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企業法務の用語集
試用期間とは、採用した従業員の能力や適性、勤務態度などを確認し、本採用後も雇用を続けるかを判断するための期間です。試用期間中でも労働契約は成立しており、企業が自由に契約を終了できるわけではありません。
試用期間は、一般に、企業が一定の解約権を留保した労働契約と捉えられています。最高裁判所の三菱樹脂事件判決も、試用期間付きの雇用契約について、解約権留保付きの労働契約として扱いました。
本採用拒否は、この留保された解約権の行使に当たります。ただし、採用後に判明した事実などを踏まえ、引き続き雇用することが適当でないと判断することに客観的な合理性があり、社会通念上も相当といえる場合に限られます。
参考:裁判所|裁判例検索
試用期間の長さに法律上の一律の上限はありません。ただし、従業員を不安定な立場に長く置く設定は、合理性が問題になるおそれがあります。業務の習熟に必要な期間を踏まえて設定し、就業規則や労働条件通知書、雇用契約書に期間を明記しておくことが大切です。
あわせて、担当業務、指導体制、評価項目、本採用の判断時期も具体化しておくと、企業と従業員の認識のずれを防ぎやすくなります。
試用期間中も労働者であるため、最低賃金、割増賃金、休憩・休日などの労働法令が適用されます。本採用後より賃金を低くする場合は、その金額と適用期間を採用時に明示し、最低賃金を下回らないようにしなければなりません。
健康保険、厚生年金保険、雇用保険も、「試用期間だから」という理由だけで加入対象外にはなりません。それぞれの加入要件を満たす場合は、入社時から手続きが必要です。有給休暇の継続勤務期間を数える際も、原則として試用期間を含めます。
参考:厚生労働省|労働契約(契約の締結、労働条件の変更、解雇等)
企業は、職務能力、業務への適性、勤怠、規律遵守など、職務に関係する基準で評価します。期待する水準に達していない場合は、問題点を本人に具体的に伝え、必要な指導や改善の機会を設けることが重要です。
評価結果だけでなく、指導日、伝えた内容、本人の説明、その後の改善状況を記録しておきましょう。抽象的な印象や上司との相性だけでは、本採用拒否の合理性を説明しにくくなります。
試用期間中の解雇や期間満了時の本採用拒否にも、労働契約法16条の解雇権濫用法理が及びます。客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は無効です。
能力不足を理由にする場合は、採用時に求めた能力、実際の業務状況、教育・指導の内容、改善の可能性などを総合的に検討します。経歴詐称や勤怠不良があっても、その内容や業務への影響、本人への確認を経ずに直ちに本採用を拒否できるとは限りません。
試用期間中の従業員を採用から14日を超えて引き続き雇用した後に解雇する場合、原則として30日前の解雇予告が必要です。予告をしない場合は、30日分以上の平均賃金に相当する解雇予告手当を支払います。14日以内であれば解雇予告制度の例外に当たりますが、合理的な理由なく解雇できるという意味ではありません。
参考:厚生労働省|社長から突然解雇を告げられました。労働基準法上問題はない?
当初の期間だけでは適性を判断できない事情がある場合でも、企業が一方的に何度も延長するのは適切ではありません。就業規則や雇用契約書に延長の根拠、期間、対象となる事情を定め、個別の延長に合理的な必要性があるかを確認します。
延長する場合は、当初の試用期間が終わる前に、理由、延長期間、改善してほしい点、判定日を本人へ説明し、書面に残しておくとよいでしょう。
従業員は、試用期間中でも退職を申し出ることができます。退職の時期は、期間の定めの有無、雇用契約や就業規則の内容によって扱いが異なります。企業は、申出を拒む前に契約内容を確認し、退職日や引継ぎについて本人と調整してください。
6か月という長さだけで直ちに無効になるわけではありません。ただし、業務の適性を判断するために必要な期間か、従業員へ事前に明示しているかを確認する必要があります。合理的な理由なく長期間に設定することは避けましょう。
できません。試用期間中でも労働契約は成立しています。本採用拒否や解雇には客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が求められ、採用から14日を超えていれば解雇予告または解雇予告手当も必要です。
試用期間であることだけを理由に加入を遅らせることはできません。従業員が健康保険、厚生年金保険、雇用保険の加入要件を満たす場合は、原則として入社時から手続きします。
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