数、取得日数、残日数を労働者ごとに記録します。年5日の取得が期限間際に集中しないよう、途中で未取得者を確認する運用が現実的です。

参考:厚生労働省|時間外労働の上限規制

労働基準関係法制の見直し状況

厚生労働省の労働基準関係法制研究会は、勤務間インターバル、連続勤務、法定休日の特定、つながらない権利、週44時間特例、年次有給休暇などについて報告書を公表しました。その後、労働政策審議会で検討が続いています。

研究会報告書に書かれた案は、それだけで施行済みのルールになるものではありません。勤務間インターバルの時間数や連続勤務の上限などを、成立前の義務として就業規則へ書き込まないよう注意が必要です。企業は審議会資料と法案の提出状況を確認し、成立後に公布日と施行日を基準として対応します。

参考:厚生労働省|労働基準関係法制研究会の報告書を公表します

参考:厚生労働省|労働政策審議会 労働条件分科会

労働基準法でよくある疑問

就業規則と労働基準法ではどちらが優先されますか?

労働基準法が優先されます。就業規則のうち労働基準法を下回る部分は無効です。就業規則より有利な条件を労働契約で定めている場合は、労働契約法との関係も含めて確認します。

業務委託契約なら労働基準法は適用されませんか?

契約名だけでは決まりません。働き方の実態から労働者性が認められれば、業務委託契約という名称でも労働基準法が適用される可能性があります。

労働基準法違反が疑われるときはどこへ相談できますか?

労働者は、事業場を管轄する労働基準監督署や労働条件相談ほっとラインなどへ相談できます。企業側は、事実関係と勤怠記録、賃金台帳、就業規則を整理し、必要に応じて弁護士や社会保険労務士へ相談します。

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